ムクゲってどんな花
ムクゲは夏、南国のハイビスカスのような花を咲かせる落葉低木です。品種も多く、花形や花色も豊富です。真夏の太陽の下、樹木いっぱいに次々に咲き続ける花は私たちに元気与えてくれますね。ムクゲは奈良時代に中国からもたらされた丈夫な花木(かぼく)で、庭木や生垣、街路樹としても利用されています。
ムクゲの基本情報
科・属:アオイ科 フヨウ属
原産地:中国
学名:Hibiscus syriacus
ムクゲの花は大きくて多彩
花の大きさは10cm~20cmほどで、花の色は白、赤、ピンク、藤色など、白から紫まで多彩な品種があります。また1つの花に複数の色が含まれている複色も最近人気を集めています。
ムクゲの品種は3つに大別される
優雅な「一重咲き」と、華やかな「八重咲き」、一重咲きの内側に一回り小さな八重咲がある「半八重咲」などの品種があります。その他にも海外から来た多様な品種が出回っています。
ムクゲの開花時期と咲き方
開花の時期は6~10月頃までですが、ムクゲは一日咲きと言って咲いた花はその日のうちに散ってしまいます。ですが、また次々に咲き続け、初夏から秋までの長い時期花を楽しむことが出来ます。
ムクゲの花言葉
花言葉1 「新しい美」
「新しい美」の花言葉の由来は、ムクゲは一日花と言われ今日咲いた花はその日のうちにしぼんでしまいますが、また次々に新しい花が咲くことから来ていると言われています。
花言葉2「信念」
「信念」の花言葉はムクゲの学名がタチアオイと言われていた時代に、ムクゲがシリアから十字軍によって運ばれてきた事から、その十字軍にちなんで「信念」の花言葉が生まれたと言われています。
その他の花言葉
「尊敬」「繊細な美」「デリケートな愛」などがあります。「尊敬」という花言葉はお世話になっている方へ送るにふさわしい花言葉ですね。「繊細な美」「デリケートな愛」は一日花と言われているムクゲのイメージから生まれたようです。
花名の由来
花名のムクゲは、中国での名称は「木槿」で「もくきん」と読みますが、中国語でムーチンやムージンと発音されていました。それが徐々に変化して、ムクゲとなったといわれています。
ムクゲの育て方①品種
花の咲き方で大別
ムクゲは奈良時代から活発に栽培が行われ、非常にたくさんの品種がありますが、花の咲き方で「一重咲き」「半八重咲き」「八重咲き」と3つに大別されています。
一重咲きの仲間
オーソドックスな一重咲きですが、花の色や、花びらの形が違う品種が数多くあります。代表的な3品種をご紹介します。
「ムクゲ・大徳寺白」
「ムクゲ・大徳寺白」は涼し気な白色の一重咲き品種です。
「ムクゲ・日の丸」
「ムクゲ・日の丸」は白い花弁の中心に赤色の花が咲く一重咲き品種です。
「シハイ(紫盃)」
「シハイ(紫盃)」は趣のある薄い紫色の花弁を持つ一重咲き品種です。
半八重咲きの仲間
花弁の内側にさらに花弁があり、外側より内側の花弁の方が小さい品種が半八重きです。内弁の枚数や形と外弁の枚数で、さらに祇園守咲き、花笠咲き、バラ咲きに分類されます。
「シロハナガサ(白花笠)」
外側の花弁と内側の細い花弁が見事に調和した純白の半八重花笠咲き品種です。
「ピンク・デライト」
薄いピンク色の花弁が優しい、半八重のバラ咲き品種。
「ルーシー」
ピンクの花弁が華やかな、半八重のバラ咲き品種です。
「ムクゲ・鳥取花笠」
薄いピンクから濃い赤紫色まで多彩な色合いがある可愛らしい半八重咲品種です。
八重咲きの仲間
内側の花弁が外側の花弁と同じ大きさか、内側の花弁が大きい品種が八重咲きの品種です。内側の花弁の付き方や長さの違いで、乱れ咲きや、菊咲き、ポンポン咲きなどに分類されます。
「ポンポン・ルージュ」
八重の花弁が牡丹のような華やかなポンポン咲き品種です。他にも「ピンクデライト」や菊咲きの「ビコロル」など数多くの八重咲き品種があります。
背の高い品種ラバテラ
「ラバテラ・バーンズレイ」
草丈が2mまで伸び、枝も四方に茂ります。優しいピンク色の花を咲かせます。
「ラバテラ・ブラッシング・ホワイト」
「ラバテラ・バーンズレイ」の枝の部分の突然変異で枝変わりした品種です。花の色はピンクにはならず白いままという所が特徴です。
ムクゲの育て方②植え替え
ムクゲの植え替えの時期や方法
鉢植えの時期も地植の時期も落葉期の12月~3月の時期が良いといわれていますが詳しく見ていきましょう。
鉢への植え替え
鉢植えの場合には、同じ落葉期でも冬の時期よりも少し暖かくなった3月頃が適期です。根鉢より1~2回り大きな鉢に植え替えますが、鉢の土にピートモスや腐葉土などを混ぜ込んでおきます。根鉢をできるだけそのままの状態で、土を崩さないように注意深く植え替えます。
庭への植え替え
庭への植え替え時期も、花がすっかり咲き終った11月~12月と2月~3月頃までが最適な時期です。水はけのよい土地に根鉢よりも1~2回り大きな穴を掘り、その中にピートモスや腐葉土、完熟堆肥などをしっかり混ぜ込んでおきます。植え替え後は、鉢植えも、地植えも根鉢の周囲にたっぷりと水を与えて下さい。
ムクゲの育て方③剪定の時期と方法は?
真夏に花を咲かせるムクゲは日の当たる場所が大好きで、樹高は3~5mくらいまで伸びます。丈夫で芽吹く力も旺盛、新しい梢の枝先に品種によって様々な色や形の花を咲かせますので自分好みの花を育てる楽しみもあります。きれいな花を咲かせるための剪定方法などを見ていきましょう。
ムクゲの剪定時期は11~3月がベスト!
ムクゲは冬、幹と枝だけの状態になるので、剪定に最も適した時期と言えます。また春に伸びた枝に花芽をつける為、休眠期はまだ花芽が形成されておらず、切り落とす心配もありません。その点でも11~3月が剪定に適していて、強剪定も可能です。ムクゲは芽吹く力が強いのでどの枝を切り戻しても花を咲かせてくれます。大きくなる樹形を見通し、伸びすぎたり混み合っている枝を中心に、元から切り落としていきましょう。
夏に伸びすぎた時の剪定は要注意!
葉が茂っている夏場に太い枝を切り落とすと、その部分から枯れていく恐れがあります。また刈り込みをたくさんするほど小枝も多く生えてきます。夏場の剪定はやりすぎるとムクゲが弱ってしまう可能性もありますので、この時期の剪定は樹形を崩す枝や、強力に伸びてくる徒長枝を切り取る程度にしましょう。
ムクゲの習性を知る
ムクゲは成長すると上へ上へと伸びて行き、下端部の枝が枯れていく習性があります。この場合下端部の枝を切り詰め新しい枝が出てくるようにしてあげましょう。
ムクゲの育て方④挿し木の時期と方法は?
ムクゲの増やし方①挿し木
ムクゲの増やし方は2通りあり、1つは種蒔での増やし方、もう1つは挿し木での増やし方がありますが、ここでは増やし方が簡単な挿し木で増やす方法をお伝えしていきます。
ムクゲの増やし方②挿し木の時期
挿し木を行う時期によって呼び方が違います。
「休眠枝ざし」
休眠枝ざしは落葉期の終わり頃で、まだ新芽が出る前の3~4月頃に行う増やし方です。
「緑枝(りょくし)ざし」
緑枝ざしは新芽が伸びて新しい枝になりますが、その枝が堅くなる前の5~6月と、堅くなった9月下旬~10月頃に行う増やし方です。
ムクゲの増やし方③挿し木の方法
休眠枝ざし
①前の年に伸びた枝を長さ10~15㎝ほどにカットしたものを用意します。
②20分ほど水につけます。
③赤玉土(小粒)や鹿沼土サイズの土、または市販の挿し木用土を用意し、葉が触れ合わないよう間隔をあけて挿していきます。
④日当たりがよい軒下のなどで管理し、翌年の3月頃に定植します。
緑枝ざし
その年に伸びた、葉を4枚つけた枝を用意しますが、挿し木の方法は休眠枝ざしと同じになります。発根してきたら鉢に植え替え、日当たりのよい場所で管理します。
ムクゲの育て方⑤水やりと肥料の与え方
ムクゲのお手入れ①水やり
それでは、ムクゲに水やりをしていく具体的な手順について見ていくことにしましょう。
地植えへの水やり
ムクゲは地植えをして、しっかり根付いてしまえば水やりはほぼ必要ありません。降雨だけで充分です。しかし真夏に日照りが続き乾燥状態が続いた時にはたっぷりと水やりをして下さい。
鉢植えの水やり
鉢植えの土の表面が乾いたら鉢の底から水が流れるまでたっぷりと与えます。夏場は特に乾きやすいので様子を見て朝晩与えても良いでしょう。休眠中の冬は乾燥気味にして管理してください。
ムクゲのお手入れ②肥料
ムクゲへの肥料は夏冬問わず、いずれの時期も即効性よりも暖効性が有効的です。
寒肥
落葉期の12月~2月頃に緩効性肥料や有機肥料の油粕などを与えます。寒肥を与えることで新芽や花芽のつきが良くなり、健やかな成長が期待できます。休眠中なので即効性や強い成分の肥料は避けましょう。
追肥
開花時期の6月~10月に寒肥と同じ暖効性肥料か有機肥料を与えますが、夏の開花中の施肥は少なめにします。
ムクゲの育て方⑥注意する病気や害虫は?
ムクゲは真夏の太陽の下で次々に咲き続ける夏の花、おまけに寒さにも強く北国でも地植えが出来るほど強く丈夫なので、きちんとお手入れしてあげればムクゲはほとんど病気にかかりません。ですがその反面害虫が付きやすい植物です。その対策やお手入れ方法を見て行きましょう。
ムクゲのお手入れ③害虫と駆除方法
アブラムシ
アブラムシは春から夏の時期に多く発生し、新芽や葉の裏などに棲みつき、汁液を吸いとってムクゲを弱らせます。それだけでなくウイルス病を媒介し、ムクゲの生育を妨げたり枯らしたりしてしうのでとても厄介な害虫です。見つけ次第すぐ殺虫剤などで駆除しましょう。風通しを良くし、日がよく当たるようにしてあげる事も予防になります。
ハマキムシ
ハマキムシは4~11月頃に発生し、葉を巻いたりつづったりしてその中に潜み、葉っぱや新芽を食べるので植物は光合成が出来なくなり、生育が遅れてしまいます。見つけたらすぐ薬剤で駆除しますが、葉っぱの中に潜むため散布する薬剤は効果が得られないのでハマキムシが葉を食べた時に効果が表れる浸透移行性の薬剤を使用するのが良いでしょう。
カミキリムシ
カミキリムシの幼虫が枝や幹に侵入して中を食害するため、ムクゲに元気がなくなり、枝が枯れたり樹全体が枯れたりします。侵入口の穴を見つけたら針金で刺したり薬剤を入れて駆除します。
ムクゲの育て方⑦置き場所・用土・管理温度
ムクゲのお手入れ④置き場所
ムクゲは丈夫な花木でどこでも育ちますが、日向を好み、日当たりのよい場所ではよりたくさん花をたくさん咲かせてくれます。また上に伸びる性質があり、横にはあまり広がりませんので狭い場所でも育てることが出来ます。つまり、狭くても日の当たる場所が理想的です。また成長が早いので鉢植えよりは地植えが向いていると言えます。
ムクゲのお手入れ⑤用土
ムクゲは日あたりが良ければ、あとは水はけの良い土壌があれば土質を選ばずすくすくと育ってくれますが、さらにひと手間のお手入れとして腐葉土を混ぜてあげると水持ちがよくなり夏場の乾燥を防ぐことが出来てベストです。
ムクゲのお手入れ⑥管理温度
日当たりと水はけ、水持ちの3つの条件が満たされていれば管理温度は気にしなくても大丈夫です。
まとめ
真夏の太陽の下、美しい花を咲かせるムクゲのお話、いかがでしたか。奈良時代から人々に親しまれ多くの歌人もムクゲに魅了されてきました。「それがしも其(そ)の日暮らしぞ花木槿」ムクゲの花が1日で萎んでしまう事に例えて小林一茶もこのように詠んでいますが、毎日新しい花を咲かせる強くて丈夫な花木でもあります。初心者でも容易に育てることが出来ますのでぜひ、好みのお花を育ててみてはいかがでしょう。
他の植物の育て方や花言葉が気になる方はこちらもチェック!
素敵な花言葉を知るとその花により親しみがわいて、育ててみたくなるかもしれませんよ。

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