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革細工入門!基本の道具や初心者向けの革製品の作り方や縫い方を解説!

革細工レザークラフトに関して基本的な知識はあるけど革製品の作り方、加工のしかたが…と、初心者は何から手を付けたらよいか迷ってしまうでしょう。作成にで使用する道具から、材料、制作手順まで初心者に必要な革細工レザークラフトの情報を紹介します。
2020年8月27日
ajihira
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革細工入門

基本的な知識はあるが…

革を切って、手縫いであれば穴をあけて平縫いで縫って…と、手作りするのに基本的な知識は持っていても、いざ作るとなると何から手を付けたらよいか?初心者であれば悩んでしまうでしょう。

初心者でも簡単に手作りできる?

部品の少ない小銭入れ、キーケースであれば初心者でも比較的簡単に手作りすることができます。加工の工程もそれほど多くないので、一つ一つ丁寧に処理すれば、既製品に劣らないオリジナルな手作りの革製品をつくることができます。

キーケースを手作りする

今回は、手作り加工に必要な基本道具、使用材料紹介しながらキーケースを例に制作していきます。

革細工レザークラフト基本道具①:縫う道具

手縫い針

手で縫うの手縫いで加工するので、手縫い針を使用します。使用する針は先が丸まっている革専用の手縫い針です。

麻糸

糸は麻糸を使用します。ポリエステルなどの糸を使用してもかまいません。自分の好きな扱いやすい糸を使用します。

革細工レザークラフト基本道具②:切る道具

カッター

革や糸を切ったり、型紙を切ったりと、一番使用頻度が高い道具です。

革包丁

カッターでも代用OKです。革を切ったり、みみをそろえたり、カッターよりも切れ味は抜群です。ただし、メンテナンスは初心者には少し難しいかもしれません。無理してそろえる必要はないですが、革を加工するなら持っていて損のない道具です。

革細工レザークラフト基本道具③:打ち具、下敷き

木槌

ひし目打など、打具を打ちつける際に使用します。木槌以外のハンマーなどで打ちつけると、ひし目打や打ち具が曲がったりして道具を痛めてしまいます。

ビニール板

革を切ったり、型紙を切るときに下敷きにします。ビニール板の特徴は、使用する道具の刃先を痛めないのが特徴です。カッティングシートで代用してもOKです。

ゴム板

穴をあける際に下敷きとして使用します。

ホック打ち

バネホックを取り付ける際に使用する打ち具です。凹凸により打ち具を使い分けます。

カシメ打ち

カシメで止める際に使用します。先端がお皿のように湾曲しているのが特徴です。

打ち台

ホックまたはカシメを打ちつける際に、下に置く台座になります。打ち台がない状態で打ちつけると、カシメなどが傷んだり机を傷付けてしまう恐れがあります。打ち台があると安定して、打ちつけることができます。

革細工レザークラフト基本道具④:穴をあける道具

ひし目打

縫う穴をあける際に使用します。ストレートは4本、コーナーは2本と使い分けします。

目打

穴をあけたり、印をつけたり、ボンドを塗布する際に使用したりとなにかと便利な道具です。

ポンチ

カシメやホックを取り付ける穴をあける際に使用します。革を加工する用途によって穴の大きさが変わるため、必要に応じたポンチを用意する必要があります。

革細工レザークラフト基本道具⑤:下処理、仕上げ処理

銀ペン


革に型紙を写したり、印をつける際に使用します。書いた際にあとが残らないため、革を痛めません。

ヘリ落とし

ヘリを落とす際にに使用します。

ステッチンググルーバー

糸を馴染ませるための溝を掘る際に使用します。ステッチンググルーバーを使うと糸の見た目が変わります。

トコノール

コバ処理や、床処理の際に使用します。毛羽立ちを抑えます。

スリッカー

コバ処理や、床処理の際に使用します。トコノールを塗り、スリッカーで磨きます。

革細工レザークラフト基本道具⑥:接着材

ボンド

革と革を張り合わせる際に使用します。

両面テープ

仮止めや、ボンドの補強などに使用します。ボンドと両面テープの両方を使うことで、縫う際に革同士がズレたりするのを防ぎます。

革細工レザークラフト使用材料①:革

一番需要な材料ですね。初心者は、厚さ1.0~1.5mmぐらいの牛のヌメ革をおすすめします。ヌメ革ではなく『この革で手作りしたい!』という革があればそれでもかまいませんが、あまり柔らかい材料は初心者には扱いにくいので、なるべく硬めの革材料を選びましょう。色はもちろん自由です!

なぜ柔らかい革はおすすめしない?

材料として柔らかい革をおすすめしない理由には、下処理でのヘリ落としや、溝掘りなどがとやりにくいのと、縫う際に糸を引っ張りすぎると、しわがより革製品がボコボコになってしまう可能性があります。初心者としては扱いづらく、難易度が跳ね上がってしまうからです。

革細工レザークラフト使用材料②:キーホルダー

キーホルダー

キーケースには欠かせない材料。キーリングやキーホルダーの数はつくる革製品のサイズに合わせるようにしましょう。今回は4連のサイズに合わせて、キーケースを作成します。

カシメ

キーホルダーを止めるための材料。両面カシメと片面カシメとあり、キーケースの場合はどちらを使用しても問題ありません。加工によっては使い分けが必要になります。

革細工レザークラフト使用材料③:バネホック

バネホック

キーケースを止めるために使用する材料。開け閉めが簡単にできるのが特徴。素材と色は、加工する革に合わせて選択すると良いでしょう。

革細工レザークラフト革製品の作り方①

手作りキーケースを加工する

キーケースの革製品を手作りしたいので、まずはどのような型としキーリングを何連にするかを決めていきます。キーケースといっても様々な型があるので、初心者でも手作りしやすい観音開きのキーケースにします。

サイズを決めるのには?

基本的にサイズを決めるのは、どのような用途に用いるかを想定すると簡単に割り出せます。今回のキーケースの場合であれば、キーリングを4連にした場合は幅を4連キーリングに合わせ、キーリングに鍵などを付けて実際の長さを測ることで必要な長さが割り出すことができます。

革細工レザークラフト革製品の作り方②

型作りのやり方

型紙は、もっとも簡単につくれる工作用紙で作成していきます。型は観音開きの4連リングを想定して作成していきます。

やり方①:部品

3つの部品を作ります。『①キーリング土台』『②本体』『③バネホック支え』③は革の厚さが1.5mmである場合は必要ありません。革の厚さが1mmの場合には必要になります。穴をあける位置も決めてしまいます。

やり方②:縫う幅

書き込みを入れる場合に気を付ける点は、実際の寸法より余裕を持たせ+α5mm程大きめに型紙を作ります。これは、縫う幅をヘリから3mmと想定してため5mm程度余分にとっています。型紙を作る際は縫う幅も考慮して作るようにします。

やり方③:キーリング土台


キーリングの幅プラス1cm(5mm×2)が『①キーリング土台』の幅となり、たとえばキーリングが4cmならば幅が5cmになります。

やり方④:本体

本体は、単純に考えるとキーリング土台×3の幅で考えればよいですが、重ねた際の土台の革の厚み、キーリング、鍵の厚みなどを考慮しないとならないので、1~2cm程度余分に幅を取る必要があります。なので、5cm×3+1cm=16cm以上は必要になってきます。

やり方⑤:バネホック支え

幅としては、バネホックを付ける位置を考慮しながら、バネを付ける側の1/3~1/2程度の幅にします。バネホックをヘリから1cmの位置に取り付ける場合は、2cmぐらいの幅があれば十分です。

やり方⑥:穴あけ

穴をあける位置に印を付けたら、ポンチで穴をあけます。ポンチは使用するカシメやバネホックに合わせたサイズの使用します。

革細工レザークラフト革製品の作り方③

革からの切り出しのやり方

『作り方②』から作成した型紙を使用し、革からキーケースの材料となる部品を切り出します。革の必要量は、型紙から把握し用意しましょう。

やり方①:銀ペンで型を取る

型紙をしっかり押さえ、型紙をなぞり型を取っていきます。このとき型紙が動いてしまうといびつな革製品となってしまうので、銀面(革の表面)を傷つけないように注意しマスキングテープなどで固定してから型を取るのもよいかもしれません。

やり方②:土台の位置をマーク

本体の銀面に、キーリングの土台となる位置にしるしを付けておきます。これは土台と本体を縫い合わせるために、縫い溝を決めるときのヘリとしての目安とするためと、土台の位置をわかりやすくするためです。

やり方③:切り出し

穴あけ箇所まで型取りが完了したら、銀ペンで書いた線にそって革を切り出していきます。切り出すときはビニール板などを敷き、周りが傷つかないようにします。革包丁、またはカッターで線の外を切るように切り出します。

革細工レザークラフト革製品の作り方④

下処理

材料を合わせ縫う前に、下処理を済ませてしまいます。下処理をすることで革製品の仕上がりがきれいになります。

へりを落とす

角ばっているヘリを落とすことで、全体に丸みを出します。ヘリ落としを使用し、『作り方③』で切り出した3つの材料の全てのヘリを落とします。

縫う幅を決める(縫い溝を掘る)

縫う幅を決め、その幅に沿ってステッチンググルーバーで溝を掘ります。溝を掘ることで溝に糸が収まり、糸が浮いて見えず、見た目がよくなります。3mm幅であれば、『作り方③』で切り出した3つの材料のヘリから3mmの位置に溝を掘っていきます。

溝掘りのやり方①

グルーバーのガイドを3mmで固定しガイドを革ヘリに沿わせ溝を掘ります。溝掘りのやり方としては、角部分に縦3mm、横3mmの位置に印をつけてから溝掘りをはじめるとよいでしょう。

溝掘りのやり方②

『バネホック支え』の材料は一辺だけ溝は掘らないようにします。この場所は縫うことがないので、溝を掘る必要がありません。溝を掘るのは縫う場所のみとなります。

溝掘りのやり方③

土台と本体を縫い合わせるための縫い溝を掘るため、『作り方③』で付けた土台の位置をヘリと考え、内側に3mmの位置に溝を掘っていきます。ステッチンググルーバーのガイドが使用できない位置なので、定規を添えて溝掘り加工をおこないます。

床処理

毛羽立つ裏面をトコノールなどで、毛羽立ちを整えます。『作り方③』で切り出した3つの材料全ての裏面を整えます。トコノールなどは黒、茶色、無色などあるので革の色に合わせて使い分けても良いでしょう。トコノールを塗りスリッカーで床を磨きます。

コバ処理

基本的に仕上げ処理としておこなうコバ処理ですが、縫ったり、加工してしまうとコバ処理ができなくなってしまう部分が出てきてしまいます。そういいた場合は事前にコバ処理を済ませておきます。

やり方①:キーリング土台

『キーリング土台』の両端をコバ磨きします。この両端は、本体と縫いつけてしまうと加工できなくなるので、事前に処理を行います。トコノールを付けて、スリッカーで磨きます。

やり方②:バネホック支え

『バネホック支え』は縫い合わせた際に加工ができなくなる1辺のみコバ磨きをします。トコノールを付けて、スリッカーで磨きます。

革細工レザークラフト革製品の作り方⑤

穴あけ処理

穴あけをおこなう際は、ゴム板を下に引き、木槌で打ち具などを打ちつけるようにします。


バネホック穴

『本体』と『バネホック支え』に、ポンチを使用して穴をあけます。『本体』は2か所、『バネホック支え』は1か所に穴をあけます。

カシメ穴

『キーリング土台』にカシメ穴をあけます。キーリングを止めるためのあななので、キーリングの穴の位置に合わせポンチで穴をあけます。

縫う穴

糸を通すための穴を、ひし目打ちであけていきます。ステッチンググルーバーで掘った溝に沿って、3つの部品すべてに穴をあけていきます。

革細工レザークラフト革製品の作り方⑥

バネホック取り付け

『作り方⑤』で穴あけ処理が完了したら、バネホックを取り付けていきます。『バネホック支え』がある方に凹を取り付け、反対側に凸を取り付けます。『バネホック支え』は先に両面テープまたはボンドなど固定します。必ず打ち台を下に引いてから取り付けましょう。

キーリング取り付け

『キーリング土台』にカシメ穴をあけたら、キーリングをカシメを使用し土台に取り付けます。したに打ち台を引き、カシメ打ちで固定していきます。

革細工レザークラフト革製品の作り方⑦

革製品を縫う

加工作業も大詰め。初心者にとっても一番大がかりな作業となる、縫う作業です。縫たラインの良し悪しで革製品の出来栄えが変わるので、丁寧に縫うようにしましょう。

やり方①

糸にロウを引き、針に糸を通します。縫い方は『平縫い』で縫って行きます。スタート位置とゴールの位置は折り返し縫いをおこない、糸を抜けにくくします。縫い始める前に、『キーリング土台』を本体にボンドなどで貼り付けます。

やり方②

縫い作業で気を付ける点は『キーリン土台』や、『バネホック支え』のように本体に重ね合わせている場合は、糸がほつれ易く弱い部分となるります。端の部分を二重に縫い頑丈にします。

やり方③

ボンドなどで貼り付けても、端の方などはボンドが行き届かず張り付いていない場合が多くあります。そういった箇所は縫い合わせると同時に、目打を使い隙間にボンドを塗布していくとはがれ難く、頑丈な革製品となります。

革細工レザークラフト革製品の作り方⑧

仕上げ処理

手作り作業の最終工程となります。仕上げ処理を行い、出来栄えをよりよく仕上げましょう。

みみをそろえる

『キーリング土台』と『本体』を縫い合わせると若干高さが合わず、デコボコとなっています。見た目も悪いため、カッターや革包丁で高さを整えます。同じように縫い合わせた『キーリング支え』側も、カッターや革包丁でみみをそろえ見栄えを整えます。

コバ磨き

毛羽立っているヘリにトコノールを塗りスリッカーで磨いていきます。コバ磨きをしていると、銀面に余分なトコノールが付いてしまい汚れてしまうことがあります。銀面に余分なトコノールが付かないよう、綿棒やティッシュなどで拭き取りながら、丁寧に磨き完成となります。

まとめ

初心者の内は何かと失敗が多いかもしれません。しかし、作品を一つ二つと作るうちにだんだんとコツをつかみ、あれも作ってみたい、これも作ってみたいと創作意欲が湧いてきます。初心者でも慣れているひとでも大事なのは、丁寧な処理を心掛けることです。

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