ノイバラの花言葉や育て方まとめ
ノイバラは桜の花にも似た、一重咲きが美しい花を咲かせる野生種のバラのことを呼んでいます。ノイバラの種類には、グランドカバーにもできる樹形や、つるの長さが5mにもなる大型品種、矮性の品種など多種多様です。病気にかかりやすい現代バラの、台木としてノイバラの根を使用していることもあります。それだけあって、初心者でも栽培しやすいといわれています。今回は、ノイバラの種類・花言葉・育て方についてまとめていきます。
ノイバラの詳細情報
科名属名
ノイバラの科名属名は、バラ科バラ属です。
学名
ナニワノイバラの学名は、「Rosa laevigata」・「Rosa multiflora Thunb」・「Rosa polyantha Siebold et Zucc」です。
別名・和名
表記が違いますが、ノイバラを「野茨」と書くこともあります。トゲが多いことが由来しています。一般的にノイバラは「野バラ」と書くことが多いですね。
分類
ノイバラは、つる性の低木です。剪定や誘引の仕方で、ある程度自由にノイバラを仕立てることができます。
耐寒性・耐暑性
ノイバラは耐寒性が強い植物です。しかし、冬季は葉を落として休眠を行います。耐暑性も強いですが、西日に当たると葉焼けをおこして、生理的に葉を落とすこともあります。
草丈
ノイバラはつる性植物なので、つるを伸ばしてい行くと、1mから5m程度になります。ノイバラの枝はしなやかななので、上へと伸びるわけではなく、誘引して横方向へと野バラのつるを伸ばします。
原産国
ノイバラの種類にもよりますが、原産国は日本・中国・朝鮮半島です。
ノイバラの花言葉
花言葉
ノイバラの花言葉は、「上品な美しさ」・「純朴な愛」・「素朴な可愛らしさ」・「孤独」・「才能」・「詩」などです。
花言葉の由来
ノイバラの「上品な美しさ」や「素朴」といった花言葉には、野生種として野原で咲いている花姿から由来しています。「才能」や「詩」といった花言葉は、ノイバラの花姿を見た有名な作詞家・作曲家が、よくノイバラを題材にしていたことに由来しています。ノイバラの花を見れば、愛や美しさを感じることでしょう。
開花時期
ノイバラは、他のバラとは違い、四季咲きが多いバラの中でも一季咲きという特徴があります。ノイバラの開花時期は、5月から6月です。一季咲きの野生種のバラは、四季咲きのバラとは違い花数は多くなっています。
花の色
ノイバラが咲かせる花色は、白・赤です。他のバラとは違い、花色にバリエーションはありません。
ノイバラと野バラの違い
野バラは、園芸品種の名前ではありません。野バラというのは、様々なノイバラの種類の総称です。ノイバラは、「野茨」と漢字で表記します。この「野」は自生している林などを指しています。そして「茨」は野バラの棘を指しています。一方、「野薔薇」と表記する場合は、野に咲く薔薇を指しています。これらの流れで、現代ではノイバラのことを野バラと意味合いで呼んでいます。野バラはノイバラをまとめた大きなくくり、ノイバラは園芸品種に登録されている名前です。
ノイバラの育て方①種類
ノイバラには、様々な種類があります。今の現代バラの基本となったノイバラなので、樹勢も強く病気にも強い種類が多いですね。使いやすく好みの色合いを持ったノイバラを、ぜひ見つけてみましょう。
種類①テリハノイバラ
テリハノイバラは、細くしなやかな枝を持っていて、放射状に広がって地面につるを這わせるグランドカバー樹形の種類です。また、葉には光沢があって深い緑色をしているので、病気にも強い品種です。花色は白で、一重咲きのノイバラです。グランドカバーとして使うことも出来ますが、直接地面につけないように栽培することで病気の発生が少なくなります。
種類②サクラノイバラ
サクラノイバラは、桜のようにも見える一重咲きのピンク色をした花を咲かせます。庚申バラと野バラの交雑品種で、別名でカイドウバラとも呼ばれています。日本が原産国で、江戸時代中期に園芸品種として広まるようになりました。
種類③ヒメイバラ
ヒメイバラは、別名で「一才バラ」と呼ばれています。濃いピンク色をした花を持っていて、小さい花を多数咲かせます。ノイバラの中でも矮性の種類なので、樹高もあまり大きくなりすぎないためスペースがない場所でも植え付けることが可能です。
種類④ナニワイバラ
ナニワイバラは、中国が原産国です。日本には宝永年間に渡来してきて、大阪の商人がこのノイバラを売り歩いていたことで難波のバラという意味で「ナニワイバラ」と呼ぶようになりました。日本全国でナニワイバラを植えられていき、四国地方や九州地方で野生化もしています。
種類⑤トゲナシノイバラ
ノイバラは、トゲが多くて鋭い種類が多いです。トゲナシノイバラは、他のノイバラとは違い、あまりつるに棘のない種類です。小さいお子さんがいるお庭や、剪定の際には助かると思います。
ノイバラの育て方②植え付け
土作り
水はけがよく、水持ちの良い土質を好みます。肥大で通気性に優れた土作りをするとよいでしょう。もともと森林で自生していた種類の野生種なので、水はけ・水持ちがよい土質ならあまりこだわりません。赤玉土の中玉を主体に、腐葉土:ピートモスを6:3:1で配合して土を作りましょう。庭の掘り返した土質に合わせて、くん炭や鶏糞・馬糞等を使用してもよいでしょう。
日当り
基本的にバラは、よく日に当たる場所で栽培します。主に午前中によく日の当たる場所で栽培しましょう。ナニワイバラは、現代バラと違い、半日陰でも栽培することは可能です。しかし、午後に西日だけが当たるような場所は咲けるとよいでしょう。
植え付け時期
ノイバラの植え付け時期は、休眠時期の12月から2月に行います。活動していない時期に行うと、新苗の根を傷めずに栽培することができますよ。
植え付け方法
植え付ける場所をよく耕して土作りをしたのち、元肥をすき込んで半分土を戻しておきましょう。鉢からノイバラの苗を出して、根を動かさないように注意して植え付けましょう。植え付け時に、ウォータースペースを取って、よく根が広がっていくように十分に水やりを行いましょう。植え付けたら苗の根元に支柱を立てて、つるを固定しておきます。植え付けたら、植え付けた苗の表土にマルチングを施しておくとよいですね。
ノイバラの育て方③水やり
休眠期をあけて暖かい気温になると、芽吹きだして生育を始めます。ノイバラは生育旺盛で、たくさんの水を必要とします。また、冬は休眠するので水やりも減らしていきます。ノイバラの水やりのタイミングや方法につて、季節ごとにまとめてご紹介します。
水やりタイミング(春から秋)
ノイバラの表土が乾いたら、たっぷりと水やりを行うようにしましょう。春・秋の水やりは、午前中や午後の水温が暖かい程度の時間帯に行います。夏場は早く表土が乾いてしまうので、水やりの回数を増やしましょう。夏場は、昼から午後に気温も高くなってしまいます。バラが水分を吸水しやすいように、朝の涼しい時間帯に水やりを行いましょう。
水やりタイミング(冬)
ノイバラは、冬は休眠する植物です。耐寒性が強く、越冬しますが葉が自分で落ちない半落葉のノイバラの種類はやや耐寒性が劣ってしまいます。秋から冬にかけては、越冬しやすいように少しずつ水やりの回数を減らしていきましょう。冬場は、表土が乾いてから約3日程度たったころに水やりを行いましょう。土が凍ってしまうことのないように、暖かい昼頃に水やりするとよいですね。
ノイバラの育て方④肥料
現代バラとは違い、一季咲きのノイバラは一年で5月から6月にたくさんの花を咲かせて、楽しませてくれます。その後、花は落ちて実をつけるので、定期的な肥料を与える必要があります。ここでは、ノイバラに与える肥料と、肥料の時期についてまとめていきます。
肥料の時期
苗を植え付ける際に、元肥として有機肥料を土にすき込んでおきましょう。また、苗の根に直接肥料分が当たらないように気をつけるとよいでしょう。その後は、花後の6月・結実時の10月・寒肥の1月に肥料を与えます。
肥料の与え方
肥料は、与えすぎてしまうと苗が軟弱に育って、病気にかかりやすくなってしまいます。肥料の時期に、馬糞・鶏糞などの有機性肥料を少し掘り返した土に混ぜて与えます。化成肥料の場合は、株の周りに円を掻くようにして撒いておくとよいでしょう。寒肥はマルチングをかねて、株もとを覆うようにして表土にかぶせておきます。
ノイバラの育て方⑤植え替え
植え替え時期
4月から10月の間で、鉢の底から根が出てきていたら植え替えに適した時期です。また、休眠期の1月から2月には、根を動かすことができます。ノイバラは、生育旺盛なのですぐに根が鉢いっぱいに回ってしまいます。株の勢いを見て植え替えを行いましょう。
植え替え方法
鉢植えのノイバラの場合は、一回り大きな鉢へと苗を植え替えます。鉢を軽く叩いて、根を傷めないように気を付けて苗を取り出しましょう。新しい土を作って、静かに植え替えます。植え替えを行ったら、たっぷりと水やりを行います。庭植えのノイバラの場合は、2年から5年に1度でよいでしょう。この場合は、休眠期に行うと株を傷めることなく移植できます。
ノイバラの育て方⑥剪定
剪定時期
ノイバラは、剪定の仕方でつるを好みの形に仕立てることができます。剪定は、12月から3月の間に行うようにしましょう。花芽をつけてから剪定してしまうと、花を咲かせなくなってしまいます。温暖地域では、3月にもなると花芽が出ている場合もあるので、地域によって剪定の時期をずらして良いでしょう。
剪定方法
清潔な剪定ばさみを使用して、古くなった枝・込み合っている枝を剪定します。新しいシュートが出ている場合は、その年・前年度に伸びた枝を剪定します。その後、誘引したい方向へと向いている枝を残して、主枝から5cm程度に枝を剪定していきます。
ノイバラの育て方⑦挿し木
挿し木時期
ノイバラの挿し木は、開花時期の6月から花後の今年伸びた新しい枝を剪定します。
挿し木方法
その枝を使用して、挿し木を行って増やしていきます。挿し木は、15cm程度の枝を使います。鉛筆程度の太さのものを選び、下から5cm程度の下葉をかき取ります。切り口に、発根促進剤を塗布して挿し木専用培養土に挿し木します。
ノイバラの育て方を実践してみよう
ノイバラの育て方については、いかがでしたか?ノイバラは、バラの中でも生命力が強く、少しの害虫病では枯れない野生種です。ノイバラと野バラの違いについてや、花言葉・剪定方法についてもまとめてきました。あなたの好みのノイバラの種類を選んで、花言葉と共に大切に育ててあげてくださいね。
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