マイナス60度に耐える防寒テムレスとは
カチコチバナナで釘コンコン。マイナス60度と聞けば、そんな極寒地獄な様子が脳内再生されてしまいますが、この環境でも普通に働ける防寒手袋のテムレスって、どこからどう飛び出して来たのか気になります。
ショーワグローブの製品
まだまだ国内が戦後復興の真っ只中な昭和54年、尚和化工株式会社がスタートしたのは関西の姫路市内でした。当初から塩化ビニル樹脂製手袋やシームレス裏布手袋など先端の商工業用手袋を研究開発していた中で、防寒テムレスが生まれるのも必然的な流れでした。
防寒テムレスが生まれた2005年
そんな手袋マニアなショーワグローブで、史上初めて防寒テムレスが誕生したのは2005年のことでした。その当初は、透湿性ポリウレタン手袋テムレス®として、発表がされていたようです。会社の沿革を見てもテムレスが掴んでいるのは氷塊ではなく、まるごとキャベツなのでした。
今雪山の登山やスポーツでも人気上昇
キャベツ洗浄ができるグローブどころか、マイナス60度まで耐えてしまう防寒用手袋として注目を集めているのが昨今の防寒テムレスの評判です。今では冬山の登山だったり、スキー場だったり、寒い場所なら色んな用途でおすすめされているのです。
防寒テムレスがおすすめな理由①
ポリウレタンの素材
途轍もないほどの厳寒にも耐久性を維持することができる防寒テムレスでは、ポリウレタンの素材を2種類使用しています。ひとつは、表面に見られる防水性が高い種類、もう1つは内部に重ねられている、断熱性が高いとして知られている発泡ポリウレタンの種類です。
特殊樹脂加工で滑り止め
テカテカと照り返しを見せる防水ポリウレタンの素材は、特殊樹脂コーティングを施しています。この樹脂の成分に包まれていることによって、防寒テムレスはグリップ力を向上させ、作業時に手元が滑らないといった相乗効果を生み出しています。
防寒テムレスがおすすめな理由②
真冬や氷点下での保温効果
過酷を極めるような低温状態の環境下にあっても、防寒テムレスであれば指の末端までも暖かい状態を維持できます。それは2重になっているポリウレタン素材も影響しますが、内部の裏起毛と呼ばれている高い保温構造が大きく作用をしてのことです。
布地の裏起毛
手を入れて接する場所の素材には、裏起毛と呼ばれている特殊なやわらかパイル地繊維が使われています。ボアタイプなふわふわ評判な毛の効果によって、防寒テムレスはこれまでになかった高い保温性が実現されています。
テムレス裏起毛防寒タイプの構造と素材
・表面の素材 防水ポリウレタン、ナイロン、特殊樹脂(コーティング)
・真中の素材 発泡ポリウレタン
・内側の素材 裏布(裏起毛)、アクリル、その他
防寒テムレスがおすすめな理由③
透湿防水機能
仮に完全に密閉された素材のグローブでは、たとえ冬の防寒性や防水性が高いとしても、手は蒸れて不快感が出てしまいます。しかし水分や冷たさはシャットアウトしつつ、湿気は通すことのできる防寒テムレスは、この問題を解消しています。これは業界では透湿防水機能と呼ばれているものです。
乾かしやすいグローブ
手肌のジメッとする湿気が抜けやすい透湿防水機構であることは、作業のあとに内部も乾かしやすいことも意味しています。たとえ内部が濡れてしまうことがあっても、冬は暖かい部屋に吊るしておくだけで自然乾燥を促しやすく、いつでも防寒テムレスは快適な使用感です。
手蒸れず→テムレス?
まるで手肌が蒸れずに作業ができるという特徴を知れば、もう商品の名称が何を意味するのかも想像がつきます。そう、テムレスとはもしかして「手蒸れず」と掛け合わせ、何ともダジャレ的な命名だったのかもしれません。
防寒テムレスがおすすめな理由④
寒い中でもやわらかい
ぐにゃっとした具合に柔らかいものならば、氷点下ならば何でも瞬時と凍てつくと考えるのは常識的です。しかし防寒テムレスだけは別で、そのポリウレタンという寒さに異常なまでに強い素材のグローブが、柔らかさをいつまでも維持できてしまいます。
低音曲げ試験でマイナス60度まで達成
用いられている防寒テムレスのポリウレタンの柔らかさは、ショーワの公式的な試験のなかで、マイナス60度までも持続させられることが判明しています。日本国内でマイナス60度の土地はないですから、大雪山だろうが北アルプスだろうが、どんな寒さの雪山でもへっちゃらです。
防寒テムレスがおすすめな理由⑤
薄いので軽量
どうしても着ぶくれた容姿を思い浮かべてしまうのが普通の防寒対策ですが、テムレスの場合には着ぶくれなどはまるで縁がありません。ポリウレタンの素材はとても薄く加工されているからです。しかも素材自体もほかの素材と比較にならぬほど、軽量感を備えているのも評判なところです。
薄手・軽量だから作業しやすい
傑出している薄さと軽量さを併せ持っている防寒テムレスだから、仕事の時も日常で装着した時、手がまるでゴワつきません。そのため手の動かしやすさがあり、寒い環境のなかで細かな作業をすることにはたいへん向いていることも評判な理由になっています。
疲れにくい
動きを阻害されずに軽快に手指を動かせるということは、防寒テムレスでどんな種類の作業をしようとも、疲れにくいことも意味しています。工場内での精密な作業、雪の中での豪快な行動でも手を正常な状態に保ってくれて、疲れないから作業効率の向上にも繋がっていきます。
防寒テムレスのサイズ
選べるM~3Lサイズ
余裕をもってサイズ幅は大小の幅を用意しているのが防寒テムレスです。特に女性向けとなるM、特に男性が選びがちなL、体格の大きな人には3Lが最大の大きさです。平均の体格を有している場合には、手に合わせることに支障はなさそうです。
サイズ選びの方法
まずじっくりと自身の両手サイズを観察し、防寒テムレスのM~3Lまでに合致するかどうかを見極めます。巻き尺を使って、まずは手のひらまわり、そして中指の長さを計測してください。数値が判明したら、以下のテムレスのサイズに対応するものを選択します。
防寒テムレスのサイズ
・M 全長27.0cm、手のひらまわり21.5cm、中指長さ7.8cm
・L 全長27.5cm 手のひらまわり24.5cm 中指長さ7.8cm
・LL 全長28.0cm、手のひらまわり26.5cm 中指長さ8.3cm
・3L 全長30.0cm、手のひらまわり29.0cm、中指長さ9.0cm
・重量 80g(3Lサイズ)
防寒テムレスのカラー
基本のブルー
今の時点では基本的な防寒テムレスの色はブルー1色です。裾のほうにワンポイントで違ったカラーの部分を採用していますが、これは防寒テムレスのサイズによって異なります。また、同じような性能で黒いタイプも存在していますが、それは最後に紹介しています。
サイズによるカラーの違い
・M ブルー(本体)、レッド(袖)
・L ブルー(本体)、グリーン(袖)
・LL ブルー(本体)、ブラウン(袖)
・3L ブルー(本体)、裾レッド(袖)
防寒テムレスのお値段
高性能なのにコスパが良い
何よりダントツな防寒性能を誇って評判なテムレスですが、口コミではそのコスパが凄いとも評価されています。その使い心地に対して価格はかなり安上がりな設定だからです。コスパから防寒グローブを選びたい人や業者が飛びつくのも頷けます。
アマゾンで1,200円程度
そのお値段はアマゾンのテムレスのほうをチラ見すると、1,200円程度まで値下げされています。他の同種のグローブ製品と比べると若干高めですが、マイナス60度でも柔らかい暖かいとなれば、防寒テムレスのコスパを否が応でも感じとれる価格帯です。
サイズ違いでも値段は変わらず
見ればMから3Lサイズまであって、自分の手にしっくり来る大きさを選べる防寒テムレスですが、その値段はサイズが違ってもほぼ同じ。だから3Lを求めている人からすれば、そのコスパはとても良好に感じ取れます。
防寒テムレスの使用上の注意事項
薬品の使用には気をつけたい
手に取る薬品の種類によっては、テムレスの使用にはまるで向かないことがあります。危険薬物や溶剤が、皮膜を透過して手に怪我を齎す可能性が出てきます。また、薬品の種類によってはテムレスの素材の変形や硬化を引き起こすこともあり、防寒ではない使い方には注意が必要です。
水に長時間つけると浸透の可能性
水を弾く力が高い防寒テムレスですが、あまり長時間大量の水にひたすような作業には向いていません。透湿性が影響して、外側から水を浸透させてしまうからです。水に触れる作業ではこのへんも頭に入れておきたいところです。
ほかテムレスの弱点に気をつけたい
熱く感じるものには、とことん弱いのがポリウレタンのテムレスです。熱を帯びたもの、お湯に触れると、火傷の可能性が高くなります。高熱に接すると発火したり変形する事も考えられます。回転体に触れることによる巻き込まれ事故、感電なども注意したいことです。
防寒テムレスはどんな用途で使える?
業務用に
まず間違いなく、様々な産業界の会社に防寒テムレスが選ばれています。寒い中でもお魚を扱う漁業や水産業、水を扱う清掃業やメンテナンス、荷運びをする物流や運輸業などです。基本的にはどんな業務にもコスパの良さを含み対応できるグローブです。
登山用に
岩場も水も大気も、トレッキングポールや登山ギアまでもヒンヤリと冷たくなってしまうのが、真冬の登山の宿命です。しかし防寒テムレスを登山に採用してみれば、そうしたあらゆる冷えを食い止めます。山登りの道具としてもコスパは良く、縦走の道のりも颯爽としたものになります。
雪遊びに
冬に童心のままに戯れるならば、雪遊びのは欠かせません。テムレスは寒さを感じさせない防寒具として、雪だるま作りをしたり、またはスキー場での防寒グローブに使っても構わないアイテムなのです。もし黒いタイプが欲しいなら、TEMRES 282-01がおすすめです。
テムレスの別タイプ
TEMRES 282-01
寒空に猛然と挑みかかる登山や、雪遊びギアとしてテムレスを採用するなら、性能に加えてデザイン性も重視されたTEMRES 282-01も選べます。ブラックな出で立ちがかっこよく、全面を樹脂コーティングしているので防寒性能も防水性も高く、地形やギアに対しても滑り止め効果が高いと評判な種類です。
TEMRES 282-01の情報
・Mサイズ ブラック(本体)、レッド(袖)
・Lサイズ ブラック(本体)、グリーン(袖)
・LLサイズ ブラック(本体)、ブラウン(袖)
ジャージテムレス
ぎゅっと腕の袖口をすぼめたジャージ加工されている、評判の高い防寒テムレスもあります。この種類は腕にフィットするので、テムレスを付けての作業中、土が入ったりすることもなくなります。真冬なら外気をシャットアウトする効果も実感できてしまう、おすすめなタイプです。
ジャージテムレスの情報
・S ブルー(本体)、ブルー(袖)
・M ブルー(本体)、ブルー・オレンジ(袖)
・L ブルー(本体)、ブルー(袖)
・LL ブルー(本体)、ブルー・グリーン(袖)
試してみよう防寒テムレス
登山にスキーに色んな用途で
もう南極のペンギンも欲しがるほどの最強の防寒機能を持ったテムレスは、確かに評判通りに手を労り仕事を捗らせ、コスパも満点な魅力がありました。今後の業務で、日々の生活や趣味で、テムレスを取り入れて安全性と効率を上昇させてみませんか。
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