キャンプに焚き火料理はかかせません!
キャンプでの最大のお楽しみは焚き火を囲んでの食事でしょう。下ごしらえをきっちりして時間をかけたキャンプ料理は時に感動すら覚えますが、焚火を使って簡単手軽に作った料理もまたキャンプ料理の醍醐味です。
調理に時間をかけず語らいの時間などを増やすには焚き火料理はかかせません。普段使っているクッカーや道具をフルに生かして美味しい焚き火料理を楽しみましょう。
焚き火の火力は魔法の火力
高カロリーの焚き火
家庭で使用しているガスコンロやファンヒーターの発熱性能を表す単位に「カロリー」があります。基本は水を何秒で沸騰させられるかの単位なのですが、家庭用のものならおおむね3000キロカロリー前後だと思います。
それ以上の力を持つ物は「ハイカロリータイプ」などと呼ばれますね。では焚き火はどうでしょう。実は1万から1万5千キロカロリーの高出力を持つ優れものなんですよ。
なんでも美味くなる遠赤効果
地球上のすべてのものが「赤外線」を（微弱でも）放出しています。目で確認できるものを「近赤外線」、確認できない物を「遠赤外線」と言います。その違いは「周波数」の違いで起こります。
遠赤外線は「電波」に近い波形を持ちますので目に見えず、また物質の奥深く進入して行きます。遠赤外線の輻射熱で食べ物が美味しくなるのはそのおかげなんですね。
焚き火の仕方
直焚き火
キャンプの醍醐味の一つが「焚き火」。地面を少し掘り、拾ってきた丸石でそこを囲み、中に焚きつけの葉っぱなどを置き火を点けます。少しづつ火力を上げ、暖を取るにも焚き火料理をするにも丁度良い大きさの焚き火を作ります。
大きめの丸太などを入れておくと燠（おき）ができて炭火焼きと同じ効果が得られます。火力を安定させるために必ず空気の通り道を作っておきましょう。
焚き火台
最近のキャンプ場は「直火禁止」のところが増えています。地球環境に配慮するというのがその理由です。そこで直焚き火禁止場所では「焚き火台」という道具を使います。
アウトドア関連の各社から丸型のものや角型、小さくたためるタイプなど各種販売されていますので、これからキャンプを趣味にされる方は一揃え持っておくと良いでしょう。焚き火料理のコンロとしても優秀な物が多いですよ。
焼くと美味しい焚き火料理4選-1
ここでは「もともとある食べ物」を焚き火にかけるだけの簡単調理で美味しく食べる方法を幾つか紹介して行きますね。
人気のマシュマロ焼き
いきなり甘い物ですいません。でも長い時間車を運転してキャンプ場に到着してテントを張る。釣りやらアスレチックやらで楽しく遊んだあとはどうしても甘い物が欲しくなりますよね。
そんな時は定番中の定番ですが根強い人気の「焼きマシュマロ」です。香ばしく焼き上げ甘トロのマシュマロを濃いめのコーヒーでいただけば、疲れもまた気持ちの良いものです。
焼きマシュマロレシピ（コツ）
焚き火で焼くと美味しい食べ物の中で一番お手軽な食べ物がマシュマロですが、実は焼き方はそう簡単ではありません。レシピというレシピはありません。串に刺したマシュマロを焚き火の（できれば燠（おき）になってから）上にかざして両面焼いていただきます。
コツは「ふわっと煙が上がったらひっくり返す」こと。遅れると燃えますよ。
焼くと美味しい焚き火料理4選-2
もう一個!「スモア」
北アメリカやカナダで大人気の焼くと美味しいお菓子が「スモア」です。「もうちょっと欲しいな」の意味の「サムモア」の略語や、「もう一個ちょうだい」の「ワンスモア」の略語だと言われていますが、どちらにしても日本で言う「やめられない止まらない」みたいな感じですね。
スモアレシピ（裏ワザあり）
スモアは材料が3つ。クラッカーかビスケットを一人4～8枚。おすすめは「グラハムクラッカー」です。次にお好みの板チョコ一人1枚。大型のマシュマロを4～8個。作り方は簡単です。
焼きマシュマロを作ってそれをチョコと一緒にビスケットでサンドするだけ。チョコを用意する手間を省こうと思ったら（裏ワザですが）「ブルボン・アルフォート」を用意しましょう。
焼くと美味しい焚き火料理4選-3
ひと手間かけた「チョコバナナ」
お祭り屋台で大人気の食べ物がチョコバナナです。あれはバナナにチョコをかけて固めた食べ物です。食したことのある方も多いでしょうが、チョコレートとバナナの相性ってすばらしいですよね。ここで紹介するチョコバナナは「ホットチョコバナナ」になります。
ホットチョコバナナレシピ
ホットチョコバナナには幾つかの作り方がありますが、開けたとたんに子供の喜ぶレシピをお教えいたします。一か所だけ剥がした皮の隙間からバナナの中身を取り出します。
5～6個の輪切りにして一個は食べちゃいます。皮の中に戻して一個分の隙間を利用して板チョコを差し込んで行きます。あとは皮でフタをしてアルミホイルにくるんだら焚き火にかけます。
甘い匂いが立ち昇ったらできあがり。クッカーいらずです。
焼くと美味しい焚き火料理4選-4
何が出るかな?「ホイル焼き」
焚き火料理のお楽しみに「ホイル焼き」を提案します。何でもかんでもアルミホイルに包んで燠（おき）に突っ込んでおけば気の向いた時に取り出していただけます。
ただし火加減や時間の管理をしない場合魚介類はNGです。あっという間に焦げて無くなってしまいますから。使う食べ物はイモや根菜、肉のかたまりなどです。クッカーいらずで後片付けも簡単です。
ホイル焼きレシピ
用意する食材はとにかく焼くと美味しいものなら何でも。それを同じくらいの大きさに揃えてアルミホイルで3重くらいに包んで焚き火にくべましょう。後は「触ったものを食べるルール」などを付加すればウケますよ。
サツマイモ、ジャガイモ、玉ねぎ、牛や豚のブロックなどに、変わったところではダイコン、たけのこ、マコモ竹など。おすすめはサトイモです。塩や醤油、バターなどお好みの味付けでどうぞ。
ダッチオーブン焚き火料理4選-1
みなさんはキャンプ料理用にどれくらいのクッカーを持って行きますか。小鍋とフライパンのセットから大中小の鍋にフライパンまで付いた本格的クッカーなどさまざまだと思います。
中にはダッチオーブン料理を楽しんでいる方もおられるでしょう。ここからはダッチオーブンを使った簡単焚き火料理をご紹介いたします。
目でも楽しむローストチキン
開けた瞬間「おおー」と歓声が上がること間違いなしの人気№1焚き火料理がダッチオーブンを使ったローストチキンです。茶色く色付いたパリパリの皮の下から溢れる肉汁。二人なら1羽、4人なら2羽目安（モモが一本づつ）で材料を用意しましょう。
ローストチキンレシピ
人数分の丸鶏を用意したら前日の仕込みをします。といってもブライン液に漬け込むだけ。ブライン液は水100㏄に対して砂糖と塩を5ｇづつ溶かしたもの。仕込みはこれだけ。
現地では大ぶりにカットしたポテトや玉ねぎをダッチオーブンに敷き、その上にチキンを乗せて焚き火にかけるだけです。チキンのお腹にはレモンとセロリでも詰め込んでおきましょう。
火入れテクニック
オリーブオイルをたっぷり塗ったダッチオーブンでも直にチキンを置くと焦げます。必ず網（アルミホイル・クッキングペーパーでも可）を敷いた上に野菜を置いてその上にチキンを置きましょう。
30分に一度オリーブオイルをチキン表面に塗り、二度目のオイル塗りの後「蓋（ふた）に」炭を乗せ最後の焼き色付けをしましょう。全行程約1時間30分の調理時間です。
ダッチオーブン焚き火料理4選-2
ふっくらアツアツのパン
キャンプで食べるパンのなんと美味しいことでしょう。焼きたてのパンにたっぷりのバターを塗ってお好みのチーズや野菜、チキンなどといただくだけで優雅なディナーが出来上がります。
ワインやビールにぴったりのおつまみにもなりますね。タネを前日に作って「冷凍」しておけば簡単で美味しいパンが現地でいただけますよ。
パンダネレシピ
なぜ前日に仕込むのかといえば、現地で発酵までさせていたら時間が掛かり過ぎるからです。タネ作りだけで2時間なんてもったいないですから。
まずは材料です。強力粉300ｇ、水170ｍｌ、卵1個、バター40ｇ、砂糖25ｇ、塩4.5ｇ、ドライイースト3ｇ。これをしっとりするまでこねます。
2倍になるまで1次発酵させたら8等分にして丸めましょう。あとはバットに並べカチカチに冷凍します。ホームベーカリーのある方はそれを利用しましょう。
パン焼きテクニック
さて、現地に着いたらパンをいつ食べるのか決めましょう。次の日の朝食に食べるなら到着日の夕方から解凍を始めます。できればクッキングペーパーを敷いたダッチオーブンに並べて解凍しておくと手間いらずですね。
次の日解凍され1.5倍ほどに2次発酵されたタネを下火・上火で20分焼けばできあがりです。
冷めても遠火の焚き火でもう一度軽く焼くと美味しいのでたくさん作っちゃいましょう。
ダッチオーブン焚き火料理4選-3
寒い夜には簡単「煮物」
キャンプでの煮物は案外手間のかかるものが多いのですが、今回は「簡単な」もののご紹介です。寒い冬キャンプではあつあつの料理ほど嬉しいものはありません。
ただし「煮込み調理」となるとお手軽にはいきません。和洋折衷のおでん風煮物はいかがでしょうか。これならダッチオーブンでも簡易的なクッカーでもオッケーですしね。
煮物レシピ
ダッチオーブンやクッカーの鍋に半分ほど水を張ります。大根の太半月切りを人数分入れ焚き火にかけます。沸騰したらおでんの素を分量（おおむね1Ｌに1袋）入れ、既製品のロールキャベツや鶏肉、ジャガイモやあつあげ、たまねぎなど何でも投入していただきましょう。締めはうどんがおすすめです。
ダッチオーブン焚き火料理4選-4
アツアツ甘～い焼きりんご
夕食後の語らいの時間に焚き火にかけておくと就寝前にいただける甘ぁい焼き菓子が「焼きリンゴ」です。真ん中に溜まった果汁とバターのスープに突き崩したリンゴを絡めて食べる人気のデザートです。
焼きリンゴレシピ
人数分のリンゴ（できれば酸っぱいもの）の芯をスプーンでくり抜きます。この時リンゴの下部に穴が開かないように気を付けましょう。開いたリンゴの穴に砂糖を入れますが、コーヒー用のスティックシュガーが便利です。
甘党の方は2本目安で入れましょう。そこへバターでフタをします。あとはアルミホイルにくるんでダッチオーブンにかけるだけです。上火を強めに10分ごとに様子を見ましょう。
大人用と子供用で味を変える
焼きリンゴは焼くと美味しい簡単手軽なデザートですが、砂糖とバターを基本にしておいて、中に入れるものを変えるだけで味がころりと変化します。
おすすめは「水でふやかしたレーズン」「シナモン」「ラム酒」などですが、前述の焼きマシュマロとあわせてもアマアマアツアツトロトロの不思議な食べ物ができあがります。
焚き火料理に人気の調理道具3選-1
あると調理の幅が広がる「ダッチオーブン」
やはり野外調理の王様ダッチオーブンは一つ欲しいですね。一台で焼く、煮る、蒸すなどの調理はもちろん、中網をオプションさせれば燻製（スモーク）までできてしまいます。手入れさえしっかりしていれば何年でも使える道具ですから、ぜひ手に入れてみて下さい。
最初の手入れが大事
ダッチオーブンは特殊な手入れが必要な道具です。それを「シーズニング」と言います。購入時のままでは塗料の臭いと焦げ付きで食べ物をダメにしてしまいます。
まず洗剤でごしごし洗いましょう。洗剤の使用はこの1回「のみ」です。後は油を引き、何度か空焼きをします。調理に使用した後は水洗いののち油を引いておきましょう。
焚き火料理に人気の調理道具3選-2
キャンパー必携「クッカー」
「これ1セットあればキャンプ場で食べ物に困らない」という調理道具がクッカーです。煮る、焼く、炒めるなど自宅でしている調理がそのまま再現できます。人数に合わせて大きさやセット内容を考えて購入しましょう。
「クッカー」と「コッヘル」の違いは？
クッカーとコッヘルはどこが違うのでしょうか。同じ道具だと言われる方もおられますが、実はちょっと違います。コッヘルは食器兼用の物がほとんどです。
調理道具としてみれば鍋釜フライパンのみセットされたクッカーのほうが安価でコンパクトです。クッカーを1セット持っていれば大概の料理はできてしまいます。これからキャンプを始められる方にはクッカーがおすすめです。
焚き火料理に人気の調理道具3選-3
意外な便利道具「ホットサンドメーカー」
実はこれ本当におすすめなんです。焚き火料理にこれ1台あるととても重宝します。もちろんホットサンドも作りますが、ハムエッグやソーセージ、ホットケーキなど、どんな食べ物もこれで焼くと美味しいですよ。
キャンプでの朝食はこれ1台で済ますこともあります。我が家の人気№1は（あまり教えたくないですけど）「肉まん・あんまん」です。焼くと美味しいんです。皮はカリッと中はふわっと仕上がりますよ。
簡単焚き火料理でキャンプを更に楽しく!
今回は人気のある簡単な焚き火料理や焼くと美味しい食べ物などをご紹介させていただきましたが、キャンプでの焚き火料理は無限です。ゴールデンウィーク前後まで寒中キャンプになりますが、ぜひ暖かい焚き火料理に舌鼓を打って下さい。
焚き火が気になる方はこちらをチェック！
キャンプでの焚き火料理は無限です。
特におすすめな焚き火のやり方についての記事を載せるので気になる方はチェックしてみてください。
既に焚き火をやったことがある人も、これから焚き火にチャレンジしたい人にも役立つ方法がまとまっています。是非一度ご覧ください。
【焚き火完全ガイド】わかりやすい焚き火のやり方①準備編
焚き火はキャンプの醍醐味です。しかし、ギアをそろえたり、準備をしたりと楽しむにはポイントを覚えておかなければなりません。当記事では、焚き火を...