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春菊の栽培方法とコツとは?!種まきや間引きの時期などのポイントをご紹介!

ほろ苦さのある味と香りが特徴的なシュンギク。漢字で春菊と書きますが、春と秋の2回栽培が可能で、自分で育てると長く収穫を楽しめます。シュンギクを栽培するうえで必要な種まきから間引き、収穫までポイントをご紹介します。ぜひ春菊栽培に挑戦してみてください。
2020年8月27日
koro
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はじめに

シュンギクは、ふわっと苦みのある特徴的な香りと味で人気の野菜です。鍋物の具材としてはもはや定番ですが、意外にも和洋中どんな料理にも合い、よいアクセントになってくれます。シュンギクをもっと料理に取り入れてみたいなら、自分で育てるのがおすすめです。

春菊とは

学名・分類

春菊は、和名をシュンギク、英名をcrown daisyといいます。和名のシュンギクが一般的に使われていますが、関西地方などでは菊菜(キクナ)とも呼ばれます。キク科のシュンギク属に分類されている野菜です。

春菊の基本データ

シュンギクは、地中海地方が原産の植物です。原産地や周辺のヨーロッパ地方では、観賞用の花として栽培されていて、日本のように食用ではあまり使われることがありません。日本の風土に合うので、北海道から沖縄まで栽培することができ、家庭菜園でも人気の野菜です。

春菊の品種

シュンギクは、葉っぱの特徴的な切れ込み具合によって大葉種、中葉種、小葉種にざっくり分類されます。日本で一番たくさん栽培されているのは中葉種です。シュンギクの品種はいろいろあり、えぐみが少なく生でも食べやすいサラダシュンギクや、長く太い軸部分まで食べられるスティックシュンギクなど、バラエティに富んでいます。

春菊の特徴

見た目

シュンギクは、栽培すると25~30センチくらいの背丈になります。根元の近くから葉が分かれて大きくなる株立ち型、茎の根本部分から分岐する株張り型があります。春に咲く花は、黄色の菊の花に似ています。

春菊の味

シュンギクはほろ苦い味が一番の特徴です。また、さわやかな苦みのある香りも、料理のアクセントになり、鍋ものなどにも欠かせない野菜の一つです。家庭での栽培期間は春と秋で、お店では年間を通して出回りますが、シュンギクの旬は冬になります。

春菊の栄養

シュンギクにはβーカロテンが豊富です。βーカロテンは体内でビタミンAに変換され、皮膚や粘膜を丈夫にしたり、免疫力アップやがん予防に働きます。また、野菜としては、骨の形成に欠かせないカルシウムが多く含まれます。止血作用などに関与するビタミンKも多く、栄養価の高い野菜です。

春菊栽培の方法について

地植えで


畑などに地植えする場合、10~15センチくらい株の間隔をあければよいので、小さなスペースでも育てやすい野菜です。連作障害があるので続けて同じ場所に育てることができません。シュンギクと同じキク科の植物は2~3年はあけるよう注意してください。

プランターで

シュンギクは、プランターなどで手軽に栽培できます。60センチくらいの標準的なプランターはもちろん、深さが15センチ以上あればもっと小さいサイズや鉢でも大丈夫です。容器が小さい分、収穫量は減りますが、鉢植えに一株でも栽培できます。

コンパニオンプランツとして

種類の違う植物を一緒に栽培することで、生長促進や集まりやすい病害虫の予防効果がある組み合わせのことを、コンパニオンプランツ(共生植物)といいます。シュンギクもコンパニオンプランツとして利用しやすい野菜です。シュンギクはキク科なので、キャベツや白菜といったアブラナ科の野菜がペアとなります。そばに植えることで一石二鳥なので、栽培が可能ならぜひ取り入れてみましょう。

シュンギク栽培ポイントと育て方①環境

シュンギクの栽培は光が多く必要なので、風通しの良い日なたが適しています。15~20℃のやや冷涼な気候が生育に適します。ただし、耐寒性があり本葉がしっかりと付いていれば、気温が0℃近い寒い時期でも枯れずに過ごせます。春に気温が高くなり、日が長くなってくると、花が咲いてトウ立ちするので、食べるには向かなくなります。

春菊栽培の土

プランターや鉢植えで栽培するなら、市販の野菜用培養土をそのまま使う方法が簡単です。地植えなどで土づくりをする場合は、まず2週間前に苦土石灰を1平方メートルあたり250g位まいて耕しておきます。1週間前にたい肥や化成肥料を土によく漉き込んだあと、畝を作っておきましょう。
 

シュンギク栽培ポイントと育て方②種まき

時期(春まきと秋まき)

シュンギクの種まきは春と秋、年2回時期があります。春まきの場合は3月~4月上旬で、秋まきの場合は9月~10月上旬です。ただし、春まきは、気温が上昇し、生長スピードが速くトウ立ちしやすいため、注意が必要です。

直まきとポットまき

直まきは、プランターや畑の土に筋状に浅いくぼみをつくり、そのまき筋の中に種をばらまきしていく方法です。種まきにポットを利用するポットまきでは、1つのポットに4~5粒種をまき、発芽したら徐々に間引くという方法をとります。

種まき手順

シュンギクの種は、発芽に光が必要な好光性種子なので、種まき後は、うっすらと土をかける程度にします。朝夜がまだ冷える時期であれば、寒冷紗などの覆いを、種まきした畝やポットにトンネル状にかぶせておくと安心です。種まき後は、種が流れないようにやさしく、たっぷりと水やりを行います。

シュンギク栽培ポイントと育て方③苗植えつけ

購入した苗の植え付け


園芸店やホームセンターなどでシュンギクの苗を購入する場合は、本葉が4~5枚以上は出ており、緑が濃くきれいなものを選びましょう。また、虫に葉っぱが食われているものは避け、葉に害虫が付いていないかをチェックしましょう。ポットに入っている苗の、根鉢をくずさないように静かに取り出します。根をほぐさないようにそのまま穴に入れ、土を寄せて植え付けましょう。苗の間隔は15センチ以上はあけてください。

間引いた苗を植え付け

ポットなどにたくさん種をまいたものを、徐々に間引きする方法で、苗を大きくしていくことができます。ポット苗を間引いて1本にしたら、本葉が4~5枚出てくるころに、植え付けをします。間引きの方法やポイントは次に詳しくご紹介します。

シュンギク栽培ポイントと育て方④間引き

時期と方法

シュンギクは、だいたい3回くらい間引きをしながら一つの株を大きく育てていきます。間引きの時期は、まずはじめに、全体的に発芽した際です。発芽した芽の間をあけるように数を減らします。次に、本葉が2~3枚出て少し大きくなった時期に5センチくらいの間隔をあけて間引きます。そして、本葉が4~5枚になり、10センチくらいの丈に育つまでの時期に、10~15センチの間隔になるように間引きます。

間引き後の土寄せ

シュンギクの種を植える際は、土を薄くかけている程度なので、株が大きくなってくるとぐらついてしまいます。そのため、間引きをしたタイミングで土寄せを行うといいでしょう。間引いて間隔をあけたら、両側から株の根元に手で土を寄せるようにして軽く押さえます。間引いたシュンギクの葉は小さいですが、やわらかく食べやすいので、サラダなどの料理にしてもおいしく頂けます。

シュンギク栽培ポイントと育て方⑤水やり

シュンギクの種を植えて発芽し、本葉が出てくるくらいまでの時期は、土が乾かないように注意してしっかりと水やりをします。種が小さいので、水やりで流れてしまわないように、目の細かいジョーロやシャワーで優しく行いましょう。その後は、土の表面が乾かない程度で水やりを行います。小さいサイズの鉢やプランターで栽培する場合は、地植えなどに比べると、水が切れやすいのでこまめにチェックして忘れないようにしましょう。

シュンギク栽培ポイントと育て方⑥肥料

シュンギクは栽培期間中、比較的肥料が多く必要な野菜です。使うのは一般的な花や野菜用の化成肥料です。まず最初の間引きの後、次に本葉が5~6枚になるころを目安にして、株の近くにひとつまみ肥料をまくようにしましょう。液体肥料の場合は1週間に1度くらいのペースで行います。

シュンギク栽培ポイントと育て方⑦害虫と病気

シュンギクの害虫

シュンギクは害虫の被害を受けにくい野菜ですが、いくつか注意すべき害虫があります。春まきで発生しやすいのは、アブラムシやアザミウマ(スリップス)、秋まきで発生しやすいのはヨトウムシ、ネキリムシなどです。これらの害虫は、葉の汁を吸ったり、食べてしまうことで被害を受けます。ひどいと株全体が全滅することになりかねません。

害虫対策

一度害虫がつくと、1匹でも被害はどんどん広がってしまうので、見つけ次第すぐ取り除くことが大切です。虫そのものだけでなく、卵が葉の裏などに付着していないか確認しましょう。被害のある葉は摘み取っておきます。ヨトウムシなどは昼間土の中に隠れていることが多いので、株元を少し掘ってみると見つかりやすいです。周辺に雑草が多いと、害虫を寄せ付けてしまうので、栽培期間を通してこまめに草取りをしておくことも大切です。

シュンギクの病気


シュンギクがかかりやすい病気として、炭そ病、モザイク病などがあります。炭そ病は、6~7月の温度・湿度の高い時期に起こりやすい病気です。中心が灰色、褐色の病斑がシュンギクの若葉に出るのが特徴です。モザイク病は、栽培期間中、時期問わず発生するもので、葉がモザイク模様になり、葉が丸まってくるなどの症状が特徴です。これは虫などが運ぶウイルス感染が原因ですが、まだ小さな苗に感染すると生長が止まる場合もあります。

病気対策

梅雨時期などの高温多湿な時期は、炭そ病などの病気が起こりやすくなります。水はけが悪いとさらに悪化するので、注意しましょう。また、肥料のやり過ぎが病気を起こりやすくする場合があるので、適正量を守るようにしましょう。モザイク病など害虫がもともとの原因になっている病気は、完全に防ぐことが難しいですが、種まき後から抵抗力の弱い小さな苗のうちは寒冷紗やネットで虫そのものの侵入を防ぐ方法もあります。

シュンギク栽培ポイントと育て方⑧収穫

時期

シュンギクの栽培期間は、春まきの場合約1か月、秋まきの場合約40~50日です。背丈が15~20センチくらいの大きさになってきたら収穫できます。栽培の期間が長い秋まきの場合は、背丈が15センチ以上くらいになった頃に、先端の葉を摘心して、脇芽を伸ばすようにするとたくさん収穫できます。

方法

春まきでは、気温が高くトウがたちやすくなるという特徴があります。そのため、栽培期間は短くおさえ、株ごと全体を抜き取って収穫する方法が一般的です。秋まきの場合は、本葉を4~5枚残してはさみで切り取って収穫を行います。切ったあとから脇芽が出てくるので、それが成長したら再び収穫ができます。

春菊の花

シュンギクは、春に花を咲かせる植物です。そのため、春まきで栽培期間が長くなってくると、花が咲きトウ立ちしてしまい、味が落ちてしまいます。花が咲いた後のシュンギクを食べるのは可能ですが、特に茎などは固くなってしまうので、葉の部分だけ食べるようにしましょう。花が咲く前に早めに収穫するよう意識してください。シュンギクの花は苦みが強く食用には向いていませんが、きれいな黄色で美しく彩りとして添えるような使い方ができますね。

まとめ

いかがでしたか?シュンギクは種まきや間引きなど、基本的なポイントを押さえれば、家庭菜園でも育てやすい野菜です。自分で育てたシュンギクなら、安心してフレッシュな味と香りを楽しめますので、ぜひ挑戦してみてくださいね。

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