ダイヤモンドトレイルって何?
頻繁に歩く人からは、略してダイトレとも呼ばれているこの縦走路。まずはどの辺りを舞台として通っているのか、地理的な面から解説していきます。(当記事は2019年4月24日時点の情報を元に掲載しています。)
近畿の国定公園を舞台とするトレイル
起点は生駒の山々の南側にあり、金剛山を中心として、西の和泉山地の尾根へと伸びているのがこの縦走路です。ダイヤモンドトレイルは、大阪、奈良、和歌山の1府2県にまたがった形で作られています。全体が、金剛生駒紀泉国定公園の中に含まれ、大阪の都市に近いながら自然の魅力に溢れています。
全長45kmに複数の見どころ
歩いてみれば多様な山岳と見どころが存在するのが、ダイヤモンドトレイルの魅力になっています。歴史的な名所や神社仏閣、高原のつつじ園、お風呂もある山の宿泊所、清らかな湧き水、都市と山の絶景。全長45kmもあるので、山の歩道の徒歩やトレイルランのたびに新たな発見もありそうです。
2019年も各地でイベントを用意
徒歩やランなど人々が思い思いに挑み続けるこのトレイルコースにあやかり、様々な自治体や企業や団体が、イベントを開催しています。山と自然の散策だけでなく、山カフェや宿泊を目的にしたイベントもあるのです。ダイヤモンドトレイルならば、1年を通じて刺激的なハイキングが楽しめます。
ダイヤモンドトレイルの主要コース①
どんづる峯~大和葛城山~水越峠
全体のコースを3分割した場合、一番北側に伸びているのがどんづる(屯鶴)峯より始まるコース。大阪と奈良の市街地に接しているので、ダイヤモンドトレイルの中でも電車アクセスが容易と言われます。岩橋山や大和葛城山の尾根を超え、南の水越峠バス停までおよそ15.6kmの区間です。
コースの見どころ
始発点のそばで観賞してみたい筆頭は、どんづる峯の絶景です。火山活動で生まれた凝灰岩の山塊で、珍しい景色や天然記念物として知られています。ダイヤモンドトレイルを南へ進めば、万葉の森では古代遺跡に出会い、大和葛城山では山頂から市街地方面にパノラマの景色が広がります。
コース情報
【区間】どんづる峯~大和葛城山~水越峠
【距離】およそ15.6km
【時間】徒歩:6~8時間、トレイルラン:3~4時間
【アクセス】どんづる峯:近鉄南大阪線の二上山駅、近鉄大阪線の二上駅、水越峠:金剛バス・水越峠バス停(富田林駅へ)
ダイヤモンドトレイルの主要コース②
水越峠~金剛山~紀見峠
水越峠から出発し、最高峰の金剛山を超えて西の紀見峠を目指すコース。北から縦走すれば、きつく感じるのはは最初の金剛山の上りのみです。山頂から伸びるダイヤモンドトレイルを南西へ歩けば、神福山やタンボ山も含めて、紀見峠までほぼ下り坂が続いています。
コースの見どころ
北斜面を上がった先のちはや園地は、金剛山の標高1,125mからの山岳風景が見事なところ。香楠荘のお風呂でゆっくりしたり、キャンプでの宿泊をするにも好都合です。ダイヤモンドトレイルの途中には行者堂や地蔵御堂など歴史的見どころもあり、紀見峠はカフェでの休憩も叶えます。
コース情報
【区間】水越峠~金剛山・ちはや園地~紀見峠
【距離】およそ15.7km
【時間】徒歩:7時間、トレイルラン:4~5時間
【アクセス】水越峠:金剛バス・水越峠バス停(富田林駅から)、紀見峠:南海高野線の紀見峠駅・天見駅から徒歩
ダイヤモンドトレイルの主要コース③
紀見峠~岩湧山~槇尾山
岩湧山を中心として、東西に11.1km伸びているコースです。槇尾山の施福寺前を、西の出発点に位置づけることもできます。岩湧山は標高897mの低山であり、ダイヤモンドトレイルのコースの中では歩きやすさも感じられます。ただ駅から紀見峠まで距離があり、トレイルの距離が長めになります。
コースの見どころ
本尊に千手観音を祀っている施福寺は、欽明天皇の頃に創建したという由緒あるお寺です。その東の滝畑ダムは低山と青い水辺が綺麗な名所で、キャンプ場なども備えるアウトドアの中心。ダイヤモンドトレイルで岩湧山に登れば、大阪湾方面までも見渡す景色が、トレイルランの疲れを忘れさせます。
コース情報
【区間】紀見峠~岩湧山~槇尾山・施福寺前
【距離】およそ11.9km
【時間】徒歩:7時間、トレイルラン:4~5時間
【アクセス】紀見峠:南海高野線の紀見峠駅・天見駅から徒歩、槇尾山:南海ウイングバス南部・小川口バス停から徒歩(南海本線尾崎駅より)
ダイヤモンドトレイルの歩き方①
一気に完全縦走
北の起点どんづる峯から出発して、西の槇尾山の終点まで、45kmの道のりを一気に完全制覇する縦走プランもあります。その場合、個人差はあるにしても歩道を歩く時間はおよそ20時間、トレイルランでも10時間以上は要します。ダイヤモンドトレイルの完走には、宿泊が必要になってきます。
完全縦走の場合のプラン設定
起点までは電車やバスを使って訪れ、帰りも同様に帰宅することを基本とします。ダイヤモンドトレイルでの宿泊では、葛城山や金剛山などの施設を使うか、それともキャンプ場でのテント泊をするかという選択肢が出てきます。そのための道具の準備も怠らないよう注意しましょう。
完全縦走の場合
【距離(どんづる峯~槇尾山)】45km
【時間】徒歩:20時間、トレイルラン:10~15時間(いずれも宿泊時間除く)
ダイヤモンドトレイルの歩き方②
一部だけのトレイル
少しづつあちこちのコースを制覇し、積み重ねることによって全ての縦走を果たすことは極めて現実的なプランです。ダイヤモンドトレイルのコースは、3分割の区分けではありません。それぞれの山~山、峠~峠のように短く設定することもできます。初心者からトレイルランが楽なのはこの方法です。
一部だけのトレイルのプラン設定
各地のコースには、電車の駅やバス停、それに駐車場などがあるので、それぞれから登山口を目指します。徒歩ならば帰りの交通機関についても下調べが重要です。横尾山だけ、大和葛城山だけといったトレイルランを選んだら、午後からのダイヤモンドトレイルでも日帰りが余裕になります。
ダイヤモンドトレイルの歩き方③
各イベントで縦走
国立公園の範囲に含まれる自治体や、モンベルなどを始めとし、様々な登山イベントが2019年も開催されます。単純にダイヤモンドトレイルを歩くのではなく、目的を持ってダイトレコースに挑むことができます。それぞれのイベント情報は、大阪府の環境農林水産部のサイトで知ることが出来ます。
イベントならではの楽しみ
独自のイベントが盛りだくさんなのですが、中でも石板めぐり、地域めぐり、山頂めぐりの3つはその代表格です。モンベルが主催する2019年のイベントでは、山の上でのお茶会や、テント泊、葛城山のつつじ観賞などのプランが出揃います。ダイヤモンドトレイルの興味深いイベントを探してみてください。
ダイヤモンドトレイルの主要イベント①
ダイヤモンドトレール縦走石板めぐり
山の歩道を散策してみれば、山岳名を記した石板に出くわすのを知っていますか?複数の石板の場所を訪れるイベントが、ダイヤモンドトレイルの石板めぐりです。例年のように大阪府の実行委員会が公式的に開く大会で、2019年も地域めぐりや山頂めぐりと合わせて行われます。
縦走石板めぐりの特徴
石板めぐりでは全部で8つの日帰りコースが設定され、何度も分けて日帰りで走破することができます。ダイヤモンドトレイルの歩道上で、17ヶ所の石板を目指して歩くのです。全ての石板を撮影すると目的が達成され、踏破認定証やオリジナル缶バッジを貰えたりと、ちょっと嬉しい特典も付いてきます。
ダイヤモンドトレール縦走石板めぐり情報
【石板めぐり認定証申込書送付先】ダイヤモンドトレール活性化実行委員会事務局(大阪府富田林市寿町2-6-1)
【石板めぐり問い合わせ】0721-25-1131
【申込締め切り】2019年12月31日まで(消印有効)
ダイヤモンドトレイルの主要イベント②
ダイヤモンドトレイル山頂めぐり
自称山ガールな女子も夢中になれるのは、登山とお食事などが一緒になった、山頂めぐりです。ダイヤモンドトレイルの中核を成す金剛山や大和葛城山をはじめ、二上山、大和葛城山、岩湧山、槇尾山といった合計5つの山のどれか1つの山頂を目指すので、初心者にもぴったりなプランです。
山頂めぐりの特徴
山頂までの歩道を巡り歩くだけでなく、必ず周辺エリアの施設利用をすることが条件となります。例えば飲食店でごはんを食べたり、お土産の買い物したり、お風呂でゆっくりしたり、神社仏閣を参拝したり。こちらもダイヤモンドトレイルの実行委員会から、認定証と缶バッジが授与されます。
ダイヤモンドトレイル山頂めぐり情報
【山頂めぐり認定証申込書送付先】ダイヤモンドトレール活性化実行委員会事務局(大阪府富田林市寿町2-6-1)
【山頂めぐり問い合わせ】0721-25-1131
【申込締め切り】2019年12月31日まで(消印有効)
ダイヤモンドトレイルの地図の配布
市役所にて地図を配布中
歩道を突き進んでみたいダイトレですが、とりあえず詳しい地図を入手してから挑むのがおすすめです。ダイヤモンドトレイルのコース地図の配布は、市役所でも行っています。例えば奈良の葛城市役所なら確実で、役所の窓口で地図の配布を希望することで貰うことが出来ます。
イベント会場での地図の配布
それぞれの山のイベントも、地図の配布をしてくれる場所です。自治体とモンベルなどで配布するダイヤモンドトレイルの地図は、どれも違った観点や情報を含んでいます。配布を受けるにはイベント参加が必須となるので、まずは2019年の気になるイベントチェックからです。
公式サイトで地図の無料配布(DL)
簡単に地図の配布を受けたいなら、公式サイトで用意しているpdfファイルを、自宅で印刷してください。これは全体マップやコースマップなどの種類があり、気になる地図が無料配布されます。かなり詳しいので、歩道のゆったりしたトレッキングや、トレイルランにも役立ちそうです。
ダイヤモンドトレイルの宿泊施設①
金剛山宿泊施設 香楠荘
いつでも元気に営業をモットーにして、登山者にも支持が高い宿が、てっぺんにある香楠荘。金剛山の標高1,000mからの絶景が目の前にあって、美味しいお食事や大浴場の楽しみも備えています。年中無休なため、2019年のダイヤモンドトレイルでも必須な施設です。
お部屋は設備の整った洋室や和室があって、縦走中も豪華なお食事付きの宿泊プランが叶えられます。金剛懐石に鴨鍋に但馬牛ステーキと、味わえるのは豪華なメニューばかり。日帰りなら夏季限定のBBQや、お弁当も人気です。湧き水と檜風呂の大浴場が、ダイヤモンドトレイルの疲れを飛ばしてくれます。
宿泊情報
【所在地】大阪府南河内郡千早赤阪村千早1313-2(金剛山山頂)
【電話】0721-74-0321
【営業期間】年中無休
【施設】レストラン、大浴場、会議室、お土産ショップ
ダイヤモンドトレイルの宿泊施設②
国民宿舎 葛城高原ロッジ
高原の鮮やかなつつじの絶景が楽しめる場所に、縦走中に宿泊しやすいロッジがあります。国民宿舎葛城高原ロッジは標高938m地点なので真夏も涼しく、山小屋風なお部屋でのお得プランや、和室でのシルバープランも選べます。トレイルランをする目的でも、ダイヤモンドトレイルに欠かせない場所です。
国民宿舎 葛城高原ロッジの魅力
古くからこのあたりでは鴨が名物で、ロッジでも3種の鴨料理を味わえます。冬も美味しいかもすき焼き、1年じゅう人気のかも丼、うどんとかも丼のセットなどが、ダイヤモンドトレイルの歩道で疲弊した人々の気力を満たします。日帰りのお風呂を使えるのも支持が高い理由です。
宿泊情報
【所在地】奈良県御所市櫛羅2569(大和葛城山山頂)
【電話】0745-62-5083
【営業期間】通年
【施設】レストラン、お風呂、キャンプ場
ダイヤモンドトレイルにアクセスの注意点
駐車スペースが少ない・遠い場所も
登山口の現地まで向かってありがちなのが、登山道前に駐車場が足りなかったり、狭いという現実です。ダイヤモンドトレイルでも、登山道前に駐車場が用意された場所は限られています。駐車場にアクセスしても、狭くて満車で駐車できず、離れた駐車場を使うことも考えられます。
駐車場が遠い・狭い例
【金剛山】駐車場からダイヤモンドトレイルまで2kmの登山(ただしロープウェイを使うと早い)
【どんづる峯】登山口の駐車場は2~3台のみ、離れた市街地にコインパーキング
鉄道やバスでアクセス困難な登山口も
幾つにも分かれるコースでは、鉄道やバスにて登山口までアクセスしやすい場所、そうではない場所に分かれます。たとえば紀見峠の登山口は、駅やバス停からかなり遠く、帰路には向いていません。ダイヤモンドトレイルの歩道では、徒歩でアクセス容易なコースを、事前に把握をしておく必要があります。
ダイヤモンドトレイルの注意点
冬は凍結に注意
まさかの樹氷も出現するほどに寒い冬がやってくる金剛山地ですが、雪景色の中の縦走を進めることも可能ですが、その場合には山の歩道や階段が凍結している場合があり、ダイヤモンドトレイル中に転倒すれば怪我を逃れません。冬のトレイルランは特に、足元の準備と歩道の確認が不可欠です。
秋はハチに注意
日差しの強い時期も過ぎて秋に入れば、ハチの攻撃性が強まる時期です。ダイヤモンドトレイルのコースが伸びる山中にも、アシナガバチやスズメバチといった、危険性の高いハチが巣を営んでいます。ハチは刺激すると危険なので、巣に近づかないことや長袖を着用するなど対策が不可欠です。
ダイヤモンドトレイルに行こう
自分向きなコースとペースで
配布された地図を手にして、どんな道筋をたどるかは自分次第。近畿の尾根に伸びるダイヤモンドトレイルの中で、2019年の気になるイベントやコースが見つかりましたか?電車でアクセスして、余暇の充実や体の鍛錬にも相応しいコースの踏破を目指したいですね。
2019年の登山が気になる方はこちらもチェック!
当サイトではダイヤモンドトレイルのほかにも、近畿の登山情報をまとめています。2019年も近畿方面で登山する方は、チェックしてみてください。

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