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ディスクブレーキロードバイクってどう?種類別の特徴やメリットを解説!

プロの世界において使用が全面的に解禁されたディスクブレーキロードバイク。その影響から主要メーカーも開発に注力しており、今後さらなる市場の拡大が予想されます。そんなディスクブレーキロードバイクについて、特性やメンテナンス、おすすめカスタムなどを紹介します!
2020年8月27日
sierra14
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ディスクブレーキロードバイクとは?

ディスクブレーキロードバイクとは、その名の通りディスクブレーキシステムが取り付けられたロードバイクを指します。ロードバイクには主に軽量性などを重視してキャリパーブレーキが取り付けられていますが、MTBとシクロクロスが安定した制動力を求めてそうしてきたように、ディスクブレーキを搭載したバイクが増加しています。

2018年に入り、UCI(国際自転車競技連合)がプロロードレースの世界でもディスクブレーキの使用を全面許可したことで、その動きは今後加速度的に拡大していく可能性があります。

ディスクブレーキの種類と仕組み

一括りにディスクブレーキと言っても、機械式と油圧式の2種類のタイプが存在します。制動方法に変わりはありませんが、ブレーキを動作させる過程に違いがあります。

機械式ディスク

機械式ディスクは、一般的なキャリパーブレーキと同様、ワイヤーを介してブレーキを動作させます。つまり、ブレーキレバーとブレーキキャリパーをワイヤーでつなぎ、それをひくことでブレーキをかけるのです。

油圧式ディスク

油圧式ディスクは、レバーとキャリパーをつなぐホースにブレーキオイルを充填させて使用します。レバーをひくとホース内のオイルに圧力がかかり、その圧力でブレーキパッドを押し出して制動力を得ます。

ディスクブレーキロードバイクのメリット

安定したブレーキング

機械式でも油圧式でも、状況に関係なく安定して制動力を発揮してくれます。特に油圧式は、その構造上軽いタッチでブレーキングできるうえに、スピードコントロールもしやすいです。これは手の小さいライダーや女性ライダーにはもちろん、疲れが表れ握力の低下が予想されるライド後半などで歓迎されるメリットだと言えます。

ロードバイクの絶対的な制動力については、ライダーのスキルや取り付けるタイヤのグリップ性能にも左右されると考えられるため、ここでは言及しません。ただし、悪条件下での減速については機械式・油圧式問わずディスクブレーキのほうが明らかに優れているようです。

ダウンヒルでも安心感がある


道幅が狭くRの小さいコーナーが多い日本の峠道では、ダウンヒルが苦手というライダーも多いはずです。そんなとき、ブレーキをかけ続けて下るのはホイールのリムにダメージを負いかねませんし、何より手が疲れてしまいます。油圧ディスクであればブラケットを握っていても軽い力でブレーキングできるうえに、リムへのダメージを心配する必要はありません。

カーボンホイールを選びやすい

ホイールのリムをブレーキシューで挟んでストッピングパワーを得るキャリパーブレーキに比べ、ディスクブレーキはブレーキのためだけに取り付けられるディスクローターを挟んで車体を止めます。そのため、カーボンホイールにおけるリムへの攻撃性や発熱の問題を気にする必要がありません。それだけリムの自由度も高くなり、重量や空力に優れるカーボンディープリムを使用しやすくなるのではないでしょうか。

デメリット

キャリパーブレーキと比較すると、重量が重く、車体・パーツの価格が高いだけではなくメンテナンスにもコストがかかるなど、デメリットがあることは否めません。しかし、プロロードレースでの解禁によって各メーカーもディスクロード開発に注力しているため、今後、その差が縮小していく可能性も大いに考えられます。

ディスクブレーキロードバイク 取り扱いの注意点

ブレーキ周りの扱いについて

ディスクブレーキは、ブレーキパッドとローターのクリアランスを最小限にすることで引きを軽くしたり利きをよくしたりしていると言われており、ホイールを取り付ける際に少しでも傾いていると音鳴りや抵抗が発生する原因となるので注意が必要です。また、油圧式の場合、ホイールを外している間にはブレーキレバーを握らないようにしてください。その構造上、ローターがないときにブレーキレバーを握ってしまうとパッドがくっついて元の位置に戻らず、走行不能になってしまうからです。ホイールを外している間はスペーサーをかませるなど、必ず対策をしましょう。

取り付け以外でも、ローターかキャリパーがなんらかの衝撃で少しでも曲がってしまうと、ブレーキをかけられないだけではなく、走行自体不可能になってしまう可能性があります。ロードバイクを車などに積載して運ぶとき、輪行するときなどは特に注意が必要です。ライドの休憩中に立て掛けておく際も、倒れないようにしましょう。

エアの混入

密閉されているブレーキホース内にエアが混入してしまうと、ブレーキの利きが悪くなり、混入量によっては利かなくなることが考えられます。その場合ブレーキラインからエア抜きをしなければなりませんが、未経験者にはこれが非常に面倒な作業になるはずです。ですから、エアの混入をできるだけ防ぐためにブレーキオイルの管理、保管場所、保管形態(縦置きは混入しやすいとのこと)には配慮してください。

ディスクローターに触れない

ディスクローターは金属製で、ブレーキングすると摩擦で高温になります 。その放熱を目的としてそもそもが鋭利な形状をしているため、走行直後に触れないことはもちろん、調整中にも怪我しないよう注意しましょう。

ディスクブレーキロードバイクのメンテナンス

クリアランスの調整とメンテナンス

油圧式の場合、ディスクローターとブレーキパッドのクリアランスを常に一定に保つような機構があるため、ブレーキパッドの減りに関係なくこまめな調整は必要ありません。また、ブレーキオイルは使用頻度によっては、目安として半年〜1年に1度程度の交換でよいとされています。メンテナンスフリーとまでは言えませんが、その期間を長くとれることはメリットにもなり得るでしょう。


一方、機械式は調整もメンテナンスもキャリパーブレーキと似ています。ワイヤー類が劣化すれば交換しなければなりませんし、油圧式のように自動調整機構がないので、パッドの減りにあわせてクリアランスを細かく調整しなければなりません。

ブレーキパッドの交換時期

機械式についてはキャリパーブレーキと同じくパッドの減りによってレバーの引きしろを調整しなければならないので、交換時期はわかりやすいはずです。油圧式については前述の通りパッドの減りに関係なく一定のクリアランスを保とうとする自動調整機構が働き、レバーの引きだけでは把握しづらいため、定期的な目視での確認を怠らないようにしましょう。

あくまで目安ですが、パッドの厚みが0.5mm程度になったら交換してください。ディスクローターは1.5mmです。それぞれキャリパーやハブの規格に準じたものを選ばなければならないため、半年〜1年くらいのスパンで、ブレーキオイルのチェックも兼ねて定期的に専門のショップに見てもらったほうがかえって楽かもしれませんね。

日常的な洗車と注油

日常的なメンテナンスである洗車と注油ですが、ブレーキローターとパッドにはパーツクリーナーや油分がつかないよう注意しなければなりません。油分が残っているとブレーキの利きに影響するうえに、最悪の場合、パーツごと交換することになるからです。少々の汚れであれば水のみで洗車し、ウエスで拭き取るようにしましょう。

おすすめのディスクブレーキロードバイク1

キャリパーブレーキロードバイクを既に所有していたとしてもそれらのパーツはほぼ流用できないため、購入にあたっては買い替え、買い足しに関わらず完成車が選択肢になる場合が多いようです。そこで、おすすめのディスクブレーキロードバイクとして、アッセンブルされるパーツはもちろん、全体の重量やバランス、価格などを考慮した完成車を紹介します。

Cannondale CAAD12 Disc 105

CAAD12はアルミフレームを得意とするキャノンデールがラインナップするレーシングロードバイク。フレームセット重量1,100g以下(カタログ値)という軽量性、素材の特性を活かした高剛性と反応性が高バランスでまとまっており、非常に評価の高いバイクです。シマノ R7000系の105を採用した完成車は油圧式ディスク搭載ながらコストパフォーマンスに優れ、最初の1台にはピッタリのディスクブレーキロードかもしれません。

おすすめのディスクブレーキロードバイク2

S-Works Venge

UCIワールドツアーを含むトップカテゴリーにおける数々の勝利はもちろん、今年の国内アマチュアロードレースの最高峰「ツール・ド・おきなわ」をも制した名実ともに最速のディスクブレーキロード。驚異的なエアロダイナミクスを発揮するパッケージはレースだけでなくロングライド、ファストツーリングなどでも強い味方になってくれるはずです。ラインナップはディスクブレーキモデルのみ。

ディスクブレーキロードバイク おすすめカスタム1

カーボンクリンチャーホイール

インスタグラムなどのSNSで、日本よりディスクブレーキロードが広く浸透している海外のユーザーをチェックしてみると、カーボンディープリムを多用していることがわかります。ディスクブレーキロードの過渡期にあって、主要メーカーがディスク用カーボンホイールを揃えだしており、国内でも選択肢が増えてきました。ディスクブレーキの構造的に、カーボンリムの欠点を補えるうえ、扱いやすいクリンチャーとも相性がよいため積極的にカスタムのひとつとして取り入れたいところです。


ディスクブレーキロードバイク おすすめカスタム2

電動コンポ

機械式ディスクの場合はこれまでのデュアルコントロールレバーを流用できるためあまり気にならないと思いますが、油圧式となるとシリンダーを収容する関係で、レバーがかなり大きめになってしまいます。メカニカルコンポではシマノ・スラム・カンパともにレバーは大きく見えますが、電動コンポになると、シマノのR9170系デュラエースとR8070系アルテグラのレバーが圧倒的に小さいことがわかります。もちろん電動コンポの恩恵も受けられますし、バイク全体がスッキリ見えるということもあり、電動コンポを視野に入れたカスタムを考えられてはいかがでしょうか。

ディスクブレーキロードバイク おすすめカスタム3

太めのタイヤ

ディスクブレーキのもうひとつのメリットとして、キャリパーのタイヤ許容サイズを気にせずワイドリムホイールや太いタイヤを使える点が挙げられます。28〜32C程度の太さであれば、軽快感をそこまでスポイルすることなく快適性とパンクのリスク低減などの効果を得ることができるはずです。荒れた路面であっても必要以上に気を遣うことはなくなるでしょうし、レース以外ではおすすめできるカスタムと言えます。

ディスクブレーキロードバイク おすすめのシーン

ディスクブレーキの特性から見ると、レースメインのライダーには合わないかもしれません。国内ではアップダウンを含む周回レースとクリテリウムレースが多く、強力なストッピングパワーよりも軽量性とコントローラブルなブレーキの方が重視されると考えられるからです。むしろ、メンテナンスとメンテナンスの間を長くとれること、安定したブレーキングが続くこと、太いタイヤを許容できることなどを考慮すると、レース志向でないライダーにこそメリットをもたらしてくれると言えます。特にロングライド・ブルベを好む方や路面状況を気にせず遊びの幅を広げたい方、通勤・通学など毎日使用する方におすすめのバイクではないでしょうか。

ディスクブレーキロードバイク まとめ

ここまで、ディスクブレーキの特性とメンテナンス、おすすめカスタムなどを紹介してきました。車やバイクでは既に広く普及し、取り付けられているディスクブレーキも、自転車ではまだまだこれからでしょう。ただし、ロードバイクもスピードが出る乗り物です。アクシデントが起これば命を落とす危険が潜んでおり、強力なブレーキを取り付けていればそれを回避してくれるかもしません。ブレーキングに自信がないライダーは、是非ディスクブレーキロードバイクを試してみてください。

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