メゴチとは?
メゴチとは、カサゴ目コチ科に属する魚です。サイズは小さいのですが美味な魚であり、釣り人にはよく知られていますよね。キスの外道として釣れることが多く、専門的に狙う方は少ないのですが、もし釣れたなら美味しくいただけます。
特徴
成長すると大体20㎝前後の大きさになります。最大で25㎝程度まで成長することがありますね。体の前半には小さな斑紋があり、形は上から押しつぶしたような体形。尾に向かって体が細くなる形をしています。
エラの部分が出っ張っているので、上から見るとちょっと面白い形をしていますよね。体の表面はヌルヌルとした粘液で覆われており、またエラブタにはトゲがあります。目が飛び出ているのが特徴的ですね。口は下向きに開くようになっています。
メゴチの名前の由来
漢字で書くと、「女鯒、目鯒、眼鯒」です。「鯒」は、敵に見つかると飛び跳ねるように逃げる様が踊っているように見えたため、この漢字になったそうですね。
この呼び方になったのは、骨っぽいことから「こつ」となり、こつの方言が「こち」であったためと考えられています。また、「牛尾魚」と書いてメゴチと呼ぶこともあります。これは、尾がまるで牛の尻尾のように見えたことから付けられたそうですね。
メゴチの地方名
地方名は色々ありますが、ヌメヌメとした体表からヌメリゴチと呼ばれることが多いです。他にも、静岡ではネバリゴチ、関西ではテンゴチ、長崎ではヨダゴチ、大阪ではガッチョ、熊本ではヨドゴチ、新潟ではヘタゴチと呼ぶことがあります。
この中でよく知られているのは、ヌメリゴチとガッチョです。他は全国的に使う名称ではありませんので、現地に行く際だけ知っておき、ヌメリゴチとガッチョだけ覚えておくと良いでしょう。
メゴチの価格
実は高評価されている魚であり、沢山獲れる魚でもないので価格は高めです。大きい個体ほど値が上がるのですが、小ぶりの個体でもキロ2000円、大きな個体であれば3000円を超えます。
1匹80~100g程度だとすれば、卸値で300~400円ほどになることも珍しくありません。メゴチは天ぷら店が買い取ることが多く、メゴチが出てきた日は取り合いになるのだとか。マイナーな魚でありながらも、知る人ぞ知る高級魚なのです。
メゴチの生態
メゴチの生息分布と産地
浅い海に生息しており、120m以浅を泳いでいます。砂底を泳ぎながら、下向きの口で捕食。生息地は北海道から九州まで広く生息しており、沿岸の内湾などにいますので、案外身近な魚です。
産地は三重県と静岡県となっており、産地に行くと見かけることもあります。ただ、料理店が買い付けしてしまうことがほとんどであり、中々見かけることのない魚ですね。スーパーに並んだ時は、安く買えることもあります。
メゴチの産卵期と成長
産卵期は種類によりますが、春から秋の間に産卵が行われます。その間にペアとなり、中層をペアで泳ぎながら抱卵・放精します。釣りをしているとその光景を見ることもあるようですね。
産まれた稚魚は一ヶ月ほど浮遊し、その後、成魚と同じように砂底で生活をしていきます。多毛類や貝類などを食べて成長していき、1年から2年で成熟し、また産卵期に入ります。寿命は大体2~3年となっていますので、長生きな魚ではありませんね。
メゴチの味と旬
メゴチの味は?
気になる味ですが、透明感のある白身をしており、調理方法によって美味になります。高評価されている魚ではありますが、人によって評価が変わったり、また、上手く調理出来なければ評価が下がってしまうこともありますね。
水分の多い身ですので白濁しやすく、熱を通すと少し縮みます。主に天ぷらで食べられていますが、唐揚げや刺身でも美味しくいただけます。卵巣も美味ですので、もし釣った個体に卵巣があった際はいただきましょう。
メゴチの旬は?
気になる旬の時期は、冬から春とされています。産卵期が春から秋にかけてとなっていますので、産卵に備えて栄養を蓄える時期が旬の時期となっていますね。旬のものは脂が乗りますので、より美味しくいただけます。
釣りは産卵期に行うことが多いのですが、遅い時期に行えば旬のものを頂けますので、旬も意識して釣ってみましょう!
メゴチの栄養と効果は?
1尾あたりのカロリーは50~100キロカロリー程度。100gあたり75キロカロリーとされています。含まれる栄養分は、良質なタンパク質に加え、ビタミンA、B、D、E、カルシウム、鉄、EPAやDHAの不飽和脂肪酸が主となっています。
カルシウムや鉄、タンパク質は大切な栄養ですよね。ビタミンDは骨を丈夫にするために必要な栄養素であり、カルシウムと相乗効果があります。不飽和脂肪酸は脳に良いことが分かっていますので、積極的に食べていきましょう!
メゴチの釣り方を解説
①メゴチ釣りの時期と場所
釣りの時期ですが、一応周年釣れる魚ですので、一年中狙っていけます。ただ、よく釣れる時期としては、産卵期にあたる4~11月です。この時期の方がより内湾の浅い海にいることが多いので、初めて挑戦される方は釣りやすい時期に狙ってみましょう。
浅い砂底や、深めの泥底に生息していますので、身近に条件を満たしている場所がないか探してみて下さい。シロギス等の外道として釣れることが多い魚ですので、他の魚を狙うついでに期待するのも良いですね。
②メゴチ釣りの方法
釣り方は2種類あり、投げ釣りかチョイ投げ釣りで狙っていきます。投げ釣りとは仕掛けを遠くへ飛ばして釣る方法のことで、チョイ投げ釣りは、その名の通り、少しだけ投げて釣る方法を指します。
どちらでも釣ることが出来ますので、お持ちのタックル・仕掛けに合わせて選びましょう。春から秋時期には接岸してきますので、チョイ投げ釣りで沢山釣れることも多いですね。群れで泳いでいますので、一匹釣れれば次も期待出来ます。
③メゴチ釣りのタックル・仕掛け
投げ釣りで使うタックル・仕掛けは、4m程の投げ竿、投げ釣り用のスピニングリール、PE1号前後、L型テンビンに3本ほど針をつけるのが一般的です。チョイ投げの場合のタックル・仕掛けは、2m程度のルアーロッドと、小型のスピニングリールを使用。仕掛けは60㎝程の2本バリがよく使用されています。餌はイソメがベターですね。
外道として釣れることが多い魚ですので、他の魚を狙いながら、少し期待しておくのがおすすめです。
メゴチ釣りのコツ
コツは、仕掛けを速く動かさないことです。あまり速く仕掛けを動かしてしまうと、食いつけなくなりますので、ゆっくりと海底を探っていくように動かしていきましょう。群れで泳いでいることが多いので、一匹釣れたら、同じ場所を何度も狙います。
釣れたメゴチはヌルヌルしていて持ちにくいので、気をつけて針を外しましょう。メゴチばさみというグッズがありますので、出来れば持っておきたいですね。ヌルヌルしていますので、他の魚と一緒に保管しないことをおすすめします。
メゴチの食べ方・さばき方
こちらの動画ではメゴチの食べ方・さばき方を紹介しています。動画では松葉おろしの方法を紹介していますので、ぜひ参考にしてさばいてみましょう。背ビレを落とし、頭に包丁を入れ、皮をひきます。
血のついている部分を切り取り、お腹の方から身を分け、背骨を切り落とし、松葉おろしの完成です。皮付きのまま熱調理をしても美味しくいただけますが、その場合は体表の粘液を、あらかじめ塩を振って落としておきましょう。
美味しいメゴチの選び方
スーパーなどで見かけることは少ないメゴチですが、もし見かけた場合は、なるべく新鮮で美味しそうなものを選びましょう。新鮮な魚は、触った時に弾力があります。触ってみて、ブヨブヨしていないか確認してみましょう。
また、鮮度が落ちるほど体色が落ちていきますので、色の濃いものを選びましょう。元々の色はオレンジ色のものが多いので、なるべくオレンジ色が濃いものを探して下さい。
メゴチの料理レシピ5選
調理・料理レシピ①刺身
おすすめの調理・料理レシピ1個目は「刺身」です。水分が多い魚ですが、プリプリとした食感があり、刺身でも美味しくいただける魚です。もちろん刺身は鮮度が大切ですので、新鮮なものを刺身にしましょう。
大きな魚ではありませんので、とても贅沢な食べ方と言えます。釣りたてをそのまま刺身にするよりも、先にさばいてから、一度冷蔵庫で冷やした方が美味しく感じる方が多いですね。ぜひ冷やして食べてみて下さい。
調理・料理レシピ②塩焼き
めずらしい鯨の白身酢味噌和え、メゴチの塩焼き pic.twitter.com/X622zV1fP3
— 若本あおいがたふぇす@徴税人ゲーアノート・アルティメットブウ (@wakamotoaoi) July 16, 2017
おすすめの調理・料理レシピ2個目は「塩焼き」です。魚の定番の調理方法であり、外れない食べ方です。普通の魚であれば、丁寧にさばいてから塩をすりこんで焼いていきますが、メゴチは小さな魚ですので、下処理をしたら串に刺して塩を振って焼くのもアリです。
もちろん丁寧に処理をして、普通の魚同様に焼いても構いません。焼く時は弱火でじっくり焼くのがコツです。焼きすぎると固くなってしまいますので、焦らず焼きましょう。
メゴチの料理レシピ②
調理・料理レシピ③煮つけ
晩ご飯:relaxed:
— Masami (@koharuandkonatu) March 14, 2018
シャコ
イイダコ煮つけ
メゴチ煮つけ
オクラの和風サラダ
イイダコの中華風ご飯
(なんて名前にしていいか思いつかない:sweat_smile::sweat_smile::sweat_smile:)
いただきます:yum: pic.twitter.com/Q21FAeKljA
おすすめの調理・料理レシピ3個目は「煮つけ」です。こちらも魚の定番の食べ方ですね。お醬油・お酒・みりん・砂糖を入れた鍋で、じっくりと煮つけていただきましょう。
元々淡白な味をしていますので、醬油味をつけるととても美味しくいただけます。絶品と称する方も多いので、ぜひ試してみてください。味付けは濃くしすぎないのがおすすめです。
調理・料理レシピ④唐揚げ
おすすめの調理・料理レシピ4個目は「唐揚げ」です。水分の多い身をしていますが、じっくりと唐揚げにすればサクサクとした食感になり、美味しくいただけます。また、じっくり揚げれば、頭以外の骨は食べられますので、丸ごと食べてしまうのもおすすめ。画像のように盛り付け、おしゃれにいただきましょう。
調理・料理レシピ⑤天ぷら
おすすめの調理・料理レシピ5個目は「天ぷら」です。お刺身以上に試していただきたいのが天ぷらで、料理店でも出される最高の食べ方です。天ぷらにしてこそ価値があると言われる程ですので、ぜひ作ってみて下さい。
下処理をしたものに塩コショウをかけ、天ぷら粉をからめ、180度の油で揚げていきます。下処理をした際に出ることがある卵巣も、天ぷらにすると美味しくいただけますので試してみて下さい。
まとめ
今回の「釣って食べたい「メゴチ」とは?生態や釣り方から美味しい食べ方まで解説!」はいかがでしたでしょうか?生態や味、釣り方、食べ方などを紹介させて頂きましたが、特徴的で興味深い魚でしたよね!
中々お目にかかれない魚ですが、釣りをしていれば出会う機会が増えますので、初心者の方もぜひ挑戦してみて下さい。狙って釣るのは難しい魚ですが、ふとした時に出会えますので、じっくり待ちましょう!
メゴチが気になる方はこちらもチェック!
今回はメゴチについて解説させて頂きましたが、他にも釣り・魚に関する記事が沢山あります。気になる方は是非チェックしてみて下さい。
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