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バラ栽培で重要な剪定のやり方とは?時期やバランスなどポイントを解説!

バラの栽培の中でも、美しい花を咲かせるために重要とされている手入れが、剪定です。バラは、木立性、つる性などの性質や、時期により剪定の方法が異なってきます。栽培中のバラに適した剪定を行い、毎年たくさんの花を咲かせられるよう、バラの剪定の基本を学んでくださいね。
2020年8月27日
吉岡てんぱ
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バラの栽培の魅力

バラは、花束など、フラワーアレンジメントでは、必ずと言ってよいほど、主役として利用される花です。また、見た目だけでなく、ラグジュアリーな香りは、フレグランスやポプリなどにも多用されるほど、魅力的です。そのため、女性を中心に、バラの花が好きという人も多く、お気に入りの品種を育て、大好きなバラに囲まれて暮らしたいと考える人も多いです。

バラは、紀元前から、すでに香料や薬として利用されていました。ヨーロッパ原産のイメージもありますが、実は、日本やチベット、中国などアジアが原産の植物です。アジアで生まれたバラは、ヨーロッパで品種改良され、様々な品種が誕生しました。その後、世界中で愛され、古くから、ローズガーデンなど、バラを育て愛でる人が後を絶ちませんでした。

バラの栽培は、難しいと考える人も多いですが、実際のところ、いくつかの育て方のポイントさえ押さえれば、比較的簡単に栽培することができます。そこで、ここでは、バラの栽培の重要なポイントの1つ、剪定について、上手に育てるポイントをまとめました。ぜひ、剪定のポイントを押さえて、たくさんのバラの花を咲かせてくださいね。

バラの剪定が重要な理由

バラは、品種によっては、剪定をしなくてもそれなりにバランスのよい樹形に育つものもあります。しかし、剪定をした方が、美しいバランスの樹形になる上、バラを剪定することで、より美しい花が、たくさん咲くとも言われています。

特に樹形は気にしないからと、バラの剪定を怠ると、風通しが悪くなり、アブラムシなどの害虫が、新芽についてしまうこともよくあります。バラの栽培を始めたら、剪定は、必ず毎年2回、適切な時期に行いたい、重要な手入れなのです。

バラを剪定する準備

1週間前から水やりをしっかり行う

バラを剪定するにあたり、剪定する日の1週間前ごろから、いつもよりしっかりと水やりを行うようにしましょう。そうすることで、剪定によるダメージを回避しやすくなりますよ。

冬の剪定の前は葉を摘み取る

冬の時期の剪定は、できるだけ休眠状態に行いたいので、冬の剪定をする日を決めたら、剪定前の1~2週間の間に、葉を全部摘み取りましょう。

バラを剪定で切り戻す枝の選び方

バラの剪定は、バランスのとれた樹形に整えることも目的です。剪定の際の状態を見ながら、全体的なフォルムを整えることに加えて、今後どの枝が伸び、新芽が生えるかも考えながら剪定を行うことも大切です。主に、次にご紹介するような点に注意して剪定をすると、木立性のバラも、つる性のバラも、失敗しにくいと言われているので、ぜひ参考にしてくださいね。

切り口の枝の色をチェックする

バラの剪定をしたら、その都度枝の切り口の色をチェックしてみてください。もし、枝の中心まで緑色なら、気にしなくてよいですが、枝の中心が茶色い場合は、弱ってきている枝なので、今後花をつけることがあまり期待できません。そのため、枝の中心が茶色い場合は、枝の付け根辺りから切り戻してあげましょう。

古い枝をチェックする


バラの中心となっている幹以外で、2年以上経過した古い枝があれば、根元から短く切り戻しましょう。2年以上経過した、古い枝は、枝の表面の具合などを見ると、意外に簡単に見分けることができますよ。

細い枝はすべて切って太い枝は残す

太い枝は、脇芽がたくさん出て、新芽がたくさん付き、花もたくさん付ける可能性があるので、できるだけ切らないようにしましょう。太さの目安として、よく鉛筆の太さが挙げられます。鉛筆よりも太い枝はできるだけ残し、もし、バランス的に切り戻ししたいと思っても、あまり短く切り戻ししないように、注意してくださいね。

また、鉛筆よりも細い枝は、短く切り戻しましょう。枝全体が細い場合は、すべて切り戻してよいですし、もし途中から細い場合は、細い部分だけ切り戻せば大丈夫です。

剪定のしすぎには注意

これは、木立性のバラの剪定でやりがちなのですが、葉もなく枯れている気がするからと、剪定しすぎて、株自体が弱ってしまうことがあります。目安としては、木立性のバラの株全体の大きさが、3分の1程度までなら剪定しても問題ありません。逆に、警戒しすぎると剪定した意味がなくなってしまうので、冬の時期の木立性のバラの剪定は、株の高さが半分になるまで、しっかりと剪定してあげてくださいね。

バラを剪定する時期

バラは、株が休眠状態の時に剪定すると、株へのダメージが少なくなるので、おすすめです。株が休眠状態になるのは、気温が下がる冬で、1~2月ごろです。葉が茶色く色づき、落葉したら、休眠したサインとなりますが、先述の通り、葉が完全に落ちていない場合でも、葉を摘み取ることで休眠状態にすることができるので、お住いの環境などに合わせて、調整してみてくださいね。

また、バラの花が咲き終えた夏も、剪定におすすめの時期です。その年の天候によりますが、8月下旬ごろから9月ごろに剪定を行うのが、最も適していると言われています。夏は、風通しが悪くなることで、害虫もつきやすくなります。バラの栽培で、より美しい花を楽しみたいと思ったら、夏と冬の2回、剪定をするとよいでしょう。

バラの剪定のポイント-夏-

夏のバラの剪定の手順1.花がら摘み

夏になり、気温が上がると、バラの花びらがどんどん散っていきます。散りかけた花があれば、随時摘み取っていきましょう。手で花弁をもぎ取ってもよいですし、剪定ばさみで、花の根元から切っても大丈夫です。より美しい状態を保ちたいなら、八分咲きのころから摘み取るのもおすすめです。できるだけ小まめに花がら摘みをすることで、カビなどの発生も防ぐことができますよ。

夏のバラの剪定の手順2.枝の剪定

バラの花がある程度なくなってきたら、枝の剪定に取りかかりましょう。花が咲いていた枝の、5枚葉(1つの枝に5枚の葉が付いている枝)の5mm上で、剪定していきます。5枚葉のすぐ上に、新しい芽があるので、新芽は傷つけないように注意してくださいね。また、ぱっと見た感じで、葉があまり付いていない枝も剪定していきます。目安としては、細い弱々しい枝や、内側に向いていて、蒸れの原因になりそうな枝を中心に剪定していきましょう。

夏のバラの剪定のポイント

夏のバラの剪定は、冬の剪定と異なり、すでに新芽ができてきているので、切り戻しすぎに注意が必要です。樹形が気に入らなくても、短く切り戻しすぎると、新芽が生えず、株全体の勢いが衰えてしまうので、切り戻しすぎには気をつけてくださいね。大幅に樹形を変えたい場合は、冬の剪定で行うようにしましょう。

バラの剪定のポイント-冬-

冬のバラの剪定の手順1.花が枯れる前の剪定


気温が下がり、バラの花が完全に枯れてしまう前に、花が付いている枝を剪定しましょう。剪定の際のポイントは、枝の先端から、3番目の芽の下まで切り戻すことです。

冬のバラの剪定の手順2.枯れた枝の剪定

花が枯れる前の剪定が終わったら、全体的に込み合っている部分を中心に、枯れた枝を根元から切り戻しましょう。葉が付いていない枝や、枝の中心が茶色くなっている枝、また、細い枝を切り戻しながら、全体的なバランスを見ましょう。もし、それらの枝を剪定することで、株全体のバランスが悪くなる場合は、残しておいても構いません。

冬のバラの剪定の手順3.新芽の剪定

バラの根元から、新芽が生えている場合は、冬に剪定します。新芽は、好みのバランスに樹形を整える際、邪魔になる場合は完全に切り戻しても問題ありませんが、生長しても構わない場合は、新芽の先端から3番目の芽の下まで切り戻すと、より美しい株に生長しますよ。

冬のバラの剪定のポイント

冬の剪定は、新芽ができる前の剪定になるので、思い切って短く切り戻しても、株へのダメージが少なく済みます。もし、バラの樹形が気に入らない場合は、冬の剪定で思い切って短く切り戻してくださいね。冬に短く切り戻すと、葉もなくさみしい姿になってしまいますが、春になれば美しい葉をたくさん付けて、樹形のバランスも整ってくるので、大胆に剪定しましょう。

バラの剪定のポイント-通年-

バラの剪定は、夏と冬の年2回がメインとなりますが、年間を通して、枯れ葉や枯れ枝を見つけた場合は、随時剪定していきましょう。

バラの剪定のポイント-木立性-

花が付く枝を見極める

木立性のバラの場合、花が付かない枝が多いと、満開の時期でも、緑が目立ってしまうことがあります。そういった失敗を避けるためにも、木立性のバラは、花が付く枝を見極めて剪定を行うことが必要になります。冬の剪定の際、細く花が咲かない枝は切り戻しますが、太い枝でも、弱い枝は花を付けません。

太いけれど弱い枝の場合、枝にハサミを入れると、すんなりと切れてしまうので、ハサミを入れると見極めやすいです。とはいえ、すべての枝を、1本1本切れるか試すと、傷だらけのバラになってしまうので、何本か試して、枝の触り心地やしなり方を見て、そのバラの特徴把握し、見極めてくださいね。

バラの剪定のポイント-つる性-

つる性のバラは夏の剪定は不要

つる性のバラは、冬の休眠状態の時期に剪定をすれば、夏の剪定は不要と言われています。株の状態で、特に気になることがない場合は、冬の剪定のみ行いましょう。

思い描くイメージに合わせて剪定をする

つる性のバラは、ふんわりとやわらかく株を広げさせる剪定の方法と、ずっしりゴージャスに株を育てる剪定の方法の2種類があります。つる性のバラを、ふんわりと育てたい場合は、2年前の古い枝から生えた小さな枝をうまく剪定することで、大きな花を楽しみつつ、やわらかい雰囲気も演出することができます。古い枝から生えた枝は、5cm程度に切り戻しましょう。


つる性のバラをずっしりゴージャスに育てたい場合は、勢いのよい枝をしっかり残し、古い枝や、小さな新しい枝は、切り戻しましょう。太めの枝を多く残すことで、かなりのボリュームを出すことができますよ。

つる性のバラは必ず誘引を

つる性のバラは、剪定の際に、誘引してあげる必要があります。つる性のバラは、場所によってはスカスカな部分もできてしまうので、そういった場所を埋めるように、勢いのある枝を誘引してあげると、とてもバランスの良い樹形になりますよ。

つる性のバラを誘引する際は、枝と枝の間隔を、大人の握りこぶし1個分開けると、日当たりが確保できるので、よりたくさんの花を付けると言われています。また、誘引のあと、枝先が細い部分は切ってあげましょう。目安は、小花のバラの場合は、竹串の太さ、中輪のバラの場合は、割った後の割りばしの太さ、大輪のバラの場合は、鉛筆の太さと言われており、それらより細い部分を切り戻すとよいとされています。

バラの剪定で失敗しないためのコツ

春の新芽の状態をチェックする

冬の剪定を終え、暖かくなってくると、新芽がどんどん出てきます。しかし、ごくまれに新芽があまり伸びないことがあります。その場合は、元気な新芽を探し、その新芽の上で切り戻しをするようにしましょう。また、その時点で1つも芽がついていない枝があれば、花が付かない枝なので、見つけ次第短く切り戻しましょう。

栽培に失敗したら早めに強剪定する

バラの栽培をしていると、病気や害虫により、株全体が衰弱してしまうというシーンに遭遇することもあります。そういった場合は、早めに強剪定をして、株をコンパクトにし、回復しやすい状態にしてあげましょう。

バラの剪定で長く花を楽しみましょう

バラの剪定を正しく行っていくと、花数も増える他、花自体が大きくなったり、色が鮮やかになってきます。バラの手入れは、手間がかかることもありますが、そのように、きちんとバラが応えてくれるので、うれしくなりますよ。バラの剪定をこまめに行い、少しでも長く美しい花を楽しめるように、努めてみてくださいね。

バラが気になる方はこちらもチェック

バラが上手に育てられるようになったら、挿し木で増やして、たくさんのバラを育ててみるのもおすすめです。また、きれいな花がたくさん咲いたら、贈り物に利用するのもよいですね。ぜひ、バラについて、もっと知識を深めてみてくださいね。