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寒椿とは?寒い時期に花を咲かせる寒椿の特徴や育て方を解説!

寒い季節、冬のお庭にそっと咲く寒椿の花。日本情緒あふれる植物で、古くより人々に愛されてきました。雑貨やコスメのロゴモチーフ、あるいは和菓子のモチーフになることもしばしばの人気の植物です。寒椿の育て方や増やし方、おすすめの品種をご紹介いたします。
2020年8月27日
Yukari.S
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寒椿ってどんな植物?

寒椿は、ツバキ科に属する樹木で、冬の寒い時期に美しい花を咲かせることから、古くより日本人に愛されてきました。子供のころの冬の思い出を頭で巡らせてみると、寒椿の赤いお花を思い浮かべる方もいらっしゃることでしょう。寒さに強く育てやすい寒椿について、今一度、育て方や増やし方を見直してみませんか。

寒椿の花の特徴

寒椿の花の咲く季節は冬。12~2月ごろの寒い時期に美しい花を咲かせます。花のサイズはだいたい5~7センチ前後です。花の色は種類によりさまざまで、赤やピンク、白、それらの色が混じったものなどがあります。また一重咲きのほか華やかな八重咲き品種もあります。

寒椿の葉の特徴

寒椿の葉っぱは、楕円形で先がとがっています。濃いグリーン色をしていてツヤツヤと艶があるのが特徴的です。花が咲いていなくても寒椿の葉っぱだな、と分かる方も多いのではないでしょうか。

寒椿の基本データ

科名属名

ツバキ科ツバキ属

学名

Camellia sasanqua

和名

寒椿(かんつばき)

別名

獅子頭(ししがしら)、立寒椿(たちかんつばき)

英名

Camellia sasanqua 'Shishigashira'

原産国


日本、中国

寒椿の花言葉

寒椿には全部で3つの花言葉があり、いずれの花言葉も寒椿の可愛らしい花姿からイメージされたようです。ではひとつずつの花言葉を詳しく見てみましょう。

花言葉1・謙虚

寒椿は冬の寒い季節に咲くこともあって、バラやほかの華やかなお花と比べると秘かにそっと咲くイメージがあります。雪のなかにそっと咲く寒椿の花には、はっとさせられるものです。そんな寒椿の花姿から、「謙虚」という花言葉が生まれました。

花言葉2・愛嬌

寒椿には、「愛嬌」という花言葉もあります。一重咲きや八重咲きの花姿は、とても可愛らしくまさに、「愛嬌」という花言葉ぴったりです。

花言葉3・申し分のない愛らしさ

寒い季節、手に息を吹きかけながらふと見ると咲いている寒椿の花。こんなに寒いなかこんなに可愛い花がけなげに咲いている、と感動してしまいます。そんな感動の気持ちを込めて、「申し分のない愛らしさ」という個性的な花言葉が生まれました。

寒椿とよく似た椿・山茶花とは?

寒椿と椿との違い

寒椿と椿は同じツバキ科ツバキ属の植物で、花姿や葉っぱの形など大変よく似ています。両者の違いとしては、花の開花時期があげられます。椿の開花時期は2~4月ごろですが、寒椿は椿より少し早い10~2月ごろに開花時期を迎えます。また、花の香りは寒椿の方が強いようです。そしてもうひとつ見分けやすいポイントは、花の散り方です。椿は花ごとポトリと落ちますが、寒椿は、花びらがバラバラに散ります。

寒椿と山茶花(さざんか)との違い

寒椿とよく似た植物に山茶花(さざんか)があります。山茶花も寒椿と同じツバキ科ツバキ属の植物です。両者は大変似ていて一見してどちらの種類か判断するのは難しいのだとか。見分け方はおもに3つあります。ひとつめは、寒椿は樹高1メートルくらいまでしか伸びず山茶花はもっと大きくなります。ふたつめは、寒椿の花びらは14枚以上で山茶花は10枚程度です。三つめは、山茶花の花びらは寒椿のものよりしわがあります。とは言え、寒椿にも1メートル以上に育つ品種がある、山茶花にも花びらが14枚以上になる品種がある、など例外も多く、専門家でも一瞬で両者を見極めるのは大変なのだそうです。

寒椿の育て方1・土作り

寒椿の土を準備するときは、何よりも水はけのよさを第一に考えましょう。地植えにする場合は、あまりにじめじめと水がたまるような場所は避けて植え付けます。植え付けの前に少し土を掘り起こして川砂や腐葉土を混ぜておくとより成長がスムーズになるでしょう。庭木のイメージの強い寒椿ですが、鉢植えにすることも可能です。鉢植えの場合は、市販の草花用培養土や赤玉土に少し川砂を混ぜるとよいでしょう。

寒椿の育て方2・肥料

はじめに寒椿の苗木を植え付ける土に、穏効性の固形肥料を混ぜ込んで元肥料とします。ただし市販の草花用培養土を使う場合、あらかじめ肥料がミックスされていることもありますので、表記を見て元肥料を混ぜ込むか判断しましょう。そのあとは、半年に一度くらい、同じ穏効性の固形肥料を根元付近にぱらぱらとほどこすとよいでしょう。鶏糞や油粕などの肥料も有効です。ただし、寒椿の鉢植えを室内に置く場合は、鶏糞や油粕はにおいがあり不向きです。室内で栽培する予定がある場合は、穏効性の化成肥料のほうがよいでしょう。


寒椿の育て方3・水やり

寒椿の根付くスピードはかなりゆっくりで、植え付けてからなんと2年の年月を要します。ですから、植え付けから2年までは、こまめに水やりして根付かせることが重要です。とくに開花には水をたくさん使うので、花の咲く季節にはたっぷりめに水やりします。とは言え、開花するのは冬の寒い季節。水やりした水が凍ってしまっては逆効果なので、できるだけ気温の高い昼間に、気温を見ながら水やりするのがベストです。なお、地植えにした場合は、2年たってしっかり根付いたあとは水やりの必要はありません。自然に降る雨に任せておけば大丈夫です。鉢植えの場合は、頻度は落とすものの水やりは定期的におこないましょう。

寒椿の育て方4・場所

寒椿は日当たりのよい環境を好みます。ですが真夏の直射日光や西日がガンガンと照り付けるのは苦手で、葉焼けを起こして弱ってしまうこともあります。夏に直射日光の当たらない風通しのよいところを選んで植え付けましょう。鉢植えの場合は、季節の気温や湿度に応じて、より過ごしやすいところに移動させながら育てるとよいでしょう。

寒椿の育て方5・植え付け

寒椿の植え付けに適した時期は、3~6月もしくは9~10月ごろです。とくに雨の多い梅雨時期は植え付けに最適です。寒椿は植え付けてから根付くまで2年かかり、そのあいだこまめな水やりが必要となるからです。苗木を庭や鉢に植え付けます。植え付けてから約2年のあいだ、水やりを続けてしっかり根付かせましょう。

 

寒椿の育て方6・植え替え

寒椿の地植えの場合は、植え替えは必要ありませんが、鉢植えにしている場合は根づまりを防ぐため定期的に植え替えをおこないましょう。だいたい2~3年に一度の割合で植え替えをします。今まで植えていたものよりひとまわりかふたまわり大きな鉢を準備して、植え替えます。日当たりのよい風通しのよいところで管理しながら、乾燥しないよう水やりを続け、根付くのを待ちましょう。

寒椿の育て方7・剪定

寒椿の剪定に適した時期は、冬の季節が終わり花が咲き終わったあとの3~4月ごろです。寒椿はそのままでもそれほど樹形が乱れる樹木ではありませんが、しっかり剪定しても丈夫な木です。不格好に伸びすぎた枝や、内部に枝分かれして混みあっているような場所を剪定しましょう。寒椿には思い切りよく強めに剪定しても、じきに剪定したところからまた新しい新芽や枝が出てくるので大丈夫です。ただし、5月を過ぎると花芽が枝の内部にあらわれはじめるので、剪定はやめておきましょう。冬の花付きが悪くなってしまいます。

寒椿の育て方8・病気

すす病

すす病は、カイガラムシの排泄物をそのままにしておくとそこから発生するかび菌により発生する病気です。葉っぱや茎がまるですすで覆われたように、灰色もしくは黒っぽい病斑部に覆われてしまいます。見た目も悪いですし、何より光合成を妨げられますので、生育に響きます。病気にかかっているのを発見したら、すぐに病斑部を取り除き駆除しましょう。早期発見が大切です。

花腐菌核病

花びらに茶褐色の病斑部があらわれる病気で、せっかく美しく咲こうとする花を枯らしてしまう嫌な病気です。とくに花の咲く時期に雨に降られると発生しやすくなります。さらに病気にかかった花が地面に落ちると、そこから病気がどんどん広がってしまいます。花腐菌核病にかかった花を見つけたらすみやかに摘み取って、ほかにうつらないように気を付けましょう。

寒椿の育て方9・害虫


チャドクガ

チャドクガは、春から秋にかけて発生しやすい害虫で、葉っぱをむしゃむしゃと食べ、株を弱らせてしまいます。しかも、チャドクガは無数の毒のある毛の生えた芋虫で、その毛が人間の手に刺さると、ひどい痛みやかゆみが引き起こされます。春から秋にかけて寒椿の周りをとおるときは注意しましょう。

春から秋のお手入れには注意

また、春から秋の時期に剪定などのお手入れをするときは、長そで長ズボンにしっかりとした手袋、帽子を着用して、万が一チャドクガがいても、被害にあわないように細心の注意を払いましょう。チャドクガを見つけたら、殺虫スプレーで駆除するか、火箸などで取って踏みつぶして駆除しましょう。その際も毛が肌につかないよう気を付けてください。

寒椿の増やし方1・種まき

寒椿のひとつめの増やし方は種まきです。寒椿は花のあと実をつけます。実は秋までずっと枝についていて10月ごろになるとぱかっとはじけて、中に熟した種がはいっていますので、採取しましょう。採取した種は乾燥しないうちにすぐにまきましょう。種まき用の土を入れた育苗ポットや土に種をまきます。日当たりのよい風通しのよいところで、水やりを続けていると翌春に発芽します。ただし、実生の種まきから花が咲くまで育つには、5年くらいかかります。気長に取り組むのが種まきによる増やし方のポイントでしょう。

寒椿の増やし方2・挿し木

寒椿の増やし方のふたつめは挿し木です。挿し木に適した時期は6~8月ごろです。育てている寒椿から、その年に伸びた枝を10センチくらい切り取って挿し木用とします。発根材を加えた水に挿し木用の枝を数時間つけておきましょう。挿し木用の土を入れた鉢や育苗ポットに挿し木します。直射日光の当たらないところで管理しながら、土が乾燥しないようこまめに水やりを続けていると、やがて発根します。順調に育てば、次の年には新しい場所に植え替えられるくらいの挿し木苗となります。

寒椿は冬の寒さをそっと温めてくれるお花

冬の寒い季節、凍えそうになりながらふと寒椿のお花に気づいたとき。なんだか心のなかがじんわりと温まり、寒さが一瞬吹き飛ぶような幸せな気持ちになります。寒椿はまさに冬の幸せをくれるお花です。育て方や増やし方も比較的簡単でガーデニング初心者さんにもおすすめ。ただし寒椿は育つのが遅い樹木で、種まきや挿し木にしても植え付けにしても、じっくりゆっくり成長スピードに寄り添うことが重要。大切に育てた寒椿から一輪の花が咲いたときには、底知れぬ感動を覚えることでしょう。

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