250ccと400ccの違いを比較:はじめに
250ccバイクと400ccバイクの維持費と性能を比較して、どんな違いがあるかを検証しますね。維持費につては、新車を購入して5年間乗ったときに生じる金額について、性能についてはエンジン、車体サイズ、ツーリング性能、ラインアップについて比較します。
普通二輪免許で乗れるのに…
250ccのバイクと400ccのバイクは同じ普通二輪免許で乗れるのに、道路運送車両法では車両の種別が違います。125cc超250cc以下のバイクは二輪の軽自動車(軽二輪)、250cc超400cc以下のバイクは二輪の小型自動車です。
種別が違えば維持費が変わり、排気量が違えば性能も変わります。同じ普通免許で乗れますが、250ccのバイクと400ccのバイクは別物として扱うべきですね。
250ccと400ccの違いを比較:税金額
重量税
新車購入時 | 以降継続2年分 | 合計 | |
250ccのバイク | 4,900円 | 0円 | 4,900円 |
400ccのバイク | 5,700円 1900×3年分 |
3,800円 1,900円×2年分 |
9,500円 |
差額 | -800円 | -3,800円 | -4,600円 |
250ccのバイクと400ccのバイクでは重量税の税金額と納め方に違いがあります。新車購入時や車検の時に収める税金ですので、税金額を把握していない人は少なくありません。
250ccのバイクは重量税を新車購入時にのみ納めます。また、中古車を購入した場合は納める必要がありません。
400ccのバイクは重量税を新車購入時に3年分を納め、その後は車検の度に2年分を納めます。中古車であっても納めなければなりません。また、重量税は新車登録から13年以上のバイクは300円、18年以上のバイクは600円、税金額が高くなります。
軽自動車税
軽自動車税 | 合計 | |
250ccのバイク | 3600円 | 18,000円 |
400ccのバイク | 6,000円 | 30,000円 |
差額 | -2,400円 | -12,000円 |
250ccのバイクと400ccのバイクでは課せられる軽自動車税の税金額が違います。年度ごとに使用者に課せられる税金です。四輪の軽自動車や小型自動車と比較すると高額な税金ではありませんね。
税金のまとめと評価
新車購入から3年 | 以降2年 | 合計 | |
250ccのバイク | 15,700円 | 7,200円 | 22,900円 |
400ccのバイク | 23,700円 | 13,900円 | 37,600円 |
差額 | -8,000円 | -6,700円 | -14,700円 |
250ccのバイクと400ccのバイクを納める税金で比較すると、新車購入から5年で14,700円の差額が生じました。5年で割ると2,940円です。
年間2,940円ですので税金額の違いは小さいといえます。しかし、ライディングシューズ1足分だと考えると、税金の違いは大きいですね。
250ccと400ccの違いを比較:保険料
自賠責保険料
3年 | 2年 | 合計 | |
250ccのバイク | 15,720円 | 12,220円 | 27,940円 |
400ccのバイク | 14,690円 | 11,520円 | 26,210円 |
差額 | 1,030円 | 700円 | 1,730円 |
250ccのバイクと400ccのバイクでは自賠責保険料が違います。400ccのバイクは250ccのバイクよりも保険料が安いのですが、金額の違いは少ないですね。
自賠責保険は加入が義務付けられている保険です。罰則は非常に厳しいといえます。未加入で運転すると1年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金の違反点数6(免許停止処分)、証明書を持たずに運転すると30万円以下の罰金です。
任意保険料
任意保険料 | |
250ccのバイク ニンジャ250(2019年モデル) |
37,900円 |
400ccのバイク ニンジャ400(2019年モデル) |
37,900円 |
差額 | 0円 |
某ネット保険会社の見積額
条件:30歳以上、対人・対物/無制限、人身傷害/3,000万円、20等級、ゴールド免許、ネット割引あり
任意保険は自賠責保険では補えない損害を補完する保険です。ですので、必ず加入しなければならないわけではありませんが、自賠責保険の補償額が低いので加入する人は多いといえます。任意保険の保険料を調べると、250ccのバイクと400ccのバイクで違いはありませんでした。
保険料のまとめと評価
自賠責保険 | 任意保険 | 合計 | |
250ccのバイク | 27,940円 | 189,500円 | 217,440円 |
400ccのバイク | 26,210円 | 189,500円 | 215,710円 |
差額 | 1,730円 | 0円 | 1,730円 |
新車を購入して5年間の金額
250ccのバイクと400ccのバイクの保険料を比較すると大きな差はありませんでした。自賠責保険料は400ccのバイクのほうがが安く、任意保険料に違いがなかったことが要因です。
ガソリンの単価を133円/Lとして計算すると、1,730円で購入できるガソリンは約13Lです。カワサキのニンジャ250/400の燃料タンク(14L)を満タンにできませんね。
250ccと400ccの違いを比較:点検費用
12カ月点検
12カ月 点検費用 |
合計 | |
250ccのバイク | 8,310円 | 24,930円 (8,310×3) |
400ccのバイク | 9,500円 | 19,000円 (9,500×2) |
差額 | 1,190円 | 5,930円 |
某大手バイク量販店での12カ月点検費用です。
※技術料(カウル脱着工賃など)を含まず。
12カ月点検は運転者に義務付けられています。12カ月点検をしていない人は多いのですが、安全のために必ずしておきたいですね。バイクショップに依頼して点検してもらう方法がおすすめですが、12カ月点検は運転者がしてもかまいません。点検費用はショップによって違います。
24カ月点検・車検
24カ月 点検費用 |
車検時の 点検費用 |
合計 | |
250ccのバイク | 10,470円 | 0円 | 20,940円 10,470×2 |
400ccのバイク | 11,790円 | 11,790円 | 35,370円 11,790×3 |
差額 | -1,320円 | -11,790 | -14,430円 |
某大手バイク量販店での24カ月点検費用
12カ月点検と同様、24カ月点検も法律で義務付けられています。また、400ccのバイクは新車購入時で3年、以降継続で2年ごとに24カ月点検を兼ねた車検を受けなければなりません。
点検費用はショップによって違いますが、某大手バイク量販店で24カ月点検をする場合、250ccのバイクと400ccのバイクでは1,320円の違いがありました。
車検
車検費用 | 合計 | |
250ccのバイク | 0円 | 0円 |
400ccのバイク | 30,000円 | 60,000円 |
差額 | -30,000円 | -60,000円 |
某大手バイク量販店での24カ月点検費用
点検費用のまとめと評価
12カ月点検 24カ月点検 |
車検 | 合計 | |
250ccのバイク | 45,870円 | 0円 | 45,870円 |
400ccのバイク | 54,370円 | 60,000円 | 114,370円 |
差額 | -8,500円 | -60,000円 | -68,500円 |
某大手バイク量販店での点検費用
250ccのバイクと400ccのバイクでは点検費用で大きな違いがあります。68,500円あれば立派なキャンプツーリングの道具を一式でそろえられる金額です。年間13,700円ですので、2年に1度のペースでハイスペックなレインウエアを新調できますね。
しかし、68,500円は140円の缶コーヒーを1週間で2本弱減らせばたまる金額です。
250ccと400ccの違いを比較:車体サイズ
全長×全幅×全高およびシート高
全長 (mm) |
全幅 (mm) |
全高 (mm) |
シート高 (mm) |
|
250ccのバイク | 2,106 | 786 | 1,145 | 777 |
400ccのバイク | 2,174 | 670 | 1,142 | 756 |
差 | -68 | 116 | 3 | 21 |
250ccのバイクと400ccのバイクを車体サイズで比較すると、思いのほか車体サイズの違いはありません。250ccのバイクはオフロードバイクやストリートカスタム系バイクが多いので、全幅、全高、シート高の平均数値が大きいといえます。
400ccバイクはロードスポーツバイクやアメリカンバイクが多いので、全長の平均数値が大きいですね。
車両重量
車両重量 (kg) |
|
250ccのバイク | 151.3 |
400ccのバイク | 203.4 |
差 | -52.1 |
250ccバイクと400ccバイクの平均的な車両重量を比較すると、250ccバイクは圧倒的に軽量だといえます。52kgという違いは日本人の女性約1人分ですので、相当な重さですね。
250ccのバイクと400ccのバイクでは後述するエンジンの加速性能に大きな違いがあるためだと考えられます。車両重量はエンジンの加速性能に合わせて軽量化されるため、250ccのバイクは徹底的に軽量化されているためです。
車体サイズのまとめと評価
250ccバイクと400ccバイクを比較すると、車体サイズには大した違いがありませんでしたが、車両重量は大きな違いがありました。一般的に250ccバイクは軽量でコンパクトだといわれますが、車両重量から感じる印象から大きく感じられるといっていいですね。
250ccと400ccの違いを比較:性能
カワサキ ニンジャ250の加速性能
ニンジャ250ユーザーのインプレやレビューから250ccバイクの加速性能を検証します。カワサキのニンジャ250はエンジンの加速性能に少しのもたつき感があるものの、交通の流れに乗るのは問題ないレベルだといえます。
2018年モデルのニンジャ250は250ccスーパースポーツの中でも加速性能が優れていることを踏まえて判断したいですね。
トルクも有るし低速から高速まで気持ちよく回るエンジンで素晴らしい、高速道路でも本来のエンジン性能をフルに発揮する前に制限速度に達してしまいます、4・5・6速でゆっくり走っていてもアクセルを回せばグイグイ加速します、250ccのエンジンでこれだけ走れば文句なしです。
発進は非常にしっとりで、出足は多少もたつくことも。逆に、ピーキーすぎない操作感は街乗りしやすいメリットでもあります。もちろん、回せば一気に60km/hオーバーです。
カワサキ ニンジャ400の加速性能
ニンジャ400ユーザーのレビューをもとに、400ccのバイクの加速性能を検証します。カワサキのニンジャ400に過疎気宇性能はは圧倒的ではないものの、不満を感じているユーザーは少ないですね。低速トルクを期待していたユーザーもいますが、加速性能でニンジャ400が大型バイクに敵うはずがありません。
パワー感はSF400の方が馬力があるため、それに比べると弱く感じる。ただし、街中では持て余すレベル。ツーリングでも不足は感じない。
400ですから6速 2000回転からの加速はトロトロ加速するもののエンジンが悲鳴を上げそう。
エンジンのまとめと評価
カワサキのニンジャ250と400をサンプルに加速性能を比較しましたが、一般道や高速道路を走行するうえではどちらも不満を感じないレベルだといえます。
しかし、これはニンジャ250と400の比較ですので、他のモデルでは加速性能に大きな違いがあるのも事実です。250cc空冷単気筒や400ccアメリカンクルーザーでは高速道路での加速性能に不足を感じるユーザーが多くなります。
余談:250ccの加速性能
250ccのバイクはモデルによってエンジンの加速性能に違いがあります。小さな排気量で一般道から高速道路まで走らせ中ればなりませんので、低中速域の加速性能だけを重視したり、低速から高速まで加速特性がフラットだったりします。
ニンジャ250はフラットな加速特性をそなえたモデルですので、不満が出にくいですね。低中速域の加速特性を重視したスズキのGSX250Rは一般道での扱いやすさに抜群の評価を得ていますが、高速道路での加速性能に伸びしろが少ないといえます。
250ccと400ccの違いを比較:ツーリング性能
250ccのバイクでツーリング
250ccのバイクはモデルによってキャラクターが違いますので、どんなツーリングをするのかを踏まえて選ぶ必要があります。
一般的には、低中速トルクを重視した軽量な250ccバイクは一般道をメインにしたツーリングで活躍します。逆に、低速から高速までフラットな加速性能をそなえた250ccバイクは目的地まで高速道路で向かうツーリングで用いられることが多いですね。
400ccのバイクでツーリング
400ccのバイクは一般道から高速道路まで快適に走行できるのが特徴で、どんなツーリングスタイルにでも対応できる汎用性の高さが人気です。大型バイクのような手ごわさを感じる車体サイズではありませんし、エンジンの加速性能も必要以上にそなえています。
長距離ツーリングでの疲労感は250ccの」バイクと比べ物になりません。
ツーリング性能のまとめと評価
250ccのバイクと400ccのバイクを比較すると、どちらがツーリングに適しているかを判断することができません。それぞれに特徴がありますので、ツーリングのスタイルに合わせて選択するのが最良だからです。
しかし、長距離ツーリングでの疲労感に限って言えば、400ccのバイクのほうがはるかに優れています。ツーリング先で疲労を感じる時間帯は、日が暮れて道路の流れが見えにくくなって事故が多いので、400ccバイクのメリットは大きいですね。
250ccと400ccの違いを比較:ラインアップ
250ccのラインアップ
モデル数 | モデル名 | |
ホンダ | 8 | CB250R、CBR250RR、CRF250L、 CRF250M、レブル250、フォルツァ、 CRF250ラリー、PCX150 |
ヤマハ | 8 | MT-25、YZF-R25、トリッカー、 セロー250、XMAX、マジェスティS、 NMAX155、トリシティ155 |
スズキ | 4 | Vストローム250、GSX250R、 バーグマン200、ジクサー |
カワサキ | 3 | Z250、ヴェルシスX250ツアラー、 ニンジャ250、 |
250ccのバイクは車検を受けなくてもいいので人気があり、ラインアップは豊富です。オフロードバイクやアメリカンクルーザーは少なくなりましたし、バイクの販売台数が多かった時代と比べると少なくなりましたが、競合モデルと比較できるくらいのラインアップがありますね。
400ccのラインアップ
モデル数 | モデル名 | |
ホンダ | 4 | 400X、CB400SF、CB400SB、 CBR400R |
ヤマハ | 3 | SR400、MT-03、YZF-R3 |
スズキ | 1 | バーグマン400 |
カワサキ | 3 | Z400、ニンジャ400、 ニンジャ400カートエディション |
400ccのバイクはラインアップが少なくなりました。車体サイズが400ccのバイクと変わらない大型バイクが増えたため、魅力が薄らいでいるためだと考えられます。また、維持費の関係で、本当は400ccが欲しいのに250ccのバイクに乗っている人も少なくありません。
ラインアップのまとめと評価
250ccのバイクと400ccのバイクをラインアップで比較すると、400Cのバイクが極端に少ないことがわかります。
約30年前に販売が開始されたスティード400やゼファー400、35年前に販売が開始されたFZR400RやGSX-R400の人気がうそのようです。400ccの4気筒ネイキッドやアメリカンクルーザーの中古車在庫はまだ少なくないので、選択肢として検討する価値があります。
250ccと400ccの違いを比較:考察
費用の考察
費用 | |
250ccのバイク | 286,210円 |
400ccのバイク | 369,580円 |
差額 | 83,370円 |
250ccのバイクと400ccのバイクを維持費で比較すると、新車を購入後5年間で83,370円の違いがありました。この維持費の違いを安いと捉えるか高いと捉えるかは人によって意見がわかれます。高価なヘルメットとブーツを新調できる金額ですね。
しかし、ほとんどは点検費用ですので、12カ月・24カ月点検を自分でしたりユーザー車検をしたりすれば、250ccのバイクと400ccのバイクの費用の違いはもっと縮められます。
性能の考察
バイクの車体サイズやエンジンの加速性能を比較すると、400ccのバイクに軍配が上がります。しかし、車両重量は使い勝手に大きく影響しますので、250ccバイクにもメリットが感じられます。
ツーリグ性能に関しては、ツーリングのスタイルに合わせて選択すべきですので一概には言えませんが、疲労感が少ない400ccバイクは魅力的ですね。
比較のまとめ
5年で83,370円の違いをどうとらえるかが判断すべきポイントです。年間16,670円、1カ月で約1,390円、細かく割ると大した金額ではないように感じます。しかし、83,370円は大きな出費ですよね。
長距離での疲労を和らげるには400ccのバイクにメリットを感じられますが、250ccバイクの軽量な車両重量は魅力的ですね。ツーリングのスタイルは人によって違いますので、250ccのバイクと400ccのバイクは性能で判断できません。
250ccと400ccの違いを比較:まとめ
250ccのバイクと400ccのバイクを維持費と性能で徹底比較しました。250ccのバイクは維持費がかからないと再認識した人もいれば、1カ月約1,390円なら節約できると感じた人も多いでしょう。
また、400ccのバイクのバランスの良さを見直す機会になり、もう少しラインアップがあればと残念な気持ちにならざるを得ません。
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