はじめに
自分で作ったキャベツは特別な美味しさがある!
サラダや肉料理の付け合わせから、メインのお料理まで幅広く活躍するキャベツ。栄養価も高く、食卓には欠かせない野菜ではないでしょうか。そんなキャベツは、家庭菜園でも時期を選べば比較的簡単に育てることが可能です。採れたてのキャベツは食感が良く、とても瑞々しくて美味しいです。今回はキャベツの育て方について、種まきや苗の植え方、追肥など詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
キャベツとは
アブラナ科の代表種
キャベツはアブラナ科アブラナ属の野菜ですが、豊富にあるアブラナ科の野菜の中でも代表的な存在です。キャベツの原種は古代ギリシャ時代から栽培し、食べられていたと考えられ、日本には幕末に伝わってきたとされています。その後徐々に栽培と品種改良が進められ、太平洋戦争後に普及したとされています。
キャベツの栄養
キャベツには、ビタミンCとビタミンU、カルシウムなどが特に多く含まれているされています。ビタミンUには胃の粘膜を修復し、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの予防に効果があるとされています。また、イソチオシアネートと言う栄養成分を含み、がん予防に効果があるとされています。キャベツは非常に栄養価が高いため、積極的に食べたい野菜の1つです。
キャベツの品種
冬キャベツ
冬キャベツは夏の時期に種まきをし、冬に収穫する品種です。一般的に多くの方が想像するキャベツがこの品種に当たります。甘みがあるため、生でも美味しく食べられますが、葉っぱがやや硬いため火を通して食べるのがおすすめです。火を通すことで甘みが増し、より美味しく食べることができます。
春キャベツ
秋に種まきをして、春に収穫する品種で、別名、新キャベツとも呼ばれています。葉っぱがふんわりと巻いているのが特徴です。水分を多く含み、葉は柔らかく、サラダや酢漬けなど生食で食べるのがおすすめのキャベツです。
グリーンボール
やや小型で、まん丸とした形が特徴のキャベツです。冬キャベツと、春キャベツのちょうど中間のような品種で、生食でも火を通しても美味しく食べられる品種です。栄養素が他の品種より沢山含まれているものが多く、健康野菜としても注目されています。
紫キャベツ
名前の通り、紫色の葉っぱをしたキャベツです。大きさはやや小ぶりで、その色合いの美しさからサラダや酢漬けなどにして食べられています。葉っぱの紫色はアントシアニンに由来するもので、デザートなどの着色料としても利用されています。
サボイキャベツ
ちりめんきゃべつとも呼ばれる品種で、その名前の通り、葉っぱがちりめん状になっているのが特徴です。他の品種に比べて繊維質で、生で食べると硬くて食べづらいです。そのため、煮込み料理に使用され、煮込むことでより甘みも増して美味しく食べることができます。こちらのキャベツはスーパーでは見かける機会も少ないです。だからこそ、家庭菜園で育てるのがおすすめ!
キャベツの育て方①:種まき(苗づくり)
種まきの時期
キャベツは冷涼な気候を好む野菜ですが、現在では様々な品種が開発され、品種を選ぶことで1年中種まきが可能です。その中でも初心者の方におすすめなのは8~9月の夏の終わりから秋にかけてです。この時期に種まきをすると、苗が育つ頃には涼しくなってきて、害虫が少なくなり、育てやすい時期となります。もちろん、害虫対策をすれば、ご自身の都合がいいタイミングで種まきをしても大丈夫です。
種まきの仕方
苗の量が少ない場合は3号程度のポリポット、多量の場合はセルトレイに種まきするのがおすすめです。それぞれ市販の種まき用土を入れて種を2~3粒ずつまきましょう。鉢底から水があふれるまで水やりをし、濡れた新聞紙をかけて発芽を待ちます。夏場は涼しい場所に、冬場は暖かい場所に置いて、発芽するまでは毎日水やりをし、乾燥しないように注意しましょう。
発芽後の管理
全体の3割くらいが発芽したら新聞紙を外しましょう。新聞紙をかけたままでは徒長の原因となるため注意しましょう。水やりは発芽前と同じく毎日して、乾燥を防ぎます。暖かい時期は苗にも害虫が近づくため、防虫ネットをかけて対策をしましょう。
キャベツの育て方②:土づくり
苦土石灰をまく
キャベツはあまり酸度が強い土壌ではうまく成長することができません。そのため、事前に苦土石灰をまいて酸度の調整を行いましょう。目安として、1㎡あたり100gの苦土石灰をまいてよく耕しましょう。植え付け直前にまいてしまうと、反対に生育を阻害してしまうため、植え付けの約2週間前までには行います。
肥料を多めに施す
キャベツは沢山の肥料を吸収する野菜のため、植え付け前にしっかりと元肥を施しましょう。1㎡あたり1kgのたい肥と、100gの化成肥料をまいてしっかりと耕しましょう。こちらも苦土石灰と同様、植え付けの直前では影響があるため、植え付けの1週間前までには終わらせましょう。また、前作で肥料をたくさんまいている場合は、肥料の量を少し減らしても大丈夫です。
マルチを張る
雑草対策や、加湿や過度の乾燥を防ぐためにもマルチを張りましょう。まず、幅100cm、高さ5cmの畝と立てます。表面をなるべく平らにし、黒色マルチか、シルバーマルチを張ります。シルバーマルチであれば、アブラムシ除けにもなるため効果的です。
キャベツの育て方③:苗の植え付け
植え付けの間隔
スーパーで見かけるキャベツは、中心部分だけですが、実はキャベツは外葉が広がり、思いのほか大きく育ちます。そのため、しっかりとした株間をあけて植え付けをする必要があります。基本的には株間は50cm開けて植え付けをします。場所に余裕があればもう少し広くしても大丈夫です。反対に株間が狭いと大きく成長できなくなってしまうので注意しましょう。
苗の植え方
苗が育ち、本葉が4~5枚に育ったら植え付けをします。苗の植え方の基本は、ポットの土の形を崩さないことです。ポットから苗を取り出すときや、畑に植え付ける際はなるべく丁寧に取り扱いましょう。まず、畑の土にポットと同じ大きさの穴を開けます。ポットから苗と取り出して穴に埋め、手のひらでしっかりと鎮圧をしましょう。最後にたっぷりの水をあげましょう。
レタスとの混植
キャベツの天敵であるモンシロチョウは、キク科の野菜を嫌います。そのため、キャベツと一緒にキク科のレタスを混植すると、アオムシの食害を減らすことができます。植え方は基本的に一緒で、キャベツの間に適度にレタスを植え付けて下さい。混植をしても特別なことは必要なく、適期になればレタスを収穫しましょう。確実に被害を抑えるわけではないですが、家庭菜園ならではの裏技です。
防虫ネットを張る
苗の植え付けをしたら、防虫ネットを張って害虫対策を行いましょう。キャベツは芯を食べられると、結球しなくなってしまいます。また、葉っぱを食べられてしまうと、その後の成長に影響が出るため、必ず防虫ネットを張りましょう。特に春から夏の時期は害虫が多いため、侵入する隙間ができないようしっかりと管理することが大切です。
キャベツの育て方④:追肥
1回目の追肥
苗を植え付けて、20日ほど経過し、本葉が10枚ほどに成長したら1回目の追肥を行います。化成肥料を1株に対して1つかみを目安に与えます。苗の周りを取り囲むようにまきますが、苗には直接肥料が触れないように注意しましょう。
2回目の追肥
1回目の追肥から20日程度経過したら2回目の追肥を行います。順調に育っていれば、この頃から結球が始まる時期です。1回目と同じように、1株に対して1つかみの化成肥料を与えましょう。1回目と同じく、苗に直接肥料が当たらないように注意してください。
キャベツの育て方⑤:日々の管理
土寄せ
キャベツは重心が高いため、強い風が吹くと、あおられて苗が揺れてしまいます。苗が揺れると根が傷み、ストレスが生じてその後の成長にも影響が出てしまいます。そのため、定期的に土寄せをして株本をグラつかないようにさせましょう。決まったタイミングはありませんが、追肥のタイミングに合わせて施すと効果的です。
害虫対策
キャベツはアオムシや、ハイマダラノメイガ、ハスモンヨトウムシの被害にあいやすいです。まずは害虫を寄せ付けないようにするために、防虫ネットを設置しましょう。それでも隙間などから侵入されてしまうこともあるので、万が一見かけたら捕殺しましょう。市販の殺虫剤を用いることで防除できるため、併用するのがおすすめです。
病気対策
キャベツは比較的病気に強い野菜ですが、その中で軟腐病には注意をしましょう。軟腐病は高温多湿の時期に発症しやすくなります。なるべく水はけの良い環境を作りましょう。また、軟腐病は野菜の傷口から菌が侵入することで発症します。土寄せなどを行う際はクワでキャベツを傷つけないようにしましょう。
キャベツの育て方⑥:収穫
固くなったら収穫
レタスの球が大きくなり、手で押して硬くなってきたら収穫の時期です。株の根元を包丁で切って収穫をしましょう。収穫が遅れると、葉が硬くなってしまったり、球が割れて食べられなくなってしまうため、収穫の適期を逃さないように注意しましょう。
脇芽も育ててみよう
キャベツは本来多年草の植物です。そのため、収穫後にそのまま栽培すると、新たな脇芽が出てきます。脇芽は複数出てきますが、成長の良い一つを残して育てると、徐々に大きく成長していきます。最終的に、通常のものよりは小ぶりですが、キャベツとして収穫できるようになります。家庭菜園ならではの楽しみ方です。
まとめ
以上、家庭菜園でのキャベツの育て方について紹介しました。キャベツの栽培のコツは、植え方と害虫対策です。植え付けは気を付けて行えばそれほど難しくありません。害虫対策は念には念を入れて対策をしてみて下さい。採れたてのキャベツはとても瑞々しく、スーパーで購入するものとは違った美味しさがあります。育てた人だけの特権ですので、ぜひ新鮮なキャベツを味わってみて下さい。
キャベツの育て方が気になる方はこちらもチェック!
今回は家庭菜園でのキャベツの栽培についてご紹介しましたが、その他にも様々な野菜の栽培について、詳しく紹介した記事が沢山ありますので、気になる方はぜひチェックしてみて下さい。
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