ギンバイカ(銀梅花)ってどんな植物?
ギンバイカ(銀梅花)は、樹高1~3メートルくらいになる常緑低木です。花もよし、葉もよし、実もよしの植物で、ガーデナーから人気があり、シンボルツリーとしてよく用いられる植物です。また、常緑性であり、さらに強剪定にも耐えられるため、生垣として重宝されています。花も実もつかない生垣と比べて、春には花、秋には実を楽しめるのが魅力です。では、ギンバイカ(銀梅花)の特徴や剪定などの管理方法について見て生きたいと思います。
「イワイノキ」という別名も
ギンバイカ(銀梅花)はヨーロッパで古くより縁起のよい木とされ、結婚式の飾りつけに使われてきた歴史を持ちます。そのため、日本でも「イワイノキ(祝いの木)」という別名がつけられています。
ハーブ「マートル」としての側面も
花や葉っぱ、実に甘い香りがあり、マートルという名前のハーブとしてもよく知られています。マートルはいろいろな効果効能を持つとされるハーブで、アロマの世界でもかなり人気です。
呼吸器系をサポート
マートルには呼吸器系をサポートする効果効能があるといわれています。たとえば風邪をひいたかな、と思ったときにマートルの精油を使って温浴をすると風邪をひききらずに済むそうです。また、花粉症や気管支炎を改善に導く嬉しい作用もあるといわれています。
美肌をサポート
お肌の調子を整え、お肌を鎮静化させる効果効能があるそうです。殺菌作用もあり、自然由来の美容クリームなどにもよく使われています。
リラックスや安眠をサポート
甘い香りから、リラックス効果が得られます。マートルの精油をアロマポットなどで楽しめば、身も心も甘くて爽やかな香りにつつまれます。とくに夜寝る前にマートルの香りをかぐと、深くて質のよい睡眠がもたらされるそうです。
ギンバイカ(銀梅花)の花の特徴
花の咲く時期は5~6月ごろです。小さめの白くて可愛らしいお花を咲かせます。ただのグリーンの生垣だと思っていたら春に可愛らしい花を咲かせてご近所さんを喜ばせてくれる素敵な植物です。花からは優しく甘い香りが漂います。花姿が梅に似ているところから、「銀梅花」という名前がつけられました。
ギンバイカ(銀梅花)の葉の特徴
ギンバイカ(銀梅花)の葉っぱの色は美しいグリーン色です。小さめの楕円形の葉っぱで、先端がややとがっています。葉っぱを手でしごくとフルーツのような何とも言えずよい香りがします。そのため葉っぱはハーブティーの材料になります。
ギンバイカ(銀梅花)の実の特徴
ギンバイカ(銀梅花)は春に花を咲かせたあと、秋から冬にかけて黒に近い小さな実がたくさんなります。実からも花や葉っぱ同様甘い香りがして食べられます。ただしやや苦みがあるので、庭に来る鳥がついばむ姿を楽しんでもよいでしょう。
ギンバイカ(銀梅花)の基本データ
科名属名
フトモモ科ギンバイカ属
学名
Myrtus communis
和名
銀梅花、銀盃花(ぎんばいか)
別名
マートル
英名
Myrtle
原産国
地中海沿岸の国々
ギンバイカ(銀梅花)の花言葉
ギンバイカ(銀梅花)にはなんと7種類とたくさんの花言葉が存在します。花言葉はバラエティに富んでいて面白いです。ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
花言葉1・高貴な美しさ
ギンバイカ(銀梅花)の白い花色は中心部にあるたくさんのおしべとめしべと相まって、銀色のような金色のような美しいカラーです。そんな美しい花色からイメージされ、「高貴な美しさ」という花言葉がつけられています。
花言葉2・愛くるしさ
ひとつの株に無数の可愛らしい花を咲かせるギンバイカ(銀梅花)。たくさんの小花が咲いている様子は、小さな子供が笑いながらたわむれているようでもあり、まさに「愛くるしさ」のある姿です。
花言葉3・愛のささやき
子供がたわむれているようにも見える花姿ですが、恋人たちが愛をささやいているようにも見えます。そんな美しい花姿から、「愛のささやき」という花言葉が生まれました。ギンバイカ(銀梅花)はヨーロッパの結婚式でお祝いのお花とされている植物。「愛のささやき」という花言葉はそんな風習にもぴったりです。
花言葉4・勝利
勝利という少々勇ましい花言葉は、ギンバイカ(銀梅花)が強くてぐんぐん成長し、多少枝を手おられたからといって枯れることのない特徴から生まれたものです。
花言葉5・遠く離れた恋
ギンバイカ(銀梅花)には「遠く離れた恋」というロマンティックな花言葉もあります。遠距離恋愛をしている恋人にこの花言葉を添えてギンバイカ(銀梅花)を贈るというのも素敵ではないでしょうか。
花言葉6・処女性
ギンバイカ(銀梅花)は、ヨーロッパの結婚式で花嫁の持つブーケや頭の飾りに使われてきた歴史を持ちます。そんな習わしから、花嫁のイメージそのものである、「処女性」という花言葉が生まれました。
花言葉7・快楽
ギンバイカ(銀梅花)は、マートルというハーブとしても有名な植物です。その香りをかぐとうっとりとして身も心もリラックスするそう。そんな特徴から、「快楽」という花言葉が生まれました。
ギンバイカ(銀梅花)の育て方1・土作り
ギンバイカ(銀梅花)の原産地の地中海沿岸というのは乾燥した地域で、土質もどちらかと言うと粘土質ではなくさらさらとしたところが多いそうです。そのためギンバイカ(銀梅花)も水はけのよい土壌を好む植物です。庭植えにするほか鉢植えでも栽培可能ですが、鉢植えの場合はより水はけに留意して植え付けましょう。小粒の赤玉土や市販の草花用培養土に川砂や腐葉土などの資材を混ぜ込むのがベストです。
ギンバイカ(銀梅花)の育て方2・肥料
ギンバイカには(銀梅花)寒肥として2月ごろに株元に、穏効性の固形肥料もしくは油粕などをほどこしておきましょう。そのあとはそれほど肥料を与える必要はありません。逆に肥料を与えすぎると枯れることがありますので気を付けてください。成長具合を見ながら、ちょっと成長が悪いなと思ったときに少し追肥をほどこすとよいでしょう。
ギンバイカ(銀梅花)の育て方3・水やり
ギンバイカ(銀梅花)は、水はけのよいところを好む植物で、逆にじめじめと多湿の環境がかなり苦手です。そもそも原産地の地中海沿岸の気候は乾燥しています。大切に育てたいあまり水やりをしすぎると逆効果で枯れることがあります。庭植えにしている場合は、一度根付いたあとはほとんど水やりは不要で、自然に降る雨で十分でしょう。
ギンバイカ(銀梅花)の育て方4・場所
お日様の光のよく届くところで育てましょう。生垣として重宝されてきたくらいなので、半日陰のようなところでも枯れることはありません。ただし日当たりが悪いと花付きや実付きは悪くなります。ほかの植物の成長しにくいところに生垣として利用したいときは日当たりに目をつぶってもよいかと思います。
冬の寒さ対策をしっかりとしよう
ギンバイカ(銀梅花)には耐寒性はあまりなく、寒さにあたると枯れることがあります。寒冷地では庭植えはあきらめて鉢植えにして冬のあいだ暖かいところに取り込むほうが安心です。関西以西では庭植え可能ですが、冬が来る前に株元にバークチップなどを敷き詰めて、冬の寒さ対策をおこないましょう。
ギンバイカ(銀梅花)の育て方5・植え付け
植え付けによいのは4~5月の春のはじめです。苗木を購入する、もしくは種まきや挿し木から育てた苗を鉢や庭に植え付けますしょう。植え付けた苗木がしっかり根付くまで水やりをこまめにおこない、根付いたあとは水をやりすぎないようにします。
ギンバイカ(銀梅花)の育て方6・植え替え
ギンバイカ(銀梅花)の植え替えに適した時期も、植え付けと同様4~5月ごろです。寒さに弱い植物なのでしっかり気温が上がってきてから植え替えをおこないましょう。庭植えの場合はとくに植え替えの必要はありません。鉢植えの場合、根詰まりを起こして枯れることがあるので定期的に植え替えをおこないます。だいたい1~2年に一度の割合で植え替えましょう。これまでより一回り大きな鉢や庭に植え替えます。植え替えた株が根付いて安定するまで、日当たりのよい場所で管理してこまめに水をあげましょう。
ギンバイカ(銀梅花)の育て方7・剪定
ギンバイカ(銀梅花)の剪定に適した時期は、5~7月ごろです。ギンバイカ(銀梅花)は8月になると次の花芽が内部にできてくるので、剪定してしまうと花芽まで切り落としてしまうことになります。生垣など花や実を楽しむ目的でないときは時期を気にせず秋まで剪定できます。強めに剪定しても枯れることなく丈夫なことから生垣としての需要が高い植物なので、思い切って剪定しましょう。
剪定の手順
まず、ピョーンと長く出た不要な枝を剪定し樹形を整えます。また、混みあったところや重なって風通しが悪くなっているようなところを剪定しましょう。ギンバイカ(銀梅花)は枝葉の成長するスピードが早い割に、中心の幹の成長スピードが遅いので、あまりに枝葉が茂りすぎると株に負担がかかり枯れるようなこともあります。こまめに枝葉を剪定して管理しましょう。
ギンバイカ(銀梅花)の育て方8・病害虫
ギンバイカギンバイカ(銀梅花)はほとんど枯れるような病気や害虫はなく、手入れや管理のしやすい品種の植物になります。
ギンバイカ(銀梅花)の増やし方1・種まき
ギンバイカ(銀梅花)の増やし方のひとつめは、種まきです。種はあまり市販で出回っていないので育てている株から採取します。秋から冬のはじめに種を採取してから春に種まきするまで、きちんと種を保管できるかどうかが、種まきによる増やし方を成功に導けるかどうかのポイントとなります。
種の採取
春に可愛い花を咲かせたあと、秋から初冬にかけて黒っぽい実がなります。冬に近づくと実が熟しますので採取しましょう。なかに種がありますので、果肉を水で洗い流して種を取り出します。そのまま乾燥させないようビニール袋に入れて、冷蔵庫などの冷暗所で春の種まきの時期まで保管管理します。
種まき
3~4月ごろ、寒い冬を過ぎ春が訪れたら種まきとなります。冷暗所に保管管理していた種を、種まき用の土を入れた鉢やポットに一粒ずつまき上から軽く土をかぶせます。日当たりのよい風通しのよいところで管理しながら、水やりを続けていると数週間から1カ月くらいで芽が出てきます。本葉が4~5枚に成長し充実してきたら種まきによる増やし方の成功です。庭など好きなところに植え替えましょう。
ギンバイカ(銀梅花)の増やし方2・挿し木
ギンバイカ(銀梅花)のふたつめの増やし方として、挿し木があげられます。挿し木による増やし方に適した時期は7月ごろです。育てているギンバイカから、その年に新しく成長した枝を10センチくらい切り取り挿し木用とします。発根剤を入れた水に挿し木用の枝を数時間つけたあと、土を入れた育苗ポットや鉢に挿し木します。日当たりのよい風通しのよいところで管理しながら水やりを続けていると、発根し安定してきます。
ギンバイカ(銀梅花)の花や実を観賞しよう
ギンバイカ(銀梅花)は、イワイノキという別名を持つ大変イメージのよい植物です。イメージだけではなく、葉っぱや実はハーブ「マートル」の材料としても有名で、花粉症の改善やリラックス効果があるのだとか。春には白い梅のような可愛い花を咲かせ、秋になるとオリーブにも似た黒っぽい実をつけます。実をついばむ鳥たちを鑑賞するのもまた楽しい時間。ぜひギンバイカ(銀梅花)を植えてみましょう。
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