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キャノンデールCAAD12ってどう?気になるインプレとスペックをご紹介!

CAAD12はアルミニウムのエキスパート、キャノンデールが手がけるハイパフォーマンスフレーム。アルミ素材に徹底的にこだわり抜いた結果生み出されたCAAD12は、その比類なき性能から”カーボンキラー”と称されるキャノンデールのロングセラーモデルです。
2020年8月27日
sierra14
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キャノンデールとは

キャノンデールは、アメリカ コネチカット州を拠点としていた総合自転車メーカー。アルミのファットチューブを用いたロードバイクのパイオニアで、「Made in U.S.A」を貫いた高品質なバイクは高い評判を得てきました。しかし、事業拡大の失敗が影響して事実上倒産、経営の再編を経て現在はカナダ ドレルインダストリー傘下のブランドとなっています。生産の拠点はアメリカから台湾などに移されましたが、ロードバイクのクオリティと評判のよさは変わっておらず、世界最高峰のUCIプロツアーレースでも数々の勝利をあげています。ちなみに、1971年に創業したキャノンデールのブランド名は、拠点を置くコネチカット州にある小さな駅から名付けられたものです

キャノンデール ロードバイクのラインアップ

SuperSix Evo

キャノンデールが誇るオールラウンドなレーシングロードバイク。以前から驚異的に軽い重量は高い評判を得ていましたが、モデルチェンジした2代目では剛性や快適性、ハンドリング性を高め、オールラウンダーとして更なるブラッシュアップを図った”ロードバイクらしい”ロードバイクとなっています。

SystemSix

2019モデルからラインアップに加わるエアロロードバイク。10年ほど前にカーボン/アルミのハイブリッドバイクとしてフラッグシップに君臨していたSystemSixが、モデルチェンジして復活することになります。エアロロードバイク最盛期にも頑なにSuperSixにこだわってきたキャノンデールが満を持してリリースするモデルだけに、インプレでも評判はよく、期待が持てるバイクです。

Synapse

2006年にリリースされて以降、オンロードでのバランスと快適性を追求し続けてきたエンデュランスロードバイク。パリ〜ルーベなど”北の地獄”で使用されるHi-MODモデルといったレーシング性能と高い耐久性、軽さ、剛性を兼ね備えたタイプも展開しています。ロングライドロードバイクとしての評判は最高レベルで、エンデュランスレースからバイクパッキングまで広範囲にカバーするバイクです。

Top Stone

オンロードだけでなく、オフロードでの走破性も視野に入れたオールロードバイク。キャノンデールが得意とするアルミフレームで、次に紹介するSLATEよりも万人向けのジオメトリーを採用したサイズ展開のため扱いやすいバイクに仕上がっています。油圧ディスクブレーキとスルーアクスル仕様で、グラベルでの走行やバイクパッキングでも不安なく乗りこなすことができるでしょう。

Slate

キャノンデール独自のLeftyフォークを搭載した、1台でターマック・グラベル・シングルトラックなど全てをこなせるマルチなバイク。ロードバイクとMTBのよいところをハイレベルであわせ持ち、まさしく未知の経験を楽しめるモデルと言うことができます。パッケージとしての評判も高く”遊べる”バイクです。

キャノンデール CAAD12までのシリーズ

CAADとはCannondale Advanced Aluminum Designの略で、現行モデルはその名の通り12代目となるCAAD12。非常に高い評判を得るアルミニウムの加工・成型技術を持つキャノンデールがこだわり続ける、アルミレーシングマシンです。これまで、数々のトッププロに愛用されてきたCAADをいくつか紹介します。

CAAD3

キャノンデールがロードレースの檜舞台に登場したのは1997年、このCAAD3 R5000からと言われています。イタリアの名門 Saecoに機材を供給し始めたキャノンデールは、アメリカでは初めてヨーロッパのプロツアーチームをスポンサーしたメーカーでした。


Saecoではダウンヒルの名手 パオロ・サヴォルデッリやスプリンターとしてだけではなく、ファッションリーダーとしても評判の高い、スーパーマリオことマリオ・チポッリーニらの活躍で数々のビッグレースに勝利し、既に名を馳せていたMTBのカテゴリーのみならず、ロードレース界でも有数のメーカーに成長しました。Saecoレプリカモデルである、赤いカラーのCAADを目にしたことがある人も多いのではないでしょうか。

CAAD8

CAAD8 Optimoは、当時Saecoに所属していたダミアーノ・クネゴが若干22歳でジロ・デ・イタリアを制した際に愛用していたモデル。エースのジルベルト・シモーニを含むチームのメンバーがカーボン/アルミ ハイブリッドのSix13をメインバイクとしていた中、クネゴはフルアルミのCAAD8を使い続け、ステージ4勝と総合優勝を勝ち取りました。

CAAD9

キャノンデールのアメリカ生産最終モデルで、シンプルなカラーに”HANDMADE IN USA”の文字が入るのはCAAD9が最後になります。台湾に生産拠点を移してからも高品質なことに変わりはありませんが、キャノンデールが技術の粋を詰め込んでさらに重量を削ったCAADの集大成モデルであったこと、最後のアメリカ製CAADであったことなどからとても人気があるモデルです。

キャノンデール CAADシリーズの特徴

エントリーグレードによく見られるアルミ素材ですが、一定のラインを超えてカーボンに勝る性能を持つアルミフレームを製造しようとすると、たいへん高度な技術が求められます。重量が軽く、硬いアルミはジオメトリーやサイズごとに繊細な剛性チューニングを施す必要があり、それができなければ高性能なフレームを製造することはできず、製造コストとのバランスも取れません。創業以来、一貫してアルミニウムに関する技術を熟成し続けてきたキャノンデールだからこそ、カーボンを凌ぐ性能を持ったアルミフレームをリリースすることができるのです。

フレーム重量 1,100g台という驚異的な軽さだけではなく、SLICEカーボンフォーク、アワーグラスシートステー(シートステーが砂時計のような形をしていたことから)などの技術を盛り込むことで、ハンドリングのよさや快適性、乗り心地をも備えており、CAADの速さとコストパフォーマンスはまさに”カーボンキラー”と称され、高い評判を得るにふさわしいバイクでした。

生産拠点がアメリカから台湾に移った後にリリースされたCAAD10でも進化は止まず、クリテリウムなど距離が短くコーナリング性能と瞬発力の求められるレースでは、ハイエンドカーボンバイクではなくCAAD9やCAAD10を好んで使用するライダーがいたほどです。

キャノンデール CAAD12のスペック

CAAD10の登場でアルミフレームの技術的進化は頭打ちになったと思われていましたが、キャノンデールはそれを覆してさらに先進的なCAAD12を開発しました。それまでに高い評判を得ていたCAADシリーズの概念を捨て、革新的な手法でフレームをリデザインすることで全く新しいCAADをつくりあげたのです。

SMARTFORMテクノロジー

革新的なチューブフローモデリングで見直されたフレーム設計をもとにスマートフォームテクノロジーによってアルミチューブの形状、肉厚分布を最適化することで、フレーム重量 1,100gを切る域まで軽量化するとともに、剛性と快適性などを高次元でバランスさせることに成功しています。

SPEED SAVEテクノロジー

さらにキャノンデールのカーボンハイエンドモデル SuperSix Hi-MODと同じバリスティックカーボンフォークを装備したこと、SPEED SAVE技術を用いてフレーム自体の柔軟性をアップさせたことによって、ハンドリングと乗り心地の追及にも余念がありません。

完成車について

キャノンデールの日本語サイトでは、完成車はアルテグラを装備したバイクがトップグレードとなっていますが、本国アメリカのサイトではデュラエース装備のバイクもラインアップされているため、気になる方は問い合わせてみてください。カラーはブラック系を基調として1〜2種類のカラーから選ぶことになります。

キャノンデール CAAD12 カラーズ

CAAD12 カラーズは、簡単に言うとキャノンデールが用意するカラーバリエーション。フレームセット購入で22色という豊富なカラーの中からチョイスできます。フレームとフォークは同カラーでブランドロゴとあわせて洗練されたシックな雰囲気になっており、¥125,000程度と求めやすい価格も魅力です。

キャノンデール CAAD12のインプレ1

ここからは、CAAD12に対する複数のインプレを抽出し、まとめたものを紹介していきます。


重量について

ファーストコンタクトで驚かれるのは、やはり驚異的な重量の軽さのようです。CAAD12はリムブレーキモデルで1,098g(カタログ値)、ディスクブレーキモデルで1,094g(カタログ値)と圧倒的な軽量性を備えています。人力で動くロードバイクでは、重量が軽いことは正義と言っても過言ではありません。加速、減速、軽快感、レスポンスの速さなど全ての動力性能へポジティブに働くからです。

軽量フレームは、時にピーキーなハンドリングになったりバイク自体の扱いにくさにつながったりすることがありますが、キャノンデールはその対策も怠っていないとのことです。具体的に言えば、フロントフォークや先に述べたSMARTFORMテクノロジーによって剛性と耐久性が確保されています。アルテグラ装備の完成車重量が既に7.7kg(カタログ値)に達しているため、ホイールを交換するだけでも7kg前後まで軽量化できそうですね。

キャノンデール CAAD12のインプレ2

剛性について

アルミフレームの特性でもあるのですが、よい意味でも悪い意味でも硬さは感じます。ヘッドチューブとBB周辺が見直され、さらに高剛性化したことによって、ビッグパワーに対する反応性は非常によいようで、加速の鋭さや踏み込んだ時の軽さとあわせてスプリントでも力を発揮してくれるのではないかとのこと。

ただし、その硬さは悪い点として疲れやすさなどに現れます。その軽さと加速のよさのせいで序盤からガシガシ踏んでしまうと、すぐに疲れてしまい、スタミナを消耗してしまうということです。また、体重が軽くパワーに自信のないライダーは不安に思うかもれません。そのようなライダーは、ケイデンスを維持してクルクル回すイメージで走らせるような乗り方がマッチするようです。そういった意味では、高速巡航に関してはあまりよい評判は得られていないと言えるでしょう。

キャノンデール CAAD12のインプレ3

快適性、乗り心地について

CAAD8〜CAAD10あたりではあまりに硬いフレームが路面の突き上げなどを吸収してくれず、乗り心地が悪いと言われることがありました。CAAD12ではSPEED SAVEテクノロジーによって全体にサスペンション効果を持たせることで高剛性のアルミフレームとは思えない快適性を実現しており、インプレにも乗り心地の悪さに関する指摘は見られません。しかし、BB周辺の剛性アップはやはり脚に影響を及ぼしますし、ハイエンドカーボンフレームに比べると振動吸収性では分が悪いことは否めません。

キャノンデール CAAD12のインプレ4

ハンドリングについて

実用性と軽量性を両立させようとすると、安定感が希薄でピーキーなハンドリングになりがちです。平坦な直線やヒルクライムでは気にならないかもしれませんが、ダウンヒルなどシビアなコントロールが必要な場面では怖さを感じるでしょう。CAAD12は、フレーム全体の剛性バランスを改善することと高性能なフォークをアッセンブルすることでそれらネガティブな点を解決していると言われています。

CAAD12はアルミレーシングフレームという位置付けなため、それでもエンデュランス系のロードバイクに比べクイックではあるはずです。ただしそのクイックさも”慣れ”の範疇で、乗り込んでいけば武器になるかもしれません。

キャノンデール CAAD12のインプレ5

サイズについて

CAAD12がリリースされた当初は、ホリゾンタルなトップチューブはスタンドオーバーハイトが高く、その影響でシートチューブ長も長かったため、ジオメトリー的に体の小さいライダーはポジションが出しにくく、適正サイズ選びが難しいのではないかという懸念がありました。しかし、マイナーチェンジを経て、52サイズ以下のサイズではトップチューブが弱スローピングとなり、その懸念は払拭されています。

ホリゾンタル形状のメリットはエアロダイナミクスに優れることと、レーシングフレームの場合、シートチューブから前三角を大きめにすることでフレーム全体が硬すぎることのないよう剛性バランスが取れることでしょう。特に、アメリカ系のメーカーはサイズごとのジオメトリーにかなり配慮していて、それぞれのサイズでリーチ、スタック、剛性、エアロダイナミクスなどのバランスが最適化されるようチューニングされていると言われています。キャノンデールもCAAD12ではジオメトリーを見直していましたが、適正サイズを選び、適正ポジションを出すことをより重視し、さらに進化させてきたのだと考えられます。

キャノンデール CAAD12のインプレ6


普段乗りとしても優秀なCAAD12ですが、キャノンデールの位置付けとしてはアルミレーシングフレームなので、レースでの使用感に関するインプレも見ておきましょう。

レースについて

まず断っておかなければならないのは、距離が伸びるラインレースやアップダウンを繰り返す周回レースには向いていないと考えられる、ということです。また、ミドルレンジからハイエンドのカーボンフレームをレース用に準備できるライダーは、そちらの方がよいでしょう。それはCAAD12が劣っているという訳ではなく、素材の特性上、ライダーへの身体的負荷を考えるとどうしてもカーボンに軍配が上がると言われているからです。

その点、クリテリウムレースなど高強度ですが距離の短い、加減速を繰り返すようなレースにはとてもマッチしているようです。カーボンキラーと呼ばれる所以であるアルミ素材の重量の軽さ、反応性のよさ、剛性の高さ、ハンドリングのよさが優位に働きます。前述した通り、クリテリウムではCAADシリーズを好んで使用するライダーもいるようですし、コストパフォーマンス的にも劣る要素は見つかりません。

キャノンデール CAAD12のメリット

CAAD12のスペックやインプレから考えると、重量の軽さは大きな武器になると言えます。重量は「走る・止まる・曲がる」といった動力性能全てに関わる要素ですし、何よりロードバイクの生命線である軽快感を味わうことができます。また、キャノンデール公式ホームページによると、シマノ 105搭載のモデルが¥190,000とリーズナブルな設定となっています。CAAD12 カラーズを選び、フレームセットで購入しても¥125,000と非常にコストパフォーマンスが高く、個性的なカラーを選べるうえ、用途によっては予算をホイールなどのパーツ代にまわすことができるとすれば、背伸びしてカーボンフレームを購入するよりよいかもしれません。

キャノンデール CAAD12の注意点

逆に、アルミフレーム特有の硬さは好き嫌いが別れる点だと思います。ですが剛性の塊というわけではなく、ヘッドチューブやBB周りなど要所の剛性を上げ、フレーム全体としてはしなやかにバランスを取っているために慣れればそれがメリットになり得るはずです。ただし、乗り心地については以前のモデルより向上しているというものの、振動吸収性の面でカーボンには敵いません。

BBについてもいくつかの評判を目にしました。キャノンデールはフレーム設計に際し、BBにBB30Aという特殊規格を採用しています。BB30Aはキャノンデール独自のBB30規格の派生型ですが、このBB30が若干曲者で、異音の原因となっている可能性があるとのことです。BB30Aにおいても、同じような問題が発生するかもしれませんので、もし異変を感じたら対応策などショップで相談してみてください。

キャノンデール CAAD12のまとめ

ここまで、CAAD12のスペック、カラーズ、インプレなどを紹介してきました。クリテリウムなどのレースに使用するにはもちろん、初心者が最初の1台として購入するロードバイクとしてもおすすめできるモデルです。初めから硬さに慣れることができますし、どうしても乗り心地が気になるのであればそこからカーボンフレームにステップアップしてもよいかもしれません。ただし、サイズ選びにはくれぐれもご注意ください。サイズがあっていないとCAAD12のメリットが失われてしまいます。デメリットと考えられる部分を含めて、サイズ選びは専門のショップで納得いくまで相談してから購入するようにしましょう。

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