ポシェットとは?
ポシェットとはフランス語の「pochette」からきた言葉で、長いつり紐のついた小さなかばんを意味します。英語のショルダーバッグのことですが、もう少し小さめのものをイメージする方が多いのではないでしょうか。
ちょっとした荷物を入れてお出かけするのに便利な小さなバッグは、小さな子供が下げていてもかわいいですが、大人が使っても、携帯や財布などちょっとしたものを入れるのに便利です。手縫いでも作ることができますので、ちくちくと作ってみませんか。
手縫いの基本
手縫いの基本をマスターしましょう
手縫いの基本は一針一針、ゆっくり縫い進めていくことです。縫いはじめは針に糸を通し、糸先を玉結びしておきます。縫い終わりは、針先に糸を3回ほど巻き付け、指で押さえて針を抜きます。
慣れると簡単ですのでいらない布で、練習してみてもよいでしょう。ミシンでは難しい細かいところや、厚地のところも調整しやすいのが手縫いの良いところです。
ハンドメイド 基本の縫い方①
なみ縫い
一番簡単で、シンプルな手縫いの縫い方です。一針一針、ゆっくり縫い進めていきましょう。針に糸を通し、糸先を玉結びしておきます。一針すくって出し、すくって出しを繰り返します。一針の大きさは5~8㎜におさめて、同じリズムで縫っていくときれいな縫い目になります。刺しゅうのランニングステッチと同じ縫い方です。
返し縫い
縫いはじめと縫い終わりでなみ縫いを往復して縫う縫い方です。糸が抜けにくく丈夫になります。ハンドメイドの小物を長持ちさせるために必要です。
ハンドメイド 基本の縫い方②
本返し縫い
一針ずつ戻って縫っていく縫い方です。一目目はなみ縫いと同じようにすくい出し、一目戻って針を刺し、一目分進めてまた戻るという縫い方です。縫い目が2重になるので丈夫な仕上がりになります。手縫いの手作りバッグの側面や底を縫うときに使います。(半目戻る縫い方を半返し縫いといいます。)
ハンドメイド 基本の縫い方③
まつり縫い(たてまつり)
表に縫い目を出したくないときに使います。ハンドメイドではもちろんですが、手縫いでズボンの裾上げするときによく使う縫い方です。ここでは布の奥側で糸は進めるたてまつりをしています。手前を1㎜程すくって奥に差し込み、5~8㎜針を左へ渡して表に出す、を繰り返します。
ポシェットの型紙①
たて型ポシェットの型紙
一番シンプルで簡単なポシェットの型紙です。長方形なので型紙なしで、直断ちしても作れます。表と外で違う布を使うとリバーシブルになります。携帯と小さいお財布が入るくらいの大きさです。
生地を変えると大人っぽく仕上げることもできます。小さいので手縫いでも簡単に縫うことができます。子供用と大人用をお揃いで手作りしても楽しいですね。マチ付きにもアレンジ可能です。
アレンジ方法①のマチ付きポシェットの作り方を参考にしてください。
ポシェットの型紙②
フタつきのポシェットの型紙
フタつきのポシェットの型紙です。フタの分、工程が増えますが案外簡単に作れます。小さな布を組み合わせてすべて違う布で作っても素敵です。写真では子供用のかわいい布を使っていますが、大人用にシンプルな生地で作っても素敵です。
①のたて型にフタをつけて、大人用のスマホケースや、子供用のキッズ携帯入れを手作りしても。こちらもマチ付きにアレンジ可能です。アレンジ方法①のマチ付きの作り方を参考にしてください。
フタに丸みを出したいときは缶の蓋などをあてて、鉛筆で縁取りをして、半分に折って一緒に丸く切るとよいでしょう。四角のままでももちろんOKです。
ポシェットの型紙③
おさるさんのポシェットの型紙
縦と横幅だけはしっかり図って中心を取り、フリーハンドで書いて作っても大丈夫です。耳は丸く作るとくまさんやぶたさんに、長く作るとうさぎさんになります。
どんな布で作ってもかわいいですが、お子さんの着られなくなったお気に入りの服をリサイクルすると喜ばれます。もちろん大人用に作ってもかわいいです。こちらはマチ付きでは作れません。
ポシェットの作り方①
たて型ポシェットの作り方
表裏違う生地で作るとリバーシブルになります。大人用には花柄、麻などで作っても素敵です。ショルダー用の紐を皮ひもにするなど、お好みでお作りください。
参考用尺
表布・裏布とも…90㎝幅×50㎝、お好きなショルダー用の紐1mくらい(肩にかけて調整してみましょう)
作り方手順
好みの布を型紙に合わせて裁断します。型紙の下側は「わ」になっていますので、布を二つに折った状態で裁断します。
薄い布を使った場合は接着芯(薄地用)を貼っておきます。(中温のアイロンで、真ん中から少しずつ押し当ててかけていきます。引っ張らないように注意しましょう。)
表布、裏布ともそれぞれ中表に合わせて両サイドを本返し縫いで縫います。多少荒くなっても後で裏返すので問題ありません。縫い代をアイロンで割って、口の部分(カバンの上部)を1㎝ほど折り返してアイロンで押さえておきます。(表布、裏布とも同じく。)
表布を表に返して、表布の中に裏布を差し込みます。
両サイドに紐を1㎝程差し込み、待ち針で留めていきます。針を縫い代の下から差し込み、口をぐるりとまつり縫いにします。紐がとれないように、紐の部分は縫い代に本返し縫いでしっかりと縫い付けましょう。
ポシェットの作り方②
フタつきのポシェットの作り方
大人っぽく仕上げるには使う布を麻やデニムなどシックな生地に、紐を皮ひもにするなど工夫してみましょう。お財布や携帯、ハンカチ、ティッシュなども入ります。(上の画像はマチ付きです。下のマチ付きの作り方を参考にしてください。もちろんマチ付きにしなくても作れます。)
参考用尺
表布・裏布とも…90㎝幅×50㎝、お好きなショルダー用の紐1mくらい(肩にかけて調整してみましょう)、お好みでカギホックやボタン
作り方手順
お好みの布で表布、裏布、フタ(表、裏とも)を裁断します。本体の型紙下側が「わ」になっていますので、生地を二つに折って「わ」を作ってから裁断しましょう。
薄地の布を使う場合は、①の時と同様に接着芯を貼ります。
①と同様に、表布、裏布とも両サイドを縫い合わせます。縫い代と口はアイロンで割っておきます。
フタを中表に合わせて待ち針で留め、両サイドと上側をぐるりとコの字に縫います。
角のカーブは切込みを8㎜くらいずつ入れていきます。(左右各5か所くらい入ります。)こうしておくことで表に返したときにゴロゴロしません。
表に返してアイロンで押さえておきます。
表布を表に返して、裏布を中に差し込みます。フタをサイドに合わせて表布と裏布の間に差し込みます。さらに紐の先端1㎝位をサイドに差し込みます。全体をぐるりと待ち針で留めます。
全体を細かいなみ縫いで縫い留めます。紐のあるサイドは返し縫いをしておくとよいでしょう。(上の画像は縫い終わったあとです。)
ポシェットの作り方③
おさるさんのポシェットの作り方
使う布や目や鼻の付け方でかなり表情が変わります。思い出のお洋服のリサイクルにも適しています。右の画像は端切れを縫い合わせてから裁断しています。耳をつけずにはっぱをつけてリンゴもかわいいです。
子供のお財布代わりになりそうです。ボタンで顔を作ったり、耳をつけたりと工程が増えますが、基本は縫い合わせるだけなので簡単に作れます。
参考用尺
表布・裏布とも…90㎝幅×20㎝、ファスナー12㎝程度のもの、お好きなショルダー用の紐1mくらい(肩にかけて調整してみましょう)、お好みでボタンや刺しゅう糸など。布がほつれやすい場合は、布と同量の両面接着芯(蜘蛛の巣)
作り方の手順
パーツを裁断します。顔の部分はほつれやすい布の場合、両面接着芯で貼り合わせておきます。貼り合わせた後、はみ出ている部分は裁ちばさみで切り落とします。(耳は必要ありません)
耳は中表に合わせてなみ縫い(返し口4~5㎝残しておきましょう)してからひっくり返します。
アイロンで押さえてから、刺しゅう糸を3本取りで周りにステッチをかけます。(なみ縫いと同じですが、針をまっすぐ刺してまっすぐぬくようにしましょう)
顔2枚の上部中心にはさみで切込み(5㎜くらい)を入れておきます。(切り印という印の付け方です)
ファスナーをつけます。表にした顔とファスナーを画像のように並べます。
ファスナーをの中心と切り印を合わせて中表に合わせていきます。
端から3㎜くらいの位置を細かめのなみ縫いで留めます。縫いはじめと縫い終わりを返し縫いします。
反対側も同じようにファスナーと顔を縫い付けます。
ファスナーを開いて、アイロンで縫い代を倒しながら押さえます。ファスナーの金属部分が熱くなるのでやけどに注意してください。
表になる側にボタンなどを置いて顔を作ります。場所を大体決めたら刺しゅう糸で縫い付けていきます。利き手によって開けやすいほうにファスナーの持ち手(スライダーといいます)が来るようにしてください。右利きの人はショルダーをかけた状態で左手にスライダーがあると開けやすいようです。
表を見ながらたてまつりでファスナーの際を縫い留めます。
耳と紐を画像のようにファスナーのすぐ外側に配置して待ち針で留め、縫い留めておきます。
顔を中表にしてファスナー以外の周囲をぐるりと本返し縫いで縫っていきます。最初と終わりは返し縫いしましょう。このとき、紐は束ねて一緒に縫わないようにしておきます。また、ファスナーは開けたままにしておきます。ファスナーを閉じてしまうと、表に返せなくなります。
表に返して出来上がり!いびつだったり、武骨だったりするところも愛嬌と思いましょう。ハンドメイド、手作りのよさや味わいにつながります。なんといっても世界にただ一つのものですから。子供の好きな動物や布で作ってあげると喜ばれます。大人が使ってもかわいいですね。ランチタイムやちょっとしたお使い用にいかがでしょうか。
アレンジ方法①
マチ付きポシェットの作り方
マチ付きのポシェットなら、厚みのあるものも入るので便利です。マチ付きの幅を自分で決められるのも手作りならでは、ハンドメイドの自由さです。マチ付きポシェットは上の①②のどちらでも作れます。入れたいものの大きさの横、たてのほかに厚みを図っておきましょう。
①,②の作り方の本体の側面を縫い合わせたあとで、マチ付きの工程を入れます。アイロンで側面を割って三角定規をあて、ほしいマチ幅を鉛筆などでつけます。ここでは5㎝、両側2.5㎝ずつにしています。
印をつけたところを本返し縫いで縫ったら、縫い代1cmを残してカットします。中に入れてしまうので、これで始末は終了です。あとは①②の工程に戻ってください。
アレンジ方法②
ボタンをつけよう
フタつきポシェットのフタの内部にカギホックをつけると、フタがパカパカしなくなります。中央にカギホックを置き、フタを合わせて大体の位置を決めます。
ぐるぐる巻きに縫い付けます。(上、下、どちらから縫い始めても大丈夫です。カギホックの代わりに、スナップボタンやマグネットボタンをつけてもよいでしょう。ボタンも好みのものをつけられるのが手作りの良さです。
表側に好きなボタンをつけておくと、アクセントになります。上の画像のように透明な入れ物に(ガラス瓶でもOK)いらないボタンを入れておくと選びやすくなります。
着れなくなった洋服を処分する際や、購入時の予備ボタンを入れておくとよいでしょう。子供用に作るときは子供に選んでもらっても楽しいです。生地もボタンも自由に選べることがハンドメイド、手作りの楽しみです。
アレンジ方法③
ショルダー紐を手作りしましょう
バイアステープを手縫いして
カバン用テープや綿ロープのほかにバイアステープを縫い合わせてショルダー紐の代わりにしてもかわいいです。距離が長いので手縫いは大変かもしれませんが、一針ずつ丁寧に手縫いして作り上げたショルダー紐はハンドメイドならではの一品に仕上がります。
バイアステープは伸びのある素材のため、多少伸び縮みするショルダーになります。
毛糸を編んで
子供のためのハンドメイドとして、③の動物ポシェットを作るとき、紐を毛糸で編むととってもかわいい、手作り感たっぷりのポシェットになります。上の画像は太めの毛糸を2本取りで鎖編み(一番簡単な編み方です)にしています。
少し伸び縮みする紐が出来上がります。長さは手持ちのショルダーバッグの長さを参考にしてみましょう。
子供が使う場合は子供の肩にかけてショルダーの長さを決めます。大人用には麻紐などを何本取りかで編むと素敵に仕上がります。編み物が苦手なら、三つ編みしても素敵です。
ポシェットの作り方まとめ
手作りポシェットの作り方講座!大人&子供向けの簡単手縫いできる方法を解説!いかがでしたでしょうか。手縫いでも簡単に作れることがわかっていただけたと思います。ミシンで作ってもよいのですが、一針一針手作りした世界で一つだけのポシェットをプレゼントしたら大人も子供もきっと喜んでくれることでしょう。
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