観葉植物のサクララン
サクラランは、ガガイモ科ホヤ属に分類される蔓性植物で多くの種類があります。咲く花はサクラ色、葉の形がランに似ていることから「サクララン」とも呼ばれています。開花時期は6月~9月で、芳香があるもの特徴です。また、分厚く光沢があり、ろう細工のような花の観葉植物です。原産地は九州、沖縄、東南アジア、インド、オーストラリアと温かい地域なので、暑さに強い植物といえるでしょう。なお、サクラランのことを「ホヤ」とも呼びますが、2つとも同じ植物です。
サクラランの育て方①:日当たり良好な場所に置く
日光を好む植物なので、日当たりのいい場所に置きますが、観葉植物といえど真夏の直射日光は強すぎて、葉焼けする恐れがあります。夏場は屋外なら明るい日陰、屋内ならレースなどのカーテン越しの光にあてるといいでしょう。冬場に日光によく当てて下さい。花付きが良くなりますよ。耐陰性があるので日陰でも育ちますが、花付きが悪くなったり、間延びしたような姿になったりします。
サクラランの育て方②:寒さが苦手
暑さに強いサクラランですが、寒さは苦手です。耐寒温度は5℃と言われていますが、8℃以上あった方が生育に支障は出ないでしょう。11月中旬までに屋内の日当たりの良い場所へ入れて下さい。また、屋外に出すときは4月ごろを目安にするといいでしょう。
サクラランの育て方③:水やりは土が乾いてから
肉厚の葉に水分を溜める事ができるので、乾燥に強い種類の観葉植物です。逆に水をやりすぎると根腐れを起こすので、注意が必要です。夏場は表面の土が乾いてから、たっぷり水をやってください。冬はほとんど生長しないので土は乾燥気味にします。表面の土が乾いて2~3日後に水をやってください。冬場に水をやりすぎると、過湿による根腐れの原因になります。土は乾燥気味で育てますが、湿度が高い状態を好みますので、霧吹きなどを使って葉に水を吹き付けてください。表面だけではなく裏面も吹き付けるのがポイントです。
サクラランの育て方④:肥料の期間は春から秋
肥料には固形肥料と液体肥料の2種類があります。それぞれ役割が違いますが、サクラランには2種類とも与えます。
固形肥料
5月~10月の生育期間に、2ヶ月に1回粒状の緩効性化成肥料を土の上にまいて置き肥にします。たくさんの種類の肥料がありますが、花付きを助けるリン酸(P)が少し多めのものがいいでしょう。緩行性肥料はゆっく植物に栄養を届ける特徴があるので、土の上にまくだけで栄養切れを防ぎます。
液体肥料
株に元気がないときは、水の代わりに液体肥料を与えます。10日に1回のペースがいいでしょう。液体肥料には原液のまま与えられるタイプと、水で薄めて(希釈)から与えるタイプがありますが、汎用性の高い希釈タイプがおすすめです。
注意するべきサクラランの病害虫は?
一口に病害虫といっても、いろいろなものがあります。健康的な株に育てるために、何に気をつけたらいいか見てみましょう。
カイガラムシには要注意
サクラランを育てていると、まれに葉に白い小さな虫、カイガラムシがつくことがあります。この虫は株の養分を吸い取って弱らせるので、見つけたら歯ブラシなどでこすり落としてください。風通しが悪かったり、ほこりっぽくなると発生します。風通しを良くすると同時に、まめに葉に霧吹きで水を吹き付けることが、健康なサクラランの育て方といえるでしょう。
サクラランの植え替えポイント
鉢植えで大変なのは、植え替え作業ですよね。時期の見定めもそうですが、1番悩むのは根っこの扱いです。この作業はサクラランの咲かせ方と育て方のポイントになるので、参考にしてください。
根が張ってきたら植え替えサイン
植木鉢を下から覗いて、根が見えたら植え替えのサインです。根が詰まると呼吸できずに枯れてしまうので、必ず行います。植え替え周期は2~3年が目安ですが、1年に1回は鉢底をチェックしてください。
植え替えに最適な時期は4月~6月
4月~6月に植え替え作業を行います。しかし、必ずこの期間に行わないといけない、という訳ではありません。前倒しで3月に行うのは早すぎますが、遅れて植え替えるぶんには大丈夫でしょう。
用土は水はけのいい土を使う
土の過湿を嫌うサクラランには、バーミキュライトと鹿沼土などを混ぜた用土を使います。植物に良いとされる腐葉土は保湿力が高く、サクラランには向かないので気をつけてください。混合用土を自分で作ることが難しい場合は、サボテン用の土か、多肉植物用の土が使えます。
根にダメージを与えないこと
元気な根に傷をつけてしまうと、その後の生育に悪影響が出ますので、折ったりしないように気をつけてください。新しい土に植え替える前に、傷んで黒くなっている根がないかチェックします。もし見つけた場合はハサミなどで取り除いてください。また、株が弱るため根は切り詰めないので、一回り大きな鉢に植え替えます。
サクラランの咲かせ方5つのコツ
株が充実すれば夏に咲くサクラランですが、簡単には咲いてくれなさそうです。そこで、咲かせ方のポイント5つを紹介します。
1:冬場にしっかり日光に当てる
サクラランは寒さに弱い観葉植物なので、冬場は室内に入れますが、日光にはしっかり当てます。重要なのは光の強さ(明るさ)ではなく、時間です。冬の間にたっぷり日光を浴びたかどうかで、花芽が夏に向けて作られるかが変わります。
2:新しいツルをしっかり伸ばす
サクラランは新しく伸びたツルの新芽に花がつきます。5月ごろからグングンと伸びてくるので、肥料切れにならないようにしましょう。支柱への誘引が難しい場合は、ハンギング仕立てにして吊るすのがおすすめです。軒下などに吊るすと、風通しがいいので一石二鳥です。
4:剪定はしない
大切に育てていると、ツルが伸びすぎてせっかく仕立てた姿が乱れたりします。1度咲いた場所に次も咲くので、できればツルは切りたくないものですが、そうも言ってられない場合もあります。剪定で失敗しないためのポイントは3つあります。
1.花が終わる頃に切る
2.切り詰め過ぎると、なかなか開花しない場合がある
3.勢いの弱いツルから切る
5:伸びたツルは誘引して、バランスを整える
ツルの長さが1m以上になると花がつくと言われているので、長く育っているツルをいかに大切に扱うかが、花を咲かせるポイントとなります。そこで、支柱に誘引してツルが伸びやすいようにします。仕立て方はいろいろありますが、横方向に誘引するとよく伸びます。支柱はホームセンターなどでさまざまな種類が売られているので、お気に入りを探すのも良いですね。
サクラランをもっと楽しむ増やし方
サクラランは挿し木という増やし方を使います。植物は切り取った茎や枝に根が生える性質があるのですが、それを利用した方法が挿し木です。挿し木を行うのは5月から9月が最適な時期といわれています。
挿し木に必要な道具
・コップ
・バーミキュライトや鹿沼土などの清潔な培養土か新しい水苔
・3号鉢
・割りばし
・発根促進剤
普段なかなか耳にしない発根促進剤ですが、これは切り口からの発根を促すことを目的として使います。ホームセンターの農薬コーナーやガーデニングコーナーなどで扱ってますので、購入しておくと良いでしょう。
挿し木のやり方
1. ツルを先端から2節から3節の長さに切る
2. 切り口を斜めに切り尖らせ、水の吸上げを良くする
3. 先端の葉を1〜2枚残し、ほかの葉は全て取り除く
4. 残した葉が大きければ半分に切る
5. 水を入れたコップに1時間入れ、十分に水を吸わせる
6.植木鉢に培養土を入れ、割りばしか指で穴を開ける
7. 切り口に発根促進剤を付ける
8.穴にツルを挿し、たっぷり水やりをする。
サクラランの葉を半分にする理由
植物は葉で呼吸をしていますが、その時に水分も外に排出しています。挿し木のような水を吸い上げる根がない状態で、どんどん水分を排出してしまうと、せっかくのツルが枯れてしまいます。それを防ぐために、葉が大きい場合は半分に切るのです。
土の代わりに水苔を使うやり方
発根促進剤を付けたツルを水を含ませた水苔で包み、植木鉢に入れます。このとき、サクラランのツルがぐらつかないように隙間を水苔で埋めます。水苔が扱いにくいときは、ツルを包んだあとビニール紐などで縛ると、その後の作業がやりやすいです。
挿し木苗の育て方
直射日光が当たらないように明るい日陰に置きます。水やりは乾燥させないようにしてください。約1ヶ月後に新しい根が出てくるので、植え替えにも使うサボテン用か、多肉植物用の土に植え付けます。
サクラランを増やすときのポイント
挿し木を1本だけ鉢植えにしても、あまりボリュームは出ません。そこで、1鉢に3本ぐらいをセットにして植え付けをするのがおすすめです。挿し穂を作るときに1つの鉢に何本植えるかを考えておきましょう。また、最初の開花は短期間で咲くこともあれば、6~7年ほどかかって咲くこともあります。焦らず気長に育てるのも、サクラランの増やし方のコツといえるでしょう。
サクラランは開花時期に買う
サクラランは開花時期に購入するのが1番賢い買い方と言えるでしょう。すでに蕾が付いているので、すぐ楽しめます。ところが実際は「サクラランが欲しい!」と思っても、地域によってはお店の観葉植物コーナーでも、なかなかお目にかかれないのではないでしょうか。最近はインターネット通販でもさまざまな種類が買えるので、探してみるのもおすすめです。
まとめ
サクラランはあじさいのような可愛らしい花に目が行きがちですが、香りや葉も楽しめます。花の咲かせ方を覚えたら、次は挿し木による増やし方にチャレンジしてみたりと、花と一緒に自分も成長できるのではないでしょうか。ぜひ、サクラランの魅力を楽しんでください。
サクラランの育て方が気になる方はこちらもチェック!
今回はサクラランの育て方や咲かせ方をご紹介しましたが、そのほかにもサクララン以外のさまざま観葉植物に関する記事がたくさんありますので、気になる方は是非チェックしてみてください。
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