シャワークライミングとは
渓流を登っていくアクティビティ
ざっくりと表現すれば、シャワークライミングは渓流の中舞台とし、渓流登りをするクライミングと言って差支えありません。そこでは上から落ちてくる滝は、流れるプールも真っ青な激流も存在しているのでスリルがたっぷり。泳げない初心者ですら、その魅力にどっぷりハマります。
ヨーロッパからやってきた
その発祥地は日本ではなく、ヨーロッパであるのがシャワークライミングです。特に元々スイスやフランスを始めとした西欧の山岳地帯の渓流で、この魅力のアクティビティが発展していました。日本に入ってきたのも、それほど昔のことではありません。
各地でツアーを用意
人の開発の波とは無縁な日本各地の山岳の渓流で、シャワークライミングが実施されています。そのほとんどはアクティビティ専門会社によるツアーですが、個人的に挑む人も珍しくなくなりました。もしツアーから始めるなら初心者でもわからない基本から学べるし、必要な道具類も揃えられています。
キャニオニングとの違いは何?
キャニオニングは降りをメインとする
一般的にグイグイと渓流を下から攻め登るのがシャワークライミングなのに対して、キャニオニングはポイントまで移動をしてから、渓流を降っていくのが基本です。そのためキャニオニングでは、トレッキンやクライミングの要素を含んで歩みを進めるのも普通です。
キャニオニングとシャワークライミングの合体
近頃のツアーでは、2つを融合させているプラン、区別があまりないプランもよく見かけます。登りはシャワークライミングで、降りはキャニオニングでといった行程です。キャニオニングと組み合わせることによって、渓流水遊びの魅力と楽しさを倍増させるというわけです。
シャワークライミング・ツアーの参加条件
こっそりと個人としてシャワークライミングの魅力に浸るなら、その参加条件や命の危険性は個々に委ねられます。しかし何処かのツアーで楽しむとすれば、安全のため余す処なく参加の条件を満たしている必要があります。
規定の服装と装備を身につける
大勢がどっと詰めかけるようなツアーは、間違いなく規定されている服装や装備を必要としています。基本的にシャワークライミングのツアーでは、ほぼ全ての装備はレンタルをするのが通常です。だから初心者のツアー体験では、個々で専用アイテムを購入するといった必要はありません。
規定以上の年齢
チビッコ世代から参加できるツアーが多いですが、シャワークライミングでは年齢制限をしていることが普通です。一般的には一番下は小学生の世代からですが、保護者同伴でというツアーが多めです。上の年齢については、渓流登りをできる体力が充分であることなどを条件にしています。
ガイドに従うこと
きちんと明確にコース設定がされているのが一般的であり、初心者からのツアーではシャワークライミングの専門ガイドに従う必要があります。コースを外れたり、必要以上の危険行為を勝手にするといったことはできません。怪我の回避のためにも、体験ではガイドの言うことに耳を傾けてください。
シャワークライミング参加の流れ
1・予約を入れる(電話・ウェブで)
2・当日に現地に行く(タオル・水着・お金・身分証明書持参)
3・受付を済ませる(同意書に記入あり)
4・着替えをする(水着・ウェットスーツなど)
5・現地に移動する(徒歩・ワゴン・バスなど)
6・講習を受ける(装備の使い方、登り方、過ごし方について)
7・シャワークライミングのスタート
シャワークライミングの服装と持ち物
現地に向かう服装は
いよいよシャワークライミングスポットとなる渓谷に入るとなる前には、普段の服装から、水着とウェットスーツに着替えることになります。だから現地に車や電車で向かうときの服装については、制服でもスーツでも何でも構いません。ただ周囲は完全に山の中なので、アクティビティに相応しい服装のほうが好ましいとは言えます。
水着かインナーウェアを着用
時期のみならず日時によっても違うシャワークライミングスポット水温や気温の状況に応じて、ウェットスーツの中には水着やインナーウェアなどの服装を選びます。水着は凹凸なくぴったりするものが好ましいですが、腕から足首まで覆うウェットを装備するので、水着が外から見える心配ナシです。
専用のソックスや手袋
別に素手でも構わないのが、人気のシャワークライミングです。しかし安全を高める服装として、水中専用の手袋とウェットソックスがあると初心者からも安心です。手袋はグリップ力に優れていで滑りにくく保温性能を備え、ソックスも滑り止め効果や、足の冷えを抑えるものがあります。
基本の持ち物
殊更に出発前に忘れてはならないと言えば、服装より気にしたいのが身分証明書です。免許証などのことで、現地の事務所にて身元の証明や書類の書き込みなどに必要とします。ほかに水気を拭き取るタオルも必要なアイテムですが、忘れがちな初心者のために販売しているツアー会社も存在します。
シャワークライミングの主要な持ち物一覧
・身分証明書(免許証、保険証、学生証など)
・水着かインナーウェア
・タオル
・専用ソックス、手袋、ゴーグルなど(任意)
シャワークライミングの装備(体)
ウェットスーツ(レンタルあり)
秋にかけて水温は上下に変動しても確実に身に着けておくのが、シャワークライミングシャツ・パンツとも呼ばれるウェットスーツです。レンタル料金は安く、水温が低い場合は長袖タイプを身に着け、真夏にはジョン(タンクトップ型)を身につけます。これにより不快な体温低下や怪我、日焼けを防ぎます。
キャニオンシューズ(レンタルあり)
滑り止めのスパイクが付いて衝撃にも強いキャニオンシューズは、シャワークライミングの各ツアーで確実に装備するアイテム。ツアーでは子供用の小型から、大人用までのサイズが用意されますが、なかには料金は無料でレンタルの施設も。ぴったりのものを選び出してください。
その他の装備(レンタルあり)
・キャニオンハーネス:ロープの沢登りやクライミングに必要なハーネス。
・カウケーブル:クライミングで登るときに使う頑丈なケ-ブル。
シャワークライミングの装備(頭部)
ヘルメット(レンタルあり)
二重構造をして衝撃をやわらげ、頭にフィットして頭部を守れるヘルメットは、シャワークライミングで一番手に必要な装備品です。レンタル料金は格安が当たり前で、被ってみれば思った以上にとても軽量なのが特徴で、重さを感じることもないほどです。
ゴーグル
付けるか付けないかは自由選択に任せられがちな装備が、目を保護するためのゴーグル。シャワークライミングで装着することで、渓流の綺麗な川底の様子を見られるのは勿論で、水中では川魚にも出会えるかもしれません。料金を払ってレンタルするか、自前で用意します。
メガネバンド
激しい動きをすることによって、外れてしまうことがありがちなのがゴーグルの運命です。外れるだけならまだしも、水流に流されて紛失する可能性も出てきます。そこでメガネバンドを装着しておけば、シャワークライミングでゴーグルをなくすリスクの回避に役立ちます。
シャワークライミングの魅力
沢のぼり
峻厳さで迫る巨岩、左右の断崖などの地形のなか、上流からの豊富な水流を受けつつ岩場を登っていくのは、シャワークライミングの基礎となる魅力です。時にはロープを使って水が流れる垂直の断崖を登ることにもなるので、普通の登山やクライミングとは面白さがまるで異なります。
滝壺ダイブ
時には背筋を伸ばして見上げる瀑布に遭遇しますが、そこの滝壺の深さが充分ならば、絶好のダイブスポットだったりします。高いところから水に飛び込むスリルと面白さは、初心者からでも体感できるシャワークライミングの醍醐味の一つなので見のがせません。
渓流のウォータースライダー
街なかのプールでは巨大なスライダー設備が子供の人気ですが、シャワークライミングでは渓流のなかで天然のウォータースライダースポットに出くわすことも通常です。これはキャニオニングと被る体験で、数十メートルも川の流れに身を任せてみればもうお魚気分です。
シャワークライミングの注意点
爪が長いと痛める恐れ
オシャレかズボラか分かりませんが、爪を伸ばしている人を時々見かけますが、シャワークライミングに参加する初心者なら長い爪はご法度だと覚えてください。シャワークライミングスポットには岩場が多く、岩場につかまった時に、爪が長いことで指を痛めたり、割れたりなどの怪我に繋がるからです。予めのパッチンとした爪切りは欠かせません。
貴金属類は紛失や怪我の恐れ
ゆるゆるとブレスレットや時計を腕にはめているなら、シャワークライミングの途中で外れて、渓流の中に藻屑と消えてしまうかもしれません。色んな貴金属を身に着けていることは、紛失する可能性と怪我に繋がる危険性もはらんでいます。貴金属は参加前に外しておくのが初心者からの基本です。
人気のシャワークライミングツアー①(栃木)
日光シャワーウォーキング
ワンプレイトが企画している独自ツアーは、標高1,400mの日光国立公園が舞台の魅惑的なスポットが舞台です。知る人ぞ知る隠れスポットの三滝や、日光産三名瀑に数えられる霧降の滝を目指し、シャワークライミング体験が始まります。日光市街地からも驚くほど近く、関東からはアクセスがよいので人気です。
シャワークライミング体験の特徴
水量も豊かな霧降川周辺の隠れ三滝は、それぞれ丁字を見せる丁字滝、玉すだれのように流れる玉簾の滝、何が真っ暗なのかマックラ滝の3つです。霧降の滝は楽さ75mもある魅力的な滝。シャワークライミングでは、初心者から滝壺に飛び込んだり、滝に打たれる滝行ができるのも醍醐味です。
基本情報
【ツアー会社】ワンプレイト
【所在地】日光市所野1550-73
【電話予約】0288-53-3379
【料金】半日コース:高校生以上7,000円・小中学生4,000円、1日コース昼食付:高校生以上11,000~13,000円
【期間】6~10月
(2018年12月28日現在)
人気のシャワークライミングツアー②(東京)
奥多摩シャワークライミング
遠く東京湾にそそいでいる多摩川の源流を舞台とした、奥多摩シャワークライミングは支持が極めて高めのスポット。都心からこんなに近いのに大自然の渓流が身近で、特に東京や首都圏在住の人に人気があります。企画しているのは、青梅市のラフティングウィンズです。
シャワークライミング体験の特徴
西からうねりながら流れる多摩川を眺める二俣尾駅のそばに、奥多摩ベースが置かれています。シャワークライミングはベースから出発し、多摩川の近場の源流を登り始めます。ここではラフティングのプランを選ぶこともできますし、バーベキューもできるので楽しみが広がります。
基本情報
【ツアー会社】ラフティングウィンズ
【所在地】東京都青梅市柚木町2-411-1(奥多摩ベース)
【電話予約】0428-85-9210
【料金】大人5,800~7,300円、子供3,800~5,300円(リピーターは500円割引)
【期間】4月1日~10月31日
(2018年12月28日現在)
人気のシャワークライミングツアー③(長野)
乗鞍高原シャワークライミング
リトルピークスは乗鞍や上高地で多岐にわたるアウトドアが人気のスポットですが、乗鞍高原シャワークライミングが夏季の人気者です。標高3,026mの乗鞍岳の東斜面を舞台とし、北アルプスの高原の水温は真夏でもとても低いので、都会の暑さを完全に忘れさせます。
シャワークライミング体験の特徴
水の旅と題された乗鞍岳のシャワークライミングは、子供連れで体験しやすいファミリーコース、大人向けな高難易度に設定された沢登りコースの2つがあります。どちらも渓流の旧鈴蘭橋からスタート、鈴蘭青滝や大イワナの滝など、滝壺ジャンプもできる見どころが待ち構えています。
基本情報
【ツアー会社】リトルピークス
【所在地】長野県松本市安曇4306-7
【電話予約】0263-93-1243
【料金】ファミリーコース:中学生以上6,400円・小学生4,300円、沢登りコース:中学生以上6,800円・小学生4,500円
【期間】7月中旬~9月初旬
(2018年12月28日現在)
人気のシャワークライミングツアー④(岐阜)
長良川源流シャワークライミング
水芭蕉とスキーで知られる、ひるがの高原などが広がる岐阜の長良川上流部の両白山地の一帯は、シャワークライミングの魅力の地です。ODSSは岐阜でラフティングやスノーシューなど各種アクティビティを提供する会社で、各種のツアーを料金格安で提供しています。
シャワークライミング体験の特徴
一枚岩の巨岩を舞台とする長良川コースは、滝のぼりなどを含んで大人向けです。滝裏くぐりスポットの銚子滝など3つの滝を通る荘川高原コースや、最奥の滝を目指すファミリーコースは、子連れ初心者からでも体験しやすいシャワークライミングが待っています。
基本情報
【ツアー会社】ODSS
【所在地】岐阜県高山市 荘川町牧戸395-1OD-FARM荘川ほか
【電話予約】0575-79-9038
【料金】中学生以上6,800~7,800円、小学生5,800円
【期間】6月1日〜9月30日
(2018年12月28日現在)
人気のシャワークライミングツアー⑤(滋賀)
神崎川スーパーシャワークライミング
奇岩に満ちた御在所山に端を発し、琵琶湖に注ぐ愛知川の源流を拠点とする、シャワークライミングが人気です。滋賀で山と川の遊びを生み出すパワーゾーンが企画しているツアーは、神崎川の激流の渓流に逆らうスーパークラスなひとときになります。
シャワークライミング体験の特徴
立ちはだかる滝のぼりを幾つも繰り返したり、大きなプールでの飛び込みなど、神崎川の赤坂谷は変化に飛んだ姿をしています。パワーゾーンのシャワークライミングは近くの温泉割引クーポンが貰えたり、スタッフ撮影の写真CDを貰えたりといった特典も魅力です。
基本情報
【ツアー会社】パワーゾーン
【所在地】滋賀県東近江市杠葉尾町(ゆずりお)1491-2 リバーベース滋賀(林業センター)
【電話予約】052-788-7575
【料金】中学生以上10,500~11,000円
【期間】6月~9月
(2018年12月28日現在)
人気のシャワークライミングスポット⑥(徳島)
祖谷渓 シャワークライミング
天空のしょんべん小僧が有名な絶景の景勝地祖谷渓(いやけい)は、ODSS四国が贈るシャワークライミングの中心地でもあります。JR小歩危駅からほど近いリバーベース吉野川から祖谷渓へと移動すれば、四国を代表する渓谷美の中での川登りが始まります。
シャワークライミング体験の特徴
竜神が住むという伝説のある幻の池を目指すチャレンジコースは、高さ10mもの岩登りなど魅力のコースです。一方登りやすいコース設定で小学生から歓迎なのがファミリーコース。ODSSのシャワークライミングは料金も高くなりすぎず、外国語対応で外国人も参加しやすいアクティビティです。
基本情報
【ツアー会社】ODSS四国
【所在地】徳島県三好市池田町 祖谷渓に流れ込む支流の谷
【電話予約】0883-84-1131
【料金】中学生以上8,400円、小学生6,300円
【期間】6月1日~11月15日
(2018年12月28日現在)
シャワークライミング体験しよう
各地の魅力の高い渓流へ
旧来よりは観るだけだった渓谷の激流や滝の中に猛然と突っ込んでいく、シャワークライミング。初心者から始めてみれば、止められそうにない魅力があります。装備は基本的にレンタルだからツアーならばお金を節約できます。時々の楽しみとして、各地のスポットで体験してみませんか。
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