赤石岳とはどんな山
赤石岳の位置は、静岡県と長野県にまたがっています。周囲は赤石山脈と呼ばれている山帯で、標高3,121mの高山です。一帯の山々と共に南アルプスに属しています。当然、南アルプス国立公園内の山であり、日本百名山・新日本百名山にも山名を残す名山です。
赤石岳の山体・登山状況
赤石岳は、北岳・間野岳・悪沢岳に次ぐ南アルプス四番目の標高の山ですので、山頂からは南アルプスの山々の絶景をながめられ、登山マップ上の山と重ねて合わせて楽しむ事もでき、日本最南端の氷河跡も見る事もできる山です。赤石岳自体は、輝緑凝灰岩・火砕岩で構成されていますが、それほど歩きにくくはありません。
登山者のルートは、周辺の山からに縦走ルートで登山する場合が多くなっており、山泊をする人が多くなっています。もちろん、日帰り登山をする人もいますが難易度は高くなります。この記事の情報は、2019年3月1日現在のものです。
南アルプス・赤石岳の登山口
赤石岳に登山をするためには、複数の登山口があります。良く使用されている登山口を紹介します。登山口は、他の南アルプスの山と共用している場合がありますので、山岳マップなどで十分に確認してください。登山時期は南アルプス・マイカー規制のため、赤石岳に行くのには徒歩区間が多くなります。
畑薙(はたなぎ)第一ダム登山口
静岡市葵区に、畑薙第一ダムはあります。葵区内より、県道南アルプス公園線を使用してアクセスします。南アルプス公園線の終点そばに、平沼ゲートがあり駐車場もあります。そこより先は一般車両は入れません。
ゲートより先は、市道東俣林道となり、林道沿いには南アルプスの山々の登山口や椹島ロッジなどがありますので、登山マップなどで確認しながら進んでください。椹島ロッジを利用する人は、椹島ロッジまで送迎バスで入って行けます。
湯折登山口
赤石岳・聖岳・荒川岳などの登山に使う登山口です。林道上にある湯折ゲートが登山口となっています。2,5kmほど手前に、20台ほどの駐車場があります。
アクセスは長野県大鹿村を通る国道152号線より、県道253号赤石岳公園線へ左折し、直進して行けば湯折ゲートに到着できます。道路が細い場所もありますので、注意して走行してください。
鳥倉登山口
長野県側からの赤石岳・塩見岳などの南アルプスの山々の登山口として使用されています。いろいろな山の登山口が出てきますので、山岳マップで良く確認してください。
アクセスは、長野県大鹿村を通る国道152号線より、みなみ信州農協大鹿支所脇から鳥倉林道を走ると鳥倉ゲート(登山口)があります。ゲート手前3,0km付近に30台駐車の駐車場があります。
赤石岳へ車でのアクセスルート
赤石岳にアクセスするルートは、赤石岳が長野県と静岡県にまたがっているため、長野県側と静岡県側からのルートに分けられます。そのアクセス方法を紹介します。
赤石岳アクセスルート:静岡県側
畑薙第一ダムのルートを説明します。新東名高速道路の新静岡ICを利用します。新静岡ICを出て、県道27号線を北上してください。玉機橋交差点がありますので、左折してください。左折したら、県道27号線・県道60号線と進んで行けます。
ほぼ道なり直進となります。県道60号線を進んで行くと、畑薙第一ダムに到着できます。時間にして2時間くらいで到着できます。
赤石岳アクセスルート:長野県側
中央自動車道を使用します。中央自動車道の松川ICをおりて、県道59号線を小渋湖・小渋ダム方面に進みます。小渋湖が終わるあたりで県道22号線に入り進んで行くと、国道152号線(秋葉街道)に突きあたります。右折してすぐに、大鹿村役場があります。ここまで、ICを降りてから40分くらいです。
右折して進むと各林道入口が出てきます。道の狭い所もありますので、注意して走行してください。
赤石岳へ公共機関でのアクセスルート
赤石岳の各登山口までの公共交通機関でのアクセス方法を紹介します。詳しい路線状況などは、各リンク先で調べるようお願いします。
畑薙第一ダムへの公共機関でのアクセス
登山シーズン中は、JR東海道本線静岡駅から畑薙第一ダムまで、しずてつジャストラインバス「南アルプス登山線」が運行しています。2019年3月1日現在、運航日は発表されていません。
湯折登山口への公共機関でのアクセス
JR飯田線の伊那大島駅を利用します。駅前より伊那バスが大鹿村まで路線バスを運行しています。大鹿村からら湯折登山口までタクシー利用となります。伊那大島駅よりタクシーで湯折登山口まで行く登山者もいます。
鳥倉登山口への公共機関でのアクセス
JR飯田線の伊那大島駅より、登山時期に伊那バスが鳥倉登山口までバスが運行します。2019年3月1日現在、2019年の運行計画は発表されていません。例年ですと、7月中旬から8月下旬まで運行しています。その他は、大島駅よりタクシー利用となります。
赤石岳の登山ルート1
畑薙第一ダム登山口から赤石岳ルート
畑薙第一ダム登山口から椹島ロッジを通り赤石岳に向かうルートです。椹島ロッジ利用者は、約90分の時間節約となります。赤石岳避難小屋に宿泊し、下山するルートです。時間的に余裕があり、比較的安全な赤岳登山が楽しめるコースであり、登山時期には多くの登山者で賑わいます。
余裕を持った登山ですので、比較的難易度は高くありませんが、他の山登山口が多数あり登山マップは持って行ってください。
畑薙第一ダム登山口から赤石岳ルートの詳細
おおまかなルートタイムを紹介します。畑薙第一ダム登山口から青薙山登山口まで30分、青薙山登山口から聖沢登山口まで60分、聖沢登山口から椹島ロッジまで20分、椹島ロッジからカンバ段まで120分、カンバ段から赤石小屋まで90分、赤石小屋から富士見平まで30分、富士見平から赤石岳・小赤石岳間分岐まで60分、分岐から赤石岳まで20分となります。
登山マップを確認しながら、登山をするが確実です。赤石岳山頂の近くに赤石岳避難小屋があります。
赤石岳避難小屋の詳細
予約電話:0547-46-4717(株)特殊東海フォレスト
営業期間:2019年の営業は、7/6~9/30となります。
宿泊料金:5,500円
宿泊人数:20名
南アルプス周辺の山小屋を多数運営している(株)特殊東海フォレストに予約をします。
赤石岳の登山ルート2
鳥倉登山口から赤石岳ルート
鳥倉登山口から烏帽子岳・小河内岳・板屋岳・前岳を縦走しなが赤石岳を目指すルートです。赤石岳避難小屋に宿泊して下山するルートです。畑薙第一ダム登山口からのルートより、多少難易度はあがります。要所には案内標がありますが、登山マップで確認しなが登山をしてください。
宿泊予約は、畑薙第一ダムからのルートの赤石岳避難小屋の詳細と同じになります。
鳥倉登山口から赤石岳ルートの詳細
鳥倉登山口から赤石岳ルートのおおまかなコースタイムを紹介します。鳥倉登山口から烏帽子岳まで60分、烏帽子岳から小河内岳まで60分、小河内岳から前岳まで130分、前岳から大聖寺平まで60分、大聖寺平から赤石岳まで110分となります。そして、赤石岳避難小屋に宿泊して下山します。
赤石岳の日帰り登山状況
南アルプスマイカー規制前までは、赤石岳付近まで行けて日帰り登山も可能で、難易度も高くありませんでした。マイカー規制後は、赤石岳付近までは徒歩となり日帰り登山を行うには難易度も上がっています。徒歩区間延長による難易度が上がったのです。
現在では、赤石岳への日帰り登山を行う登山者は、かなり減っています。しかし、日帰り登山を行う登山者はいます。難易度が上がっているので、初心者ではかなりきついでしょう。健脚の登山者向きとなります。
赤石岳の日帰り登山ルート
湯折登山口・小渋川渡渉ルート
湯折登山口から小渋川を渡渉して、赤岳山頂に行く日帰り登山ルートを紹介します。難易度は高く、登山者の冷静な判断力も必要となります。登山マップは必ず必要なルートです。
小渋川を何十回と渡渉しますので、それに対しての経験が必要で、増水時には引き返す判断も必要です。源流部ですので、天気状況の判断も必要となります。早朝に出発しないと、日のある内に登山口に戻ってこられません。それだけに、達成感は大きく、健脚の登山者達が挑んでいます。
湯折登山口・小渋川渡渉ルートの詳細
ルートタイムを紹介します。湯折登山口から七釜橋まで30分、七釜橋から高山ノ滝まで90分、高山ノ滝から広河原小屋まで30分、広河原小屋から舟窪まで120分、舟窪から大聖寺平まで60分、大聖寺平から小赤石岳まで70分、小赤石岳から赤石岳まで40分となります。
健脚の登山者の登山者のルートタイムですので、時間増減があり、目安として使用してください。12:00前後には、赤石岳に到着しているような登山計画を立てる必要があります。
赤石岳の椹島(さわらじま)ロッジとは
畑薙第一ダムより南アルプスの赤石岳や、その他の南アルプスの山を目指す登山者に有名なのが、椹島ロッジです。平沼ゲートをより先は、一般車両は立ち入り禁止となりますが、椹島ロッジを利用する人は、椹島ロッジまでの送迎が行われます。椹島ロッジの一泊して、赤石岳や南アルプスの山に登山する人は多くいます。
椹島ロッジは、(株)特種東海フォレストが運営しています。この会社は、南アルプスの山小屋・ロッジを複数運営しており、南アルプスの事を良く知っている会社です。
椹島ロッジの詳細
予約電話:0547-46-4717(株)特殊東海フォレスト
営業期間:2019年の営業は、4/27~11/4となります。
宿泊料金:4/27~7/12は8,000円・7/13~11/4は9,000円で一泊二食付きです。
定員:180名
テント:1人1,000円
備考:宿泊者は施設内の風呂が利用できます。各種サービスはHPをご覧ください。
赤石岳の年間天気状況
赤石岳に登山するには、天気状況が重要となります。登山者の訪れる春から秋は雨量と冬は積雪量をご紹介します。
赤石岳の春の天気状況
3月は、一日あたりの降雨量平均5,8mm、平均気温-10,6℃となり、残雪が多い所もあります。4月は、一日あたりの降雨量平均5,0mm、平均気温-4,6℃となります。5月は、一日あたりの降雨量平均6,6mm、平均気温0,5℃となります。
赤石岳の春は、訪れる人も多くありません。
赤石岳の夏の天気状況
6月は、一日あたりの降雨量平均8,4mm、平均気温4,9℃となります。7月は、一日あたりの降雨量平均8,6mm、平均気温8,8℃となります。8月は、一日あたりの降雨量平均7,7mm、平均気温9,7℃となります。
赤石岳の夏は、一番登山者が訪れる時期です。
赤石岳の秋の天気状況
9月は、一日あたりの降雨量平均7,7mm、平均気温6,0℃となります。10月は、一日あたりの降雨量平均6,0mm、平均気温-0,8℃となります。11月は、一日あたりの降雨量平均4,3mm、平均気温-6,5℃となります。
9月の紅葉時期には多くの人が訪れますが、それ以降は減ります。11月中旬には雪が多くなります。
赤石岳の冬の天気状況
12月は、最深積雪量平均18,0cm、平均気温-12,2℃となります。1月は、最深積雪量平均33,0cm、平均気温-15,4℃となります。2月は、最深積雪平均36,0cm、平均気温-14,5℃となります。
赤石岳の冬は、かなり厳しいといえます。それでも、訪れる人はいるのです。
南アルプス赤石岳のまとめ
南アルプスの赤石岳は、3,000mを越える山ですが登山ルートの選択によっては、それほど難易度は高くありません。日帰り登山が、一番難易度が高いのかもしれません。ゆっくりと山泊しながら登山するのが良いかも知れません。この記事を参考にして、日本百名山の南アルプス・赤石岳に登ってみませんか。
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