革細工を始めてみよう!
手作りすることで、加工する工程を楽しめますが、やはりどこにもないオリジナルの作品と手作りの暖かさいう点おいては既製品には出すことができません。
初心者は「何から始めれば…」と迷われるでしょう。そんな初心者に、基本的なやり方、型の作り方から縫い方、仕上げまでの一連のやり方、作り方と始めるにあたり初心者に必要となる道具を紹介します。
革細工レザークラフト基本のやり方・作り方①型を作る
革製品を加工するに当たり、まず何を作るのかを決めなければ何もはじまりません。初心者はいきなり財布などの大きな革製品を加工するのは大変なので、慣れるためにまずはキーケースなどの小物の革製品を加工することをおすすめします。
加工する革製品を決めたら次に型を作ります。この型が、革製品の出来栄えを左右する大事なものとなります。型紙を購入したりしますが、慣れれば手作りで型紙をつくることができます。
型紙を購入
革細工、レザークラフトを扱うショップに大抵、置いてあることが多いです。逆にこの型紙から、作成する革製品を決めるのも一つの手です。
厚紙などで作成
製図をするようなもので敷居が高いと思いがちですが、初心者でも小物程度であれば思っているほど難易度は高くありません。一からの手作りを目指したい、自分の思い通りのオリジナリティーの革製品を作成したい人におすすめです。
CADで作成
フリーソフトのCADを使って型紙を作成します。初心者には敷居が高いですが、一度やり方を覚えてしまえば正確できれいな型紙を作ることができます。
革細工レザークラフト基本のやり方・作り方②革を選ぶ
作るものを決めたら、次は一番重要となる材料『革』を選びます。なぜはじめに『革』を選ばないの?と疑問をもった方もいるかと思います。先に革を選んでもよいのですが、型を作り革の必要量を把握しておけば『素材が足りない…』と言った事態を防げます!
革の材料は、色や種類もさまざまな材料が存在します。色、厚さ、革の種類と作製する革製品によって選択する『革』が変わってきます。
牛革
古くから革製品に利用され、一番ポピュラーな材料の一つ。鞄や靴、家具などさまざまなものに加工され流通量がもっとも多いです。既製品で販売されている革製品のほとんどが牛革で作られています。
豚革
日本で自給できる材料。軽く,通気性が良く,磨耗に強いと言われさわり心地がなめらかです。スエード生地として使われることも多いです。
ワニ革
クロコダイルが有名で、背中とお腹で違ったうろこ模様となっており、それぞれ背ワニ、腹ワニ(肚ワニ)と呼ばれています。ベルト、時計バンド、サイフ、バックなどに使われる高級な材料です。
羊革
ゴートスキンとキッドスキンがあります。ゴートスキンの革は薄いが強度に優れ緻密な繊維をもち、柔らかいが丈夫で型くずれしにくい。キッドスキンはゴートスキンに比べてさらに薄くて軽い材料です。
馬革
採取量は少ないですが、お尻から取れるコードバンは高級材料となります。コードバンは空気も水も通さないほど繊維が緻密で硬く光沢が美しいくランドセルに使われる材料として有名です。
革選びに迷ったら
紹介した以外に革の種類は豊富で、さらには革の厚みまであるので初心者は何を使えばよいか迷うでしょう。初心者には手に入れやすい牛革で、厚みがあり過ぎると加工が大変なので厚みは1mm~1.5mm程度をおすすめします。もちろん色は自由です!
革細工レザークラフト基本のやり方・作り方③型を写す、切る
一番重要となる材料の革を選んだ次は、②で作成した型を革から切り出します。失敗が許されない部分でドキドキしますが、これも手作りの醍醐味の一つですね。
革の表麺を銀面と呼び、型を写す場合は傷付けないないように注意しながら作業します。型を写す場合はボールペンで書いてしまうと、あとがが残ってしまい仕上がりに影響します。けがきや銀ペンなど、なるべくあとが残らない方法、道具を使うようにしましょう。
型を写し終えたら、革を切っていきます。型を取った線の外側に沿って丁寧に切って行きます。革を切る場合は、はさみではなく、カッターナイフや革包丁を使用すると切りやすいです。
革細工レザークラフト基本のやり方・作り方④下処理
革を切り出した次は、さっそく穴あけ…と行きたいところですが、その前に、仕上がりをきれいにするため、ひと手間下処理を加えます。ひと手間下処理をするだけで驚く程、仕上がりが変わってきます。作業全体に言えますが、作業する場合は銀面を傷付けないように意識して作業をしましょう。
裏面の毛羽立ちを抑えたり、切り端の角ばった部分を整え見栄えをよくします。
床を整える
革の裏面は、そのままだと毛羽立っていることが多いので、トコノールなどの床を整える材料を使い毛羽立ちを抑えます。ヘラなどを使い均一になじませます。
ヘリを落とす
角ばっていると、見た目がよくないためヘリを落とし丸みを帯びさせ見た目を整えます。
革細工レザークラフト基本のやり方・作り方⑤縫う穴をあける
下処理が終わった後は、縫う穴を空けていきます。ミシンで縫う場合は穴あけは必要ないですが、ボタンフックやコンチョなどを取り付ける場合は穴をあける必要があります。
ミシンで縫う場合は必要ないですが、手で縫う場合は必須となります。何ミリ間隔で縫うのか自分の好みによって幅の調整が可能です。ひしめ打ちを木槌で打ち、穴をあけます。
革細工レザークラフト基本のやり方・作り方⑥縫う方法
縫う穴をあけたあとは、縫う穴ににそって縫っていきます。手作りの加工の中で一番時間がかかる作業。縫い糸のラインがきれいであれば、革製品の見栄えがよくなります。
切った革の部品をつなぎ合わせるために縫うことが必須となってきます。曲がったりズレたりしないよう、きれいなラインで縫うようにしましょう。
ミシンで縫う
最近の家庭用ミシンであれば革を縫うのも問題ありません。ただし、ミシンの押さえが滑ったり、針が曲がったり折れたりするので一工夫必要になります。家庭用ミシンを使用する場合は、硬い針と、滑らないように注意しましょう。革の厚みは重ねて4mm程度までぐらいでしょう。
手で縫う
糸の種類はいろいろありますが、基本の縫い方は同じです。二本の針を使い、表面からと裏面からクロスするような『平縫い』と呼ばれる縫い方を使用します。
手縫いの手順
ロウ引きをされていない麻糸を使った手順を紹介します。他の糸の場合は、ロウ引きが不要だったり、糸の始末が異なる場合があります。
①糸の切り出し
糸は縫う距離の3~4倍程度の長さに切ります。なぜ3~4倍なのか?それは表面、裏面と両方から縫っていくのことと、始まりと終わりに折り返し縫いを行うため余裕をもたせるため長めに糸を用意します。糸の両端をカッターの背などですいて細くし、針穴に入りやすくします。
②ロウ引き
糸をそのまま使うと毛羽立っているため、縫っているときに通しにくかったり、摩擦により摩耗したりと糸を痛めしまいます。ロウ引きをすることで、毛羽立ち抑え滑らかに糸を通しやすくまた糸の保護にも役立ちます。
③糸通し
ロウ引き後、針穴に糸を通し、糸の末端部分の中ほどに2回糸に針を通します。針に糸を通した後に、針穴側に糸を引っ張ります。こうすることで、糸が針から抜けにくくなります。
④縫いはじめ
縫い進めは必ず表となる面から縫うようにします。三番目の穴に表面から針を通し、表側と裏側で同じ長さになるようにします。
⑤平縫い
表面の二番目穴に針を通し、糸を少し残した状態にします。裏面にし、表側から通した糸は、進行方向と逆方向へ寄せ、裏側から通す針はこの隙間に針を通します。
ここで意識したいのが、ひし形の『角』となっている方へ糸を寄せ隙間を作ります。最後に両方の糸を均一に引っ張り糸を締めます。これを繰り返します。
⑥折り返し縫い
端まできたら、折り返して縫い進めます。折り返し縫いをすることにより糸が抜けにくく、革製品が丈夫になります。縫い方は変わらないので、『角』を意識して平縫いで縫います。
⑦縫いおわり(糸の始末)
最後まで縫い終わったら縫いはじめ同様、二~三目まで折り返し縫いをします。三目まで折り返したら表面三目から四目へ斜めに目打ちで穴をあけ貫通させ糸を通し、裏面の糸をギリギリで切り完了。最後にボンドなどでとめます。
ワンポイント
ミシンでも、手で縫う場合も縫い終わった後に、ローラーやハンマーなどで軽くたたき糸を馴染ませるときれいな仕上がりとなります。
革細工レザークラフト基本のやり方・作り方⑦仕上げ処理
手作りの大詰め作業。革製品を縫い終わった後は、仕上げ処理をして完成となります。仕上げ処理をするとしないのとでは革製品の見栄えがまったくもって異なります。
みみをそろえる
革と革を張り合わせ、または縫い合わせた場合、ほとんどが切り端がそろっていないでしょう。そういった場合は同じ高さなどに整えてあげる必要があります。やり方はカッターナイフまたは革包丁で整えます。人によっては、まめカンナを使う方もいます。この作業を『みみをそろえる』といいます。
コバ磨き
コバとは革製品の切り端のことをいい、このコバ磨きによって革製品の見栄え、完成度が大きく左右されます。床を整えるでも出てきたトコノールなどを塗布し、スリッカーを使用しコバを磨いていきます。
革細工レザークラフトに必要な基本の道具・10アイテム
①針
手縫い針
普通の針は刺しやすいように先端がとがっていますが、レザークラフト用の針は革製品などを傷つけないように先端が丸くなっています。あらかじめ穴が空いてるので、先が丸い方が利点が多いのです。革ひもを通す専用の針もあります。
ミシン針
革製品用のミシン針があります。革製品用でも曲がったり折れたりするこはあるので、普段より硬いまたは厚手の革製品を扱う場合は、革製品用のミシン針よりもさらに硬いミシン針を使用することをおすすめします。
②糸、ロウ
麻糸
値段も安く、初心者にも扱いやすいレザークラフト、革細工の縫い糸としてポピュラーな材料。ロウ引きされた状態で販売されれいる物もあります。
ポリエステル・ナイロン糸
ビニモやシニュー糸などがあります。見えない部分であれば糸の始末をボンドではなく、ライターなどの火であぶり溶かして止めることも可能です。
ロウ
糸をロウ引きすることで、糸の毛羽立ちを抑え、縫う際に摩擦や抵抗を抑え滑りやすくします。
③革包丁
レザークラフト、革細工専用の革を切るための道具。包丁と言うだけあって、さびないように、切れ味を出すために砥いだりと初心者には少々メンテナンスが大変だが、カッターナイフに比べ革を加工するための切れ味は抜群。少し値は張るが持っていて損のない一品。
④ビニール板
ビニール板またはビニプライと呼ばれ、革の切り出し加工の際に下敷きとして使用する道具。これにより、机やテーブルなどの周りが傷つかずにすみます。ビニール板の特徴としては柔軟性があり、革包丁やカッターナイフの刃先を痛めることなく使用できます。
⑤木槌
ひしめ打ちなどの穴あけ加工または刻印の作業時に使用する道具。ハンマーなどではひしめ打ちなどを痛めしまうことがあります。木槌を使用することで、ひしめ打ちなどの打ち具を傷めることなく使用することができます。
⑥目打
ひし目打
穴をあけるために必要な道具。1本目~6本目とあり、長い直線では6本目、カーブでは2本目と場所により使い分けます。商品により穴の幅、穴と穴の間隔が異なるため、作成する革製品で使い分ける必要があります。
目打
印付けや穴あけ、縫い目をほどくいたり、ボンドを塗布したりとあると便利な道具です。あると便利な一品です。
⑦ゴム板
ひし目打ちなどの穴あけ加工作業時に下敷きして使用します。ゴム板を使用することで、ひし目打ちなどの刃先を痛めることを減少させ、机やテーブルなどの周りが傷つかずにすみます。また、ゴム版の下にフェルトを引くと消音対策になります。
⑧ヘリ落とし
革を切った後に、角ばっている部分を処理する道具です。この処理をするとしないとでは、革製品の見栄えがまったくと言ってよいほど違ってきます。革を加工するにあたり、必須となる道具です。
⑨ステッチンググルーバー
革製品の縫い目にあらかじめ溝を掘り、糸が溝に収まりやすくする道具です。糸が溝に収まることで、すれなどによる糸切れを防ぐことができます。また、糸が溝に収まることで見栄えがよくなります。
⑩スリッカー
スリッカーまたはへりみがきと呼ばれ、革製品のコバを磨く道具。コバとはコバ磨きで説明した通り、革製品の切り端のことを指し、コバの仕上がりが革製品を大きく左右するのでしっかりと磨きましょう。材質や、木の種類などさまざまなスリッカーが存在します。
まとめ
道具は背伸びをして一気にそろえるよりも、必要に応じてそろえてるのがよいかと思います。何かで代用して作ることも一つの手であり、またそこが手作りの楽しみでもあるかもしれません。
一つの製品が出来れば『あれもこれも作ってみたい!』となって来ます。作る楽しみ、道具を集める楽しみ両方を楽しんでください。
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