山の購入は土地探しから
森林組合からの土地探し
もこもことした山の数が多い地域であるほど、その地元には必ず森林組合が作られています。山林が欲しい人がまっさきに見てみたいのが、森林組合が公開している、サイト上の山林購入情報です。非公表の森林組合もあるため、前向きに問い合わせるのがおすすめです。
不動産からの土地探し
山だらけな土地柄の不動産ならば、山林の販売を請け負っていることも一般的です。ただ住宅の購入や賃貸と違って取り扱っている数が少ない可能性があります。不動産はまずネット検索から始めてみたり、問い合わせて情報収集をしてみるのが良いです。
林野庁サイトからの土地探し
いつもは何の接点もなさげな林野庁のサイトですが、一般向けに全国各地の国有林の競売情報を提供していることがあるので見逃せません。購入検討中なら、各地の森林管理局の林野の売り払い情報をチェックすれば、御眼鏡に適う山が掲載されている可能性もあります。
山の購入前の現地と周辺チェック
斜面を確認することが大切
ひっくり返しても緩斜面にしか見えない山林写真でも、現地に出向けば想像以上の急斜面だったり、時間の経過と共にあまりにも管理が行き届いていない山林に変化してることだってあります。山の購入のときは、下見の計画をよく練り、遠くても1度は欲しい土地の様子を拝見して損はありません。
アクセス道路の確認が大切
辺鄙な山岳の土地であるほど、いまでもナビに道路情報が反映されていない状況もしばしば。現地にアクセスする道は仲介業者が知っているとは言え、欲しい土地までの道は自分で覚えておかねばいけません。地図で確認をしたり地図をプリントアウトしたりと、購入前にアクセス道路の把握は怠れません。
境界の確認
現地の下見に行けば、何処までが買いたい土地の範囲なのか、不動産のベテランスタッフでもわからないことがあります。境界がはっきりと分かっている山のほうが、購入したあとの作業効率もあがります。できれば不動産などと一緒の下見の時に、簡単な境界の確認は済ませておくのも妙案です。
使えるお店のチェック
奥深い山ほど期待できないことですが、買いたい土地の周辺にはどんなお店があるか、チェックしておくと購入後に役立ちます。一番近いコンビニ、ホームセンター、スーパー、ガソリンスタンドといった種類のお店です。欲しい土地の情報と一緒に探してみてください。
山の視察時に必要なアイテム
自分で用意したいアイテム
できれば自前で山の中に持っていきたいアイテムがあります。カメラがあれば、山の斜面や危険な場所を撮影できて、購入の検討に役立ちます。雨天に対応しなければいけないため、雨合羽や傘や長靴などの雨具も、用意して欲しいアイテムです。
現地で用意される可能性のあるアイテム
仲介する不動産や森林組合などでは、山の購入者向けに現地で用意している道具類があります。各種の資料は必ず提供されますし、高度計や測量器や双眼鏡など、専門的な機器を持ってきてくれることもあります。事前に不動産など仲介業者に、アイテムの問い合わせをしておくと良いです。
自分で持参したいアイテムリスト
・カメラ 現地の撮影、自宅での検討に必要
・雨具(かっぱ、傘)雨天に対応
・長靴 雨天時やぬかるみに対応
・手袋や軍手 危険を伴うため
・メモとペン 現地の様子や情報をメモする
山の購入のメリット①
とにかく山の相場は安い
華やかな都会では1平方mに億の値がついて腰を抜かすのは普通ですが、田舎の山林の購入では、欲しい土地の度肝を抜かれるほど安い値段の相場がメリットです。値段の決定は土地面積、市街地からのアクセス状況、用途などによって、大きく異なっています。
数万平方mの山がたった数百万な相場
条件が揃っていれば、数万平方mの山の土地が不動産で200~400万円程度で購入できてしまう、そんなデタラメにも思える相場が普通に見られます。ただあまりに安い土地はそれなりに注意点も増えてくるのが普通なので、相場が安いからすぐ買いたいと思っても、慎重を期しておかねばいけません。
山の購入のメリット②
山に建物を建築できる
山の地目にもよりますが、購入すれば居住可能な建物を自由に建築して良い山が多いのは、山暮らしがしたい人にとってのメリットです。急峻な地形により建設場所が限定的になったりする場合もあるので、欲しい土地は現地視察をしてみたり、不動産業者などからよく聞き取る必要があります。
建築コストは相場的に高いのでDIYも
資材搬入や建築がしにくいという高原特有の条件もあって、山の購入後の建物の建築は、コストが相場に比べて高めとなってしまう現実があります。業者に任せるのは一部にして、DIYでログハウスを建てて建築の値段を下げる、そんなアウトドア派の人々も珍しくありません。
家を建てられる地目一覧
・宅地 山林でも宅地となっている場合あり(特に市街地の隣接地)
・山林 背の高い人工林や天然林が広がっている
・原野 なにもない草原や灌木の原野
・雑種地 宅地や山林や農地など地目が混成している土地
・田畑 農地のままだと建築不可でも、地目の変更によって宅地化できる
山の購入のメリット③
自然を活用できるメリット
たとえ住宅を建てることが不可能な山でも、購入することで計り知れない多様なメリットが出てくるのはあまり知られていません。単純に言い表わせば山の自然環境のフル活用です。森林浴をしつつ普段からの様々な楽しみが生まれるので、買いたい気持ちが高まります。
きのこタケノコ山菜採り
注目しておきたい最たる活用方法といえば、山の幸と呼ばれる健康食材の数々が採れるメリットです。毒キノコに注意しつつのきのこ狩り、しいたけの原木を置いての自家栽培、タケノコや山菜取りなどなど。山を購入すれば、常に美味しい山の幸が欲しいと願う、食通の気持ちを満たしてくれます。
林業目的で
未経験からはじめる自伐型林業は、自分自身で木を切り倒して販売する副業としても注目されています。数万平米にわたる広大な山の樹林を購入すれば、木材の搬出困難な場所は相場的に見ても儲けになりませんが、林道に近い場所の樹木であるほど儲けとなります。
山の自然活用方法一覧
・キノコ狩り(自然林の中、または栽培原木設置で。毒キノコに注意)
・たけのこ狩り(斜面に竹林を含む場合)
・山菜採り(斜面に山菜が生えている場合)
・林業(樹木は業者に販売できる)
・観賞(新緑、紅葉、雪景など)
山の購入のメリット④
キャンプが自在になるメリット
困ることのないほど設備の整っているキャンプ場も魅力ですが、自分で購入した山の土地なら、テント生活も自由自在にしたい放題です。実際にプライベートなキャンプの楽しさが欲しいがために、山林を購入する人も珍しくはなくなってきています。
プライベートキャンプの魅力
購入が決まった直後から、広々とした山林の全てが自分だけの巨大サイトと化します。水やトイレなど準備を入念にしたならば、キャンプ場のような週末の混雑とも無縁だし、人の視線を気にすることもなくなります。設備から意のままに整えられることも魅力です。
山の購入の注意点①
道路整備や整地が必要な場合あり
日当たりのよい山林を購入すると、夏場に数ヶ月も山林を放置すればあっという間に市道すらも草ぼうぼうにする、元気の良さを見せつけます。山を買いたい場合には、私道の整備をしたり宅地用の土地を整地したりといった手間が出てくることも、頭に入れたい情報です。
道路整備の工夫
雨が降れば山の道はぬかるんだ地面になって、車両も滑落の危険が出てきます。そのため山の購入後の道路整備としては、基本的には最低限で砂利の私道を確保するのがおすすめです。山の地形によっては急斜面の坂道になるため、斜面を這わせるスロープ型の道とする工夫も必要です。
山の購入の注意点②
電気と水道が無い場合あり
思い浮かぶ最優先課題として、山で暮らすならばライフラインの確保には注意をはらう必要があります。買いたい願いを叶えてみれば、電気も水道も通っていない自然そのまんまの状態なこともあるからです。電気水道が整備済みの山を購入したいのが本音ですが、もし無くても対処できる方法はあります。
電気と水道を引くと莫大な値段となる
人里からどんどんと離れた山であるほどに、水道や電気を引く料金は莫大なものとなります。距離によっては水道を引くだけで1,000万円を超えてしまうほどです。山の購入したあとに水道と電気を活用していきたいなら、できるだけ市街地に近い場所を欲しい山リストに入れたいところです。
水は井戸が基本
そんな山の理不尽さもあり、山を購入した人の殆どが井戸を取り入れています。井戸掘りの相場な値段は掘り進める深さに比例して、20~100万円程度です。ポンプの値段と設置工事費合わせ、40~120万円程度が必要になります。山を買いたい時には、井戸堀りのことも頭に入れておいてください。
電気はソーラーパネル設置
樹木に覆われた山でソーラーパネルを購入・設置するなら、樹木の影にならない日当たりが求められます。空き地か屋根の上に設置するのが通常です。一軒家ぶんの電力を得る設備は、工事の値段を含めて250~300万円が値段の相場です。電線が近くに通っているなら、売電での副収入も期待できます。
山の購入の注意点③
大雨で危険を伴う川や谷
流域のあらゆる河川の源流となるのが山ですが、買いたい土地によっては敷地に小川や沢が流れていることがあります。大雨が降ると濁流となって流れを加速させるので、小さな川でも危険を伴います。山を購入するときは、敷地に川や水の流れる谷らしき姿がないかどうか、必ず把握しておきたいところです。
川の近くや谷底に家を建てないように注意
不意にやってくる豪雨で発生する山の川の濁流は、時に谷を縫うように流れて低地の家を飲み込んでしまいます。山の土地を購入したあと、川のそばや谷底に家を建てることはリスクを上げるだけなのです。高台に建てることや谷底に建てないことを意識すると、川の驚異を回避できます。
山林購入の注意点④
周辺に不都合がないかチェック
くるくるとグーグルマップで山林を検索するのも効果的ですが、購入前には自分に不都合な環境がないかの確認は大切です。買いたい土地に問題がある場合と、買いたい山林の周囲に問題がある場合の2通りに出くわす可能性があるからです。これは不動産業者も教えてくれない場合があるので、目を光らせる必要があります。
不都合が見つかった場合の対処
川の汚染などどうしようもない不都合については、諦めて別の山を探す必要がありそうです。または購入してから時々利用する程度にして、妥協できることもあるかもしれません。不法投棄は時間をかけて処分していくことも検討してみたり、騒音については住宅の防音力を向上させることで対処可能です。
自分にとっての不都合の例
・山林の不法投棄 土地や川の汚染による健康の懸念
・廃棄物処分場 近隣にあると地下水や河川の汚染が届く可能性
・原子力発電所 放射線など言い知れぬ不安感
・牧場 特有の臭いなど
・真上の高圧線 電磁波の影響の懸念
・隣接の宿泊施設や住宅・商業施設 一般的な騒音
山の維持と管理の方法
下草刈り・枝打ち・間伐
管理しやすく過ごしやすい山にするためには、年に数度の下草刈りが必要なことは、山林を買いたい時に忘れてはならぬ知識です。また、山林の状態を良好にするためには、枝打ちや間伐も必要になります。購入したあと、自力でやるか業者に頼んで進める必要が出てきます。
地元の森林組合にお願いする
ひとりで成し遂げるのが困難と感じれば、山の専門の人にお願いしておくのがベストです。購入ができたら、まずは地元の森林組合の方に加入します。加入することによって、森林全体のお手入れをお願いできるようになります。あるいは下草刈りや伐採などは、個別の業者を頼むこともできます。
自力でのお手入れ
ついに自伐型林業が目立ってきた林業界ですが、広大な山林のお手入れをするなら暇と道具とお金が入り用です。チェーンソーや草刈り機などの購入はもちろん、これらを使いこなす技術や度胸も必要です。森林組合の安全講習会で使い方を覚えるなど、地道に経験を積んでレベルを上げる必要があります。
山の購入後の移転登記について
自分で移転登記をする
明確に山の所有者となるためには、登記移転が必要ですが、これは購入の手続きのときに自分で行うこともできます。ただし契約書や専門知識が必要となるため、詳しくない場合は登記がうまく行かず、行政で書類が通らずにやり直すトラブルにもなりかねません。登記をよく予習する必要ありです。
法務局の相談窓口で移転登記を教えてもらう
正確を期して自力で移転登記をするならば、全国の主要都市にある法務局の相談窓口を使うのもおすすめです。予約をして訪れると、山の購入時の移転登記に必要な書類や書き方を、1から10まで教えてくれます。それをメモして覚えて、実際の移転登記に望めば良いというわけです。
司法書士に代筆を頼む
余計な間違いやトラブルの回避を希望しているなら、山の購入の移転登記は専門家に依頼することです。例えば不動産が契約している司法書士などにお願いすることも簡単ます。高額な支払いが必要な司法書士とはいえ、一生に一度でおかしくないお買い物なだけにメリットは計り知れません。
移転登記のお値段
・法務局の相談窓口 無料(予約必要)
・司法書士による移転登記 10~15万円
固定資産税の支払い
山林の固定資産税は安い
ベラボウに土地が安く購入できる山ならば、1年間の固定資産税の相場も、数万円まで低下します。固定資産税は土地面積のほか、土地のアクセスや使い勝手の良し悪し、ライフラインの整備状況によっても年間の値段が大きく違います。これを算出するには司法書士に依頼するか、特別な計算が不可欠です。
固定資産税の支払い
否が応でも地元の市町村に、所有している山の固定資産税を支払います。1月1日の時点で、土地の購入した人ではなく、所有をしている人に支払い義務が発生します。これは個人でも、共有者でも同様です。地方自治体が取り決めている課税標準額に応じて、固定資産税の値段が決定されています。
固定資産税の計算方法
・固定資産税評価額×国定資産税の税率(1.4%)=支払い金額
・土地面積が200平方mまで 1/6に減額
・土地面積が200平方mを超える分 1/3に減額
固定資産税評価額を調べる方法
・固定資産税の明細書 自治体が各戸に送付する書類で、税額と評価額も掲載
・固定資産税の証明証 自治体が発行する証明書
・名寄帳を閲覧 自治体が所有する固定資産税台帳で、閲覧と写しが可能
・固定資産税路線価 一般財団法人資産評価システム研究センターの「全国地価マップ」を閲覧
山の購入してみる?
まずは理想的な山林を探してみよう
毛ほども身近じゃなかった山の購入ですが、こうして写真を眺めつつメリットを凝視すれば、買いたい気持ちも湧いて来るようです。不動産の欲しい山の相場の値段は安いとはいえ、各種の注意点もあり移転登記や固定資産税計算という関門もありました。ひとまずは理想の山林、探してみませんか。
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