サーフィンは専門用語で成り立っている
サーフィンは、専門用語で成り立っていると言っても過言ではありません。雑誌やインターネットを見ても、聞きなれない用語が目白押しです。実際に海に行っても、サーファーが話す用語は専門的なものばかりで初心者には意味が分かりません。また、他のスポーツと比較しても、独特な用語でイメージが付きにくいものが多いです。初心者にとっては、用語の意味を理解することが最初の難関であると言えるでしょう。
危険が伴うスポーツ
自然を相手に行うスポーツのため、常に危険が付きまといます。初心者であると、危険がある時などに他のサーファーが注意喚起をしてくれることがあります。その際に用語を理解していないと、せっかく教えてくれたことを無駄にしてしまうことに加え、どういった危険があるのかも理解することができません。危険から身を守るためにも、用語を理解することが必要です。
用語を知ることが上達の近道
用語を知ることで、上達のためのアドバイスを受けた時の理解度が格段に上がります。同じ国の人に物事を教えるのと、言語が異なる外国人に教えるのとでは、同じ国の人の方が理解度は上でしょう。外国人だと、一つずつ単語の意味を調べて、少しずつしか理解ができません。用語を理解していれば、アドバイスを一気に吸収して上達することができます。
サーフィン用語【サーフボード編】
サーフィン用語は多岐にわたりますが、基本的なサーフボードについての用語から解説を行っていきます。
デッキ
デッキとは、ボードの表面部分のことを指します。デッキにうつ伏せになってパドリングを行うほかに、波に乗った際にデッキに立ち上がってボードをコントロールします。また、立ち上がった際の足の滑り止めとして、「デッキパッド」をデッキ後方部に貼り付けます。ボードのコントロールを司る非常に重要な部分です。
レール
ボードのサイド部分のことを指します。丸みを帯びており、このレールをターン時に水中に食い込ませることで、スムーズなターンを行います。ターン性能を決定づける重要な部分になっており、素材によって乗り味が変化します。自分のレベルやスタイルに合わせて、レールのデザインを選択するようにしましょう。
ボトム
デッキとは反対に、ボードの裏面のことを指します。海と接する箇所のため、波に乗ってコントロールを行うためのデザインや工夫がシェイパーによって施されています。前から後ろへの水流をコントロールするためのボトムデザインは多種多様です。デザインによってコントロール性能が大いに変化するため、非常に重要な部分となっています。
フィン
ボトムの後方部についている、魚のヒレのような部品を指します。フィンによって、直進性能や回転性能などが大幅に変わります。一本だけのものを「シングルフィン」、二本付いているものを「ツインフィン」、三本付いているものを「トライフィン」と言います。最近では、三本の「トライフィン」が主流となっています。トライフィンは、直進性能と回転性能、安定性のバランスが良いとされています。
サーフィン用語【波編】
波の名称や状態を示す用語も多数あります。波乗りをするにあたって、波の状態は一番の生命線でもありますので、確実に覚えるようにしましょう。
リップ
波の一番上部の、崩れそうになっている部分のことを指します。上級者になってくると、リップを利用した派手な技を繰り広げることができます。
厚い波
斜度が緩い波のことを指します。波の斜度がないため、波の上部から下部に向かって滑りだすことが難しい波とされています。激しさはなく、おだやかに岸に向かっていきます。浮力の多いロングボード向きの波と言えます。
ホレた波
波の上部が、岸側に巻いて面が掘れてしまっているような波を指します。波の斜度があるために滑り出しやすい波となっています。しかし、初心者の方は滑り出しの際に、斜度があるためにボードが前に刺さって落ちてしまう危険性があるので注意が必要です。「今日はホレている」のような使い方もします。
チューブ
波が岸側に向かって巻いていて、横に長く続いている状態を指します。筒のような形状をしている波のため、チューブと呼ばれています。用途としては、「チューブに入る」といったように使われます。このチューブの中で波に乗ることは、サーファーがあこがれるシチュエーションです。とても難易度が高い技のため、簡単に行うことはできません。
セット
セットとは、周期的に来るまとまった波のことを言います。セットは、大きめの波が一気にまとまって来るので、波に乗るチャンスと言えます。セットであれば、一度波を逃してもすぐに良い波が来る可能性が高いので、あきらめずに待ちましょう。非常に大きな波が続けざまに到来する「お化けセット」と呼ばれるセットもあります。このセットは初心者には非常に危険ですので注意をしましょう。
ショアブレイク
沖ではなくて、岸寄り、または波打ち際で崩れるのことを言います。この場合、波に乗ることが不可能となります。また、足がつく場所で波が崩れるため、この波にまかれてしまうと頭を打つ可能性があるため非常に危険です。初心者の方は特に注意しましょう。
レギュラー
レギュラーの波とは、岸に向かって右に崩れていく波のことを指します。地形によって、右か左のどちらに崩れていくかが変わります。サーフィンの基本は、まだ崩れていない箇所へと滑らせていきます。そのため、レギュラーの場合は、岸に向かって右側に滑っていくことになります。左足が前の「レギュラースタンス」の意味での使い方もある用語なので、混同しないように注意しましょう。
グーフィー
レギュラーとは逆に、岸に向かって左に崩れていく波のことを指します。この場合は、岸に向かって左側へと滑らせていく形となります。ポイントによっては、レギュラーの波やグーフィーの波のどちらかしか発生しないこともあります。どちらも満遍なく練習すると良いでしょう。こちらも右足が前になる「グーフィースタンス」の意味での使い方もあるので混同しないように注意が必要です。
サーフィン用語【風編】
波に乗る際には、風も波の状態に大きく影響します。では、サーフィンでよく使われる風の用語について解説していきます。
オンショア
海から岸に向かってふく風のことを言います。オンショアの場合、風が強いと波のスピードが速くなり、初心者の方には乗ることが難しくなります。また、崩れるタイミングも早くなってしまうため、非常に乗りづらいと言えます。そして、波の面が風の影響で荒れてしまい、更に不安定な状態となってしまいます。
オフショア
オフショアとは逆に、岸から海に向かってふく風のことを言います。岸から海に向かって風がふくと、波の面をツルツルに整えてくれるため、ボードへの抵抗が少なくなって乗りやすくなります。また、岸からふく風は、波にとっては向かい風となります。そのため、波のスピードが抑えられ、崩れるスピードも遅くなります。オフショアは、波に乗るには非常によい状態とされています。
サーフィン用語【コンディション編】
海のコンディションを表す用語は非常に重要です。命の危険にさらされることもありますので、確実に理解しておきましょう。
フラット
初心者の方にとっても、非常に分かりやすい名前と言えるでしょう。その名の通り、海面が平面な状態で、乗れるような波がないことを指します。このままの状態では波乗りはできません。しかし、時間が経つにつれて波が上がることもありますので、波情報のサイトをチェックしておきましょう。
ダンパー
沖から押し寄せた波が、ホレた状態で留まることなく、一気に崩れてしまう状態を指します。この状態では、波に乗ることはできません。名前の由来は、英語の「dump」から来ているという説があります。「dump」の意味は、ドサッと落ちる、放り捨てるといった意味があるので、ドサッと落ちる波のイメージから来ているのかもしれません。「今日はダンパーで波には乗れない」のような使い方をします。
ジャンク
強風や台風などの影響で海面がぐちゃぐちゃになっている状態を指します。「ジャンク」という用語を聞いたら、初心者の方は絶対に海に入らないでください。上級者であっても危険が付きまといます。この名前は確実に覚えましょう。
クローズアウト
初心者の方も、名前からイメージがつきやすい用語と言えるでしょう。名前の通り、海に入ることは非常に危険であり、上級者であっても入ることはできません。この名前を見たら、絶対に海に入るのは止めましょう。
サーフィン用語【危険編】
危険なことを指す用語も多数あります。確実に理解をしておいて、危険を避けるようにしましょう。
前乗り
後から波に乗った人が、既に波に乗っていた人の前を横切ったり邪魔をしてしまうことを指します。優先順位としては、一番早くに波に乗った人が高くなります。また、衝突して怪我をする危険があります。基本的にはワンマンワンウェーブと言われています。このルールを確実に理解して、先に波に乗っている人の邪魔をしないように注意しましょう。
リーフブレイク
名前の通り、波が崩れる場所の地形が岩であったりサンゴ礁であったりすることを指します。砂浜と異なり、地形が変化することがないので、安定して波が立ちます。しかし、海面の下は岩やサンゴ礁であり、足がついてしまうと切ってしまう恐れがあり危険です。波に巻かれて頭が下になってしまった場合、頭を切ってしまう危険性もあります。初心者の方は、砂浜の地形で行う方がよいでしょう。
カレント
岸辺で崩れた波が、崩れていない箇所を通って沖合へ戻る海面の流れのことを指します。波が高い場合は、それに比例して沖合へ戻る波の力も強くなります。沖合へ戻る波の速さは、人間では到底立ち向かうことができません。もしカレントに流されてしまったら、岸に垂直に向かっていくのではなく、岸と並行に泳いでカレントがなくなるポイントまで行きましょう。そうすれば、岸に向かって戻ることが可能となります。
サーフィン用語【サーファー編】
サーファーの状態を伝える用語もあります。聞きなれない用語ばかりですので、確認しておくとよいでしょう。
サーファーズイヤー
初心者の方がこの名前を聞いても、全くイメージはつかないでしょう。名前だけ聞いたら、「サーファーの年」と勘違いしてしまいそうです。意味しては、耳の中の外耳道に長時間にわたって冷たい水の刺激が加わると、鼓膜の周辺に硬い腫瘍ができる病気のことを指します。腫瘍ができると、痛みや難聴を引き起こします。対処法としては、耳栓をすることです。特に冬場では注意が必要です。
丘サーファー
この用語を聞いても、全くイメージがわかない人も多いでしょう。意味としては、格好はサーファーのようだが、全くサーフィンができない人のことを指します。用途としては、皮肉を込める使い方が多いでしょう。波乗りがうまくないのに口や格好だけは一人前の人を皮肉って、「あの人は丘サーファーだ」のような使い方をします。あまり良い意味合いの用語ではありません。
サーフィン用語【行動編】
行動についても、さまざまな用語が存在します。サーフィン中によく使用するものばかりですので、覚えておきましょう。
パドリング
ボードにうつ伏せに寝っ転がり、両腕で漕いで海面を進むことを指します。サーフィンの基礎中の基礎となります。パドリングは、沖に出るときに必要ですし、波に乗る時にも必要な動作となります。パドリング力が弱いと、波の高い日に沖に出れなかったり、浮力が弱いショートボードで波に乗ることができません。波乗りにおいては、とても重要な動作となります。「パドルする」という使い方もします。
ゲッティングアウト
パドリングを行い、岸から沖の波が崩れているポイントに出ることを言います。波が高い日のセットが来た時は、初心者の方だと中々ゲッティングアウトすることができないでしょう。ゲッティングアウトできない時は、無理をせず中止をすることも必要です。
ドルフィンスルー
ゲッティングアウト中に波が沖から来た際に、ボードと体を海中に沈み込ませて波をやり過ごす方法のことを指します。これをマスターしないと、波の威力が強い日には沖に出ることができません。また、セットで何度も波が来た際にも、この方法をマスターしなければどんどん岸へ押し戻されてしまいます。お化けセットが来た際には、この方法を使わないと何度も波に巻かれて危険です。練習をしてマスターしておきましょう。
テイクオフ
波が後方から迫っている状態でパドリングを行い、ある程度スピードがついた状態でボードの上に立ち上がり、波に乗った時のことを指します。波乗りをしていてとても気持ちのよい瞬間でもあります。初心者はセットを狙うと行い易いでしょう。セットであれば、一度よい波を逃しても、何度も波が来ます。
サーフィン用語【技編】
ここでは、技の名前を解説していきます。サーフィンの技は、派手でとてもかっこいいものが多いですよ。
アップスダウン
波の面を駆け上がってから斜面を下ることで、スピードを増加させる技です。何度も繰り返すことで、速度がアップしていきます。この技の用途としては、スピードを増加させて大技を繰り出すためのものと言えます。この技を使って徐々にスピードに乗っていく様は、見ていて非常にかっこいいです。基本的な技と言えますが、大技に繋げるために必要不可欠なので、確実にマスターしなければいけない技となります。
カットバック
ボードの進行方向を180度変える技です。鋭いカットバックは、見ていてとてもかっこいいです。用途としては、波のパワーがあるポイントへ移るときに使われます。用途もさることながら、見ていてかっこいい技ですので、習得すると重宝するでしょう。
オフザリップ
波が崩れそうになっている箇所に、ボードを強く当て込むことで発生する反動を活かしてボードを180度反転させる技です。用途としては、大会で高得点を狙うために使われます。動きが派手でとてもかっこいい技です。
エアリアル
速度をつけて、波のボトムから一気に上部に駆け上がり、空中へ飛ぶ技です。まるでスケボーやスノボーのようで、とてもかっこいい技です。用途は、大会で高得点を出すために使われます。波乗りの中でも特に派手でかっこいいとされます。
サーフィン用語【スーツ編】
サーフィンを行うのに、スーツは必要不可欠です。季節に応じてスーツを変更していきます。
ウェットスーツ
サーフィンやスキューバダイビングなどで使用されるスーツで、スーツと体の間に水を入れ、その水が体温で温まって保温効果を発揮するスーツです。春から初秋くらいまでの時期に使用します。水温が低い時に長時間ラッシュガードや裸で海に入っていると、体温が下がってしまい危険です。また、何かに接触して肌を傷つける恐れもあります。安全のためにもウェットスーツを着るのがおすすめです。
セミドライスーツ
ウェットスーツよりも厚みがあり、より保温効果をもたらすスーツです。水もウェットスーツよりも入ってくる量は少なくなります。使い方としては、冬に使用するスーツとなっています。ウェットスーツよりも高価となりますので、冬季に本気で波乗りをする人向けのスーツと言えます。
ドライスーツ
セミドライスーツよりも更に保温性を高めたスーツがドライスーツです。より温かさを求める方は、ドライスーツを選択するようにしましょう。セミドライスーツよりも更に高価な買い物となりますので、使い方としては、真冬でも波乗りを行う本気度の高い人向けのスーツです。
サーフィン用語【道具編】
波乗りをする際に絶対に必要となる道具の用語を紹介します。難しくはないので、確実に覚えておきましょう。
リーシュコード
ボードが流れていかないようにするためのコードを指します。レギュラーであれば右足首、グーフィーであれば左足首に付け、ボードと繋ぎます。これがないと、波に巻かれた際にボードだけが流れてしまい、他の人に危害を加える可能性があります。また、沖合でボードだけが流されてしまうと、自力で岸まで帰るのが困難となる場合がありますので、確実に付けるようにしましょう。「パワーコード」という別名の使い方もします。
ワックス
ワックスという名前から、スノーボードの滑らせる用途のワックスをイメージした方も多いかもしれません。しかし、サーフィンのワックスの用途は逆で、滑らないように使います。ボードの後部から真ん中辺りにかけての、足を置く場所に使用することで、乗っている時に足が滑るのを防ぎます。用途が異なるため、スノーボード用のワックスを使用してはいけません。用途を混同しないように注意しましょう。
サーフィン用語を使いこなせればかっこいい
サーフィン用語は、素人にとっては全くイメージが付かない用語ばかりです。そのため、サーフィン用語を理解して使いこなせれば、とてもかっこいいと思われることでしょう。用語を使いこなせればかっこいいだけでなく、ハウトゥ本の理解度も高まります。初心者であってもかっこいいサーファーを目指しましょう。
まとめ
サーフィンの用語を解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。用語を理解することで、よりサーフィンを身近に感じることができます。用語の意味や用途、使い方などをマスターして、是非かっこいいサーファーになってみてはいかがでしょうか。
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