美味しいコーヒーとは?
たくさんの人に飲まれているコーヒー。コーヒーには、たくさんの種類のコーヒー豆があり、好みの味の豆を選ぶだけでも大変です。また、コーヒーの入れ方も好みの豆を自分で挽いて入れる、少しコツの必要な本格的なコーヒーから、お湯を注ぐだけで飲むことができるインスタントコーヒーまでいろいろあります。そんないろいろなコーヒーの中でも、美味しいコーヒーとはどのようなコーヒーなのでしょうか?また、コーヒーを入れる道具を一体どのような使い方をすれば美味しいコーヒーを入れることができるのでしょうか?
コーヒーの味
一般的に味を表す表現には5種類あります。それは、「甘味」「酸味」「塩味」「苦味」「うま味」の5種類です。コーヒーの味わいを表現するときは、このうち「酸味」と「苦味」の2種類で表現します。また、「苦味」や「酸味」はコーヒー豆の種類により違いますし、豆の挽き方(深挽き、浅挽き)でも変わってきます。「苦味」については、口の中に残らない、さっぱりした苦味が一般的には良質な苦味と言われています。「酸味」については、わずかな甘みを感じることができる「酸味」が最近では好まれているのです。
コーヒーの香り
美味しいコーヒーと言っても、味だけでは完成しません。コーヒーの評価は味の他に、5種類の感覚のひとつである「香り」に大きく左右されます。好きなコーヒーの香りを嗅ぐと時間がゆったりと流れるような気分になります。そしてその「香り」にはさらに「フレグランス」「アロマ」「フレーバー」と言った3種類があり、それらが複雑に作用して美味しいコーヒーを完成させています。そんな癒しの時間を大切にするためにも香りの正しい使い方を覚えましょう。
コーヒーにはどんな水を使えばいいの?
ミネラルウォーターの使い方1
コーヒーを入れるとき、水の種類によって味が変わってきます。たとえばミネラルウォーターと一言で言っても硬水と軟水という2種類のミネラルウォーターがあります。どちらのミネラルウォーターを使うか、軟水なのか?硬水なのか?水の使い方ひとつでコーヒーの味が大きく変わるのです。たとえば、そのまま飲んでもサラっとしている軟水は、コーヒーの水として使ってもサラっとしていてコーヒーの酸味が引き立ちやすくコーヒー豆の特徴がそのまま出やすい水と言われています。
ミネラルウォーターの使い方2
一方、硬水はカルシウムやマグネシウム等の種類のミネラルを多く含んでいるため、コーヒーの苦味が強くなると言われています。どちらがよいとは言うわけではありませんので、好みに応じて使い分けてその人にとっての美味しいコーヒーを入れれば良いでしょう。
水道水の使い方1
ただ、コーヒーを毎日必ず何杯も飲まれる方にとっては、コーヒーをミネラルウォーターで入れるのは経済的になかなか厳しいものです。そもそも日本の水道水の品質は世界の中でもトップクラスに良い品質の水なので、水道水でコーヒーを入れても十分美味しくできるはずなのです。ですので、毎日複数杯のコーヒーを入れて飲む人は水道水を使って入れれば良いのです。
水道水の使い方2
ただ、日本の水道水はいわゆる軟水ですので、先に書いた軟水で入れた時のコーヒーに与える味の影響を承知した上で使う必要があります。コーヒーの苦味が苦手な人にとって水道水で入れたコーヒーは好みの味になりやすいかもしれません。でも、逆にコーヒーの苦味を引き立てたい人には、なかなか納得できる味にならないかもしれません。
コーヒーの入れ方にはどんな方式があるの?
代表的なコーヒーの入れ方としては、大体下記のとおり4種類の方式があります。でももう少し大きく入れ方を分けると、ハンドドリップを使うか道具を使うかの2種類の方式に分けられます。
道具を使ったドリップ1:サイフォン式
サイフォン式とは、フラスコとロートと呼ばれる道具を用いてコーヒーを入れるドリップ方法です。フラスコに入れた水を底から熱することで空気圧が上がりコーヒーが抽出される方法です。サイフォン式は、一度セットすると勝手に抽出され、コーヒーの香りが充満してくるとともにその過程を見ているとついつい見入ってしまいます。そんなサイフォン式で入れたコーヒーは、香り高いコーヒーに仕上がると言われています。ただ、サイフォン式は少し大掛かりな道具が必要であり、使い方や入れ方に多少知識とコツが必要なので慣れるまでに多少時間がかかると言われています。
道具を使ったドリップ2:エスプレッソ式
エスプレッソ式も道具を使って入れる方式です。エスプレッソ式は、フォーセットと呼ばれる取っ手のついた道具と金属製のフィルターを使って入れるコーヒーなのです。エスプレッソ式で入れるコーヒーの豆は、イタリアンローストの微粉モードで挽いた豆を用いるのが一般的で、フォーセットで作られる蒸気圧を使ってコーヒーが抽出されます。エスプレッソ式は、コーヒーを凝縮したエッセンスのようなコーヒーに仕上がりますので、抽出される様子を目と鼻で楽しみ、出来上がった後は小さなカップで少分量のコーヒーとして少しずつ味わいながら飲みましょう。
ハンドドリップ1:ネル・ドリップ式
ネル・ドリップ式は、ネル製のこし袋にコーヒーの粉を分量通り入れてお湯を注ぐ入れ方です。ネル・ドリップ式は、ネル製の布を通して抽出するので、ペーパーフィルター式と同じ分量を使いながらもぺーパーフィルター式よりもコクのあるコーヒーを入れることが出来ると言われています。ネル・ドリップでお湯を注ぐ方法は、ペーパーフィルターとほぼ同じやり方でよいので、ネル・ドリップも大きな言い方ではハンドドリップ式なのです。ただ、ネル・ドリップ式は道具の使い方など、ペーパーフィルター式よりも多少コツのいる入れ方と言えます。
ハンドドリップコーヒーは、上にも書いたようにペーパードリップ式とネル・ドリップ式の2種類があります。ネル・ドリップ式は、ネルのこし袋を洗剤を使わずに洗ったり、異臭がしないように水分を保ちながら冷蔵保管しないといけない、と言ったように一般の方にとっては道具の手入れに時間がかかり、管理や保管に少しコツがかかります。
ハンドドリップ2:ペーパードリップ式
ペーパードリップとは、ドリッパーと呼ばれる器具の内側にペーパーフィルターと呼ばれる使い捨ての道具の紙フィルターをセット。その中に挽いたコーヒー豆を分量通りセットしてコーヒーを抽出する入れ方です。この方法は、初めての人でも分量さえ間違えなければ時間をかけず簡単にコーヒーを入れることが出来る、もっともポピュラーな入れ方です。
ペーパードリップ式は、ドリッパーとペーパーフィルターさえあれば、簡単にハンドドリップでコーヒーを入れることができる入れ方です。ペーパーフィルターは、常に使い捨ての新しいペーパーフィルター使うので、時間もかからず毎回清潔な状態で美味しいコーヒーを入れることができるのです。今回は、そんな素人でも簡単に入れることができるペーパーフィルター式のハンドドリップコーヒーの入れ方を中心に紹介します。
美味しいハンドドリップ手順1:準備
まず、入れたいコーヒー豆を挽きます。コーヒー豆を挽く時には「どの程度の細かさ」で挽くのか選択しないといけないのですが、ペーパーフィルター用であれば「中細挽き」くらいで挽くことがポイントです。コーヒー豆を挽く量は、カップ1杯(120ml)あたり12~15gです。(コーヒー豆専用のメジャースプーンがあれば簡単に目的の分量が計れるので便利です)
また、コーヒーを注ぐためのケトルですが、少量ずつお湯を注げるようにハンドドリップ専用のコーヒーケトルを用意したいものです。コーヒーケトルは普通のケトル同様使い方は簡単です。ただ、コーヒーケトルはお湯の注ぎ口が細長くS字に湾曲しているのでお湯を『ていねいに』注ぐことができるのです。
美味しいハンドドリップ手順2:サーバセット
次にドリッパーと呼ばれるコーヒーを入れるときにお湯を注ぐ容器を用意し、サーバの上にセットします。そして、ドリッパーの内側にドリップ用のペーパーのりしろとなってはみ出る部分に折り目をつけます。そのあとペーパーフィルターを敷きます。最後にペーパーを敷いたドリッパーの中に挽いた豆を入れて平らにならします。(この時上から押さえつけないように注意しましょう)
美味しいハンドドリップ手順3:蒸らし
ハンドドリップで、まず初めに行うのが『蒸らし』です。蒸らしとは、サーバーにコーヒーの粉をセットした後、初めに行うことです。お湯をコーヒーの粉の中心から円を描くようにしてしてコーヒーの粉全体にかかるように注ぎます。お湯の量は、大体20ccくらいなのですが、目安としてはドリッパーからコーヒーエキスがポタポタと数滴落ちるくらいの量です。お湯を注ぎ始めたら、お湯が冷めないようにあまり時間をかけずにていねいに蒸らしを行いましょう。
美味しいハンドドリップ手順4:本抽出
「蒸らし」が終わり20~30秒くらいの時間が経つと、コーヒーの粉がプクプクと盛り上がってきてまたしぼんでいきます。そうなると次に本抽出を行います。本抽出はまず粉の中心に向かって30秒くらいの時間をかけて小さな円を描くようにお湯をドリップします。するとコーヒーの粉全体が再び膨らんできて、コーヒーエキスがサーバに滴り落ちてまたしぼんでいきます。
美味しいハンドドリップ手順5:バランスを取る
3回目のお湯の注ぎは、2回目の本抽出の時にできた中央のくぼみにある表面の泡の層が崩れないうちに行います。この3回目のお湯の注ぎは、「コーヒーのバランスを取る」注ぎでありコーヒーの味を左右するとても大事な抽出です。注ぐお湯の分量は2回目よりも少なめにします。そして、入れる分量によっては、4回目のお湯の注ぎも必要なのですが、回数を重ねるごとにドリップ分量は少なくしましょう。
ハンドドリップコーヒーを美味しく入れるコツ1
コーヒーを入れるときに気持ちを整えると、不思議とスッキリした味わいのコーヒーが入れられます。部屋が散らかっていると入れる時に気が散ります。気が散るとコーヒーに雑味が入るのです。ですので、気持ちを整理するためにも片付いた空間でコーヒーを入れましょう。
ハンドドリップコーヒーを美味しく入れるコツ2
コーヒー豆やコーヒー粉は、封が開いていると上からどんどん香りが抜けていってしまいます。ですので、コーヒーを入れる前に上と下が混ざるように少し降るのです。振ることで味が均一になり、均一の味のコーヒーを入れることができます。このようにコーヒー豆やコーヒー粉に少し「手をかけてやる」ことで美味しいコーヒーを入れることができるのです。
ハンドドリップコーヒーを美味しく入れるコツ3
もう一つ手をかけてやると良いのが、ドリッパーを少し濡らすことです。ドリッパーをほんの少し濡らすことで、ペーパーがドリッパーの内側にピタっとくっつくのです。これをすることでコーヒーの味が変わるのです。
ハンドドリップコーヒーを美味しく入れるコツ4
ご飯を炊飯器で炊く時、1合だけ炊くよりも少し多めの3合くらいをたくととても美味しいご飯が出来上がります。お米と同じようにコーヒーも1カップ分だけ入れるよりも、3カップまたは4カップ分を作ったほうが美味しく出来上がるのです。
ハンドドリップコーヒーを美味しく入れるコツ5
ドリッパーに注ぐお湯は、真ん中からまんべんなく注ぎましょう。お湯を端からかけるとドリッパーを伝ってお湯だけがカップに落ちることになります。そうなると美味しいコーヒーはできません。ドリッパーの中のコーヒーをよく観察しながらお湯を注ぐと、おのずからわかってくるのです。
ハンドドリップコーヒーを美味しく入れるコツ6
美味しいコーヒーを美味しいまま飲むために、コーヒーのカップは必ず温めておきましょう。コーヒーのカップを口につけた時にカップの温度とコーヒーの温度に差があると、たとえ惜しいコーヒーを入れられたとしてもすっと入ってきません。抽出手順や時間、そして分量などをきっちり守り、せっかく美味しく入れたはずのコーヒーをそのまま感じるためにも、カップは是非とも温めておきましょう。
ハンドドリップの心構え1
いろいろ書きましたが、コーヒーの入れ方は決して難しくありません。でも、面倒臭いと思って適当な気持ちでハンドドリップコーヒーを入れると必ず美味しくないコーヒーになります。美味しいコーヒーを入れるためには、これまで書いたハンドドリップの手順全てを『ていねいに』しましょう。ハンドドリップは、簡単なだけに『ちょっと手をかけてあげる』ことがとても大切なのです。
ハンドドリップの心構え2
ハンドドリップコーヒーを入れる時にもうひとつ大切なことは、『ちょっと気持ちを込める』です。少しおおげさな言い方かもしれませんが、『コーヒーは生き物』だと思って抽出する時に、声をかけながら入れるとそれに応えてくれるかのように不思議と美味しいコーヒーが出来上がるのです。
ハンドドリップコーヒーの美味しい入れ方:まとめ
コーヒーには種類がたくさんあり、道具の使い方や抽出の仕方など様々な種類があります。コーヒーを飲む人も、香りにこだわる人や苦味や酸味を好む人など、たくさんの種類の人がいます。つまり、人により美味しいコーヒーというものが違いますし道具の使い方も全然違うのです。人により苦味を好む人や香りを重視する人はあるにせよ、コーヒーとは一般的に美味しいコーヒーとは誰が飲んでも美味しいものです。そんな美味しいコーヒーを濁りなく入れることができたなら、そのコーヒーは冷めても美味しいですし、冷めた後に再び温めても美味しいコーヒーのままなのです。
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