検索アイコン
エックス
Facebook
LINE

涸沢の天気・気温情報のまとめ!服装や装備は?登山ルートや難易度もご紹介!

穂高連峰の中心部に位置する涸沢は、氷河期に形成された涸沢カールに残る雪と高山植物の花々が美しく、アルプスを代表する景観で人気です。天気がよい日の色鮮やかな紅葉・雪・青空が織りなす三段紅葉は格別な美しさです。季節毎の天気・服装、おすすめ登山ルートをご紹介します!
2020年8月27日
youmei
※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。

穂高連峰と涸沢について

北アルプス南部に位置する穂高連峰は、標高3,000mを越える日本の名峰、奥穂高岳(3,190m)、北穂高岳(3,106m)、涸沢岳(3,103m)、前穂高岳(3,090m)が連ねており、近代アルピニズムの聖地として知られ、多くの登山者が憧れを抱き目指す地です。それらの峰々を縦走する登山基地として、また登山者の憩いの場として穂高連峰の中心地に位置するのが涸沢です。

氷河期に形成された美しい景観

はるか氷河期に形成された巨大なすり鉢状のカール(圏谷)が特徴で、夏には高山植物と宿泊者のテントのカラフルな色でにぎやかな景観に、秋になると見事な紅葉と山々の連なりが美しい景観を創り出し、一度訪れた登山者はその圧倒的な景観に魅了され心に刻まれるのです。

涸沢の四季の天気・気温など基本情報

ここからは、主に一般登山客の多い夏と秋について解説していきます。標高約1,500mの上高地バスターミナル登山口から涸沢ヒュッテまでは、標高差が約800mあります。登山口付近の1,500mを超えたあたりから、温帯性気候の低山帯から亜高山帯へと変わっていき、気温なども低くなる亜寒帯となっていきます。植物などにも変化が現れ、常緑針葉樹帯が見られるようになります。山の四季ははっきりと分かりやすく、気候が急に変わりやすいため、梅雨明けの数日間が一番安定した時期となり、そこから夏に向けて最盛期を迎えます。

夏の天気・気候

涸沢の夏は比較的遅く、梅雨の雨が雪を溶かし白いハクサンイチゲや黄色いシナノキンバイなどの高山植物が咲き始める7月中旬から8月頃までの約1ヶ月間が最も登山客の多い最盛期となります。まだ残る雪渓と岩とお花畑の壮大な展望が楽しめます。夏の登山で気をつけたいのが午後に多い急な雷雨です。天候が荒れるだけでなく、急な雷は危険を伴いますので、事前情報を仕入れて回避することに加えて、早めの出発・早めの到着を原則として守りましょう。夏とはいえ、朝夕は気温がかなり冷え込みます。

秋の天気・気候

9月に入ると赤いナナカマドや黄色のダケカンバなどが色付き始め、待ちに待った紅葉シーズンに突入します。穂高連峰で有名なのはの紅葉シーズンの”涸沢カール”です。穂高連峰の峰々を背景に、燃えるように色付いた樹木たちが美しい景観を彩り北アルプスを代表する景観が創り出されます。この頃には、登山者の数も大分少なくなります。日照時間がだんだんと短くなり、夏と比較すると行動時間も短くなるため、ゆとりをもった登山計画を組む必要があります。また、秋の長雨にも注意したいところ。

運が良ければ三段紅葉が楽しめる事も


初冠雪のある10月初旬には、運がよければ青空・雪・紅葉の美しい三段紅葉が楽しめます。10月中旬には雪が降り始め最低気温が氷点下以下になることもあり、11月に入ると山小屋が閉鎖され一般の登山者は立ち入りができくなり、穂高連峰は静かに冬を迎えます。

涸沢の天気・気候に適した服装や装備の選び方

山の天候は急に変わりやすいため、様々な状況を想定した服装や装備が必要となります。特に、日中と朝晩との気温差、急な雨などによる体の冷え込みなどに対応できるよう、すぐに羽織れる上着、足先の冷え込みを防止する厚手で長い靴下など、上下セパレートですぐに着替えができ、組み合わせを自由に変えられる服装選びが大切です。ザックの雨よけカバーは必須です。急な悪天候時に山小屋の位置を確認したりアクセスルートを変更するなどに対応するために地図やコンパス、筆記用具などを準備しておくとよいでしょう。

夏の服装・装備

涸沢を目的地とする場合、残雪のない時期の日中は動きやすさを重視した通常の長袖・長ズボンの服装で問題ありません。夏場で天気の良い日は、半袖・半ズボンでも快適でしょう。特に、盛夏の涸沢での終盤の登りでは、樹林帯を抜けると日差しが急に強くなりますので、暑さでバテないように気をつけ日焼け対策もしっかりしましょう。しかし、気候の変動や気温差も激しいため、急な降雨の際の雨具や薄手のセーターなど防寒具は必須です。一度雨で身体が濡れてしまうと、体温が奪われ体力を消耗し登山では地名的なダメージとなってしまいます。登山靴については、しっかりとした防水性のものが望ましいです。

秋の服装・装備

秋は、日が暮れるのも早く晴れた日の朝夕は特に冷え込みます。万が一の降雪に備えてセーターやフリースなどの防寒対策が必須です。防寒用の手袋や帽子なども合わせて準備しましょう。特に秋の冷雨・長雨には要注意です。夏山と同様に、冷えた体を放置すると重大なダメージとなります。保温力の高い水筒なども体を温めるのに効果的です。登山靴やザックについても万が一の雨や降雪に備えて防水性が高いものが理想です。

大きめのザックを用意しよう

夏に比べて衣類が厚手になりかさばるので、所持品の容量をしっかり把握し大きめのザックを準備しましょう。夏と同様に地図やコンパス・筆記具の持参も忘れずに。涸沢を起点として周囲の峰の登頂を目指す場合は、難易度が高くなるため登山計画を事前に検討することはもちろん、峰ごとに服装と装備を事前に調べましょう。

涸沢カールまでのアクセスルート

涸沢までのアクセスルートについて

涸沢までのアクセスルートは、岩場などが多いものの初級から中級者向けとなっており、上高地バスターミナルから約6時間と1日のコースとなります。JR松本駅より直通バスなどを利用し上高地バスターミナルで下車。まずは忘れずにこちらの登山口で登山届を提出しましょう。

涸沢へ向けて出発

登山口より河童橋へ向かい橋は渡らずに右手へ進みます。この時、河童橋から見る穂高連峰の眺めは見所のひとつです。遊歩道を進み明神・徳沢・横尾へと向かい、ここで約3時間となります。途中の分岐点で新村橋の吊り橋を渡らぬよう、しっかり地図を確認しましょう。横尾には、横尾山荘や避難小屋、キャンプ指定地があり、槍ヶ岳への分岐点ともなるため多くの登山客で大変にぎわう場所です。


体力を温存して本格的な登山に備えましょう

ここから約1時間20分のところに本谷橋があり、いよいよ本格的な登山がここから始まります。後半のきつい登りに備えて、しっかりと体力を温存しておきましょう。急勾配を登りきった先に涸沢の谷へと入ると、穂高連峰が大パノラマとなって広がります。前方に見える涸沢ヒュッテまでは思いの外距離があるため、あせらずゆっくりと進みたいところ。涸沢を最終目的地とする場合でも、日帰りでの往復は困難なためこちらで一泊することをおすすめします。

涸沢小屋とテント泊について

登山者の多くは、穂高連峰の標高3,000mを越える峰々の登頂を目的とし、登山基地としてこの涸沢で休憩・宿泊します。整備された登山道と山小屋やキャンプ場もあり、様々な登山ルートが計画できるため、利用する人の目的に適応してくれるのが魅力の地です。涸沢カールの標高2,350mに建つ赤い屋根の涸沢小屋、分岐した右手には200人収容できる涸沢ヒュッテ、さらに夏季はテント村ができ、多くの登山客の憩いの場としてにぎわいます。夏は、満点の星空を眺めながらのテント泊がおすすめです。高山植物が楽しめる夏季は特に混み合う時期ですので、団体で利用する場合は早めに予約を済ませましょう。涸沢ヒュッテでは、登山客の多い夏季のみ診療所が開設され登山者の強い見方となります。

涸沢からのおすすめ登山ルート①

涸沢ヒュッテから一望できる北穂高岳(標高3,106m)は、上高地より1泊2日で登山できる比較的取り組みやすい峰です。装備については(①〜③共通情報)、涸沢カールまでの想定とは変わり、詳細地図やコンパス、残雪の時期についてはアイゼンやピッケルなど、しっかりとした事前準備が必要となります。涸沢カールのお花畑を眺めながら抜けるとゴロゴロとした大きな岩場が現れ、険しい岩場にクサリ場にハシゴが続きます。それらは登りと下り兼用のため渋滞も起こりやすいため、お互いに十分注意して慎重に行動しましょう。

下りは滑りやすいので注意

特に、時期によっては雪渓が残っている場合もあるため、下りは滑りやすいので注意しましょう。北穂高山頂からは、槍ヶ岳や南アルプス、富士山までもが見えるなど、大パノラマが広がります。涸沢からは約3時間のコースのため、北穂高小屋で1泊して、翌日下山する工程がよいでしょう。山小屋のテラスからの眺望は見事で、早朝の美しい光景も楽しみのひとつとなります。

涸沢からのおすすめ登山ルート②

涸沢より奥穂高岳・前穂高岳の二つの峰を縦走するルートで、難易度が一気に高くなる2泊3日の上級者向けルートです。1泊した涸沢を出発しパノラマコースへ入り、ザイテングラードを抜けて白出のコルヘまずは到着。こちらは垂直に近いクサリ場やハシゴがあるため、ゆっくり慎重に登りたいところ。穂高岳山荘に荷物を預けて涸沢岳を散策するなどし、2日目はこちらの山荘で1泊します。3日目の最初に奥穂高岳に登頂し、吊尾根をたどり前穂高岳へ。山頂からは奥穂高岳・西穂高岳・涸沢などが眺められます。

下山時の滑落には特に注意

紀美子平へ戻り重太郎新道を抜けて岳沢を通り岳沢登山口まで下山します。重太郎新道は、クサリ場やハシゴがある岩場が多くより高度な技術が要求される危険なルートのため、特に下山時の滑落などには注意が必要です。2つの峰を縦走するボリュームがあるルートで難易度も高いため危険は伴いますが、登頂した達成感も味わうことができます。


涸沢からのおすすめ登山ルート③

涸沢から屏風のコルを経由するもうひとつの下山ルートです。登山道も比較的整備されているものの、残雪のある時期には急傾斜の雪渓のトラバースなどがありますので、残雪の少ない秋に利用するのがよいでしょう。しかし、秋の急な冷え込みにより霜なども降りるため油断はできません。初心者においては、無理をせず下山できる横尾を通る一般的なルートを利用しましょう。1泊した涸沢を出発し、パノラマ新道を通り黄色いダケカンバのトンネルを抜けると屏風のコルへ。屏風ノ頭へ登頂したら穂高連峰の絶景を満喫しましょう。再び屏風のコルへ戻り、慶応尾根・奥又白谷を渡り新村橋へ到着し上高地バスターミナルへと下山、という上級者向けルートです。

まとめ

上高地バスターミナルより涸沢まではたっぷりと登山を満喫できる1日コースとなります。日帰りではなく涸沢で1泊する計画を立て、ゆとりを持って午後早めの時間に登頂し、その後は美しく咲き広がるお花畑や涸沢の池などを散策して大自然との触れ合いを楽しみましょう。初めて北アルプスを訪れる方には、この涸沢を目的とすることも大変おすすめです。また、登山はせずに日帰りで北アルプスの絶景を楽しみたい方は、新穂高温泉駅からロープウェイを乗り継ぎ西穂高口駅で降り山頂駅展望台へ行く日帰りプランもおすすめです。

何度来ても飽きない涸沢

涸沢を拠点として名峰の登頂を目的とするのもよし、日数をかけて穂高連峰を縦走し制覇するなど、登山者のレベルや日程、目指す場所によって様々なアクセスルートを計画できるため、何度来ても飽きさせないのがこの穂高連峰の魅力です。あなたは、美しい景観を心に刻む癒しの登山と、日本の名峰へ挑み己に挑戦する登山、どちらを目的としてこの涸沢を訪れますか?

北穂高岳が気になる方はこちら!

おすすめ登山ルート①でご紹介した”北穂高岳”へのルートの詳細は、ぜひこちらをご参照ください。