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摘心(摘芯)とは?切り戻しとの違いや適切な時期や方法をご紹介!

植物を栽培するうえで、摘心(摘芯)という言葉をよく耳にしますね。この摘心とはいったいどういう事なのか?具体的にどんな事をするのか?詳しくは分からない人も多いはず。また切り戻しという作業との違いを踏まえながら、摘心する時期や方法などを詳しくご紹介します。
更新: 2022年5月17日
sarabande
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摘心(摘芯)ってどういう事?

新芽の先をピンチ(カット)する

摘心とは、摘芯と書いたりもしますが読み方は「てきしん」。これは新たに出てきた芽の先をピンチする作業の事です。そのままピンチあるいは芯止めと言ったりもしますね。例えば上の写真で言うと、バラは新たに出たきた芽は赤い茎をしているのですぐに分かりますね。春の時期は次から次に新芽が出てくる時期。この時期にこの摘心を行うとまたすぐに脇芽が成長してきます。ではなぜ摘心をするのかを次の項目で述べますね。

摘心をする意味

頂芽優勢(ちょうがゆうせい)を止める

頂芽とはあまり耳慣れない言葉かもしれませんね。若い苗に見られる茎の一番先端の部分には、新しい芽がありますね。この部分を頂芽と言いますが、植物はこの頂芽を優先して成長します。この頂芽を摘み取る事で即芽(脇芽)が育つのですね。これを摘心と言うのです。

脇芽を伸ばすため

どの植物も急速に成長する時期と言うものがありますね。摘心を行うという作業は初心者にとってはもったいないと思ってしまうかもしれません。しかしこの成長する時期であれば、またかならずその次の脇芽が伸びてきます。しかもこの脇芽というのは一番先の芽よりも2つある事が多く、しっかりとした芽が出てくるので摘心するというのは、これを伸ばすという意味があるんですね。

摘心をする事での効果は?

枝数が増える

摘心する事によって、一本だった茎から脇芽が2本になりそれをまた摘心するとさらに2本ずつ増えていくようになります。しかしこの摘心する時に注意しなければならないのは、脇芽を残すようにピンチする事、脇芽を確認しないままピンチし過ぎると育たない事がある、というのを念頭に摘心しましょう。むやみやたらに摘心してはその年は花が咲かないなどという事にもなりかねませんね。

花数や実が増える

芯止めによって増えた茎から、当然それぞれに花が咲きますので必然的に花数も増えるというわけです。アジサイの場合は去年のうちに摘心しますので、より多くの花を見れるのは翌年の春ですね。これもまた待ち遠しいのですが、去年よりも花数が増えるように自分で工夫するので、開花した時に喜びもひとしおでしょう。

質のいい花(実)が咲く

摘心する事によって花数が増えるばかりでなく、「花や葉の質が良くなる」というのがあります。植物は根や葉から水分、栄養を吸収しますね。根から近い方がよく吸収しやすいという事なんです。ひょろひょろと1本の茎が伸び切ったものからは花の質も悪く、きれいな色が出なかったり大きさも小さな物だったりという事があるでしょう。先をピンチしてあげる事で成長の勢いも増します。

低くこんもりと姿になる

ひょろひょろとした背の高い少ない枝ぶりの姿を、そうなる前に摘心する事で低くこんもりとした枝になり花も沢山咲いた可愛い姿になりますね。これは見た目だけでなく、植物自体もしっかりとした幹や茎になります。庭の花壇での地植えでも、また鉢植えであっても背は低いのに、こちらの方がボリュームが感じれらえる姿と言えるでしょう。


摘心と切り戻しの違い

ピンポイントか全体か

摘心と切り戻しの大きな違いは、一言でいうと切り方が「ピンポイント」と「全体」の違いですね。摘心は増やしたい枝だけをピンチして芯止めします。これに対して切り戻しは、部分的にカットして増やすのではなく、枝は増やさずにその枝そのものを復活させるために全体を剪定する作業になります。それぞれがピンチする意味が違ってくるのを頭に入れましょう。

切り方に大きな違いが。

摘心と切り戻しの違いで大事な事は、その切り方です。茎のどの部分をカットするのか、特に摘心して枝を増やす場合はこの切り方がとても重要です。これは後の摘芯の方法の項目で詳しく述べますね。切り戻しの方法は、そこまで神経質にならずに枝や茎の中央くらい、摘芯よりは少し長目に全体的に剪定してあげるといいでしょう。

剪定する時期の違い

摘心も切り戻しも剪定する時期というのはとても重要です。切り戻しの主な時期というのは、花が一度全体的に咲き終わったかなという時に、すこし茎の中央くらいから切ってあげると再度、花が咲き始める事ですね。なので切り戻しのカットする時期と言うのは花が一度咲き終わった頃です。これに対して摘心の時期は一言でいうと比較的成長の早い段階で花が咲くが好ましいでしょう。次の項目で詳しく説明いたします。

摘心をする時期

成長過程の早い段階で。

植物は当然、ある程度したら成長が遅くなり、上にも伸びずに限られた枝で花を咲かせようとします。そういう状態ではもう脇芽も出てきませんね。摘心する意味は枝数を増やすためですので、脇芽が出てくる成長過程の早い段階でする事をおすすめします。苗を植え付けた後に、この摘心作業を忘れずに行わないとある程度成長してしまうと摘心しても意味がなくなりますね。

主な摘心の方法

摘心を行う前に肥料を。

摘心を行う時期が全盛期であれば、そこまで神経質にならなくてもいいですが、せっかく育った茎をカットするのですから、やはり脇芽が伸びてほしい物ですね。確実に育つように摘心作業の2週間前くらいに、肥料を与えてあげるとより安心でしょう。その際には与えてからすぐに効き目がある、即効性の肥料が必要になります。

脇芽を探す

枝を増やすには当然、新しい芽が出ないと増やせませんね。その脇芽をまず探して確認してから摘心しないと、芽も出ず親茎も剪定してしまったという事態になりかねません。このような最悪のケースにならないように気を付けましょう。若い苗であれば簡単に見つける事ができますが、ある程度、育った苗であればまず新たに出てきた茎、または新たに伸びた茎から新しい芽が出ている事が多いです。それを目安に探してみましょう。

見つけた脇芽のすぐ上をカット

上記のように脇芽を見つけたら、そのすぐ上3mmくらいの所で剪定します。ここがポイント。あまりにも近すぎると誤って大事な芽をカットしてしまいますので気を付けましょう。逆にあまりにも遠い部分でカットすると、芽の育ちが少し遅くなって充分に伸びないまま、成長期を過ぎてしまいます。


植物によっては先端をカット

摘心は記述した通り、枝を増やすために脇芽の上をカットしますが、植物によっては成長している親づるの先端をピンチしてあげる事で、茎の途中から複数の子づるが出てきます。その子づるの先端をまたピンチすれば孫づるができてます。例えばヘチマのようなつるを沢山伸ばす植物は、このような摘心の仕方をしますね。しかしある程度成長して摘心を忘れてしまうと、もう子づるが出てこなくなるので注意しましょう。

摘心をする上での注意点

植物によって違う摘心

既述した通り、植物によって摘心の方法、実際の切り方が違いますので、充分にその植物の特性を知ったうえで正しい切り方を行いましょう。また、きゅうりなどは同じような見た目であっても実は品種が違う場合がありますので注意したいですね。同じ野菜であっても品種によって摘心の仕方が違います。特に野菜は質のよい物を沢山収穫する必要がありますね。その為にはそれぞれの品種にあった芯止めを行いましょう。

むやみやたらに摘心しない

摘心する事で枝を増やすのを目的としての芯止め作業はよく考えて行う必要があります。1本を数本に増やすのはまだ大丈夫ですが、枝数を増やす事で成長が充分に行き届かな場合があります。さらにあまりに増やし過ぎて、鉢からはみ出し過ぎてアンバランスで不格好という事にもなりますね。芯止めする意味をよく考慮しながら栽培していきましょう。

摘心以外の剪定は?

摘蕾(てきらい)

摘心でもなく、また大きな剪定とも違う作業で「摘蕾(てきらい)」という剪定があります。これはその名の通り蕾(つぼみ)をカットしてしまう作業ですね。切り方はまだ開いていない蕾を早い段階で、そのすぐ下の部分から取り除いてしまいます。これはそろそろその植物が休眠期に入る頃、咲かすのは負担になるのでカットして次の生育期に備える為ですね。またあまりにも多くの蕾をつけた場合に、より少ない花で質を良くしようとする時にも行います。

脇芽かきは逆の作業

摘心は脇芽を伸ばすために伸びた先端の芽をカットして芯止めします。これとは逆に茎の途中に出てきた脇芽をかき取ってしまう作業を「脇芽かき」と言います。これはあまりにも脇芽が多いと、花や実があまり育たなくなり特に野菜などは収穫数が少なくなりますので、脇芽が多く出た場合は少し残してあとはかきとってしまいましょう。

休眠時の剪定

多くの植物が春に活発な全盛期を迎え、夏に一時休眠して秋にまた少し生育期を過ごして、冬が長い休眠時期に入ります。芯止めが春の全盛期に行う作業に対して、この夏と冬の休眠期に行う剪定が、いわゆる植物を復活させる大事な剪定ですね。バラやクレマチスなど毎年、花を咲かせる植物などはこの剪定が大事になります。

散髪するように整える

枝があちこち向いていたり、伸びすぎた物や短い物などバラバラであったり、見た目だけを整える為の剪定が一般的によく知られている剪定ですね。これはいわゆる人間の髪の毛の散髪のような意味合いです。直接、栽培には関係なく見た目を整えるために剪定ですね。行う時期も決まっていない簡単な剪定です。

摘心が特に必要な植物は?


緑のカーテンに適してる植物

沢山のつるを伸ばして窓いっぱいに広げる事で、暑い日差しをさえぎってくれる緑のカーテンに適している植物は、まさにこの摘心作業を行います。土から伸びてきたらなるべく早い段階で芯止めをしてあげる事で、子づるを伸ばしそのつるの先端をカットして孫つると芯止め作業を繰り返し行って縦横に広げないといけませんね。主にヘチマ、朝顔、ごうやなどのつる植物です。

野菜などの実を収穫する植物

トマト、きゅうり、ナスなどは、栽培するうえで脇芽を次々と出して育ちます。この脇芽を育てて実を沢山収穫するために、親茎の先端を芯止めすると脇芽が伸びてやがて実がなります。一本の茎からは実の数が少ないけれど、茎の数を増やして収穫数を増やすという事ですね。さらに芯止めする事で大きくて質の良い実になると言えるでしょう。

葉を収穫するハーブ

野菜は実を収穫、同じように葉を収穫するハーブ栽培も摘心が必要な物があります。例えばミントなどは、自然には中々枝分かれをしないので、摘芯する事で沢山の茎ができ、そこから収穫する葉も多くついてくるんですね。バジル栽培でもこの摘心作業で、沢山の葉を増やして多く収穫できるというわけです。

最後に

正確な方法で。

植物栽培において、初心者にとって摘心作業は、もったいない、面倒だ、方法がよく分からないなど、何かと遠のいてしまいがちかもしれません。しかしこの面倒な作業こそ、意味のある作業です。更にその方法はそれぞれの植物によって切り方も違うので、充分に調べたうえで行いましょう。せっかく行っても間違っていると何の意味もなくかえって取り返しがつかなくなりますね。また、そんな面倒な事だからこそ、よりレベル高い栽培ができた時には喜びもひとしおですよ。

摘心や切り戻しの方法が気になる方はこちらもチェック!

ここでは、摘芯を切り戻しの違いなども含めて詳しくのべましたが、この摘心をふまえてスイカやゴーヤの育て方もご紹介します。