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仙丈ヶ岳の天気情報!登山前にチェック!日帰りルートやアクセス情報も紹介!

仙丈ヶ岳とその天候の概要および四季の変化と天気予報の蒐集方法や補助器具使い方、気象伝承等の天気の把握の仕方を述べ、仙丈ヶ岳登山の初心者を含む一般の登山者向け日帰りコースやアクセスについても紹介しています。また、仙丈ヶ岳での遭難事故防止についても触れました。
2020年8月27日
栗鼠の森人
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南アルプスとは?

南アルプスとは赤石山脈を意味し、長野県から山梨県と静岡県に広がっています。植生に恵まれ、森林限界の上でも高山植物が広々と豊かなお花畑となって広がっています。赤石山脈の力強く躍動するように連なる山々は美しい稜線を描き、3,000mを超える高山が連なっています。今回は、この南アルプスのなかでも特に登山者から人気のある「仙丈ヶ岳」の天気情報について解説します!(当記事記載の情報は2019年1月18日時点のものです)

南アルプスの3,000mを超える高山

南アルプスで3,000mを超える高山は、北岳(標高3,193m)・中白根山(標高3,055m)・間ノ岳(標高3,189m)西農鳥岳(標高3,051m)・農鳥岳(標高3,025m) ・仙丈ヶ岳(標高3,033m) ・塩見岳(標高3,052m) ・荒川岳(標高3,141m)・赤石岳(標高3,120m)・聖岳(標高3,013m)等の10座です。

南アルプスの百名山

南アルプスには10座(甲斐駒ヶ岳・鳳凰三山・北岳・間ノ岳・仙丈ヶ岳・塩見岳・荒川岳・赤石岳・聖岳・光岳)の日本百名山が含まれています。自然も特別な環境保護施策で手厚く保護され、花の百名山に選定された5座(北岳・鳳凰三山・塩見岳・仙丈ヶ岳・荒川岳)があり、現在に残る数少ない原生林の自然体験ができます。中でも北岳と仙丈ヶ岳のお花畑は雪解けを迎えると、特に見事な美しさで咲き誇ります。(北岳の夜明け)

仙丈ケ岳の概要

仙丈ケ岳の位置と外観

仙丈ヶ岳は標高3,033mで、南アルプス(赤石山脈)の北の端に近くに座しています。北東および南西に小仙丈ヶ岳と大仙丈ヶ岳が並び、全体としてはなだらかな女性的山容で「南アルプスの女王」と称されています。

仙丈ヶ岳の地形と地質

氷河地形の痕跡として尾根の東に小仙丈ヶ岳カール、北に藪沢カールそして南東に大仙丈ヶ岳カールがあります。その西側は急峻で夏の沢登りや冬の氷瀑登攀の目標とされています。地質的には硬砂岩、粘板岩やチャートからなる赤石層群から形成されています(写真は雲竜渓谷の氷瀑)。

仙丈ヶ岳3つのカール

6合目から上は這え松(ハイマツ)に被われ、雪が消えると、特に三つのカールでは高山植物の大きなお花畑が見られます。仙丈ヶ岳の名の由来は「高さが1,000丈である」と「カールの広さが千畳である」との両説があります。

仙丈ヶ岳の素晴らしい眺望

仙丈ヶ岳は素晴らしい眺望でも知られています。山頂からは南に近くに白峰三山、少し遠くに塩見岳を望みます。東に大菩薩連峰、三つ峠から富士山が並びます。北には近くに甲斐駒ケ岳と鋸岳、遠くには北アルプス(飛騨山脈)、美ヶ原・霧ヶ峰、八ヶ岳や奥秩父の山が眺められます。西には伊那谷の向こうに中央アルプス(木曽山脈)が連なります。

仙丈ヶ岳の登山

1925年に西堀栄三郎氏が冬季の初登攀を行いましたが、登山口へのアクセスが悪く、遭難した場合のレスキュー体制も整備されて居らず、初心者を含む一般の登山者はあまり訪れませんでした。

南アルプス林道開通と仙丈ヶ岳登山

1980年に南アルプス林道が開設し、自然保護のために一般自動車乗り入れは制限する代わりに登山用の市営バスが運行されるようになりました。このため、登山口へのアクセスが良く成り、長野県と山梨県の遭難対策を含めた体制も整備されて初心者を含む一般登山者が多く訪れる山となりました。

仙丈ヶ岳の登山コースについて

登山コースとしては「薮沢小屋ルート」、「小仙丈小屋ルート」、「藪沢重幸新道ルート」、「丹渓新道ルート」、「塩見尾根縦走コース」、「地蔵尾根ルート」があります。「薮沢小屋ルート」、「小仙丈小屋ルート」、「藪沢重幸新道ルート」および「丹渓新道ルート」の夏山登山は、初心者を含む一般登山者にとって日帰り登山も可能であり、仙丈ヶ岳を3,000m級の山の中ではもっとも登頂し易い一座としています。

仙丈ヶ岳の天気情報!①:天気概要

太平洋からの湿った海風を受けて、降雨量が多く北の仙丈ヶ岳でも2,000mmを超えています。また、表日本気候の特徴で、夏には雷が多く発生します。夏の最高気温の平均は15℃、最低気温の平均は8℃で、冬の最低気温は-20℃を下回ると予想されています。

雨の南アルプス

冬季には勿論、雪は降り積もりますが、冬の季節風で日本海からの海風を受けて豪雪が降る北アルプスとは比るべくもありません。「雪の北アルプス」に対して「雨の南アルプス」と呼ばれて豊かな植生に恵まれています。

仙丈ヶ岳の天気情報!②:春山の天気

仙丈ヶ岳の春山は上旬から雪解けの始まる5月上旬から雪解けの終わる6月末頃までです。中腹の木々は春らしくみずみずしさをたくわえますが、標高2,500mより上部の谷沢やカールに雪が残ります。天気は冬のなごりが強くあまり安定しません。別の区分では春山は夏山登山の為に南アルプス林道バス(伊那市営)や南アルプス市営バスが運行を開始する6月15日頃までです。

仙丈ヶ岳の天気情報!③:夏山の天気

仙丈ヶ岳の夏山は雪解けの終わる6月中旬から9月中旬頃までです。梅雨には雨が多く、静かですが梅雨が終わると天候も落ち着き、気温は上昇します。ダケカンバなどの若葉が萌え、美しい緑が豊かさを増します。森林限界から上では高山植物が咲き競い、7月下旬にかけて花盛りになります。それでも藪沢重幸新道や大滝の頭と馬の背ヒュッテの間では雪渓の消える7月中旬までは遭難防止の為に通行が禁止されています。

仙丈ヶ岳の天気情報!④:秋山の天気

仙丈ヶ岳の秋山は9月中旬から11月上旬の南アルプス林道バス(伊那市営)や南アルプス市営バスの運行が終了するまでです。9月になると天気は崩れ始め、気温も日を追うごとに下がって来ます。中旬には紅葉が始まり、下旬から標高2,500mより上部のナナカマドの紅やダケカンバの黄色が見ごろとなります。10月上旬になると朝夕冷え込みも一段と強まり、紅葉も山一面に広がり見ごろを迎えます。

仙丈ヶ岳の天気情報!⑤:冬山の天気

仙丈ヶ岳の冬山は積雪期の11月上旬から3月下旬を主体に雪解けの始まる前の4月下旬までです。例年11月に入ると紅葉が散り、代わりに草木は霜や霧氷で白く包まれます。雪が降り始めます。12月までは積雪は多く無いものの厳しい寒さが迫ります、1月から3月までは積雪が増えるばかりでは無く、歩行困難な程の強風が稜線を吹き荒みます。

「仙丈ヶ岳の現在の天気情報を知りたいなら」①

気象庁からの仙丈ヶ岳の天気情報入手


気象庁は国土交通省の外局で日本各地の天気予報、季節予報および過去の気象データを配信し、防災情報も発信しています。登山の日程の予定を立てたら過去の同じ時期の気象をチェックし、季節予報で日程を確定します。出発前には当日の気象(天気、気温、風など)に加えて、さらに地図上でも天気図、雨雲の動き(リモートセンシング画像)やアメダスを確認しましょう。

「仙丈ヶ岳の現在の天気情報を知りたいなら」②

日本気象協会から仙丈ヶ岳の天気情報入手

tenki.jpは一般財団法人日本気象協会が天気予報を提供するウェブサイトです。仙丈ヶ岳と選ぶと付近の地図と数値計算結果(4日分)および天気ガイドとして「雨雲の動き(実況)」、「実況天気図」、「アメダス(降雨量)」、「気象衛星画像」および「麓の天気(今日、明日および10日間予想)」を提供して呉れます。

登山天気アプリの機能

さらにスマホで「登山天気アプリの機能(2019年1月18日現在月額240円)」に加入すると、地図上に「山頂と登山口の天気」、「天気図」、「雨雲の動き」および「雷危険度」など山の天気を予想してくれます(対象は約300座余)。

「仙丈ヶ岳の現在の天気情報を知りたいなら」③

気象予報民間業者から仙丈ヶ岳の天気情報入手

民間の気象予報業者で山に特化しているのがヤマテンで、前日までの天気情報や当日の山頂付近天気予報を提供してくれます(2019年1月18日現在月額300円で100名山の中の59座が対象)。

その他の気象予報の提供者

その他の気象予報の提供者としては「てんきとくらす」、「雨かしら?」、「Google Play のアプリ」、「Yahoo!天気・災害」、「ヤマケイオンライン」、「goo天気」、「NAVITIME」、「マピオン天気予報」や「SCW(GPV)気象予報」などがあり、天気状況を地図上に示してくれます。

「仙丈ヶ岳の現在の天気情報を知りたいなら」④

仙丈ヶ岳の天気情報入手へのGPS利用

地図上に位置を示すGPSアプリを利用して、登山計画作成から写真を含めた登山記録の保存・整理・分析までできる地図アプリケーションサイトとしてヤマレコ地図アプリとヤマケイオンライン地図アプリなどがあります。ヤマコレは直接的には気象予報を提供していませんが、登山経験者の天候や遭難に関するアドバイスを得られます。

ヤマケイオンラインのGPSアプリ

ヤマケイオンラインでは会員に対してはさらに国内主要50座について山頂ピンポイント天気(3日間予報)およびその麓地域の週間天気予報の提供や天気予報のメールサービスも行っています。遭難を避ける為にも登山初心者にはおすすめしたいアプリです。

「仙丈ヶ岳の現在の天気情報を知りたいなら」⑤

定点観測カメラからの仙丈ヶ岳の天気情報入手

ライブカメラ検索マップでは地図上に位置を示した国内外2500ヶ所以上の定点観測用のライブカメラ、防災カメラやお天気カメラを紹介しています。長野県伊那市が長谷浦地区に仙丈ヶ岳を映すライブカメラを設置して映像を公開し、遭難予防に貢献しています。ライブカメラではその映像を取り込むと共に雨雲レーダーで捕らえた雨雲の位置をYahoo!地図上に示し、仙丈ヶ岳周辺の天気予報・予想気温および天気状況を提供しています。(画像は岩木山)。

仙丈ヶ岳ライブカメラ:伊那市公式ホームページ
南アルプスにある仙丈ヶ岳(標高3,033メートル)の映像がご覧いただけます。
仙丈ケ岳ライブカメラと雨雲レーダー/長野県伊那市
長野県伊那市の仙丈ケ岳が見えるライブカメラです。ライブ映像で見られます。参照:ライブカメラ:伊那市公式ホームページ

「仙丈ヶ岳の現在の天気情報を知りたいなら」⑥

仙丈ヶ岳の天気情報入手のための天気予測用補助器具

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出典:Amazon
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天気を知る補助アイテムとしては高度計だけのものでも、地図に示された実際の高度との違いで気圧の変化を知ることができます。

気圧が高い(高気圧圏)と天気が良く、低いと天気(低気圧圏)が悪いので気圧計を持参すれば天気予測の有力な補助器具となります。「ビクセン 高度計 アナログ 気圧計 付き ブラック 46811」のような専用機器もありますが、補助的な使い方なので初心者や一般登山者はSUUNTO(スント)やカシオ(CASIO)等の多機能腕時計をはめていれば十分です。

登山で使われる多機能腕時計

スント多機能

出典:Amazon
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高度計 気圧計 コンパス 温度 ウェザーアラーム 日出/日没 シュノーケリング用深度メーター 日付 時刻等の表示機能を持って居ます。

登山で使われる一般的な多機能腕時計は時計機能と防水性に加えて高度計機能、気圧計機能および磁石機能を備えています。

「仙丈ヶ岳の現在の天気情報を知りたいなら」⑦

気象伝承による仙丈ヶ岳の天気情報入手

経験の積み重ねによって天気を予想することは古今東西にわたって広くおこなわれてきています。観天望気とも呼ばれ、多くは伝承されて受け継がれて来ています。例えば「夕焼けは晴れ」、「朝霧は晴れ」、「北に向かう雲は雨、南に向かう雲は晴れ」、「朝焼けは雨」、「日や月に暈(リング)が掛かると雨」、「ツバメが低く飛ぶと雨」、「うろこ雲(巻積雲)は悪天候」、「おぼろ雲(高層雲)は雨」、「山頂の笠雲は強風」等々です。

天気予報など登山前のチェック事項

登山前には定点観測の山岳映像と天気予報、登山口への経路、駐車場や電車バスの乗り場・運行時刻などの登山口へのアクセス情報、水場の位置、過去の遭難事例、登山計画、登山届と山岳保険などを事前にチェックしておきましょう。初心者や一般登山者には登山用の装備を含めて、チェックリストの作成がおすすめです。

夏山用の登山用装備

初心者や一般登山者の夏山登山用装備には登山靴・雨具・ザック・ヘッドランプ・スパッツ・ストック・防寒着・簡易アイゼンなどの装備、肌着・下着・中着・外衣(防水と防風)・靴下・帽子・手袋などの服装、飲料と行動食、トイレットペーパー・タオル・ポリ袋・ホッカイロなど雑貨、スマートフォン機能(地図・磁石を含む)が含まれます。

定点観測の山岳映像と天気予報

気象庁の正午発表の気象通報はNHKラジオ第2放送で16時台に放送されています。その内容を地図から編集したラジオ用地上天気図用紙に書き取り、天気予報を立てる方法は昔から行われてきました。今では先にご紹介したさまざまのアプリが有ります。初心者や一般登山者は少なくともtenki.jpの「登山天気アプリ」や「ライフカメラアプリ」などの天気予報や定点観測山岳映像を提供するアプリをスマートフォンに搭載することをおすすめします。

天気予報やナビゲーションへのスマートフォン利用

定点観測の山岳映像と天気予報のみならず、地図、磁石(コンパス)、携帯電話、カメラ、ミニ携帯ラジオ(テレビ)、時計、高度計、気圧計などのアプリや機能スマートフォンに持たせることは可能ですし、簡単に搭載できます。

万一のスマートフォン故障に備えて

しかし、万一の故障に備えて地図、磁石、多機能時計、ミニ携帯ラジオは別途携帯していることを確認しましょう。どのような便利な機器があっても地図と気象を読み取り、登山コースを間違わないで遭難しない様にナビゲーションを行う能力を持つことは登山者として基本である事に心しましょう。


仙丈ヶ岳登山の日帰りコース

「薮沢小屋ルート」、「小仙丈小屋ルート」、「藪沢重幸新道ルート」、「丹渓新道ルート」が主な日帰りコースです。

仙丈ヶ岳の登山コースは比較的なだらかで、鎖場なども無く、夏場であれば初心者向きで日帰りも可能です。その様な登山コースとしては北沢峠方面からの「薮沢小屋ルート」、「小仙丈小屋ルート」、「藪沢重幸新道ルート」に加え、北沢峠からアルプス林道を直線距離で2km北西から登る「丹渓新道ルート」があります。

仙丈ヶ岳登山その他のコース

その他にも初心者や日帰り登山には向きませんが、主稜西側の柏木登山口から登る「地蔵尾根ルート」に加えて、主稜場を南へと塩見岳に至る「仙塩尾根縦走コース」があります。

北沢峠を登山口とする登山コース

登山口を北沢峠とする初心者を含む一般登山者向け日帰り登山コースは大藪大滝の頭で沢道の「薮沢小屋ルート」と尾根道の「小仙丈小屋ルート」に分かれます。登りと下りとそれぞれを使うことがおすすめです。但し、「薮沢小屋ルート」の大藪大滝の頭と馬ノ背ヒュッテ間は残雪のトラバースとなるので、遭難防止の為に雪渓が無く成る7月中旬まで通行できません。通行の目安は両ルートが経由する馬ノ背ヒュッテの営業開始です。

「薮沢小屋ルート」1/3: 薮沢小屋

北沢峠から原生林の深い木立の中の折り返しを繰り返して2時間程で大滝ノ頭に着きます。尾根伝いに小仙丈岳へ進まず、右にトラバースして薮沢小屋を越えて馬ノ背ヒュッテまで進みます。

「薮沢小屋ルート」2/3 :馬ノ背ヒュッテ

但し、雪渓の残る7月上旬までは通行できません。このヒュッテの上は高山植物を鹿の食害から守る為ネットが張られています。

「薮沢小屋ルート」3/3: 仙丈小屋

樹木が疎ら日なり、ハイマツに囲まれたお花畑の先に仙丈小屋があり、薮沢カールを左に眺めながらザレ場を登ると山頂です。北沢峠から往復7時間程なので仙流荘や広河原からの日帰りは可能です(写真は馬の背から仙丈小屋越しに仙丈ヶ岳)。

「小仙丈小屋ルート」1/3 : 大滝ノ頭

薮沢小屋ルートと同じく大滝ノ頭まで登ります。そこから右へトラバースしないで、尾根筋の樹木地帯を登り、ダケカンバがハエマツに変わると景観が広がります。

「小仙丈小屋ルート」2/3 :小仙丈ヶ岳

ジグザグとハイマツの中を登ると展望の開けた小仙丈ヶ岳です。

「小仙丈小屋ルート」3/3 :小仙丈尾根と小仙丈ヶ岳カール

ちょっとした岩場を越えて小仙丈ヶ岳カールを左に見ながらザレ場の様な稜線をすすみ、岩稜の小ピークを越えると山頂です(写真は小仙丈尾根と小仙丈ヶ岳カール)。
北沢峠から「薮沢小屋ルート」同様に往復7時間程なので仙流荘や広河原からの日帰りは可能です。

アルプス林道を登山口とする登山コース

「藪沢重幸新道ルート」

北沢峠からアルプス林道の西800m付近の大平山荘を登山口とする初心者を含む一般登山者向け日帰り登山コースです。「藪沢重幸新道ルート」は大平山荘先代などによって整えられ、仙丈ヶ岳登山コースの中では最短のルートです。但し、大滝の上から完全に沢の中を遡上する沢道なので雪渓が無く成る7月中旬まで「薮沢小屋ルート」と同様に登れません。沢道の楽しみの多いルートなので夏山登山ではおすすめです(ナナカマドの咲いた新道)。

「丹渓新道ルート」1/2:アルプス林道を登山口

もう1つの初心者を含む一般登山者向け日帰り登山コースは丹渓山荘上のアルプス林道を登山口とする「丹渓新道ルート」です。このルートは前の3ルートに比べて所要時間は多少掛かりますが、日帰りは十分にできます。

「丹渓新道ルート」2/2 :馬ノ背から延びる尾根道

このルートを選ぶ登山者は多くはありませんが、指導票はしっかりと付けられています。馬ノ背から延びるこの尾根道は独票のある2639峰付近から展望が開け、晴れていれば素晴らしい景観を楽しめながら登れます。馬ノ背は高山植物の宝庫ですが、鹿除けの柵がめぐらされているのが残念です。

その他の仙丈ヶ岳登山コース

直ぐ東には北岳、間ノ岳、農鳥岳等が並びます。

その他の登山コースとして主なものは「仙塩尾根縦走コース」と「地蔵尾根ルート」です。

「仙塩尾根縦走コース」

仙丈ヶ岳から南アルプス中部の雄である塩見岳まで大仙丈ヶ岳、伊那荒倉岳、横川岳、三峰岳、安倍荒倉岳、新蛇抜山、北荒川岳が並ぶ、長く大きな尾根が伸びています。この長大な尾根が「仙塩尾根縦走コース」となっています。仙丈ヶ岳から塩見岳間だけでも21kmもあり、健脚者向きのコースです。途中にある熊ノ平小屋までだけでの所要時間9時間もかかり、とても初心者を含む一般登山者が日帰りできるコースではありません。

「地蔵尾根ルート」

伊那市の三峰川東岸の柏木部落にある登山口から穴沢ノ頭や松峰(松峰小屋あり)を辿って主稜西の地蔵岳に至る「地蔵尾根ルート」もあります。松峰小屋は古い小屋ですが、水場もあり、泊まることは出来そうです。

日帰り登山にはおすすめではない地蔵尾根ルート

以前は長野県側の主要登山コースとして整備されて長くはありましたが歩きやすい道でしたが、現在ではあまり使われてはいません。その上、登りだけで登山口から片道8時間以上かかるので、初心者を含む一般登山者むけの日帰り登山コースとしてはおすすめできません。

仙丈が岳の天気と遭難事故

仙丈が岳での遭難は余り多くは無い様ですが、最近の遭難例を幾つか紹介します。2012年12月08日1名は滑落で1名は救助待ちの間に衰弱し凍死、2012年12月30日1名視界不良で雪を掘って非難(生死不明)、2013年11月17日1名低体温症で死亡、2015年11月08日 1名小仙丈ヶ岳付近で滑落死、2017年09月16日 大滝の頭付近で病死などです。いずれも滑落か、視界不良による行倒れです。


遭難事故を防ぐ

遭難の原因には装備その他の問題もありますが、基本的には天候と地図の見方に問題あるようです。夏山シーズンの初心者を含む一般登山者向け日帰り登山での遭難の報告はありませんが、霧に包まれて遭難しそうになった例はあります。この様な例からも改めてナビゲーションの重要性を再認識させられます。指導票やスマートファンアプリだけに頼らず、自らの判断でナビゲーション出来る能力は日頃から養っておきましょう。

仙丈ヶ岳登山のアクセス情報

南アルプスでは自然保護と渋滞防止のために車両の通行規制が行なわれて居り、マイカーでアクセスして直接に登山口に乗り込むことはできません。

北沢峠への市営バスの運行

山梨県側からは広河原から南アルプス市営バスが6月22日から11月4日(2018年実績)まで登山口北沢峠へのアクセスのために運行(25分)され、長野県側は伊那市観光株式会社経営の仙流荘から伊那市営の南アルプス林道バスが6月15日から11月初旬まで登山口北沢峠へのアクセスの為に運行(55分)されています。

山梨県側の広河原へのアクセス

JR東日本の中央本線甲府駅から市営芦安駐車場経由でアクセスの起点となる広河原まで6月22日から11月4日(2018年実績)の間は山梨交通バスが運行されています(50分)。また、JR東海の身延線身延駅から広河原まで奈良田駐車場で乗り継ぎとなりますが、6月22日から11月4日(2018年実績)の間は山梨交通バスが運行されています(1時間30分と45分)。

山梨方面からのマイカーでのアクセス

山梨方面からのマイカーでのアクセスは市営芦安駐車場(無料)または奈良田駐車場に駐車場(無料)に車を止めて山梨交通バスに乗り換えなければなりません。

広河原

広河原は山梨交通バスから南アルプス市営バスへの乗り継ぎ地点で、南アルプス登山基地す。バス停は南アルプス国立公園野呂川広河原インフォメーションセンター前にあり、乗り継ぎに余裕があれば遊歩道の散歩があすすめです。天気が良ければ少し歩いた場所で北岳バットレスが遠望できます。

広河原山荘

広河原から野呂川と大樺沢合流付近を吊り橋で渡ると南アルプス市営の広河原山荘があります。営業中の夏と秋にはコンサート演奏も開かれる静けさの中、鳥の声や水の音だけ聞こえています。

長野県側の仙流荘へのアクセス

アクセスの起点となる仙流荘へはJR飯田線伊那市駅からJRバスで伊那バス高遠駅に向かい、そこで伊那市営バスに乗り継いて行きます(所要時間各30分)。マイカーの場合は仙流荘駐車場(350台収容で無料)が利用できます。

特急スーパーあずさ5号でのアクセス

なお、茅野市からもJRバス関東が高速バス南アルプスジライナーを特急スーパーあずさ5号(午前8時新宿発)に合わせて運行していますので、仙流荘到着は11時半ですが、北沢峠到着は午後1時5分となります。従って、北沢峠までなら新宿から日帰りも可能です。運行日は7月29日から8月16日の毎日と7月15日から11月5日の間の土日祝です。

仙流荘

仙流荘は伊那市観光株式会社が運営するホテルの1つです。豊かな自然に恵まれ、山菜料理や温泉を楽しみ、南アルプスの壮大な山々を眺めながらゆっくりとした時間を楽しめます。南アルプス登山の長野県側の登山基地で、市営南アルプス林道バスの始発駅でもあります。バス停前の150台収容の駐車場の他、近くの河原に350台を駐車させられます。

伊那市観光株式会社

伊那市では南アルプス登山の利便を図るために伊那市観光株式会社に北沢峠こもれび山荘、仙丈小屋、塩見小屋なども経営させ、那市山岳気象情報を提供しています。

伊那市観光株式会社
News 新着情報 信州高遠の町。歴史が息づく街並みを抜けて高遠湖よりはるか見上げれば南アルプス峰々から四季の風。穏やかに流れる旅の時間いにしえの城下を訪ねた旅は沸き立つお湯に手足を解き放つ。お出かけください。 大切な人と過ごす 家族の絆をつなぐ

まとめ

仙丈ヶ岳についてあらましを述べ、春夏秋冬の天気情報について説明しました。それに対する利用可能な気象情報提供している気象庁、日本気象協会および民間企業を紹介しました。ついでGPS地図アプリと気象情報、仙丈ヶ岳のライブカメラや伝統的な気象伝承についても触れました。次いで仙丈ヶ岳登山の初心者を含む一般登山者向け日帰りコースを紹介し、注意すべき遭難を示して最後にアクセス情報を述べました。3,000m級の高山で仙丈ヶ岳ほど美しく登山者に優しい山は他にはありません。東京からの日帰りや大阪からの直接に日帰りすることはアクセスを含めると難しいですが、この夏に是非おすすめしたい3,000m級高山の一座です。

仙丈ケ岳の天気情報・日帰り登山・アクセスが気になる方はこちらもチェック!

当サイト「暮らしーの」には他にも山の天気情報についてまとめた記事が多数掲載されております。ぜひこちらもご覧になってください。