「赤岳天望荘」とは？個室もある山頂直下の山小屋の概要と魅力を解説！

展望が凄い赤岳天望荘とは

八ヶ岳の赤岳の標高2,722ｍ地点

写真を見るだけでびしびしと険しさが伝わる南八ヶ岳の急斜面。その先に、目指すべき赤岳天望荘が建っています。標高2,722ｍという大変な高地帯に造られている、歴史ある山小屋です。八ヶ岳の厳冬期を迎えるシーズンにも営業し、多くのハイカーがこぞって目指してくる魅力の空間です。

赤岳について

この人々が酔いしれる赤岳天望荘があるのは、山梨と長野にまたがりそびえ立つ八ヶ岳の峰の1つ、赤岳です。富士山と背比べして勝ったら蹴飛ばされ、崩壊して今の姿になったとの不条理な神話も残ります。八ヶ岳の中で最高峰の2,899ｍに達し、日本百名山にも数えられる名峰です。

展望のよい個室もお風呂も完備

提供される食事も施設も簡素、それが普通の高山に見られる山小屋の印象ですが、この赤岳天望荘の宿泊は充実感が違います。何しろ山頂の山小屋でありながらも個室を完備していたり、贅沢な料理が出てきたり、お風呂があったりと、評判上々な理由が目白押しだからです。

赤岳天望荘の情報

【所在地】長野県茅野市豊平 玉川11400
【収容人数】200人
【部屋タイプ】個室、大部屋
【厳冬期の営業】2018年12月21日～2019年2月23日
【春～秋の営業】2019年3月27日～11月3日

赤岳天望荘までの道のり

乗り物移動＋登山が必須

この雲海の上の赤岳天望荘まで辿り着くためには、およそ2,700ｍ地点まで登り切る、本格的な登山が必要になってきます。赤岳の登山は斜面がたいへん急激で難易度が高いために、自信のある人だけが到達できる山小屋なのです。複数のアクセス路の中では、西斜面側が断然初心者に向いています。

交通アクセスの概要

西側の山麓にぽつりと建っている美濃戸山荘や、登山口の美濃戸口へ向かうことが、赤岳天望荘へ到達するまでの第一の行動です。電車の場合は茅野（ちの）駅で下車、バスを利用して美濃戸口へ向かいます。車の場合は諏訪南インターから山麓へ向かい、美濃戸山荘の駐車場を利用することができます。

各種アクセス方法

【電車・バス】JR中央本線茅野駅→西口バス停→美濃戸口線→美濃戸口（37分）
【車】中央自動車道・諏訪南インター→県道425号→県道484号→美濃戸山荘
【駐車場】美濃戸山荘

赤岳天望荘までのおすすめ登山コース

①南沢コース

出典: http://www.yatsugatake.gr.jp/access.html

西側の美濃戸口方面からもっとも最短で赤岳天望荘まで到達できるのは、赤岳から流れる南沢に沿っているルートです。ほぼ真東の山小屋まで、たった1本の登山路で登ることが出来ます。南沢大滝の名所を経て行者小屋を経たら、急な上りが続きます。所要時間はのぼりで4時間程度です。

南沢コースの情報

【場所】南沢沿い
【距離】片道約4.4km
【時間】上り約4時間

②北沢コース

距離はわりと長めながらも複数の山小屋があって安心なのが、北沢に沿うコース。美濃戸中山を迂回するように歩くと、温泉旅館のような赤岳鉱泉の山小屋があります。中山乗越と行者小屋を過ぎると南沢コースに合流し、難関の赤岳斜面に挑みます。赤岳天望荘までの所要時間は、上り5時間を超えて来ます。

北沢コースの情報

【場所】北沢沿い～南沢沿い
【距離】片道約5.7km
【時間】上り約5時間

赤岳天望荘の宿泊（個室）

ツインとトリプル

極めて個人的な登山なら、個室を利用できて嬉しいのが赤岳天望荘です。予約をすることで2人まで寝られるツインと、3人まで可能なトリプルが選べて評判です。独立した個室棟にあって、室内は質素な装いがあります。19室と15室があるので、繁忙期以外の営業中ならばすんなり予約しやすくなります。

展望のよい個室の特徴

天望荘と名のあるだけあり、窓からは赤岳山頂付近の豪快な風景を望むことができます。部屋はツインの部屋は3畳ほどの広さしかないですが、ロフト状の寝床があり、床にも寝られる構造です。ふかふかのふとん一式など、最低限な道具は揃っています。

宿泊の部屋情報

【個室数】ツイン：19室、トリプル：15室
【1泊2食コース】12,000円
【1泊夕食コース】11,000円
【1泊朝食コース】10,500円
【1名での利用】15,000円
（2019年2月2日現在）

赤岳天望荘の宿泊（大部屋）

15人用～36人用まで

片や大部屋に目を向ければ、山頂近くとは思えないほど、かなりの大所帯も受け入れられる構造です。赤岳天望荘の大部屋は、最小ならば15人用、最大では36人までの部屋があります。学生や山岳会など大勢での登山、あるいは個人で安く済ませる素泊まりを希望するなら、利用を考えたい部屋です。

大部屋の特徴

カイコ棚式と名が付いた、2段ベッドが長く連なったような構造が、赤岳天望荘の大部屋の基本となります。部屋によっては床に寝る場合と、カイコ棚上に寝る場合とに分かれています。タイプの中には通路に面した部屋もありますが、カーテンが付いているので視線は遮ることができます。

宿泊の部屋情報

【大部屋数】15人部屋：3室、16人部屋：1室、20人部屋：1室、36人部屋：1室
【1泊2食コース】9,000円
【1泊夕食コース】8,000円
【1泊朝食コース】7,500円
【素泊まり】6,500円
（2019年2月2日現在）

赤岳天望荘の食事

朝食と夕食はビュッフェスタイル

こんな険しい高山で営業するのに、何でもあるものだと感心させられるほど評判なのが、赤岳天望荘の食事面です。朝と夜についてはビュッフェ形式を取り入れ、唐揚げに豚汁など8～10品の料理が並べられます。宿泊者は天望荘自慢の料理をお皿に取って、山小屋の良さを感じながらの食事が進みます。

山岳を展望しながらのお酒が自慢

さらに食事を盛り上げてくれる評判の要素になるのが、赤岳天望荘でご自慢なお酒の数々です。この施設には山小屋の食事によく合う、ワインに焼酎にビールまでも揃ってしまうのです。赤岳の山頂近くなのにかかわらず、酔っぱらいや二日酔いの登山者も続出という庶民的な光景があります。

お弁当も注文できる

そして登山の道中にはお弁当が欲しくなって来ますが、赤岳天望荘では事前に予約をした登山者に対してお弁当も提供しています。中身はいなり寿司をメインとして、唐揚げなど豪華な内容になっています。赤岳天望荘に泊まるなら、魅力の詰まったお弁当のことも忘れないでください。

食事の情報

【朝と夜のビュッフェ】好きなだけ盛り付けok
【お弁当】要予約、1,000円
【お茶・コーヒー】飲み放題サービス（宿泊者無料）
（2019年2月2日現在）

赤岳天望荘の風呂

五右衛門風呂

どんな登山中にもお風呂が恋しくなるものですが、赤岳天望荘ではその思いに応えるお風呂も装備されています。しかもこの山小屋のお風呂は、古式ゆかしい五右衛門風呂を採用しています。直径3ｍはあろうかという巨大でまん丸なお風呂で茹でられたら、標高2,700ｍまで登ってきた疲れも癒やされます。

五右衛門風呂の利用

ただひとつだけの五右衛門風呂の利用は、明確に女性用時間と男性用時間に分かれています。赤岳天望荘ではお風呂の排水は捨てるのではなく、浄化槽のバイオ微生物の培養液にしていたりとエコ仕様です。そのために石鹸やシャンプーを使うことはできないことは、事前に頭に入れておかねばなりません。

お風呂の営業情報

【女性タイム】14:00~15:20、18:30~19:20
【男性タイム】15:30~16:50、19:30~20:20
【料金】宿泊者は無料
【注意事項】シャンプー・石鹸の使用不可能

赤岳天望荘のイベント

八ヶ岳開山祭前夜祭

一層過ごしやすさを増してゆく6月、開山祭は八ヶ岳の山頂近くにて、安全祈願を中心に行われる風物詩です。その前夜祭は各地の山小屋でも開かれますが、ここ赤岳天望荘でも同様です。じゃんけん大会で豪華プレゼントが貰えたりお酒も振る舞われるなど、普段の山荘とは違った騒々しさです。

地蔵祭り前夜祭

道中のお地蔵さんに祈願する八ヶ岳の地蔵祭りは、開山祭と並ぶ主要なイベントです。前夜祭はここ赤岳天望荘でも開催されています。太っ腹と評判高い景品じゃんけん大会は勿論、振る舞い酒も始まるなど、このイベントでもやっぱりどんちゃん騒ぎが続きます。

年越し～正月イベント

いつもは自宅でぬくぬくの大晦日や正月ですが、八ヶ岳の山頂に近い赤岳天望荘に宿泊して、年越しを迎えるのもおすすめです。31日には宿泊者に恒例のじゃんけん大会の開催や、評判な年越しそばの振る舞いがあります。新年が明ければおせち料理に振る舞い酒と、宿泊者限定の楽しみが待っています。

イベント開催日程

【八ヶ岳開山祭前夜祭】6月第１土曜
【地蔵祭り前夜祭】7月第１土曜
【年越し】12月31日
【正月】1月1日～3日
（その他季節のイベントあり）

赤岳天望荘の周辺の見どころ

八ヶ岳山頂と展望

距離にして500ｍほど、赤岳天望荘から南方へ歩みを進めれば、あっさりたどり着けるのが八ヶ岳山頂。日本の山岳でも34番目に入る標高2,899ｍの山頂を目指すのが、宿泊者の定番です。南方の富士山や日本アルプスなど周囲を取り巻く大山脈が見られるなど、山頂からの絶景は別格です。

高山植物

雲を超える高さの赤岳だから、天望荘の近隣では標高2,500ｍ以上の亜高山帯の植物の姿が見ものです。春になるとミヤマクロユリやキバナシャクナゲなどが、山小屋のそばでも一斉に開花しています。あたりを取り巻く高山植物と山岳の風景は、写真撮影の被写体にはもってこいです。

朝日と星空の展望

沈みゆく橙色の夕やけ、昇りくる幻想の朝日、きらめく夜の天の川。魅力的な宇宙の営みは、障害物もなく観賞できて評判なのが赤岳天望荘です。真冬の大晦日や元日にも営業をしているため、初日の出を見るにも絶好のポイントです。天望荘の部屋によっては、室内から眺めることもできます。

赤岳天望荘の予約

事前予約が必要

ふらっと登山ついでに赤岳天望荘を訪れても、宿泊できなくて困ってしまうことになりかねません。必ず予約を済ませるようにしてください。予約は朝から夜までの営業時間中に電話で済ませるか、インターネットの公式サイトに用意された予約フォームを使うこともできます。

予約の必須事項について

泊まる場合には、赤岳天望荘のほうに幾つかの事項を伝える必要があります。宿泊者の住所や氏名などのほか、希望する部屋の形態、人数、食事、チェックインの日付などです。山小屋で用意してくれるお弁当も食べてみたいならば、その点も伝えるようにします。

予約情報

【電話予約】0266-74-2728
【インターネット】公式サイトのフォームからの予約

赤岳天望荘の展望を体感してみよう

非日常の絶景展望と暮らしと癒やしを求めて

途轍もない山肌と空の風景と非日常の生活が合わさる、八ヶ岳の赤岳天望荘の魅力が理解できてきました。評判なのは風景だけではなく、美味しい食事にお風呂にイベントと、楽しい要素が詰め込まれています。これから登山計画を考えるなら、八ヶ岳の赤岳天望荘を目指してみませんか。

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