夏の旬を味わえる海鮮づくしを食べよう!
はじめて釣りを体験する人や家族みんなで手軽に釣りを楽しめる季節が夏の時期。旬の魚介類の種類も豊富で、その日のうちに夏の時期に美味しい旬の獲りたて魚貝類を料理して食べるところまでいける。夏の季節をフルカウントで1日楽しむには幻の魚よりもポピュラーな種類の魚を狙うのがポイントです。
刺身?焼き魚?食べ方や料理法をイメージしましょう
刺身と焼き魚に魚貝類のマリネ、余った分はオイルサーディンに。日本酒やワインも合わせてみようとか。イワシが500匹釣れてから食べ方を考えるよりも、あらかじめ料理のイメージをしておけば1日のスケジュールもすんなり決まりますよ。
夏が旬の魚介類おすすめ4選!
ここでは夏の季節に旬を迎える魚貝類を順番にご紹介します。魚貝類の種類ごとにシメ方、料理方法を記載しています。全ての魚介類で締め方も料理法も異なるわけではありませんので、特段変わった海鮮料理をご紹介するよりもポピュラーな海鮮として美味しい食べ方ができるようにポイントを分かりやすくお伝えしていきます。
魚を美味しく食べるためにはシメ方が超重要!
魚は釣った後のシメ方で味が決まると言っても言い過ぎではありません。
種類にもよりますが、特に中型以上の魚に共通することとして、出来るだけ早く血を抜くことで身が生臭くなることを防ぎ、神経を断ち切ることで身が焼ける(ストレスによる劣化)を防ぐことが魚介類を締める目的です。特に夏の暑い季節は細菌の繁殖を防ぐことにも繋がりますので、是非とも正しい締め方をマスターしてくださいね。
夏が旬の魚貝類その1:鯵(アジ)
鯵のシメ方
はじめにオススメするのは、鯵(アジ)です。サビキ釣りやアジングで釣り初心者にも人気がある定番の魚です。マアジ、マルアジ、ムロアジなどの種類が有名ですが、釣りに行って出会うのはほぼマアジです。
1、神経を断ち切る
エラからハサミを差し込み、脊柱(背骨に当たる部分)をバチンと断ち切る。
2、潮氷に放り込む
血がボタ〜っと出てきますがそのまま潮氷の中に放り込みます。動くたびに失血していくイメージです。普通にバケツに汲み置いた海水に放り込んでも良いのですが、夏の時期は最初から潮氷に浸すことで、より速く身へのダメージを減らすことに繋がります。動かなくなれば完成です(大概10分もすれば動かなくなります)。
旬の鯵におすすめの美味しい食べ方
家に持ち帰ったら、まずは下ごしらえですね。ウロコとりは勿論ですが、鯵の場合は写真の様に”ぜいご”を削ぎ落としましょう。ぜいごは背びれや胸ビレのような小骨のスジです。
アジフライ
刺身や焼き魚に向かない小型の鯵は背開きにしてアジフライにするのがオススメです。新鮮な身の柔らかさに驚くこと間違いなし、思わずお酒が進んでしまうこと請け合いです。
塩焼き(焼き魚)
下ごしらえした鯵の腹を割き、内臓を出すのがスタンダードですが、以下のように「ツボ抜き」が出来ると、よりジューシーなエキスを逃さずに美しい姿のまま焼き魚にすることが出来ます。ツボ抜きは一度出来ると結構楽しいですよ。ぜひチャレンジしてみてください。
夏が旬の魚貝類その2:鯖(サバ)
鯵と並んで夏にポピュラーなイメージがある鯖。サビキ釣りでも良く釣れます。この夏の時期にピッタリな涼しげな料理に早変わりする使い勝手の良い魚です。
鯖のシメ方
豪快 サバ折り
鯖といえば「サバ折り」と言う締め方を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?鯖の首を豪快にへし折ることで、シメることと血抜きが同時に出来てしまいます。そのまま潮水(夏の季節は潮氷であればなお良い)に浸しておくことで完了です。この方法はアジでも有効な締め方ですのでぜひマスターしてみて下さいね。
サバについて注意すること
サバは夏の暑い時期は少し注意が必要な魚でもあります。鯖は「鯖の生き腐れ」と言われることがあるくらい鮮度落ちが早い魚ですので、締めたらその日のうちに料理にしてしまうのが基本です。特に近年は海水温度が上昇傾向にあることから夏場は寄生虫(アニサキス)の心配が出て来ました。冷凍することでアニサキスは死滅しますので加熱しないで食べる場合は必ず一度冷凍保存しておくと安心です。
旬の鯖におすすめの美味しい食べ方
シメサバ
鮮度落ちの早い鯖は、基本的にお刺身では食べることが出来ませんが、脂ののった夏の鯖を涼しく食べるべく先人達が編み出した料理方法が「酢でシメて細菌の繁殖を防ぐ」シメサバです。一度シメサバにすると2、3日は食べ頃ですので楽しみにながら食べることが出来ます。作り方も簡単ですのでぜひチャレンジしてくださいね。
塩焼き(焼き魚)
上記のシメサバと同時並行でつくることができるので、釣れたその日は塩焼き(焼き魚)、翌日はシメサバの流れでワンセットにできるのでラクラクです。
夏が旬の魚貝類その3:蛸(タコ)
魚から一転してこちらも夏の季節に旬を迎えるタコです。吸盤で岩場などにしがみ付く独特の引きの強さが魅力のタコ釣りは、釣りビギナーでサビキ釣りに飽きて来た方にもおすすめですよ。
蛸のシメ方
慣れれば簡単なタコの締め方をご紹介します。タコは吸盤で応戦してくるので滑らない手袋があると便利ですよ。
1、タコの胴体を持ち上げてどこかに置く
タコを地面かどこかに張り付かせた状態にしてから胴体を持ち上げて、胴体と足をつなぐ眉間をナイフで切断するとすぐにカラダの色が変わります。
2、1匹ずつナイロン袋に小分けにしましょう。
眉間に一撃した段階で基本的に絶命していますが、まだ動きます。タコの脱出能力は結構高いですから、クーラーボックス内部で徘徊しないように(俳諧するとヌルヌルになります)1匹づつナイロン袋に小分けにして逃げ出さないように口をしっかり縛ってから持ち帰りましょう。
旬の蛸におすすめの美味しい食べ方
料理する前に下ごしらえをしましょう。魚で言うところのウロコ取りに相当する作業とも言える、「ぬめり取り」をしっかりしておくと、身は一段と柔らかく美味しくなります。このぬめりが残っていると臭みの原因になりますのでマッサージの要領でとにかく揉みしだいて出し切りましょう。
タコのカルパッチョ
夏のタコはそのまま刺身でも美味しいですが、ここはひとつカルパッチョにしましょう。刺身でも茹でたタコでもどちらでもいいです。ポイントとしては、とにかく新鮮なタコですので弾力がすご過ぎます。できるだけ薄造りにした方が食感的にも良いですよ。レタスや玉ねぎ、パセリなど野菜ものとオリーブオイルでオシャレに盛りつければタコの赤色が映えるカルパッチョの完成です。
たこ飯
ブツ切りにした蛸と一緒に、お米とおダシ、刻み生姜を炊飯器に仕掛けるだけで美味しいたこ飯できます。手軽なのに炊飯器の釜を開けた時は感動するほど良い香りがします。出来上がったたこ飯は普通のご飯と同じように保存出来ますので作り置きにも向いています。
タコの唐揚げ
茹で蛸と調味料を混ぜて揉んでから冷蔵庫で少し休ませる(15〜30分程度)のがポイントです。それから片栗粉をまぶしてカリッと揚げます。カリカリの吸盤と柔らかい身のコンビネーションがたまりません。
夏が旬の魚貝類その4:鱚(キス)
鱚(キス)は砂地の海底に生息しています。鯵や鯖はサビキ釣りでも釣れるお魚ですが、こちらは底釣りでノンビリ竿を出しておくことが出来ます。夏の日光浴ついでに魚釣りを楽しんだり、条件が整えばサビキ釣りに加えて置き竿しておくことも出来るのが良いですね。
鱚のシメ方
氷締めでOK
鱚は種類的にも大きな魚ではないので、釣れたらすぐに潮氷にポチャンと入れるだけでシマります。他の魚の様に身に血が回ることもありませんので血抜きも不要です。夏の季節は傷つける必要のない魚は出来れば腹も割かず無傷のまま持ち帰るのがベストです。
旬の鱚におすすめの美味しい食べ方
身が甘い!まずはお刺身
小型のお魚ですがササっと切り開いてお刺身で頂きましょう。本当に新鮮な鱚の刺身は、淡白で上品な甘みが味わえます。夏の季節、鱚のお刺身はスーパーマーケットではお目にかかれない、釣りたての鱚だけの醍醐味です。
焼き魚
こちらも淡白な白身を味わうには一番シンプルな方法ですね。焼き過ぎずフワッと柔らかい白身と磯の香りが堪りません。
鱚の天麩羅
唐揚げではなく天麩羅です。やはり白身の繊細さゆえに唐揚げにしてしまうと身が崩れやすいです。天麩羅はホロっとした食感を味わえます。塩で食べるのが個人的にも大好きな一品です。
海鮮ずくし:夏の海鮮丼
海鮮ずくしと言えば、海鮮丼は外せませんよね。最後にご紹介したのは上記でお話した魚のシメ方のポイントを先ずは押さえておいて欲しいからです。ご飯と生身の魚の組み合わせですから、魚介の新鮮さ=シメ方の上手さが夏の海鮮丼の美味しさの決定的ポイントなのです。
釣ってきた魚介+脇役の海鮮は買って揃える
自分たちの釣って来た旬の魚介類だけで作りたくなるのは人情ですが、少しだけ脇役の海鮮たち料理の材料としてスーパーなどで調達すると、さらにグレードアップした海鮮丼を作ることが出来ます。もちろん釣果が少なかった場合にも有効な方法です。せっかく釣り上げた新鮮な魚介類ですので料理としても満足できるものに仕上理ますよ。
大葉や生姜、ワサビでいい香りに仕上げましょう
熱々のご飯に彩良く海鮮を並べたら、薬味も忘れずに添えましょう。お魚に合わせて好みの薬味で香りをプラスすることで夏の海鮮丼の完成です。
お手軽に追加できる一品:海鮮茶漬
海鮮丼が苦手な方に是非チャレンジしていただきたいのが海鮮茶漬けです。お茶漬けといっても、海鮮丼に比べて少量のネタをご飯に盛り付けたうえに「お出汁」をかけます。ひと言でいうと出汁(だし)茶漬けですね。
もちろん、夏の海鮮丼を堪能したあとに海鮮茶漬けをもってくると海鮮丼尽くしのフルコースが完成します。サラサラっとお腹に収まれば大満足することでしょう。
さらに変則技:冷製海鮮茶漬け
一年を通して熱々のお出汁をかけるのがスタンダードですが、夏の暑い時期なので、海鮮具材を炙りにしておいたうえに濃いめに作った冷たいお出汁をかける冷製海鮮茶漬けもおすすめですよ。
夏の釣りでは知らない種類の魚貝類に出会うことも多い
魚たちは何も好物の餌だけを食べているだけとはかぎりません。例えばクロダイを釣る時にはエビやイソメがよく活き餌に使われますが、クロダイは何でも食べる魚としても良く知られています。魚も生きて行かなければなりませんので、食べられるものは何でも捕食しており活性が上がる夏の時期は尚更食欲旺盛になってきます。アジを釣りに行って鯛が釣れることも珍しくはなく、それもまた釣りの醍醐味の一つではないでしょうか。
想定外の魚介類が釣れた時のために
釣りにいく時はあらかじめお目当の魚介類を考えて道具を持っていきますが、想定外の魚介類に出会うことも考えて、ハサミやフィッシュグリップ、大きめの持ち帰り容器(クーラーボックスなど)を準備しましょう。
大物を釣り上げても持って帰れなかったら勿体無いないですからね。
素手で触らないで!取り扱い注意の夏の魚たち
特に注意が必要なのでクローズアップでお伝えします。サプライズのように高級魚や珍しい魚が釣れるだけではなく、中には身体のトゲに毒がある魚(ゴンズイなどが有名)や、どう猛な気性の魚も釣り餌に食いついて来ます。これらの魚が釣れたら、素手で触らず丁重に海へリリースしてあげる必要があります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?自分たちで釣った魚をそのまま料理して食べるのは格別の楽しみがあります。今回は取り上げた魚以外にも夏に旬を迎える魚の種類は沢山あります。釣ってから料理して食べる、順番にひとつずつ楽しむことをお勧めします。ベーシックな魚でも締め方や料理法ひとつで大きく美味しさが変わってくることが実感できるはずですので、気楽に夏の暑い時期のアウトドアを楽しみましょう!
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