じゃがいもってどんな野菜?
じゃがいもは常備野菜としてキッチンにはいつでもあるのではないでしょうか。そんなじゃがいもはナス科の野菜で原産は南米アンデス地方です。紀元前5000年頃にはチチカカ湖の周辺で栽培がはじまったといわれているので、その歴史も古い野菜です。
じゃがいもは涼しく日当たりのよい場所での栽培が適しています。豊富な種類があり、植え付けの時期も春植えと秋植えとに分かれます。じゃがいもの栽培は思ったほど難しくはなく、食べ方もいろいろありますので食べる楽しみと栽培の楽しみの両方が味わえます。
じゃがいも栽培ポイント1・種芋選び
じゃがいもは時間が経つと芽がでてきますが、種芋に適しているのはスーパーで売られているじゃがいもではなく、種芋として販売されているじゃがいもです。種芋として販売されているものは検査に合格しているのでじゃがいもにつきやすいウイルスがついている心配がありません。
じゃがいも栽培ポイント2・種芋からの芽出し
じゃがいもの種芋から芽がでるまでは上手く発芽するか心配になるのではないでしょうか。事前に芽出しをすると発芽した状態で植え付けすることができます。
芽出しのやり方
植え付けの2~3週間くらい前から太陽が見える時間帯は外に出して芽が出るようにします。この芽出しはしないでそのまま種芋を植え付けしてもよいのですが、芽出しをしたほうがその後の生育もよくなります。
じゃがいも栽培ポイント3・芽かき
じゃがいもは1つの種芋からたくさんの芽がでてきます。その芽を全部育てるのではなく、よさそうな芽だけを残してそれ以外の芽を取り除く芽かきという作業があります。この作業をきちんとするのとやらないで栽培するのとでは育つじゃがいもに違いがでてきます。
じゃがいも栽培ポイント4・水やり
じゃがいもの栽培方法で水やりというのはいつすればよいのでしょうか。植え付けをした後には水をたっぷりとやるようにします。しかしその後の水やりはほとんど必要ありません。あまりにも水を多く与えると種芋が腐ってしまう原因となります。プランターでの栽培方法だと水やりは土が乾燥したらやるようにします。プランターでもじゃがいもが生長するにつれて水はやらないで乾燥した状態で栽培するやり方に変えていきます。
じゃがいも栽培ポイント5・肥料
肥料をやる時期も栽培するときに必要な情報となります。肥料をやる時期はいつ頃がよいでしょうか。
肥料をやる時期・1回目
芽かきが終わったら肥料をやります。やり方で注意するところは、種芋に肥料がつかないように気をつけることです。芽が出てから20日~30日でじゃがいもが大きく生長しだしますので、その時期を逃さないように芽かきと追肥をするようにします。
肥料をやる時期・2回目
2回目は生長してきて蕾がつきはじめる頃です。この時も株元に肥料をやってください。
じゃがいも栽培ポイント6・土寄せ
土寄せとはじゃがいもの株元に土を寄せるという方法です。土寄せも栽培するときのポイントです。土寄せも2回ほどおこないます。やり方は簡単で、株元に5cmほど土を盛ります。
土寄せをやる時期・1回目
1回目は芽かきのときに一緒にします。
土寄せをやる時期・2回目
2回目の土寄せは、2回目の追肥のときに一緒にするやり方がおすすめです。特に2回目はしっかりと土寄せしてやります。土寄せが十分でないとじゃがいもが緑色になりやすく、ソラニンという物質が発生します。ソラニンは有毒で食べると吐き気や頭痛がすることがあり危険です。
じゃがいも栽培ポイント7・花摘みはしない
実をつける野菜では養分が分散されることを防ぐために花が咲くと花摘みをして数を減らすことが多いですが、じゃがいもでは花摘みの必要はありません。花を摘むことにより病気に感染してしまったり、せっかくふんわりとしていた土を踏み固めてしまうことはかえってマイナスとなってしまいます。じゃがいもは花がついても実がつくことはほとんどないのでそのままにしておくことをおすすめします。
じゃがいも栽培ポイント8・収穫
じゃがいもには春植えと秋植えとがあります。適した品種と収穫時期があるのですが共通している収穫の時期を見極める方法としては、葉や茎が7~8割黄色く枯れてきたかどうかというのがポイントとなります。
春植えの収穫時期
春植えのじゃがいもの収穫は6月中旬頃になります。6月といえば梅雨の時期ですが雨の日や雨上がりなど湿気の多い日は収穫に向きません。からっと晴れた日が連続するような時に収穫します。
秋植えの収穫時期
秋植えのじゃがいもの収穫は12月頃です。寒く雪が降るような時期なので、凍ってしまいそうだったら早めに収穫します。秋植えのじゃがいもも、雨が降るような日ではなくからっと晴れた日に収穫して、収穫後は乾燥させましょう。
収穫後のじゃがいも保存方法
収穫後のじゃがいもは風通しのよいところで乾かして、すぐに食べるか冷暗所で保管します。春植えのじゃがいもは暑くなる時期なので、高温多湿にならないよう注意が必要です。また秋植えのじゃがいもは寒くなる時期なので凍らないように保存するときはビニールシートなどで温度調節をしてください。
じゃがいもの芽かき1・芽かきをするのはなぜか
じゃがいもの芽は1つの種芋から3~5つくらい出てきます。多いと10以上の芽が出ることもあるのです。あまりにも芽が多すぎるとたくさんのじゃがいもができてしまい栄養が分散されます。そうすると小さなじゃがいもがたくさんできて大きなじゃがいもになりません。芽がたくさん出たのにもったいないと思うかもしれませんが芽かきをして減らしたほうが収穫できるじゃがいもがよいものになるのです。
じゃがいもから発生するストロン
じゃがいもはストロンと呼ばれる物質を茎から出してその先に芋をつけます。じゃがいもは茎が大きく生長したものなのです。たくさんの芽があるとそこから茎がでてきてストロンが大量に発生してしまいます。そうするとじゃがいもの数が増え、食べるところがほとんどない小粒のじゃがいもになってしまいます。
じゃがいもに含まれるソラニン
さらには小粒のじゃがいもには土寄せの中でも出てきたソラニンという有害な物質をたくさん含むようになります。ソラニンを多量に含むじゃがいもは食べることができません。このことからも、時期がきたら間引きして栽培することが大切だとわかります。
じゃがいもの芽かき2・芽かきの時期
それではいつ芽かきをしたらいいのでしょうか。芽かきをする時期は2回あります。
芽かきの時期・1回目
芽かきの時期としては種芋を植え付けしてしばらくしてから、芽が地上に出てきたら行います。出てきた芽の2本ほどを残して間引きしてしまいます。
芽かきの時期・2回目
その後もう少し草丈が高くなり15~20cmに生長したらもう一度芽かきをする時期になります。2回目も最初と同じように2本ほど育ちのよい芽を残して間引きをします。
じゃがいもの芽かき3・芽かきのやり方
芽かきはある程度の長さがないとできません。芽がでてきたからといっても早い時期にはできないので注意が必要です。
芽を選ぶ方法
それでは間引きをする芽と残す芽はどのように選べばいいでしょうか。芽を選ぶ方法はとにかく元気がよいかどうかです。元気のよい芽を2本ほど残してください。太い茎のほうがよいです。ひょろっとした茎では元気がよいとはいえません。
芽かきのやり方
芽かきのやり方です。まず間引きする芽を選びます。片方の手で株元を押さえてもう片方の手でねじるようにしながら芽をひっぱる取り方をすると、種芋から芽を引き抜くことができます。芽かきをするときにはゆっくりと作業してください。無理にひっぱるような取り方では種芋ごと引き抜いてしまいます。
土寄せも忘れずにしよう
芽かきした後は土寄せをしてください。じゃがいもの茎がぐらついたり、間引きしたことにより生長したじゃがいもが土から出てきて日光に当たらないようにします。土寄せの方法は難しくありません。しっかりと土を盛って土寄せをしてください。
じゃがいもの芽かき4・芽かきの注意事項
じゃがいもの栽培ポイントでもある芽かきの芽の取り方には注意しないといけないこともあります。生長にも影響するので気をつけながらやります。
ハサミは使わないようにする
芽かきをおこなうときにはハサミなどの刃物は使いません。ハサミで切ったほうがきれいな取り方になるような気がしますが芽の手前までしか切れないです。芽そのものが残る方法では芽かきになりません。取り方が悪く芽が一部でも残っているとそこから新しい芽が出てきてしまいます。また、清潔にしているつもりでもハサミからウイルスに感染する可能性もあります。これらを防ぐためにもハサミでの取り方ではなく手で芽かきをすようにします。
種芋を動かさないようにする
芽かきをするときにしっかりと株元を押さえて種芋を今の場所から動かさないようにします。せっかく生長してきていたじゃがいもを土から出してしまったり、やり方を間違って種芋を動かしてしまうことにより、生長していた根をちぎってしまう原因になることがあります。
じゃがいもの芽かきで芽を切ってしまったら
芽かきのやり方を失敗し芽を途中で切ってしまうことがあります。取り方が悪かったと悔やむかもしれませんが大丈夫です。その時はそのままにしておきましょう。また伸びてきますので、次の芽かきのときに一緒に間引きをします。こつをつかむまでは取り方が難しいと感じる場合がありますが、後からまたやればいいので心配することはありません。
じゃがいもの芽かきをすることを忘れたら
芽かきをすることを忘れることもあるのではないでしょうか。間引きをしないと小さなじゃがいもばかりできてしまいます。芽かきをするべきではありますがたまにはうっかりということもあります。
茎の長さを確認してみる
時期を逃してしまってからの芽かきのやり方というのはありません。まだ茎が20cmまで生長していないなら今からでも芽かきは間に合いますが、20cm以上に生長していたら今回は芽かきをしないでそのほかにできる方法でじゃがいもを栽培することにします。
芽かき以外にできること
例えば土寄せは栽培中に2回ほどします。じゃがいもが生長していくうちに土から露出しないようにしっかり土を盛りますが土寄せをしておくことは間に合います。また、肥料をやることも今からできることになります。
芽かきをマスターして好みのサイズに育てよう
じゃがいもの芽かきをマスターしするとじゃがいもの大きさを自分好みに栽培できます。大きいじゃがいもも小さなじゃがいももそれぞれがおいしいじゃがいも料理になります。自分で栽培した野菜で作る料理はとてもおいしいですよ。じゃがいも栽培にぜひチャレンジしてみてください。
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