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カブトムシのサナギの育て方!孵化する時期や注意点など、8つの飼育ポイントを解説!

カブトムシのサナギの育て方を解説を行っていきます。カブトムシのサナギは成虫前の状態であり孵化するまでの注意が必要。命を育てるのは生物を飼う上でとても良い経験になります。様々なことを学び今後の昆虫などの飼育に役立てましょう。
更新: 2024年5月10日
図師優輝
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カブトムシ

出典: http://www.maruboland.sakura.ne.jp/photo/kabuto-9.jpg

カブトムシは無脊椎動物、節足動物の一種でコガネムシ科の生物。実は南極を除くすべての大陸に生息する生物なのです。日本では主に夏の時期に成虫をとるために子供やコレクターの間で人気を誇っています。カブトムシのサナギから成虫への成長過程や期間ごとの注意点なども紹介します。

カブトムシの成長過程

成長する順序としては、卵→孵化→幼虫→蛹化→蛹→成虫という育つ過程を経て成長。生まれたばかりの幼虫とサナギになる前の幼虫では重さが1000倍も違い大きさも10倍に大きくなりますよ。カブトムシの成長速度は凄まじいことが分かると思います。そんな成長過程の中の幼虫→蛹→成虫とサナギから成虫の部分について詳しく触れていきましょう。

カブトムシのサナギ

カブトムシがサナギの状態の時は弱い

カブトムシのサナギは卵の状態の次に弱いといえます。成虫のカブトムシは甲虫と言われるだけあって硬い前羽や角に守られています。サナギの間はまだ体が柔らかく幼虫と違って移動もできないために弱い時期。しかしそんな時期を経てサナギから成虫へと脱皮を遂げていく姿を観察出来るのはとても貴重な体験です。

カブトムシがサナギでいる期間

サナギの期間は約2ヶ月と幼虫の期間より短い

カブトムシは生涯の多くを幼虫として生きていきます、サナギでいる期間はごくわずか。気温や幼虫の生まれた時期にもよりますが5月から6月頃の期間がその期間ですね。三令幼虫から5月頃の初夏の時期に土に潜って蛹室を形成していきます。蛹室を使って一週間後程で脱皮を行いサナギの姿に変わります。大切な成長の過程の一つ。

サナギから成虫への過程で必要な物

孵化から使っていた道具は使える?

孵化から幼虫までの飼育方法と違い、サナギを育てる時はその季節に対応した処理や道具が必要になります。サナギの季節は2月~6月頃にサナギの季節専用の道具などが不可欠になります。孵化の季節にしようしていた道具でも引き続き使用続行ができるものもあるので紹介していきますね。

飼育容器

鈴木製作所 飼育容器 黒 スーパー特大

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飼育ケースは小分けに

ケースは引き続き使用続行可能。しかし孵化の時期と違い個体の大きさが大きく成長するのでなるべく余裕を持って飼育できるように小数に分配するといいでしょう。

飼育のための土

フジコン カブト育成マットPRO 10L

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飼育のための土も孵化後に使っていた土で大丈夫!しかし、土の湿度管理などは少しばかり変わるので気を付けましょう。詳しい方法は後ほど紹介します。

霧吹き

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土の水分を管理するには霧吹きを使って水分を調節するのが不可欠。霧吹きはガーデニングなどで用いられている物でも大丈夫ですが植物とは違うので水の吹きかけ過ぎには気を配る必要がありますね。

道具がそろったら飼育へ

道具の確認はできたらいよいよ飼育開始です。早速サナギから成虫へ成長出来るように飼育を行っていきます。難しく思われがちの育て方も決してそんなことはないので大丈夫です。

カブトムシのサナギ育て方①三令期の幼虫


幼虫からサナギへ変わるために食欲が出る

蛹化する数ヶ月前の2月~4月頃にかけての季節に幼虫は食欲が増していきます。餌となる土はしっかりと交換します。目安としては二令期から三令期になった時に一回と年を越して2月頃に一回そして四月頃に一回の計3回変えてあげるのがベストです。またカブトムシの幼虫の場合は水分が多い土で育てるのが良いですが、蛹化が近い三令期の幼虫の場合は土の水分を減らすとよいですね。

土の交換方法について

ケースの中で豆粒のようなフンが目立ってきたら、フンを取り除いて土を入れ替え。交換するのは全てでは無く全体の6~7割の土を入れ替えるよう心掛けます。すべて入れ替えしないのは、土を入れ替えした時の幼虫へのショックを抑えるため。土が変わると中の栄養素なども変わり、食欲が落ちたり土から出て来たりしてしまいます。カブトムシの幼虫にも食に好き嫌いがあるのか、土が合わないと拒絶してしまうのです。

土(マット)の入れ替えの仕方の様子

カブトムシのサナギ育て方②蛹室の準備

幼虫からサナギへ変わる準備

幼虫をサナギに脱皮させるには幅5㎝~10㎝で高さが9㎝~15㎝の土を使います。カブトムシの種類にもよりますが大型のヘラクレスなどの場合はなるべく大型の容器での飼育が不可欠。多くの容量の土が入る容器を準備を行います。蛹室を飼育容器の観察しやすい位置に作ってもらい、様子を側面から観察したい場合は瓶などの容器を使用して飼育を行うのも合理的です。瓶を使用する場合は蓋に空気穴を開けておきましょう。

菌糸ビンケース

カブトムシのサナギは菌糸ビンなどの小型の容器でも飼育できます。上記の画像のような容器に空気穴を開けて中に湿った土を入れることで使用可能になります。数が少ない場合は孵化の時点から菌糸ビンに入れ一匹ずつ飼育するのも一つの手なのですね。

カブトムシのサナギ育て方③蛹化と観察

幼虫から前蛹そしてサナギへ

5月頃になり幼虫と環境の準備が整うと、土の中で体を回転させ自分の力で成虫になった時の体の分の空間を蛹室の大きさとして形成していきます。掘り進めた蛹室の壁を粘液で固めてしっかりとした蛹室を作り上げると中でうずくまります。幼虫からサナギへ変わることを蛹化(ようか)と言い脱皮が始まると10分程で真っ白な蛹の姿に変わります。季節としては初夏のころになります。

蛹化の様子を観察するには

蛹化の時期は蛹室にこもり、幼虫のお尻の辺りが黒くなり始めたら後半日程でサナギに蛹化する前触れ。幼虫からサナギに蛹化する様子は10分ほどで孵化終了となります。前兆であるお尻の辺りが黒くなる変化を見つけたらできる限り観察してみましょう。幼虫から綺麗なサナギに変わる様子を見るのはとても貴重な体験です。季節としては蛹室を作ってから一週間後なので早ければ5月上旬の時期になります。

カブトムシのサナギ育て方④注意点

脱皮や脱皮前の前蛹の注意点

条件が悪いとサナギから成虫出きずに息絶える可能性も考えられます。蛹の期間は土の水分量や硬さや土の量を調節して適した状態にしてあげるのが大切。気温は25度前後に調節し暑すぎず寒すぎず適度な環境を保ちます。また土が加水状態の時や、土が少ないと蛹室を形成しても蛹室が崩壊する、又はスペースが無く土の上でサナギになってしまったりします。

もしも蛹室を壊してしまったら

サナギから成虫になる際の水分量や土の量の管理は難しく状態によっては、羽化までの過程の前に蛹室が崩壊する恐も考える必要があります。しかしその場合もサナギから成虫になることを諦めてはいけません。人工蛹室と言うの物を作ることでサナギの成長を助けることができますね。人工蛹室の作り方については次に詳しく解説していきます。

カブトムシのサナギ育て方⑤人工蛹室

人工蛹室に必要な物


サナギから成虫になる過程で蛹室が崩壊してしまった場合は、人工蛹室の建造を行う事で対処できます。蛹室が上手く出来ずに土の上でサナギに蛹化した状態でもサナギから成虫になる手助けができます。準備するものは・ティッシュペーパー5~6枚 ・ちり紙の芯・飼育容器、の三つ。

人工蛹室を作りサナギから成虫への羽化を助ける

人工蛹室の作成の仕方としてはちり紙の芯を虫のケースの中に並べて動かない様に固定します。土又はスポンジで動かないように固定するといいでしょう。その後用意しておいたティッシュペーパーを適度に濡らしてちり紙の芯の底の方に詰めていきます。これで人工蛹室の完成です。

人工蛹室が出来たら優しく移動する

ここまで出来たらサナギ又は幼虫を人工蛹室の中に移動してあげましょう。サナギから成虫への成長は蛹室が崩壊を起こした場合でも人工蛹室を作成することで蛹化を助けることができます。孵化から成虫まで育て方の知識を持つことで季節や過程を問わず対処できるようにしましょう。

カブトムシのサナギ育て方⑥羽化の準備

蛹室で体を形成し羽化までの準備

蛹室が無事に形成され、蛹化したら30日~40日程で羽化して成虫へと変わります。季節としては初夏の頃ですが、その間エサなどは取りませんが虫は2~3ヶ月の間なら水分のみで生存できるのです。その期間は蛹室から取り出したりせずに観察して待つのみです。土の交換は不必要ですが、水分は一定になる様子に霧吹きなどで土の水分の補給は不可欠ですね。

カブトムシのサナギ育て方⑦羽化

オレンジ色のサナギが黒くなり羽化へ

季節としては初夏の季節になると、サナギは色を変えてとうとう羽化の準備が整います。足を動かすことで体を破り自由に動くようになった足を使い頭部からサナギの殻を破いていきます。羽化直後の過程ではまだ羽が白く少しばかり柔らかく条件ですが時間の経過につれて硬くなり黒く美しいカブトムシの成虫特有の体に変わりますよ。

不完全羽化を防ぐために

羽化をする際に、蛹室の広さが不十分だと腕を十分に動かすことが行えずに不完全羽化に陥る可能性があります。せっかく羽化直前まで育てても、羽化に失敗して息絶える可能性もあるので最後まできを使った飼育が必要です。人工蛹室を作成して羽化させる場合は前蛹や幼虫の大きさピッタリにするのではなく手足を大きく動かせる程度の大きさの人工蛹室の作成を出来るように心掛けましょうね。

人工蛹室での羽化の様子

カブトムシのサナギ育て方⑧羽化後

羽化後の時期は触れないで

綺麗に羽化の時期まで成長してくれれば後は一安心ですが、羽化後の時期に直ぐには動き出さずしばらくは動きが少ないです。羽化したばかりの時期は成虫にむやみに触れたりせずに安静にしておきましょう。十分に体が硬くなり活発に動く時期になれば触れても大丈夫。羽化後の時期はストレスに弱くむやみに触ると死んでしまう場合があるので気をつけましょう。夏の活発な季節まで少しばかり我慢です。

羽化後体が硬くなったら

羽化後の時期から10日から三ヶ月程たつと、成虫を触ったり虫相撲をして遊んだりと多くの遊びができるようになります。成虫の姿はたくましく虫の中でも抜群にカッコイイので観察日記などをつけている方は楽しくなる時期だと思います。孵化から約10ヶ月以上の期間を経て立派な成虫の誕生になります。

自然界でも虫相撲状態になる

成虫したら、虫相撲の対決で盛り上がりそうですね。自然界でも樹液の取り合いなどで自然に虫相撲を見かけます。またメスの取り合いなどの際にも角と角を合わせて激しくぶつかり合うことがあるのです。幼虫の間は生存に必死であり成虫して強くなってからは喧嘩が絶えないのですね。だからこそその闘争心や戦うカッコよさが人気を呼ぶ理由の一つですね。

海外のカブトムシ育て方 (ヘラクレスなど)

海外のカブトムシのサナギを育てる(ヘラクレス)


ヘラクレスオオカブトを例に海外のサナギを飼育する方法を見ていきましょう。国内のカブトムシとと違い孵化から成虫までの過程の長さが格段に違うため飼育の期間も長くなります。注意すべき所としてはまず土の栄養素です。ヘラクレスの場合は少し塩分の含まれた土を必要とするためドックフードなどの微量の塩分を含む物を土に加えてエサとして与えること成長に繋がります。

サナギになったら

ドックフードを加えること以外はヘラクレスの場合国内のカブトムシと飼育方法に大きな変化はないです。しっかりとした温度管理と土の交換をして育てましょう。蛹化から羽化までの期間はあと45日~65日程で羽化します。サナギの期間の注意点としては国内のカブトムシより大型なために不完全羽化を起こしやすくなっています。不完全羽化を防ぐためには大きな蛹室を確保できる必要があるのです。

ヘラクレスオオカブトのサナギの様子

海外カブトムシの育て方 オアシス:heavy_multiplication_x:人工蛹室

オアシスを使った人工蛹室って何

人工蛹室の一種であるオアシスを使った人工蛹室をご存知でしょうか?大きなヘラクレスやネプチューンオオカブトなどを育てる場合は先ほど紹介した人工蛹室だとサイズが一定なので大きな個体には向かない場合があります。そういった時に個体ごとの体のサイズに合わせて作れるのがオアシスを使った人工蛹室です。

オアシスを使った人工蛹室の作り方

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オアシスとは園芸用の保水材のことで、オアシスを使った人工蛹室の作成に必要な物はオアシス(園芸用保水材)とスプーン(オアシスを削れる物)そして飼育に使うケースです。作る手順としてはまずオアシスに水分を十分に含ませて重みを持たせたらスプーンでやや細長い穴を掘っていくのです。この時個体に合わせて形作りをするといいでしょう。国産の通常のカブトムシの場合はほぼ垂直に卵型を作ります。海外のヘラクレスなどの場合は角の形に合わせて角の先が入るスペースをやや上向きに作るといいでしょう。

オアシスを使った人工蛹室の作り方を動画で

海外のカブトムシを羽化まで

土の栄養素や羽化までの期間が国内のカブトムシに対して約二倍程かかるヘラクレスオオカブトのような種類もいますが、中には国内のカブトムシと同じペースでの飼育が可能な種類もいます。またヘラクレスオオカブトを題材に海外のカブトムシの飼育方法を紹介していきましたが国内のカブトムシとそれほどの大差があるわけではないので国内のカブトムシと同じようにしっかりとした手順で飼育すれば成虫まで無事に羽化させることができます。

まとめ

飼育の為の役に立てましたでしょうか?

カブトムシのサナギの育て方いついて書いていきましたがどうでしたか?卵から孵化した幼虫を大切に育て冬などの寒い時期を乗り越えサナギになりそして立派にサナギから成虫に育っていく過程はとても飼育に面倒はかかりますが生命の大切さや進化などについても考えさせられるような一年になると思います。是非とも育ててみてください。最後まで読んでくださってありがとうございます。

最後に他の知識に関して気になる方はこちら

今回紹介した知識以外にも、多くの昆虫にかんする知識が載った素敵な生地があるので是非そちらも読んでみてくださると嬉しいです。