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意外に知らない「魚の数え方」!魚種や調理過程で変わる数え方の単位を解説!

魚の数え方には「匹」や「本」、「尾」など様々な単位がありますが、実は魚の種類や調理の過程、形や性質などによって数え方が変わります。皆さんは正しく使い分けられているでしょうか?今回は意外と知られていない魚の数え方について解説していきます。
2020年8月27日
前田 恵一
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目次

「匹」と「尾」の使い分け方

魚が生きていたら「匹」?死んでいたら「尾」?

Photo by yoruwo

魚の数え方として最も使われる単位が「匹」と「尾」という数え方です。この2つの使い方の区別方法は以下の通りです。「匹」という単位は海や川で魚が泳いでいる状態で使われ、「尾」はという単位は魚を釣りのターゲットとしてや、魚屋で商品材料として水揚げされた状態の場合に使います。つまり「尾」に関して魚の生死は関係ありません。ちなみに、釣った魚は100尾で1「束(そく)」とも表します。

魚の数え方と単位(魚種編)

魚の単位は主に魚の体の特徴によって数え方が変化します。サンマのように細長い魚やヒラメやカレイのように薄い体の形をした種類ではそれぞれ異なる単位電話番号数えるため注意が必要です。

①細長い形状の魚の単位は「本」

マグロやサンマ、ブリ、サワラ、カツオなどの細長い形状の魚は「本」と数えます。ただし、包丁で切り身になっていないそのままの魚の状態のことのみを指します。(詳しくは下記にて説明があります。)また、例外としてサヨリやシラウオなどの非常に細い魚には「条」の単位を使って数えます。

②ヒラメやカレイの単位は「枚」

ヒラメやカレイなどの体が薄く平らな魚には「枚」を使います。また、ヒラメやカレイほどではありませんが体の身幅があまりないタイの単位も「枚」を使うことがあります。水揚げされていれば「匹」、加工用であれば「尾」ですがどちらの場合でも「枚」を使っても問題はありません。

③鮭、ニシンの数え方と単位

鮭やニシンは日本でも古くから食され、日本食の代表ともされる魚です。そのことから昔は大名などの権力の強さを表す「石(ごく)」を使って数えられていました。「石」は他にも米の単位としても使われていました。ちなみに鮭やニシンは40尾で1石、米は1000合で石です。ただし現在ではあまり使われず、基本的には鮭もニシンも他の魚同様、海や川で生きている状態なら「匹」、水揚げされたら「尾」を使って数えます。

④イカ、タコの数え方と単位


イカやタコなどの軟体動物に関しては「杯」を使って数えます。なぜ「杯」を使うのかというと、コップのように長い体の中に水を貯められるような形状をしているという理由から「杯」が使えわれるようになりました。さらに、昔イカやタコは貝類と同じに扱われており、貝類の単位「貝(バイと読みます)」を使われた名残で同じ音の「杯」で数えられるようになったと言われています。また、カニやアワビなどもコップのような形状をしていることから「杯」を使って数える場合もあります。

⑤コイの数え方と単位

コイを数える際には「折」や「喉」という単位で数えることがあります。「喉(こう)」は訓読みで「のど」と読みますが、昔は大型のコイやナマズを持ち運ぶときにエラの部分に竹笹を入れて持ち運んでいたことが由来とされています。また、「折」に関してはコイは昔から高級食材とされており、運ぶ際に折箱などの箱に箱詰めされていたことが由来とされています。

⑥極小サイズの魚の数え方と単位

白魚など非常に細かい魚には「ちょぼ」という単位を使って数えます。あまりに小さな魚は1つずつ数えるのが面倒ということから、20匹で1「ちょぼ」とまとめて表すのです。

魚の数え方と単位(状態編)

例えば、ウナギは調理する前は「本」「尾」「匹」を使いますが、開きにすると「枚」、かば焼きにすると「尾」「串」のように状態によって数え方が変化します。魚がどの状態のときにどの数え方が正しいのかを説明していきます。
 

数え方①「枚」

先ほど上記でヒラメやカレイ、タイなどの平べったい形をした魚に対しては「枚」という単位を使って数えると説明しましたが、他にも使い道があります。アジやカマス、ホッケなどを開いて乾物にしたものの数え方も「枚」を使って数えるのです。魚を下ろす際に上身・中骨・下身にさばくことを「三枚下ろし」と呼ぶのも同様です。また、イワシなどの小さな魚をまとめて干物にする目刺しは「連」、カツオを干して作るカツオ節は「本」を使い数えます。

数え方②「丁」

ラーメンや豆腐に使われる単位ですが、魚では主にマグロに対して使われる数え方です。水揚げされたマグロは5枚に下ろします。下ろした背側2つと腹側2つ、中骨の5つのうち背側と腹側の4つの塊に対してそれぞれ「丁」を使い数えます。つまり、1本のマグロから4丁のブロック(ロインといいます)がとれるということです。ちなみにこの4丁はそれぞれ「背1丁」「腹下」「腹中」「腹上」と呼ばれ、色味や味わいがおおきく異なり寿司屋などでは区別してある場合もあります。


数え方③「頭」

クジラやサメ、イルカ(哺乳類ですが)などの大型の魚を数える単位には馬や牛などの大型の動物にも使われる「頭」を使います。ちなみに動物の単位についてですが、基本的に動物全体の単位は「匹」を用い、その中でも特に大型に分類されるものに対して「頭」を用いて数えるのが一般的です。

数え方④「サク」

よく寿司屋のカウンター席の前にあるショーケースの中にある切り身のブロックの数え方が「サク」です。マグロで例を挙げると②の「丁」から食べられる部分だけを残した状態のことを指します。つまり、1丁を食べられる部分と食べられない部分に切り分けたブロックの2つのうち、食べられる部分に対して「サク」を使います。また、サクに正式な漢字表記はありません。「柵」も「冊」も厳密にいえば正しい表記ではないのです。

数え方⑤「切れ」

スーパーなどで売られているサケやサバなどのような大きさまでカットされた魚の状態には「切れ」を使って数えます。いわゆる刺身や切り身の状態のことです。上記のマグロの場合で表すと④の1サクからさらにカットして刺身や切り身にしたものを指します。また、切り身と刺身のどちらの場合にも「切れ」は使えますが刺身に対しては一口大で薄く切ったものであることから「枚」を使って数えることもできます。

数え方⑥「腹」

イクラや筋子などの卵はどのようにかぞえるので数えるのでしょうか。もちろん1つ1つ数えて「粒」という単位を使って数えることもできますが、左右の卵セットで「1腹」と数えます。また、左か右どちらかの場合は「片腹」と数えます。つまり何粒で1腹と決まっていないため、魚の個体ごとに1腹の粒の数は異なります。

魚の数え方(番外編)

魚には私たち人間側の目的や魚の形、調理状態によって数え方の単位がへんかすることが分かりました。ここからは番外編として貝の数え方や魚のヒレの数え方、日常で使われる「サバを読む」の語源など、意外な単位や豆知識をご紹介していきます。

【番外編①】貝の数え方と単位


貝の数え方にも「個」や「枚」など様々な種類がありますが使い方がしっかり存在します。「個」は貝を食べ物として扱うときの数え方です、「枚」はホタテなどのあまり縦に高さがない種類の貝に使う単位です。そのためサザエなどは「枚」では数えません。さらに貝を生物として扱う際には「匹」を使い数えます。また、昔は「籠(かご)」という単位も使っていました。これはその名の通り貝を持ち運ぶのにカゴを使っていたことに由来します。

【番外編②】魚のヒレの単位

魚についているヒレの数え方にも単位があります。それは「基」です。「基」は魚のヒレのほかにエレベーターや神社の鳥居を数える単位でもあります。由来としては、昔はヒレが魚の胴体に供えられているものだと考えられていたためです。つまり魚のヒレはお供え物とされていたということです。現代では基本的には「枚」を使っても全く問題ありません。そもそもあまりヒレを数える機会がないかもしれませんが。

【番外編③】「サバを読む」の語源

「サバを読む」は数字をごまかす際に使う言葉ですが、魚を数えるときのことから由来しています。サバは青魚であることから非常に傷みやすく、群れで行動するため数も多いです。このことから昔はテキトウにサバの数を数えて実際の数とは異なってしまうことが良くありました。そこから「サバを読む」という言葉が生まれたのです。

まとめ

このように魚の単位には多くの種類がありますが、しっかりとそれぞれに相応しい単位が付けられています。現在世界には約6900もの言語が存在しますがその中でも日本語はかなり難易度の高い言語であるとされている理由はこのような細かいニュアンスによって言葉が分類されているのが1つの要因でしょう。その反面、日本語は美しい言語ともされており、微妙な違いを表すことだできる点もあります。ぜひ魚の単位をマスターし、実用してみましょう。

成長で名前が変わる出世魚について気になる方はこちらをチェック

魚には様々な数え方が存在しますが、同じ魚でも成長によって大きさが変わることで名前も一緒に変わるものがあります。下記のリンクでは出世魚や地域によって呼び名が変わる魚の種類について紹介しています。