検索アイコン
エックス
Facebook
LINE

柿の渋抜き方法をご紹介!美味しく食べるには焼酎を使うのがおすすめ?

噛んだ途端にジワッと渋い、渋柿で涙目になった経験ないですか?このマズ過ぎる渋柿ですが、きちんとした渋抜きをすることにより、不思議と甘露な果物へと変化するので、絶対に捨ててはいけません。幾つも存在する柿の正しい渋抜き方法や、美味しい食べ方を覚えてみませんか。
更新: 2023年9月29日
はぐれ猫
※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。

渋柿は何故渋い?

そう言えばどうして渋柿は本格的にシブいのかという、根本的な疑問に付いて考えたこともなかったりします。渋抜きの仕方を覚える前に、まずは顔を歪めさせる名人な柿渋とは、何者であるかについても把握が必要です。

柿の渋みの正体はタンニン

あの一種独特な柿の渋みですが、普段ほかの飲み物からも耳にする物質です。それはタンニン。日本人の担任の如くに愛飲されている緑茶に含まれるアレと一緒です。渋柿に含まれる成分は僅か1%だけでもあれ程に渋いわけですが、万が一渋抜きをしないで食べても健康に害はまったくありません。

渋いタンニンはお腹の薬になる

このじわじわと渋い柿のタンニンですが、抗酸化作用や整腸作用を持っていることで知られています。渋抜きを施したとしても、そのタンニンの成分は残ったままです。柿を食えば法隆寺の鐘が鳴るだけではなく、体にも良いということでで積極的に食べていい果物なのです。

合わせ柿は甘柿より美味しい?

すでに渋抜きができあがっている柿のことを、合わせ柿と言います。甘柿の品種に比較してみても、渋柿=合わせ柿のほうが美味しいのではないかという話もよく聞かれます。だから自宅に生えている柿が渋柿だからといって敬遠する必要はなく、むしろ渋柿だからとお得な気分になって良かったのです。

渋抜きできる原理とは

柿の渋抜き方法は色々

食べるには厄介とされている柿のタンニンですが、渋抜きをすることで美味しくなるから不思議です。その柿渋の抜き方は、よく知られている伝統的な焼酎の方法から、新たに開発された抜き方まで様々。幾つかの方法を熟知しておくと、美味しい柿の食べ方に近づくことになります。

どうして柿渋は抜ける?

週末ごとに二日酔いの苦い思いをする人も多いですが、それはお酒のアセトアルデヒドが血中に溜まるのが原因です。柿の渋抜きではアセトアルデヒドと柿の可溶性タンニンを結合させ、渋みのない不溶性へと変化させます。焼酎を塗るのを始め、炭酸ガスや天日干しでも、同じ渋抜き効果へ導きます。

柿の渋みが抜ける原理

焼酎(アルコール)方法
「柿のタンニン(可溶性)+アセトアルデヒド=不溶性タンニン」

渋柿の消費と保存の期限は?

美味しい時期は2週間

渋抜きを完了した柿が、見た目よく保存を効かせ、美味しい味を維持できるのは2週間ほどの期間です。最初の1週間目までの保存では固めの食感を愉しむ食べ方もできるのですが、保存期間が長くなるほどに、徐々にと柔らかさを増していきます。

2週間以上の保存で熟れて腐りだす

とろりな状態の熟れ柿の食べ方を優先したい人も多いですが、その状態に至るまでは保存日数が2週間にも満たない柿も含まれています。熟れ度は個体差によって違いが見えます。渋抜きをしたら早めに食べておかなければ、食用不能なほど腐るものも出てきてしまいます。柿の保存期間にはご注意です。

渋柿の品種とは

柿の品種はとても多い

幾多のフルーツの中でもけっこう地味なのが柿。しかし欧米でもkakiとして親しまれてきたせいか、今では1,000種を超えるほど多種多様です。果実にはそのまま食べる甘柿のほか、食用困難な渋柿を実らす種類も色々です。これから渋抜きする可能性が出てきやすい、代表的品種を紹介します。

平核無柿(ひらたねなし)

いま出回っている渋い系の柿の中でも、圧倒的シェアを占めている大御所的な存在が、平核無柿です。4文字熟語みたいな名称で読みづらいですが、名前通りに種がなくて四角い形状なのが特徴です。渋抜きをしたものは新潟産も知られますが、山形の庄内柿も有名です。

刀根早生柿(とねわせ)


折れた平核無柿の枝を拾った刀根さんが、若木に挿し木をしたことで世に誕生した渋柿です。普通の平核無の種類よりも、実がなる期間が10日以上も早いのが刀根早生の特徴。いまや奈良から全国に広がって2位のシェアを誇ります。この2種は見た目が同じで、渋抜きのときも分けが付きそうにありません。

あたご柿

View this post on Instagram

#あたご柿

A post shared by @ yokko1212 on

他の柿に比べても縦長のフォルムな柿は、四国は愛媛県あたりで盛んに生産される渋柿です。あたご柿というのは京都の愛宕山あたりの原産だったか、かつて愛宕山に奉納された柿なことから命名されたといいます。渋抜きは平核無柿より難しいと言われ、2週間程度を要します。

市田柿(いちだがき)

粉を付けてホワイトな見た目の干し柿で知られる市田柿は、長野で室町時代の頃から知られている名産の渋柿。生の見た目はあたご柿に似て、100gほどの小型サイズをしています。近ごろでは干し柿のほかにも様々なスイーツでの食べ方も登場し、長野あたりでは相変わらずの支持率を誇ります。

柿の渋抜き方法①

焼酎(アルコール)

誰もが経験済みな渋柿の食べ方といったら、焼酎により渋抜きをした種類です。これは専用の焼酎だとか、ホワイトリカーといった種類や、ブランデーやウイスキーなどのお酒もよく使われる傾向にあります。気軽にできる簡単方法ですが、アルコール度数は30度~45度程度の強さが求められます。

焼酎を使う作り方

適当な深さの容器へと、アルコール度数の高い焼酎を注ぐ所からです。柿の生産業者では柿のヘタは付けたままですが、素人の渋抜きはヘタを切り落とすのも通常です。ヘタの部分を焼酎につけて、新聞紙を敷いたビニール袋に並べます。密閉後5日程度も置くと、甘くて美味しい柿へと変化しています。

用意するもの

【アルコール】焼酎、ブランデー、ウイスキーなど(アルコール度数30度以上推奨)
【ビニール袋】中が見える透明タイプ
【紙】新聞紙やキッチンペーパーなどの紙

柿の渋抜き方法②

炭酸ガス

本格的な柿の業者では、炭酸ガス(二酸化炭素)の充填された大きなボンベを使って渋抜きをするのも通常です。しかし個人のレベルなら、炭酸ガス発生にはマイナス78度のドライアイスを使うことが基本になります。柿に炭酸ガスを吸わせることにより、内部のタンニンが不溶性へと変化していくのです。

炭酸ガスを使う作り方

使うガスの量については、柿の重さによって決まります。おおむね10~20kgの柿に対し、ドライアイスは500g程度です。ビニール袋に柿を詰め込んだら、新聞紙にくるんだドライアイスを一番上に置いて、袋を密閉します。渋抜き中は袋が膨れるためガス抜きも必要で、4日程度で完成しています。

用意するもの

【ドライアイス】10~20kgの柿に対して500g
【ビニール袋】大きめな余裕ある透明タイプ
【金槌】ドライアイスを砕く
【軍手・トング】素手でドライアイスに長時間触れると凍傷になるので厳禁

柿の渋抜き方法③

湯ざわし

いつもはただ流してしまう残り湯も、柿の渋抜きに使えるとなったら注目度もぐいぐいあがってしまいます。湯ざわしという名が付いている昔ながらの方法であり、湯船に入ったお湯の暖かさ連日のように使うことで、渋抜きには威力を発揮してくれます。

湯ざわしでの作り方

かつてはどう行ったか詳細は不明ですが、近ごろでは袋に柿を入れて、湯船に浮かべています。わずか1日程度ではまるで渋抜き効果を発揮しないですが、2~3日でかなり柿の渋みは抜け始めます。5日以上も湯ざわしを続けていれば確実に効果が出ています。自宅にお風呂があるなら試したい食べ方です。

用意するもの

【お風呂の残り湯】温もりがあること(1~5日分)
【ビニール袋】中が見える透明タイプ

柿の渋抜き方法④

リンゴと一緒


例えば何かほんわかした動物と一緒に過ごせば、人の性質に影響して心もほんわかしてきます。これ同様、柿の場合にはリンゴと一緒にしておくだけで、柿の性質を変える効果を生み出します。リンゴが放出しているエチレンガスが、炭酸ガスと同じような効果を出して渋抜きを進めてくれるからです。

リンゴと一緒の作り方

手近なビニール袋の中に新鮮なかぐわしいリンゴと渋柿を一緒にして、密閉するだけの作り方です。1週間も経過して柿を取り出してみるとりんごのエチレンガスにより渋抜きは完了していて、かなり柔らかくフルーティーな柿に変化しています。固めがお好みならば、5日間くらいがちょうど良さそうです。

用意するもの

【リンゴ】香り高い新鮮なもの
【ビニール袋】中が見える透明タイプ

柿の渋抜き方法⑤

冷凍してみる

けっこう不思議ですが、柿は冷凍保存をしておくことによって、自然と渋抜きが完了しているといいます。冷凍することによりタンニンの成分が凍りついて、不溶性へと変化することが理由です。自宅でいつも使う冷凍庫さえあれば良いので、冷凍での作業はとても単純です。

冷凍での作り方

先決となるのは、柿を凍らせる冷凍庫のスペースを用意することです。柿はビニール袋などに詰め込んだ状態にして、凍らせるのは3日以上です。食べる時は解凍を行ってからで、渋抜きは意外に進むことがわかります。冷凍保存も兼ねて柿を冷凍庫にあずけておくのもおすすめです。

用意するもの

【冷凍庫の状態】マイナス10度以下で柿が凍りやすい環境
【袋】ジップロック、ビニール袋、ラップで包むなど

柿の渋抜き方法⑥

焼き柿

View this post on Instagram

#焼きカキ #焼き柿

A post shared by 腹減った (@harahettaken) on

普段柿は生で食べるものだと考える人は驚き柿の木さんしょの木といった荒業に見えますが、こちらも昔から伝えられている方法でした。昔の人は囲炉裏の炭火を使って、渋柿を焼いていたと言います。熱することによって、自然に渋抜きができているという裏技です。

焼き柿の作り方

もし自宅に炭火の囲炉裏や七輪があればベストです。もし焚き火台があるなら、キャンプ地での食べ方も試してみたくなります。文明の利器派なら、オーブンを使ってみたりグリルで焼くこともできます。アルコールをかけてからじっくり焼き上げることで、柿の渋抜きが進むという仕組みです。

用意するもの

【炭火】昔ながらの食べ方
【網】網焼きにする(炭火の場合)
【オーブン・グリル】お手軽に
【アルコール】30度以上のタイプ

柿の渋抜き方法⑦

電子レンジでチン

未だ斬新な種類で、近頃になって広まってきた柿の渋の抜き方です。アルコールをかけてから電子レンジでチンすることによって、柿のタンニンを加熱して不溶性の状態へと変化させることができます。ただ柿の品種や状態によっては、渋抜きの不確実性が高いともされています。

電子レンジでの作り方

果実の渋みが弱めの柿ならば、こちらの作り方が威力を発揮します。柿の皮は渋抜きができやすいよう、事前にむいてからアルコールをかけるのがおすすめです。電子レンジで加熱すると焼酎などアルコールの効果によってタンニンの不溶性を加速させますが、抜けるまで何分もかけることがあります。

用意するもの

【電子レンジ】
【ラップ】お皿を密閉する
【アルコール】30度以上のタイプ

柿の渋抜き方法⑧

干し柿

古来より保存も効く食べ物として継承されたのが干し柿です。甘柿渋柿どちらも関係ない、秋の風物詩でもあります。渋柿を天日干しすることで、エタノールが発生します。それがアセトアルデヒドに変化し、タンニンと結合して渋抜きができる仕組みです。おやつ的な柿の食べ方としても見逃せません。


干し柿の作り方

硬めの渋柿を準備したら、ヘタを残すのは忘れずに全体の皮をむきます。2つの柿を50センチほどのヒモで、繋ぐような形で結ぶのがコツです。熱湯に5秒くぐらせたら、軒先など風通しのよい日陰の物干し竿などに吊るします。2週間ほども経てば渋抜きは完了、保存もできる干し柿が完成しています。

用意するもの

【熱湯】柿の処理に必要
【ビニールひも】柿を吊るす
【物干し竿柿を吊るす
(アルコールを使う人もいる)

柿の渋抜き方法⑨

熟れるまで待つ

何事も時間の経過と自然に任せるのが一番なことも多い昨今ですが、柿の渋抜きについても時間まかせ自然任せが良いかも知れません。柿が真っ赤に熟れるまで待っていれば、柿の果物は熟れていくごとに不溶性へと変化を遂げ、甘い果実へと近づいていきます。

熟れ柿の作り方

風通し良好な日陰に柿を放置するという、ただそれだけで熟れ具合と渋抜きも進みます。紅葉の如くに表面の色合いが真っ赤に染まってくるのは、2~3週間も放置した頃。指で突けば破れるほどとろんとろんになっています。保存状態によっては腐敗している可能性もあるので、臭いや味で確認してください。

おすすめの渋柿料理

渋柿のジャム

熱を満遍なく通すことで柿の渋抜きが完了しますが、これを応用して渋柿のジャムを作り上げるのもおすすめ。柿のジャムは独特な甘さで、みかんやレモンを加えることによって、美味しさがアップします。朝食のパンに合う食べ方が叶うので、冷凍庫で持て余した柿もいっそジャムにしてみては?

渋柿ジャムのレシピ

綺麗に皮剥きを終えて小さく切りそろえたオレンジの柿は、鍋に入れて弱火で潰しながら煮込みます。砂糖と共にレモン汁も加えて酸味を出すのが、美味しさのコツです。水分が抜けてとろとろになったら完成で、渋抜きも綺麗に済んでいます。かなり少量ならば、時間をかけずに出来上がります。

用意するもの

【レモン汁】酸味を出して美味しくする
【砂糖】甘さはお好みで調整する

柿の渋抜きやってみよう

一番効果的な方法を見つけよう

実力や確実性を重視すれば、焼酎と炭酸ガスが一番といえる方法です。他にも香り良いリンゴと一緒、カチコチに冷凍、ほっこり焼き上げる方法など、渋抜き方法は知られていない種類まで多様にありました。焼酎とガス以外の渋抜きで、柿の食べ方を色々と試してみるのも面白いかもしれませんよ。

果物が気になる方はこちらもチェック!

当サイトでは柿の渋抜き方法のほかにも、果物を美味しく食べる情報をまとめています。果物が好きな方はチェックしてみてください。