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Jackson新製品「雫62V」徹底解析!新作ミノーの魅力と使い方を解説!

名作ミノーが鎮座するJacksonのネイティブトラウトシリーズ。そこに「雫62V」という新たなアイテムが加わります。"スピード感"という全く新しいコンセプトでトラウトを誘うよう開発されたJackson新作ミノー「雫62V」を徹底的に堀り下げていきます。
更新: 2021年5月15日
木下進二朗
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トラウトを魅了する新たなミノー「雫62V」

2019年Jacksonのネイティブトラウトミノーに「雫62V」というルアーが加わります。このルアーの開発をする上で念頭にあったのが"スピード感"という全く新しいコンセプト。トラウトの習性を研究し、そして釣るためのアクションを追及しました。その開発秘話から使い方までを、お楽しみください。

トラウトの動体視力を持ってしても見破れないミノー

トラウトは動体視力に優れた魚類で、中途半端なアクションを見切ってしまう賢い魚です。そんな賢い魚を相手にする為に、"スピード"というルアーとしては全く新しいコンセプトを持ったルアーが誕生しました。

雫62Vの基本スペック

雫62Vの製品規格

サイズ:62mm、ウェイト:4.4g 
タイプ:シンキング
フックサイズ:#12
カラーラインナップ:8色
価格:¥1300(税別)(2019/5/18現在)

トラウトの習性を利用した新しい雫62Vの開発コンセプト

そして開発コンセプトは"スピード"を感じさせる動きを演出する事です。トラウトに口を使わせる要素として欠かせないのが、リアクションバイト。素早く動く物についつい反応してしまうトラウトの習性を利用した釣り方なのですが、ここで云うスピードとは単純にリトリーブ速度の事ではありません。では、一体どの様なところに"スピード"を感じられるミノーなのかを深堀りしていきたいと思います。

雫62Vのカラーバリエーション

先ずは、新製品という事なので気に成るカラーバリエーションをチェックしてみましょう。素早い動きを演出する事を前提に作られている為、視認性の良いカラーが追加されているところに注目です。アングラー側がミノーの動きを追い易いだけでなく、トラウトがミスバイトをする率を下げるという狙いも窺えます。

雫62Vカラーバリエーション1:【AS2】

ポピュラーなシャッド系カラー。腹部にグローが施されている為、ナチュラルなカラーでありながらマズメ時や深場でもアピール力抜群のカラーです。

雫62Vカラーバリエーション2:【CCA】


 

チアユをイミテートしたカラー。中規模本流や、渓流でも鮎の遡上する流域では抜群の効果を発揮する"マッチザベイトカラー"となっています。

雫62Vカラーバリエーション3:【RY2】

ヤマメをリアルに再現したカラー。闘争本能を刺激するパーマークが縄張り意識を持った個体に効果的です。

雫62Vカラーバリエーション4:【WGP】


 

朝夕のマズメ時や、曇り雨天のローライト時、視認性を確保したい場合におススメ。腹部にグローが施され、渓魚からも見つけ易い仕様になっています。

雫62Vカラーバリエーション5:【AGA】


 

ゴールドベースの鮎カラー。濁りの中で最も強いカラーであり、川床が黄褐色の様に明るい場合はナチュラルな存在となるカラーです。

雫62Vカラーバリエーション6:【MYA】


 

反射を抑えたマット仕上げのヤマメカラー。反射を抑える事でスレを防ぎつつ、ベリーの蛍光レッドが興奮作用をもたらします。

雫62Vカラーバリエーション7:【WLC】



 

夏以降渓魚達の主食と成る、ブナ虫を連想させるカラー。濁りの中でのアピールと、視認性にも優れています。

雫62Vカラーバリエーション8:【OSD】


 

膨張色のパールベースカラー。ローライト時に目立たせるのは勿論、渓魚の隠れ家と成る"白泡"に紛れ込ませるのにはうってつけのカラーです。

トラウトがミノーを襲う理由1:リアクションバイト

本来、トラウト達は水生昆虫等の"虫"を主食としています。そんなトラウト達が小魚を模したミノープラグに喰い付く理由は何故なのかを今一度整理してみましょう。そこからミノープラグの有効な使い方が見えてくる筈です。

トラウト達が思わず口を使ってしまうリアクションバイト

リアクションバイトとは衝動的という意味合いの魚の反応の事で、ルアーフィッシングではよく耳にする言葉です。その意味を知っておけば、アプローチの幅も広がるはず。トラウト達は次の様な理由からミノーに襲い掛かると考えられます。

トラウトのリアクションバイトの理由1:好奇心

トラウトは好奇心から自然界に存在しない形、色、動き、音などに興味を示し、それに対してちょっかいを出す様な行動をとります。激しいバイトでは無く、ついばんで様子を窺がう様なショートバイトが多いのですが、素早い動きを演出する事で、ついばむ隙を与えずに深いバイトを誘う事が出来るのです。

トラウトのリアクションバイトの理由2:威嚇

トラウトは自身の隠れ家や採餌場を確保する為に縄張りを持ちます。その縄張りの中に他の魚が入ろうとすると口を使って威嚇し、追い払おうとするのです。これは生き物だけでなく、落ち葉の様な流下物に対しても同じような反応を示す事があり、その場合は尾ビレで叩くような仕草を見せます。

トラウトのリアクションバイトの理由3:フラッシング効果

トラウトに限らず魚はキラキラと光を反射するものに反応を示す傾向が有ります。低活性の魚にもこの光の効果は大きく、強い光程その効果は大きいとされています。

トラウトがミノーを襲う理由2:トラウト達の食性

本来、水生昆虫や羽虫を主食としているトラウトですが、時にはカエルや小魚を捕食する場合もあるのです。虫を食べるには水面近くに浮上しなければ成らない為、危険が伴います。しかし、水面下にいるベイトであればそのリスクは低く成り、栄養価も高いので効率的と言えそうです。

弱って流下したアユ。
こういう魚をトラウト達は狙っている。

トラウト達の食性1:偏食

春に成ると小魚を多く見かける様に成ります。するとトラウト達の意識は虫よりも小魚に向く様に成るのです。ベイトと成る小魚の種類も、アユ、オイカワ、ウグイ、カジカ、チチブ等種類も様々で、季節や河川ごとベイトとなる小魚も違う為、観察する事が大切です。

トラウト達の食性2:共食い

渓流域に棲むトラウトは、自分と同じトラウトであっても容赦なく口にします。海や河川下流域と違いエサの少ない環境な為、生き延びる為にはやむを得ない行動なのです。

ヤマメカラーのミノーに喰い付いたイワナ。
イワナはトラウトの中でも魚食性が強く、魚だけでなくカエルやサンショウウオ等も襲う事が有る。

雫62Vの4つの優れた点

雫62Vの特性を更に掘り下げていこう!

少々話が横道に逸れましたが、トラウトがミノーを襲う理由をお解り頂いたところで、雫62Vのコンセプトである"スピード感"の重要性にもお気付きになられたかと思います。自然界の生き物達は外敵に捕まらない様に素早く動く事が重要です。好奇心や闘争本能を煽るリアクションバイトは勿論ですが、食性を利用した釣り方でも、逃げ惑う小魚を演出する上で"スピード感"は重要に成るのです。それでは雫62Vの特性を更に掘り下げていきましょう。

雫62Vの優れた点1:ダートアクション

素早く長いダートアクションを可能にする秘訣

トラウト達は「不規則な動き」と「光を反射するもの」に興味を示す事は既にお伝えした通りです。ルアーのアクションで表現すると「ダート」と呼ばれる左右に素早く飛び跳ねながら、ボディ側面で光を反射する動きが効果的といえます。これにより、トラウトのやる気スイッチを入れる事と、優れた動体視力でも見切りを防ぐ事が出来るのです。そして、雫62Vには既存のミノープラグよりも素早く長いダートアクションを可能にするための秘訣があるのです。


水平リップ

雫62Vのリップは他のミノープラグに比べてリップが水平に寝た角度で付いている事が解ります。これが正にダートを素早く長くする為の秘訣なのです。トゥイッチを掛けた際、テンションが抜けてラインスラックが発生し出た際にミノーがダートするのですが、その際にリップが立っている(ボディに対して垂直方向)と水の抵抗を受けてしまいダートがゆっくりと遅いものになってしまうので、リップを寝かせる(ボディに対して水平)事で水の抵抗を受け流し、スピードを殺す事なく長いダートが生れるのです。

リップを寝かす事でスピードを殺す事無く、足の長いダートを生み出す。

雫62Vの優れた点2:泳ぎ出しのレスポンス

リップを水平に寝かせた事でダートにスピードと長さが生まれますが、実はそこだけに重点を置いてしまうと他の要素が犠牲になってしまいます。というのも、水平に寝たリップは着水後直ぐに水を掴む事が出来ない為、ルアーの泳ぎ出しが遅くなってしまうのです。狭いポイントで効率良くアピールしたい渓流の釣りでは致命的とも言えます。

バッドポイントを克服するウェイト配置

雫62Vは、水平リップのバッドポイントを克服する為に、ウェイト配置を既存のミノープラグとは大きく変更してあります。既存ミノーは低重心といってボディ腹部の底面にウェイトが入っている事が殆どです。しかし、雫は二つあるウェイトの前側が頭部の高い位置に配置されています。これにより着水後直ぐに頭を下に下げる姿勢となり、リップが素早く水を掴むことが出来るという訳なのです。

雫62Vの優れた点3:生命感を出すハイピッチアクション

よりスピードを感じられ、更に小魚の動きに近づける為には、ルアーのアクションをハイピッチにするのが良いと考えました。そこで、雫62Vはリップ形状にも拘っています。

コフィン型リップ

通常ミノーのリップは先端が丸く成った形状が殆どです。雫62Vには短い移動距離の中でもスピードを感じられる様、ハイピッチなアクションを求めました。そのアクションを実現しているのがリップの先端が角張っているコフィン型リップです。

またその副産物として、底石にコンタクトした際に、イレギュラーアクションを起こす事でもリアクションバイトが誘えるという、一石二鳥の仕上がりとなっています。

先端が角張ったリップはミノーのアクションを細かくし、底石とのコンタクトで自動的にイレギュラーアクションを演出してくれる。

雫62Vの優れた点4:VG

VGとは?

パッケージを見ると「VG搭載」という表記があります。ルアーの名前につくアルファベットの表記は、「F」フローティング、「S」シンキング,「SP」サスペンドと浮くか沈むかを表す文字が付くはずですが、「VG」とはどんな意味合なのでしょうか?それには小さくても大きな効果をもたらす驚きの秘密が隠されているのです。

雫62Vのパッケージ。

ボルテックスジェネレーター

「VG」とはズバリ、ヴォルテックスジェネレーターを指します。といってもピンと来ない方が殆どではないでしょうか?これは、自動車や航空機の機体表面に取り付けられた小さな突起の事です。

役割はボディ表面に小さな気流の渦を発生させる事で、大きな気流の乱れをボディから遠ざける働きをしてくれるそうです。Jacksonではこれをソルト用ミノーであるアスリート17SSV/FSVに初めて採用し、キャスト時の気流の乱れを軽減する事で大幅な飛距離アップに成功しました。

リップの裏側に付けられた小さな突起こそがVG。
この小さな突起が大きな効果をもたらしてくれる。
 

雫62Vは、ハイレスポンスとキレの良いアクションを実現する為、ボディサイズに対してやや軽めのウェイトとなっています。その一方でテスト時には、キャストの際にボディが暴れて飛距離が落ちてしまう現象が起きました。そこで、VGを採用したところ飛躍的に改善されたのが確認出来たのです。つまり、雫62Vの「V」とは「ヴォルテックスジェネレーター」の頭文字という事です。

雫62Vの有効な使い方

これまでに無かったコンセプトのミノー。そんな雫62Vの持ち味を100%活かす使い方はどんなアクションか?基本的には通常のミノーと使い方は変わりません。ダートを活かす為に、トゥイッチに少しだけ間を空けるだけで大丈夫です。ボディが横に流れるのが視認出来るポイントで試してみるとイメージし易いでしょう。

動画でロッドワークと水中アクションを確認

ルアーのアクションというのは文章では中々伝わらないかと思います。そこで、動画でイメージを膨らませてみて下さい。

おすすめ雫62V用タックル:渓流用

それでは、雫62Vを使いこなすにはどんなタックルバランスが良いのか?62mmというサイズはターゲットを選ばない為、渓流から本流、湖まで幅広い領域で使う事が出来ます。それぞれに合ったタックルバランスを見てみましょう。

ロッド


雫の持ち味である切れ味鋭いダートアクションは、ラインスラックを上手く使う事が大事です。繊細なティップでラインスラックを出しつつ、トルクのあるベリーでしっかりとルアーを動かす事が出来るロッドが有ればルアーのポテンシャルを100%引き出す事が出来るはずです。
そこでお勧めするのが、TroutUnlimited TUSS 501-ULL-AS というモデルです。

Jackson TroutUnlimited TUSS 501-ULL-AS
 

トラウトロッドには珍しい、ワンピースオールソリッドという使用。しなやかなアクションがルアーの動きを邪魔する事なく、魚が掛かった時はトルクのある曲がりを見せます。

リール

渓流域では一般的に1000~2000番サイズが使われます。雫は引き抵抗も軽いルアーなので、そのサイズのリールで充分でしょう。また、ギヤ比は好みにもよりますが、流れのある河川ではハイギヤタイプがお勧めです。

メインライン・リーダー

ラインは近年主流になりつつあるPEラインにナイロンリーダーが良いでしょう。渓流域であれば、PE0.3~0.4号に4~6lb.のリーダーの組み合わせが一般的です。ナイロンライン直結の場合、4~5lb.がベストバランスです。

おすすめ雫62V用タックル:本流・湖用

雫62Vのウェイトは4.4gと軽量な為、扱うには繊細なロッド若しくは細いラインが必要不可欠です。

ロッド

中規模本流や大規模な渓流を想定し、軽量ミノーからディープミノーやバイブレーションプラグまで幅広いアイテムの使用を想定してデザインされたロッド。それが、Jackson TroutUnlimited TUSS 722-MLです。MLというパワークラスでは4.4gのミノーなど扱い辛いと思われるでしょうが、このロッドは先端のティップ部がしなやかなアクションとなっている為、この様な軽量ルアーも容易に扱う事が出来るのです。

TroutUnlimited TUSS-722MLで雫62Vを使用した本流アマゴの釣果。 

ライン

軽量ルアーを扱う際のラインは細いに越した事はありません。そこでお勧めするのが0.4~0.6号程度のPEラインです。YGKよつあみのUpgradePEは釣種や魚種やフィールドに囚われる事無く幅広い釣りに使う事が出来る為、使い易いラインと言えそうです。

リール

7ftクラスのロッドになると2500番クラスのリールをイメージされると思います。勿論それでも問題は無いのですが、より操作性を向上させる為には2000番程度の小型なモデルをお勧めします。細糸の巻き量ともマッチする為、下糸でのライン量調整の手間も減るでしょう。

最後に

今回はJacksonの新作トラウト用ミノー「雫62V」を紹介させて頂きました。複雑な内容も有ったのでイメージが沸き難い部分もあったかと思いますが、難しく考え過ぎずに、まずはぜひ使ってみて下さい!きっと、最初のワンアクションで他のミノーとの違いを感じられるはずです。数あるトラウトミノーの中でも異色の存在と成り得るこのミノーで最盛期を迎えるシーズンを大いに楽しんで貰えればと思います。

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