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秋の登山に必要な装備は?用意すべきチェックリストと荷物選びのコツを解説!

秋の登山に必要な装備はおそろいですか?暑い夏もようやく終わり、登山にもよい季節となりました。しかし街中とは違う山の気候。秋の登山には必要不可欠な装備があります。服装は?小物は?そんなあなたのために、秋登山に必要な装備を詳しくご紹介します。
2020年8月27日
川口 貴史
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秋の登山を楽しむために

燃えるような紅葉が見たい!というのが秋の登山の目的の1つです。四季に渡って様々な表情を見せてくれる山々。その中でも、紅葉に色づいた山の魅力は筆舌には尽くし難いものです。そんな秋の登山を快適に、かつ安全に楽しむためには装備リストを作成・チェックする必要があります。

秋の登山の気候

秋の山登りを楽しむために、まず気を付けなければならないのが気候、そして服装です。山中の気温は標高が100m上がるごとに0.6度下がると言われています。そのため麓の市街地と山頂の気温が、6度〜8度以上差がある山もあります。市街地では過ごしやすい秋の気候であっても、山頂ではすでに冬、ということを踏まえて服装を選びましょう。日帰り登山であっても天気予報が晴れでも「防寒着」と「レインウェア」は必需品です。

秋の登山に必要な装備チェックリスト

まずはこちらのチェックリストをご覧ください。基本的な装備をリストにまとめてあります。必需品の中でお持ちでなければ、山登りに出かける前に用意しておきましょう。

装備リストチェック表 ◎必需品 △あると便利
品名   品名  
登山靴 救急用品
レインウェア メタルマッチ・多機能ナイフ
ザック エマージェンシーシート
防寒着 地図・コンパス
着替え トレッキングポール
食料・水 アイゼン
非常食 ヘッドライト
クッカー 時計
ストーブ ウェットティッシュ
スマートフォン ジップロック
モバイルバッテリー 洗面用具

秋の登山に必要な装備1 登山靴

これがなくては山登りは始まりません。登山装備の基本です。重い荷物を背負い、岩場や木の根で荒れた登山道を歩くわけですから、足元を守ってくれる登山靴は必需品です。軽トレッキングシューズから本格的なアルパインシューズまで種類が様々で、あなたの目的にあった登山靴を選びましょう。

1−1 登山靴の選び方

登山靴は実際に足を入れて歩かないと分かりません。なるべく種類が豊富に揃っている登山用品店に足を運びましょう。サービスの行き届いた良い登山用品店では、足のサイズ測定から目的地にあった登山靴の提案まで、親身に相談に乗ってくれます。

1−2 サイズ選びの基本チェックポイント

登山用品店にはたいてい、登山靴の試し履き用の斜面が用意されています。そこを実際に歩きながら以下の点に注意しましょう。

1−2−1 つま先が自由に動かせるか

つま先が自由に動かせるかチェックしましょう。動かせないと小さいです。多大なストレスがかかりますので、ワンサイズ大きめを選びましょう。

1−2−2 踵は合っているか

踵が大きすぎると、靴の中で左右に足がブレます。大きすぎても小さすぎてもいけません。ぴったり合った違和感のないものを選びましょう。

1−2−3 土踏まずが合っているか

土踏まずも大事なチェックポイントです。土踏まずが合っていないと靴の中で足が前後にブレます。特に下りで足が前にずれてしまっては、指先を傷める原因になります。

秋の登山に必要な装備2 雨具

天気予報が晴れでも、局地的に天候が荒れることは山中ではよくありますので、レインウェア含め服装は要チェックです。秋の涼しい気候の中、雨具がなかったために体を濡らしては低体温症の危険があります。また夏山でも低体温症に陥る危険がありますので、荷物が増えても雨具は1年を通しての必需品です。

2−1 レインウェアの選び方

山登りで一番おすすめなのは、パンツとジャケットに別れた上下セパレートのレインウェアです。素材をチェックし、防水透湿素材であるGORE-TEX (ゴアテックス)製のものを選びましょう。優れた耐水圧をもち、雨の侵入を防ぎ汗による蒸れは外に逃してくれます。同時に服装選びも吸湿速乾素材を選べば、雨でも肌を乾いた状態に保てます。上下セパレートのレインウェアの特徴は、なんと言っても両手があき行動を妨げないことです。強風にあおられても裾がばたついたりせず、快適に歩くことができます。

2−2 傘

最も手軽な雨具が傘です。低山かつ安全な遊歩道がある山では、傘があると便利です。トレッキング用の傘なら軽量で強度も十分です。装備の1つとして検討しましょう。ただし、片手が塞がったり木々にひっかかったり、危険な場合もあります。やはり上下セパレートのレインウェアの方が安心して行動できます。

秋の登山に必要な装備3 ザック

登山靴、レインウェア、ザックを山登りの三種の神器と呼んだりします。山登りに必要な重たい荷物を全て背負い行動しますから、ザックの良し悪しは疲労に直結します。山登りに出かける時、誰もが靴のフィット感は慎重に合わせますがザックはどうでしょうか?靴のサイズ合わせのように、ザックも慎重に選ぶことが大切です。

3−1 ザックの選び方


さてザックを選ぶ時の最初の問題が、何リットルのザックを選ぶかです。極端な例えですが、テント泊の縦走登山に使うような60リットルクラスのザックを日帰り登山で使えば、荷室ががら空きで使いくくストレスを感じるでしょう。目的の登山に合わせて容量を選ぶことが大切です。秋の登山では防寒着の荷物が増えますから、日帰り登山では25リットル前後。山小屋利用で30〜40リットル前後。テント泊ではそれ以上の容量が必要です。

3−2 背面長に合わせて選ぶ

服装のサイズが多少合わなくても大した問題ではありません。ですがザックのサイズはきっちり合わせましょう。背中や肩にかかる負担を、腰にうまく分散させるのがザックの役割です。そこで最も大切な基本ポイントが背面長を合わせることです。これによってウエストベルトの位置が決まり、ベストな位置であれば実際の荷物の重量より軽く感じます。実際に背負ってみないと分かりませんので、信頼できる登山用品店で相談してみましょう。

秋の登山に必要な装備4 服装

冬に向かって徐々に気温が下がり始める秋の山。最も気をつけるべきことは服装です。麓では暑くもなく寒くもない。しかし山登り中は夏のように汗をかき、休憩した途端に寒くなるなど体温調節が難しい時期でもあります。春夏に比べてどうしても荷物が増えますが、安全に快適に楽しむために、レイヤリング(重ね着)で対応するのが基本です。

4−1 ベースレイヤーの選び方

服装選びはまずベースレイヤーから。肌に接する部分で基本的に、よくある綿の肌着は選んではいけません。汗が乾かずに、汗冷えによる低体温症に陥る可能性があります。速乾機能のついたTシャツなど、汗を素早く吸収・拡散する高機能ウェアを選ぶのが鉄則です。

4−2 ミドルレイヤーの選び方

とくに秋登山の服装で大切なのが、防寒着にあたるミドルレイヤーです。汗を外に放出しながらも、保温性が求められます。秋の服装はミドルレイヤーを羽織った状態で行動することが多くなります。通気性と保温性を兼ね備えたフリースやパーカー、トレッキングシャツなどを選びましょう。山頂での休憩時にコンパクトに収納できるダウンがあると便利です。

4−3 アウターレイヤーの選び方

雨や風、さらには雪から体を守るのがアウターレイヤーです。防水性はもちろん汗を逃す浸透性や堅牢性もチェックしましょう。秋の登山では先述したゴアテックスのレインウェアがおすすめです。たとえ雨が降らなくても、ウィンドシェルや防寒着として活用できますので必ず装備リストに加えておきましょう。

4−4 基本はこまめに着る・脱ぐ

登りや休憩時の温度差を服装でうまく調整する基本は、暑さや寒さを我慢しないことです。山登りでは面倒でも暑ければ脱ぐ、寒ければ着るを繰り返しましょう。余計な汗をかかずにすみ、体力の消耗を防げます。

秋の登山に必要な装備5 スマートフォン

最近ではスマートフォンの電波状況もよくなり、山中でも繋がる場所が増えてきました。登山中に電話として使うことは少ないでしょうけど、満たんに充電されたスマートフォンは必需品です。万が一事故や遭難にあった場合、電波があれば救助を要請できます。必ず用意しましょう。また登山中は機内モードに設定しておくことで、充電を温存できます。

5−1 モバイルバッテリー

スマートフォンの充電が心配なら、モバイルバッテリーがあると便利です。小型で大容量のものやソーラー充電可能なモデルもありますので、装備リストに加えておきましょう。

5−1−1 保護ケース

防水でないスマートフォンの場合、防水ケースがあると便利です。汗や突然の雨での故障を防げます。耐衝撃ケースであればもし落下させてしまっても、故障のリスクを減らせます。

秋の登山に必要な装備6 地図

熟練者やガイドさんと一緒の登山でも地図は必需品です。特に低山登山の場合、登山道とは違う農作業用の仕事道や、地図にはない分岐がある場合が多いです。事前に地図を確認した上で、現在地と先のルートを予測しながら進みましょう。

6−1 スマートフォンアプリ

最近では登山地図アプリが充実しており、電波がなくても使えるアプリや無料で使えるアプリもあります。地図が読めなくても、アプリが現在地やルートを教えてくれます。必ずダウンロードしておきましょう。おすすめは昭文社の「山と高原地図 アプリ」と「ジオグラフィカ」です。

6−1−1 山と高原地図

出典: http://mapple-on.jp/products/yamachizu/

山と高原地図は50年以上の実績がある登山地図の有料アプリ版です。登山道の表示以外にも、周辺施設の案内や水場の案内、ポイント間の平均タイムの案内もあります。主に山登りの計画を立てる際におすすめです。

6−1−2 ジオグラフィカ

出典: http://geographica.biz/

無料で使える地図アプリで、国土地院の地形図を表示できます。登山地図には記載されていない細かなルートも表示できるので、登山中のルート確認はこちらがおすすめです。


6−2 紙の地図とコンパス

スマートフォンアプリの欠点は、充電が切れたり壊れたりすると使えないことです。紙地図をバックアップとして用意しておきましょう。おすすめは昭文社の「山と高原地図」で、コンパスはシルバ社の「No.3」です。地図を使う上で最低限、「整地」をマスターしておきましょう。整地とは今自分の向いてる方向と地図の方向を合わせること。カーナビをイメージして貰えばわかりやすいです。

秋の登山に必要な装備7 緊急用具

万が一の事故や怪我に備え、緊急用具は必需品です。怪我の応急手当のキットや小型の多機能ナイフなどを装備リストに加えておきましょう。また登山用具の修理用にガムテープや針金があると便利です。

7−1 ファーストエイドキット(救急用品)

救急用品も必需品の1つです。これからの山登りで予想される怪我、事故に対応できるものを選びましょう。簡単なものだとバンドエイドやガーゼ、包帯、三角巾などです。市販のファーストエイドキットもありますが、キットの中には自分で使いこなせないものが含まれていることがありますので、自分で内容を選んだ方が無難です。健康保険証も忘れずに。

7−2 メタルマッチと多機能ナイフ

水に濡れても使える金属製のマッチと、小型の多機能ナイフがあると便利です。メタルマッチはストーブの着火に使えますし、ナイフはガーゼを切ったり食料の封を開けるのに使えます。緊急時にはメタルマッチと多機能ナイフで焚き火を起こすことも可能。あまり出番はないかもしれませんが、お守りがわりにザックに用意しておきましょう。

7−3 エマージェンシーシート

アルミニウムを蒸着した薄型のシートです。シートにくるまれば、輻射熱の効果で体温の約70パーセントを保温できます。万が一山中で動けなくなった場合、エマージェンシーシートがあれば低体温症のリスクを下げられます。コンパクトでかさばる物ではないので、装備リストに加えておきましょう。

秋の登山に必要な装備8 食料

山登りでは想像以上にカロリーを消費します。体重65kgの男性が5時間行動した場合、約1600キロカロリー消費する計算です。食料の用意をおろそかにすれば山中で行動不能に陥ることもあるので、念入りに用意しましょう。山小屋や売店が山頂にある山は限られていますので、基本は自分で背負っていきます。食料は飲み物と他に、通常の食料、行動食、非常食に分けて考えます。

8−1 食料の選び方

食事用の基本的な食料です。日帰り登山で一番簡単に済ませるには、お弁当や、お湯とカップラーメンを持参することです。その他調理の必要のないパンなどもおすすめです。クッカーを持参する場合は荷物が増えますが、山頂での調理も可能。暖かい山飯がいただけます。軽量なクッカーとフリーズドライの軽量な食料を選べば、体への負担も少なくなります。また含まれるカロリーもチェックしておき、エネルギー切れを回避しましょう。

8−2 行動食の選び方

通常の食料とは別に行動食も必需品です。登山で消費するカロリーは大きく、補給しながら行動しないとエネルギー不足になります。歩きながら、または小休憩の時にさっと食べられるものを用意しましょう。具体的には荷物にならないミックスナッツやエネジーバー、スポーツ羊羹などカロリーが高く、コンパクトな食料が適しています。

8−3 非常食

非常用の食料です。基本的に下山するまで手をつけてはいけません。登山では何が起こるかわかりませんから、フリーズドライのコンパクトな食料を1食分、板チョコレートを1枚など用意しておけば、非常時に安心です。

8−4 水

まずは登山の予定ルートに水場があるかチェックしておきましょう。もし途中で補給できなければ、全て背負っていくことになります。4時間の行動で最低1リットルは用意しておきましょう。調理に使う場合はその分も必要です。

秋の登山に必要な装備9 クッカー

涼しい秋の山登り、暖かい食事をいただけるのは本当に幸せです。荷物が増えますが余裕があれば、クッカーを装備リストに加えて山飯を楽しみましょう。アウトドア用のコンロ(ストーブ)と、目的にあったクッカーの選び方をご紹介します。

9−1 ストーブの選び方

最も手軽に使えるのはガスカートリッジのストーブです。着火も燃料の運搬も簡単で安全です。火加減の調整がしやすく、調理にも向いています。唯一の難点が飛行機にガスカートリッジを持ち込めないことです。登山口周辺でカートリッジを入手しなければなりません。もし海外登山やカートリッジが手に入りにくい土地での登山では、ガソリンストーブがおすすめです。使い方はやや難しいですが、燃料は世界中で手に入ります。

9−2 クッカーの選び方

主にアルミ製とチタン製の2種類があります。とにかく軽量なのはチタン製クッカーで、フリーズドライを戻すお湯沸かしに使うなら、チタン製がおすすめです。ただし熱伝導率が悪く調理には不向きです。例えば米やスープを煮炊きするのであれば、熱伝導率の良いアルミ製クッカーがおすすめです。チタンよりは重たいですが、十分軽量です。他にはマグカップもあると便利です。

秋の登山に必要な装備10 行動用具


これから登る予定の山によっては、あると便利なのがトレッキングポールとアイゼンです。トレッキングポールを使えば足腰にかかる負担を手に分散でき、疲労を軽減できます。また雪渓を歩くときにはアイゼンが必需品です。

10−1 トレッキングポールの選び方

多くの登山者が利用しているトレッキングポール。足腰の負担軽減に威力を発揮しますが、デメリットとして使わない時は荷物が増えます。素材はカーボン製やアルミ製などがありますが、主流はアルミ製です。カーボンより若干重たくなりますが、強度に優れています。グリップの形状も2種類あり、I字グリップは腕の力を推進力に変えて、早く登りたい方向け。T字グリップは体重をかけながら1歩づつゆっくり歩く方向けです。

10−2 アイゼンの選び方

アイゼンは登山靴に装着する金属製の爪で、雪や氷の上を歩く際に使用します。登る山によって必要な場合は用意が必要。爪が4本〜6本の軽アイゼンと、10本〜12本爪のアイゼンがあります。本格的な雪山にはアイゼンが必需品ですが、秋の登山で雪渓を歩く程度や低山であれば、軽アイゼンで大丈夫です。登山靴によって取り付け方が違いますから、登山靴を店頭に持参して選びましょう。

秋の登山に必要な装備11 小物

山登りにあると便利な小物をまとめました。どれもコンパクトで荷物にならないので、基本的に装備リストに加えておきましょう。この中でもヘッドライトと予備電池は必需品です。

11−1 ヘッドライト

秋の登山の注意点として日の入り時間が早くなることがあります。基本は15時までには下山、または宿泊地に到着することで、それ以降はどんどん暗くなっていきます。予定より行動が遅れた時のために、ヘッドランプを装備に加えましょう。予備電池の用意も忘れずに。

11−2 時計

スマートフォンでも時間の確認はできますが、やはり時計があると便利です。登山用時計は防水はもちろん、高度計やコンパスを装備したモデルもありますので、使いこなせれば頼もしい味方になってくれます。おすすめはアナログ時計。アナログ時計の方が、視覚的に行動時間の確認がしやすいからです。

11−3 ウェットティッシュ

使い終わったクッカーやカップは山中では洗えません。そこであると便利なのがウェットティッシュ。ウェットティッシュで汚れを拭き取れば、清潔さを保てます。また怪我をした時に傷口の汚れを落とすためにも使えます。

11−4 ジップロック

大きさの違うジップロックを装備に加えておけば、様々な用途に使えます。簡易防水パックとして。食料の小分けに。ゴミ袋の代わりにも使えます。スマートフォンの防水カバー代わりにもいいですね。

11−5 洗面用具

下山後の温泉や一泊以上の山登りで必要です。なるべくかさ張らず最小限のセットだけ持ちましょう。また歯磨き粉は口をゆすぐのにたくさんの水が必要です。水が限られた山中で歯を磨く場合、歯磨き粉は使わないようにしましょう。

安心・安全に登山を楽しむ

秋の登山に必要な装備をご紹介してきました。以外と多いと思われるかも知れませんね。ですが安全・安心に登山を楽しむためには必要な装備なのです。秋の登山の前に、もう一度あなたの装備を見直してみてはいかがでしょうか。

登山の服装が気になる方はこちらもチェック!