はじめに、春の七草とは
七草の由来
春の七草は七つの種類があることから七種とも書き、読み方も「ななくさ」と読みます。「芹(セリ)、薺(ナズナ) 、御行(オギョウ)、繁縷(ハコベラ)、仏の座(ホトケノザ)、菘(スズナ)、蘿蔔(スズシロ) これぞ七草」 このように和歌調で伝えられているので覚えやすいですね。日本ではいにしえより年の初めに雪の中から若菜を見つけ食用として摘むというならわしがあり、これが七草の由来と言われています。
七草がゆの由来
また食用としての、七草がゆの食べ方の風習は、中国では六朝時代より、旧暦1月7日に、七種菜羹(シチシュサイコウ)という7種類の野菜を入れた羹(アツモノ)を食べて無病を祈るならわしがあり、このならわしに日本の植生(ショクセイ)や日本の文化的要素をとりあわせて生まれたのが七草の食べ方の由来と言われています。
春の七草・薺について
科・属名 |
アブラナ科ナズナ属 |
学 名 |
Capsella bursa-pastoris |
英 名 |
Capsella |
和 名 |
ナズナ(薺) |
別 名 |
三味線草、ペンペン草 |
原産地 |
中国、日本 |
色 |
白 |
開花期 |
2~6月 |
薺・名前の由来
呼び名から
薺はアブラナ科ナズナ属の植物で秋に発芽し、越冬して春に開花し、実をつける越年草です。名前の由来はハートの形の実がハート型で愛らしいことから愛でる菜とよばれ、それが撫で菜になりナズナとなった説や、野面菜(ノツラナ)がナズナになったという説があります。薺は夏に枯れてしまうので夏無(ナツナ)になった説がありますが、枯れる時期を名前にするのは考えにくいという事でこちらはあまり説得力が無いようです。
実の形から
薺の実が財布の形に似ているので羊飼いの財布という意味で英語では「shepherd’s purse」とよばれています。そして日本では実の形が三味線のバチに似ていることからぺんぺん草やシャミセングサという別の名前があります。ぺんぺんとは三味線を弾いた時の音を表現しています。
薺の伝来や特徴
伝来と成長
薺、別名ぺんぺん草は紀元前4世紀後半~3世紀後半頃に麦栽培の伝来とともに、中国を経由して日本に渡来しました。アブラナ科・ナズナ属の越年草(2年草)です。秋に芽が出て、寒い冬を越し、春から初夏にかけて開花、その種がこぼれて秋に芽が出るという周期で成長します。
特徴は?
日本全国に分布し、道端や、荒れ地など、どんなところにも生えていて雑草の印象が強いですが、昔は冬の食用として尊重され、薬草としても利用されていました。草丈は10~40cmほどに生長し、ハート型の細かい葉っぱが茎を抱くようにいっぱい茂ります。2~6月の間に、茎の下から上へと順々に白くて小さい花を咲かせます。
薺の種類
グンバイ薺
グンバイナズナの名前は相撲の行司が持つ軍配に似ていることから付いたと言われています。
イヌナズナ
イヌナズナの名前は、薺によく似ていて全国的に生息しているが食用にはならないことから、少し劣るという意味で付けられました。
春の七草薺の花言葉
ロマンチックな花言葉
薺はぺんぺん草ともよばれ雑草のようにどこにでも生えていますが、花言葉はとてもロマンチックで「あなたにすべてをお任せします」「あなたに私のすべてをささげます」なんです。ぺんぺん草とよばれた薺がこんな素敵な花言葉になった由来には訳があり、それは薺の実に関係があります。
羊飼いの小さな財布
薺の実は財布の形に似ていることからヨーロッパのほとんどの国で、羊飼いの財布 と呼ばれています。その昔羊飼いの男がいて、牧羊犬とともに走り回るため、大きな札入れはじゃまなので小さな財布を持っていました。
財布は奥様へ捧げられた
仕事を終えて家へ帰るとその日の賃金が入った小さな財布を奥様に渡します。その形が、このナズナの実に似ていたことから「すべてを捧げます」のような意味の花言葉が付けられたといわれています。あなたになら財布も任せることができる、という事なのですね。
もう一つの花言葉
ところで薺にはもう一つ花言葉があることをご存知ですか。それは「君を忘れない」という花言葉です。先の花言葉と真逆の、別れの花言葉で切ないですね。薺を送られた時どちらの意味なのか悩みますが、どちらもロマンチックです。
春の七草薺の誕生花
薺の誕生花は1月17日、2月3日、2月24日です。ではそれぞれの人間性を見ていきましょう。
1月17日生まれ
1月17日生まれの人は自信に溢れ、どんな困難も乗り越えられる人です。また社交的でリーダー的存在になります。しかし何事も自分のペースで推し進めようとしがちで、頑固で融通が利かない人と受け取られてしまうこともあるので、周囲の協力を得るためにも柔軟な思考や対処を心掛けるようにしましょう。
2月3日生まれ
2月3日生まれの人は、明るく素直で、誰に対しても親切で、思いやりに満ちた性格をしています。いくつになっても純粋な心を失わず、好奇心旺盛で、積極的に挑戦しますが、純粋ゆえにとても傷つきやすく一度落ち込んでしまうと精神的に追い込まれやすいので注意が必要です。
2月24日生まれ
2月24日生まれの人は自発性があり、独立心も強いですが、好きになった相手にはとことん寛大で、相手を大切に守り抜こうとします。自分のことよりも人の役に立つことを何より優先にしますが、現実をしっかり見ているので、高い理想とのギャップに悩むことが多いようです。
春の七草薺の効能
薺、別名ぺんぺん草はbursa-pastoris(飼いの財布)など各地でいろんな名前がありますが、中でも英名のpoor man’s pharmacetic (貧者の薬剤師)という名前は薺が人や動物の病気や傷に大いに効能があることから付いたと言われています。日本でも平安時代から、邪気を払い、万病を締め出す食用や薬草として、また江戸時代には、ぺんぺん草を糸で束ねて虫除けとして行灯の下に吊るす習俗があったようです。
漢方薬としての薺の効能
乾燥させた薺は、漢方薬として古くから使われ、高血圧、利尿、便秘、吐血、解熱、生理不順、目の充血や痛み、吹き出物に効能があるとされています。また薺はコリンやアセチルコリン、フラボノイドが全草に含まれるため、血管拡張や副交感神経に働きかけ、生活習慣病である高脂血症、高血圧、動脈硬化などにも効能があります。
春の七草薺の栄養とその効能
主な栄養素
薺には多くの栄養成分が含まれています。生の薺の葉100gに含まれている主な成分の数値は、エネルギー:36kcal、ビタミンK:330μg、ビタミンC:110mg、葉酸:180μg、カルシウム:290mg、カリウム:440mg, ビタミンA:430μg、βカロチン:5200μg となります。
※μg(マイクログラム)は1gの100万分の一、mgは1gの千分の一
主な効能
ビタミンKとCの働き
豊富に含まれているビタミンKは、血液を凝固させ、止血の働きをしたり、骨の強化に作用して骨粗しょう症の予防をしてくれます。ビタミンCは、美肌効果や、疲労回復はもちろんのこと、抗酸化作用で活性酸素の発生や酸化力を抑え、動脈硬化の予防に効能があります。
葉酸・カルシュウム・カリウムの働き
葉酸は貧血予防物質として発見され、細胞の生まれ変わりや、新しい赤血球をつくります。また妊娠や出産時にもとても大事な栄養素です。カルシウムは骨を丈夫に保ち、カリウムは、細胞の浸透圧を維持や、酸・塩基平衡の維持、神経刺激の伝達、心臓や筋肉の調節や、細胞内の酵素反応の調節などの働きをします。
ビタミンAとβカロチンの働き
ビタミンAは目、皮膚、粘膜などを正常に保つ働きがあり、βカロチンは、このビタミンAの前駆体(ぜんくたい)と言うべき存在で、体内でビタミンAが不足すると必要量をビタミンAに変える働きをします。
薺の美味しい食べ方
まずは薺を採取しよう
先述のように薺は食用として栄養豊かな植物で、癖がなく、工夫次第でいろんな食べ方が出来ますが、お正月に春の七草セットとして売られる以外は薺だけで売られることはほとんどありません。そこで食用として積極的に食卓に登場させるためには雑草として生えている薺を採取する必要がありますね。
採取のポイントは?
食用としての薺の旬は、初冬から初春のころで、花が咲く前の、茎と葉が柔らかい時期が食べごろになります。採取する時は、きれいな場所に生えていて、花が咲いていないものを選びましょう。虫が付いている場合が多いので採取した薺はしっかり洗って下さい。
採取した薺を食べてみよう!
鍋に熱湯を沸かし、塩を一つまみ入れ、先の柔らかい部分を手早く茹でて、すぐに冷水にとりますと鮮やかな青に仕上がります、そのままおひたしや辛し和え、細かく刻んで混ぜご飯などにして頂きます。汁物に入れたり、あえ物もおすすめの食べ方です。
薺の美味しいレシピ
簡単七草がゆのレシピ
松の内の最後の1月7日は、春の七草ですね、おせち料理が続いたあとはさっぱりとしたおかゆという食べ方がいいですね。七草をまな板の上でトントン叩いて刻み、おかゆで食べてみましょう。あっさりと仕上げたおかゆはとても新鮮な味わいがあります。
餅入り七草がゆ
ご飯とお餅で作る七草がゆの食べ方ですが、お餅を入れることで無病息災の願いが込めたれたレシピです。
材料 (2~3人分) ・ご飯 150g ・切り餅 2コ ・かぶの葉 1/2コ分 ・せり 2~3本 ・塩 小さじ1/2 ・水 カップ3
作り方
お餅は一個を半分に切っておきます。土鍋にご飯とお水を入れ中火にかけ、煮立ってきたらお餅を入れ少し弱火にします。お餅が柔らかくなるまでにかぶとセリをみじん切りにし、お餅にとろみがついたところで塩とみじん切り野菜を入れ混ぜ合わせたら完成です。
詳しい七草がゆレシピはこちら
上記材料を使った詳しい調理法は下記で読むことが出来ます。
春の七草薺を使ったレシピ
食べられる野草として薺は素晴らしい存在です。生と茹でたものでは香りや味が少し違うように感じますが、どちらもそれぞれ美味しくレシピも豊富ですのでいろいろ試したくなりますね、そこで一度に三つの味を楽しめる薺のレシピをご紹介いたします。
春の七草 薺 のフルコースレシピ
一度に三品の料理を作ってしまうレシピです。とても簡単で美味しいですよ。
材料 なずな好きなだけ ■ 【天ぷら】 なずな適宜 天ぷら粉適宜 水適宜 ■ 【お浸し】 なずな好きなだけ 鰹節適宜 ■ 【味噌汁】 水人数×250ml 味噌人数×大さじ1 卵人数分 なずな適宜
作り方
【天ぷら】氷水で溶いた衣に薺を絡め、170度に熱した油に入れ、30秒経ったら返して約1分揚げます。薺を箸で縦にもって油を切りながら取り出します。
【お浸し】沸騰したお湯に塩を一つまみ入れ、薺を入れ再びお湯が沸騰してきたら薺を引き上げ水に取ります。水分を絞ってざっくり切ったら器に入れて鰹節をかけて完成。
【味噌汁】お鍋にお湯を沸騰させ顆粒だしとお味噌を入れ、煮立ってきたら卵を溶き入れます。卵が半熟になったら食べやすい大きさに切った薺を入れ、ひと煮立ちしたら完成です。
詳しいレシピはこちら
上記材料を使ったレシピは詳しい作り方を見ることが出来ます。
まとめ
いかがでしたか、ここまで読んでいただいて、薺とはなかなかすごい植物だという事がお分かり頂けたと思います。薺を見る目が変わってきたのではないでしょうか。あらゆる場所に生えていてぺんぺん草の名前もある雑草ですが、近年では宇宙での植物の栽培実験にも選ばれています。その実を鳴らして遊んだり、旬の味を味わったり、かわいい花を食卓に飾ったりとぜひぺんぺんぐさの薺をフルコースで楽しんでみて下さい。
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