立山連峰とは
北アルプスにある立山連峰は、立山黒部アルペンルートの開通により、身近に絶景が眺望できるスポットしてシーズン中は、登山者のみならずトレッキングを楽しむ多くの観光客で賑わいます。立山という山はなく、雄山(標高3,003 m)、大汝山(標高3,015 m)、富士ノ折立(標高2,999 m)の3つの山の総称として立山と呼ばれています。飛騨山脈の北部、黒部川を挟んで西側が立山連峰で、東側は白馬岳などがある後立山連峰と呼ばれています。
立山連峰の地形について
北アルプスの立山連峰は激しい隆起によって作られた山域です。さらにそこに火山活動によって、弥陀ヶ原や五色ヶ原の溶岩台地が形成されています。弥陀ヶ原の南側には、立山カルデラと呼ばれる火山活動と侵食作用によってできた大規模崩壊地があります。さらに、立山および剱岳には氷河が現存しています。このように、火山活動や氷河の浸食などにより独特の地形を作り上げています。
立山連峰の主要な山
立山連峰を形成する山々は立山三山や薬師岳を始め信仰の対象として崇められてきました。弥陀ヶ原やみくりが池など信仰の対象となっている地名もたくさんあります。今回は、そのうちの代表的な3つの山(立山、剱岳、薬師岳)について紹介します。
立山
立山は日本三霊山のひとつで、主峰は標高3003mの雄山です。山頂は雄山神社の頂上峰本社になっています。夏の登山シーズンには、頂上峰本社で御祈祷してもらえます。天気が良いとその眺望は遠くは富士山をも視界の中に含めます。絶景のなかで参拝ができるスポットでもあります。室堂からのアクセスできるルートは初心者向きですので、夏の登山シーズンには、立山三山の縦走に多くの登山客が訪れます。
剱岳
剱岳は、立山三山の北部にある2,999 mの山で、槍ヶ岳や穂高連峰とともに、北アルプスを代表する山です。富山県中新川郡上市町と立山町に跨っています。新田次郎の小説「点の記」の舞台にもなった山です。氷雪の山と言われるように、氷雪で削られそそり立つ岩はクライマーの聖地とされています。剱岳には、三ノ窓や小窓に氷河があります。
薬師岳
薬師岳は富山市南東部にある標高2,926mの山です。この山も信仰の対象で、山頂には薬師如来を祀る祠があります。東側には薬師岳圏谷という大きなカールがあり、氷河の名残を残しています。薬師岳の山頂からの眺望はまさに絶景で、北アルプスの山々の眺望はもちろんのこと、遠くは日本海まで見渡せます。
立山連峰といえば、立山黒部アルペンルート
立山といえば、すぐに思い浮かぶのが立山黒部アルペンルートです。立山黒部アルペンルートは、富山と長野を結ぶ北アルプスの一大観光ルートで、観光シーズンにはチケットが取りにくいスポットになっています。富山県立山町の「立山駅」から長野県大町市の「扇沢駅」まで、バスやロープウェイなどを乗り継いで、見事な眺望と絶景を楽しめます。
立山連峰へのアクセス
北アルプスの観光スポットである立山黒部アルペンルートへアクセスするには、富山県側からアクセスする方法と長野県側からアクセスする方法があります。どちらからでもマイカーは乗り入れで気ません。それぞれの起点になる場所に置いていくことになります。
富山側から
富山側からアクセスする場合は、富山駅から富山地方鉄道に乗り換え立山駅まで行きます。そこからが立山黒部アルペンルートの始まりです。立山駅からは立山ケーブルカーに乗って高度を上げていきます。立山黒部アルペンルートは一般車両の通行が禁止されています。マイカーの場合は立山駅に駐車することになります。
長野側から
長野側からアクセスする場合は、JR大糸線の信濃大町駅でバスに乗り換えて扇沢駅まで行きます。そこから、トロリーバスに乗ります。トンネルを抜けると黒部ダムの見事な眺望が待っています。マイカーの場合は扇沢に駐車してトロリーバスの乗り換えることになります。
立山連峰のシーズン
立山連峰の登山やトレッキングのシーズンは、立山黒部アルペンルートが開通している春~秋にかけてのシーズンになります。北アルプスの中でも豪雪地帯ですので、冬の間は立山黒部アルペンルートは全面運休になります。
春の立山連峰
春のシーズンは立山黒部アルペンルートの開通のニュースで始まります。ゴールデンウィークには多くの観光客が訪れますが、絶景スポットのひとつ雪の大谷には、高い雪の壁がまだ残っています。立山が北アルプスのなかでもいかに豪雪地帯なのかを見せつけてくれます。
夏の立山連峰
立山で登山やトレッキングをするのに一番最適なシーズンです。室堂付近のトレッキングや、立山への登山、剱岳への登山、アルペンルートの観光客で、標高2450mの室堂はとても賑わいます。
秋の立山連峰
9月下旬にもなると、北アルプスは秋の装いに包まれます。立山の紅葉シーズンは9月下旬から10月上旬です。室堂は紅葉の絶景にスポットです。この時期の連休には、多くの人がこの絶景を目指してやって来ます。気温はもう真冬並みですから、防寒着を持参することを忘れないようにしてください。
冬の立山連峰
立山黒部アルペンルートは冬の間は運休しています。この時期の北アルプスは厳しい環境に置かれています。春に絶景を見せてくれる雪の大谷は20m前後の積雪を記録します。一部のベテランのみしか立ち入ることができない世界です。
遠くから見ても美しい立山連峰
立山連峰のすがたは、遠くからみても素晴らしいです。富山湾越しに立山連峰を眺望できるスポットでは、北アルプスの絶景に目を奪われます。特に、冬の時期の雪に覆われた立山連峰の眺望は絶景です。富山湾と立山連峰といえば、すぐに出てくるのが雨晴海岸ですが、その他にも眺望の素晴らしい場所があります。
眺望スポット①:呉羽山公園展望台からの立山連峰
呉羽山公園展望台は富山市の西部にあります。富山市街地の向こうに北アルプス立山連峰を眺望できるスポットです。春には桜が咲き、雪の立山連峰の眺望とのコントラストが素晴らしいスポットです。鉄道ファンにも人気のスポットで、立山連峰をバックにして北陸新幹線の姿を写真に収めることもができます。
眺望スポット②:雨晴海岸からの立山連峰
北アルプスを富山湾越しに見る絶景スポットとして有名な雨晴海岸は、JR氷見線雨晴駅から徒歩約5分のアクセスです。特に冬のシーズンの澄んだ空気は、日本海の荒波の向こうに雪を覆った立山連峰が綺麗に見えるスポットです。
眺望スポット③:氷見海岸からの立山連峰
富山側の能登半島にある氷見海岸からも、富山湾に浮かんだような姿の立山連峰の絶景が楽しめます。晴れた日の朝は、立山連峰から昇る日の出を眺望できるスポットです。朝日が日本海を照らす姿はまさに絶景です。
立山連峰のトレッキング
室堂界隈は遊歩道もありトレッキングには最適なスポットです。トレッキングコースとしては、室堂ターミナルを出発して石畳の遊歩道沿いにみくりが池など巡ります。この辺りはライチョウの生息域で、運が良ければトレッキング中にライチョウに出会えるかもしれません。
立山連峰への登山
立山連峰への登山は、室堂をベースにすると1日で往復できます。3000m峰ですが、北アルプスの中でも初心者向きの登山です。登山よりも。室堂までのアクセスのほうが大変かもしれません。観光シーズンには、ロープウェイに乗るのに1時間や2時間並ぶこともよくあります。
立山連峰(立山三山)登山
室堂から立山三山を目指すルートは登山者も多く、道に迷うような場所もありません。3,000 m級の山が初めての人でも大丈夫です。一ノ越までの登りは身体がまだ慣れていないこともあり少々きつく感じるかもしれませんが、稜線上に出るとそれほど起伏もありません。登山の記念に雄山山頂の頂上峰本社で御祈祷受けましょう。
コースタイム
コースタイムは個人差がありますがおおよそ以下のようになります。
室堂ターミナル→(約30分)→室堂山展望台→(約80分)→一ノ越→(約30分)→雄山神社→(約30分)→大汝山→(約20分)→富士ノ折立→(約30分)→真砂岳→(約60分)→別山乗越→(約60分)→雷鳥平→(約40分)→室堂ターミナル
立山連峰から剱岳へ
ここまで来たら、あの剱岳も登山ルートに組み込んで、剱岳からの眺望もこの目に焼き付けたいという欲張りなルート設定も可能です。立山三山に登ったあとは、真砂岳から劔沢へ、ここで宿泊して次の日に剱岳を目指します。
コースタイム
1日目
室堂ターミナル→(約30分)→室堂山展望台→(約80分)→一ノ越→(約30分)→雄山神社→(約30分)→大汝山→(約20分)→富士ノ折立→(約30分)→真砂岳→(約60分)→ 剱御前小舎→(約35分)→ 剱沢
2日目
剱沢→(約25分)→ 剣山荘→(約25分)→ 一服剱→(約40分)→ 前剱→(約50分)→剱岳→(約35分)→ 前剱→(約35分) →一服剱→(約40分)→ 剱沢→(約45分)→ 剱御前小舎→(約60分)→雷鳥沢→(約45分)→室堂
立山連峰にある山小屋
立山黒部アルペンルートのおかげで、気軽に北アルプスの絶景を楽しめるようになりました。立山黒部アルペンルートの中継地点である室堂周辺はトレッキングや登山に利用できる山小屋やホテルが点在しています。気軽にトレッキングをして、温泉に浸かれるような山小屋もあります。
立山室堂山荘
立山室堂山荘の歴史は古く、山岳信仰の頃に立てられた日本最古の山小屋をルーツに持ちます。立山連峰を一望できる展望風呂がある山小屋です。満点の星空を眺めながらの入浴できます。
山小屋の基本情報
住所 | 富山県中新川郡立山町芦峅寺室堂 |
連絡先 | 076-463-1228 |
アクセス | 室堂ターミナルより徒歩約15分 |
詳しくは、立山室堂山荘のホームページをご覧ください。
みくりが池温泉
山小屋というより旅館といった感じで、食事や設備の質も良く一般の観光客の利用も多いです。風呂はみくりが池温泉という天然の温泉で、標高2410mにあり日本一高所にある天然温泉です。
山小屋の基本情報
住所 | 富山県中新川郡立山町室堂平 |
連絡先 | 076―463-1441 |
アクセス | 室堂ターミナルより徒歩約15分 |
予約方法や宿泊料金など詳しくは、みくりが池温泉のホームページをご覧ください。
雷鳥荘
室堂ターミナルから、みくりが池方面へ約30分歩くと雷鳥荘があります。標高2400mにあり、運が良ければ本物のライチョウにも出会えるかもしれません。風呂もあり温泉です。
山小屋の基本情報
住所 | 富山県中新川郡立山町芦峅寺ブナ坂 |
連絡先 | 076-463-1664 |
アクセス | 室堂ターミナルから徒歩で約30分 |
予約方法や宿泊料金など詳しくは、雷鳥荘のホームページをご覧ください。
雷鳥沢ヒュッテ ロッジ立山連峰
室堂ターミナルから、徒歩で約40分の雷鳥沢に建つ山小屋です。立山三山を眺めながら入れる風呂は温泉です。トレッキングや登山、春スキーなどに利用できます。
山小屋の基本情報
住所 | 富山県中新川郡立山町芦峅寺室堂平 |
連絡先 | 076-463-1835 |
アクセス | 室堂ターミナルから徒歩約40分 |
予約方法や宿泊料金など詳しくは、雷鳥沢ヒュッテ ロッジ立山連峰のホームページをご覧ください。
立山連峰の人気いきもの
立山連峰での楽しみは、絶景だけに留まりません。そこでしか見れない高山植物や珍しい動物があります。その中でもライチョウやオコジョは一度は見てみたい動物ではないでしょうか。
ライチョウ
キジ目ライチョウ科のライチョウは立山連峰の人気者です。立山周辺は北アルプスでも有数のライチョウの生息地です。運が良ければライチョウに遭遇できるかもしれません。特に夏に見れるヒナを連れている姿はとても可愛いです。
オコジョ
オコジョはネコ目イタチ科の動物です。体長は約16~20cmです。岩場などでひょこっと顔をのぞかせることがあります。愛くるしい姿で㋜が、ライチョウを襲ったりすることもある肉食動物です。オコジョも冬は全身真っ白な毛に覆われます。警戒心が強く、なかなか見ることができません。
まとめ
立山連峰は気軽に北アルプスの絶景を楽しめる場所です。登山と構えてしまわずに、もっと身近にトレッキングから始めてみてはいかがでしょうか。
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