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アカマンボウとは?実は回転寿司でも食べられている魚の特徴や食べ方を解説!

アカマンボウなるお魚がいることをご存じでしょうか。深海に棲む巨大な平べったい魚で、食べるととても味の良いお魚です。今回はそのアカマンボウの美味しい食べ方はもちろん、実は100円寿司や回転寿司などでもネタとして使われているアカマンボウの真の姿をご紹介いたします。
更新: 2021年3月16日
kuma10
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アカマンボウを見たことがありますか?

実際にアカマンボウを目にしたことのある方は少ないと思います。

なぜならアカマンボウを専門に漁獲する船がないこと、世界中の海域に生息はするけれど生活圏が人目に触れる場所にないこと、最大2m240kgにもなるため丸のままの流通が難しいことなどがあげられます。

体型は銀色の円盤型で、顔の周りから体の周囲にかけて赤みが掛かり、水揚げ後は全体に赤みが差します。胸ビレ・腹ビレとも長く発達していて泳ぎながらの生活がうかがえます。

アカマンボウの生態

マンボウの仲間?

アカマンボウという名前は付いていますが、実はマンボウの仲間ではありません。アカマンボウ目アカマンボウ科の独立した種です。平べったくて大きいことからマンボウの仲間のような名前が付きました。

アメリカではランキングまで付けてスポーツ釣魚として扱っている地域(サンディエゴ周辺)もありますが、ごく僅かです。マンボウとの違いは尾ビレがあることでも明らかですね。ちなみにマンボウはフグの仲間です。

アカマンボウは何の仲間?

アカマンボウが独立した種であると書きましたが、近縁種はいます。それが「リュウグウノツカイ」です。姿形は似ても似つかないのですが、体色の赤の入り方と顔の形が良く似ています。

巨大地震の前触れで深海から上がって来ると言われているリュウグウノツカイと近縁種なので、アカマンボウも水深500mほどの深海が棲家であると言われています。まだまだ謎の多い魚です。

アカマンボウの生息域など

深海が棲家のアカマンボウは、世界中の熱帯から温帯の深い海に生息している肉食魚です。別名をマンダイと言います。肉食性であっても深海の冷たい水の中では生活がしにくそうですが、実はアカマンボウは魚類で唯一体温調節のできる魚なんです。

エラと心臓の間に海水で冷やされた血液を温め直す器官があり、周りの海水温よりも5度ほど体温を上げておくことができます。鳥類や哺乳類と同じシステムで体温調節をしているんですよ。

アカマンボウの使われ方

回転寿司の100円ネタ

Photo by zenjiro

アカマンボウがマグロの代用品として使われ始めたのはかなり古く、すでに40年ほど前には関東では「ネギトロはアカマンボウ」と言われていました。当時は偽物の扱いでしたが、最近では混合していることを隠していません。100円寿司や回転寿司などでは100%アカマンボウのネギトロもあります。

回転寿司でも大人気


アカマンボウは別名を「マンダイ」と言い、最近ではマグロの偽物から格が上がりそのまま寿司ネタとして扱われています。ネギトロになる前半身に比べ後半身は身が白く、昔はそれこそカジキの偽物として出回っていました。

沖縄では伝統的にマンダイとして食べられていたようで、スーパーなどでは普通にパック詰めされて売られています。回転寿司の100円ネタとして全国的に「マンダイ」の名前で最近では見かけるようになりました。

アカマンボウの食べ方①「生食」

ネギトロ

アカマンボウは部位によって身の色や味、食感が違う魚です。実際に捌いてみないと分からないのですが、後半身の腹側が硬い脂身、背中がピンクの白身、前半身が赤身になります。胸に板状の骨があり、その中の身は繊維がぼろぼろの赤身になります。

前半身はまったくマグロの赤身に味も似ていますので、この部分にラードや植物油を混ぜて叩いてみましょう。回転寿司の100円ネタの代表「ネギトロ」のできあがりです。

お刺身

アカマンボウの背身と前半身は立派なお刺身になります。背身はカジキマグロのようなお刺身。前半身はマグロの赤身のお刺身にそっくりです。

マグロの偽物ではなく「マンダイのお刺身」として成立しますが、いまだに100円寿司などでは「マグロ赤身」として出しているところもあるほどです。実際に食べてみるとその美味しさに驚きますよ。

アカマンボウの食べ方②「焼き物」

照り焼き

アカマンボウの背身はカジキマグロに似ていることから焼き物として使うことが多いようです。白みそとみりん、砂糖を混ぜたものに漬け込んで焼く「西京焼き」や、照り焼きのタレを絡めた「照り焼き」は上品な旨味が楽しめますが、少しパサつく難点もあります。

塩焼きにしてもいただけますが、多少タレなどでパサつきを抑えられる照り焼きはおすすめです。

ムニエル

「焼き」でパサつく魚を美味しくいただく大定番が「ムニエル」です。アカマンボウの切り身に薄く塩胡椒をして、小麦粉を薄くはたいたらフライパンでじっくり焼いていきます。大さじ1ほどのオリーブオイルをフライパンで温めたら、バターを20g投入します。

バターが溶けたら切り身を焼いていきます。バターだけで焼こうとすると焦げやすくなりますから気を付けて下さいね。身に入った油分がアカマンボウを一層美味しくします。

アカマンボウの食べ方③「揚げ物」

唐揚げ


アカマンボウを寿司ネタや焼き物などいろいろな食べ方で楽しんだあと、切れ端を集めて唐揚げを作りましょう。ショウガ醤油に漬け込んで「竜田揚げ風」にしてもよし、塩胡椒に片栗粉をまぶしてカラッと揚げるもよし。

油で揚げると身が締って少し固い印象になりますが、中はホクホクジューシーに仕上がります。少し濃いめの味付けが美味しいですよ。

フライ

アカマンボウはマンダイという名前で100g100円程度で購入できる安価で美味い魚です。しかし普通は切り身でしか手に入りません。お刺身用の柵以外はパックに「フライ用」とステッカーが貼ってあることが多いのですがフライが本当に美味しい。

塩胡椒した切り身に薄く小麦粉をはたいたら溶き卵にくぐらせ、パン粉を付けて揚げていきます。カリッと揚がったらできあがりです。外カリ中じゅわ、上品な白身魚フライです。

アカマンボウの食べ方④「温食」

煮付け

アカマンボウの腹身は硬い脂肪でできています。

お刺身にはちょっと厳しいのですが、火を通すととても美味しくいただけます。ぶ厚い腹身をブツに切って湯通しします。冷たい水に取ったら細かいウロコやヌメリ、汚れをきれいに掃除して、塩茹でか薄めの醤油煮にします。

醤油大さじ1、ミリン大さじ1、砂糖小さじ1、に酒と水を混ぜたもの150cc位の割合で良いと思います。皮目に飾り包丁を入れてダシが滲みるようにしましょう。

お茶漬け

温めていただく食べ方をもう一つ。アカマンボウの背身や腹の赤身はカジキマグロやホンマグロに良く似ています。刺身に軽く塩を振って水分を拭き取ったらご飯の上に乗せてお茶漬けにしてみましょう。

偽物扱いはしたくありませんが、まるで「マグロ茶漬け」を食べているようです。醤油とミリンに20分くらい漬け込んで「ヅケ茶漬け」にしても美味しいですよ。寿司ネタやネギトロに取った余りをお茶漬けで食べてみましょう。

アカマンボウの寄生虫は?

マンボウの仲間は寄生虫だらけ

アカマンボウが100円寿司のネギトロだと聞いた40年前。「寄生虫に注意しなければいけない」と思いました。当時はアカマンボウもマンボウの仲間だと思われていましたし、時々揚がる「マンボウ」が寄生虫だらけなのを何度も目撃していましたから。

実際にマンボウと寄生虫の関係を調べてみるとよく着く寄生虫はアニサキスやウオジラミ、ノエやノチョウなどらしいですが、1匹のマンボウから40種類もの寄生虫が発見されたこともあるそうです。

アカマンボウは寄生虫の報告ほとんど無し

実際には先に述べた通りアカマンボウとマンボウは全く別種の魚です。アカマンボウの寄生虫について調べてみましたがまったく報告例がありません。

今のところアカマンボウによる食中毒なども報告されていないことを考えると「深海の冷水」に住んでいるため寄生虫が着きにくいのだろうと考えられます。

もちろん寄生虫のいない魚は無いと言われていますからこれから出るかもしれませんが、それよりもアカマンボウの栄養価の方に注目した方が良さそうです。

アカマンボウの栄養価


現在アカマンボウの栄養価についての研究が進められています。もちろんタンパク質や脂質などの栄養成分も豊富なのですが、疲労抑制栄養成分の「バレニン」が発見されたことによりその栄養価に注目が集まっています。

バレニンは「最後の抗酸化成分」とも呼ばれ、今まではクジラ肉からしか摂取できない栄養成分だと言われていました。ところがそのバレニンがアカマンボウから発見されました。それもクジラの3倍量もの含有量が確認されました。

安価で高栄養素のアカマンボウはこれからまだまだ注目されそうですね。

アカマンボウの入手方法

丸ごとはなかなか難しい

漁獲されるアカマンボウはほとんどが30kgから50kgと大型の物ばかりです。なかなか丸のままでは流通経路に乗りにくく、1匹をそのまま手に入れることは難しい魚です。今回の記事などを読んで「丸ごと手に入れて確かめたい」と思われる方もおられるでしょう。

魚市場やお魚屋さんにお知り合いがおられれば注文しておくのが一番かと思いますが、丸ごとが手に入れたければ後は釣り船でご自分で釣ってみるのも楽しいかも知れません。

マンダイ名でパック売り

現実的には切り身や柵にしたものをパック詰めしたものを入手するのが一般的です。特に沖縄では普通にお魚屋さんで「マンダイ」の名前で各種の切り方の物が売られていますし、最近では全国のスーパーなどでもちらほら売られています。

回転寿司のネタとしても「マンダイ」として回転している所もありますので、見かけたらぜひ手に取ってみて下さい。

機会を見付けてアカマンボウを食べてみよう!

アカマンボウは1匹の中で部位によって味や見た目の異なる魚です。ネギトロや刺身などに適した部位や焼き物に適した部位、煮物に適した部位などそれぞれですが、どんな食べ方でも美味しい魚です。

昔の「マグロの偽物」のイメージはすでに無くなり、新たな栄養素も発見されました。まだ口にしていないという方は、ぜひ一度機会を見付けてアカマンボウを試してみて下さい。特にネギトロなど生食の美味さに驚かれると思いますよ。

マンダイがもっと気になる方はこちらもチェック!

マグロの偽物として食べられてきたアカマンボウ。

今ではマンダイという名前で偽物感が払しょくされました。今回アカマンボウとしてそのいろいろをご紹介させていただきましたが、「暮らし~の」のサイトの中に「マンダイ」として詳しい記事がありましたのでこちらに併載しておきます。

食べ方や生態などまだまだベールに包まれているマンダイをもう少し詳しく知りたい方はこちらもチェックしてみて下さい。