ARC160mini15A
Menbornプラスチック溶接機
はじめに
DIYでアイアン製品など、いろいろな物を作ったり組み立てている方々にとって、いつかは購入したいと考えている工具の1つといえば、溶接機です。今回は、素人がDIYで使っても活躍してくれる、おすすめの溶接機を10個紹介します。
溶接機とは何なのか、溶接機の種類や溶接機の選び方も、素人・初心者にもわかりやすく説明しますので、これから溶接機の購入を検討している方々におすすめの記事です。
DIYでも使える溶接機とは
溶接に使用する機械
溶接機とは、溶接に使用する専用の機械のことです。独立した金属同士の一部分を溶かして接触させることを、溶接と言いますが、そのために使用する機械が、溶接機に当たります。
工業用品の製造などで、必ず必要な機械の1つです。金属の溶接に使用しますが、具体的には、鉄(鉄骨や鉄板)やステンレスなどを溶接することができます。
いろいろ種類がある
上記で紹介したように、鉄やステンレスなどの金属を溶かして繋ぎ合わせる時に、使用する機械を溶接機と呼びますが、いろいろと種類があります。溶接機の種類の分け方は、どのようにして金属を溶かすのかということです。
鉄やステンレスを溶かす方法はいくつかあります。それゆえ溶接機の種類も、その溶かし方の数だけ存在するというように考えると、わかりやすいでしょう。溶接機の種類を理解すれば、素人卒業です。
車のスポット増しにも使う
自動車に限って言えば、スポット増しというボディ補強は溶接で行われるので、溶接機が必要となります。もともと車のボティは溶接されているのですが、それに加えてスポット増しをすることで、ボディ剛性を高めることができるのです。
溶接自体が難しい作業のため、簡単な作業ではありませんが、経験を積んで適切な方法で、DIYでもこのような溶接もできるのです。まさに溶接機は、DIYの神様になります。
扱い方に注意も必要
便利な溶接機ですが、使い方を間違うと重大事故を起こしかねません。そのため、正しいやり方や正しい格好など、ルールを守って使用することが大切です。
DIYでも使える溶接機の種類その1
アーク溶接機
溶接の種類その1は、アーク溶接機です。電気放電で溶接する電気溶接にあたるアーク溶接というものがありますが、アーク溶接機は、そのために使う種類の溶接機になります。
溶接にもいろいろ種類がありますが、その中でもアーク溶接は、最も一般的と言われている溶接です。アーク溶接は車に施される溶接であり、家具などにも使われていたりと、私たちの生活の中でも実は見えないだけで、数多くある身近なものともいえます。
アーク溶接機の使い方
自宅でも工場でも、アーク溶接機を使用する際には溶接機に加えて、アーク溶接棒という部品が必要になります。このアーク溶接棒を、鉄やステンレスといった溶接したい金属に接触させると、アーク(放電)が発生するという仕組みです。
アーク溶接棒だけでは溶接することはできません、溶接棒を溶接機についているトーチに接続する必要があります。
コンパクトかつ安いけれど難しい
アーク溶接機は、溶接機の中でも簡単でわかりやすい構造・使い方で、なおかつ価格も安い、予算内でDIYを楽しむためにはうってつけの溶接機なのです。
しかし、廉価で購入しやすい割には操作が難しく、初心者には溶接棒の扱いが難しいとも言われています。とはいえ、初めて溶接をする際には、どの操作も慣れが必要になるのも事実です。
溶接機の種類その2
半自動溶接機
溶接機の種類その2は、半自動溶接機です。アーク溶接よりも優れている、かつ簡単と言われている半自動溶接に使用する専用の溶接機になります。
半自動溶接機が、アーク溶接機よりも優れていて、簡単と言われる理由は、溶接に必要なワイヤーを自動供給できることや、スイッチ操作で溶接を行えることです。半自動溶接機の半自動とは、ここから由来しています。
溶接速度も速い
半自動溶接機も、さまざまな分野で使用されていますが、半自動溶接は、溶接にかかる時間が早いことでも知られているのです。効率性に優れた溶接機ともいえます。作業速度を速くでき、素人でも簡単に溶接できるという点では、初心者向きの溶接機です。
このように初心者におすすめできますが、綺麗な溶接をしたいのであれば、他種類の溶接機を使ったほうがよいと言われることがあります。
溶接機の種類その3
TIG溶接機
溶接機の種類その3は、TIG溶接機です。TIG溶接機はいくつか種類のある溶接の中でも、特に仕上がりのよい溶接をすることができる、TIG溶接をするための溶接機になります。
TIG溶接では、スパッタと呼ばれる金属片が、溶接によって発生しないため、仕上がりレベルを高くすることができるのです。溶接機作動中の静寂性に優れていることも、売りの1つになります。
アーク光がタングステンから発生する
TIG溶接機の基本的な仕組みは、他の溶接機と同じように、金属を溶かして接続することですから。理解することは簡単です。TIG溶接機の場合には、トーチ先端部分にタングステンが取り付けられているのですが、タングステンからアーク光が発せられます。
アーク溶接機での溶接加工時には、溶接棒が使用するたびに溶けて消耗することに対し、こちらはタングステンが溶けないことも特徴です。溶接加工時には、アルゴンガスが放出されて、溶接加工精度を高めています。
DIYで溶接機を使うための準備
作業スペースの確保
DIYで溶接機を使うためには、溶接加工の作業スペース確保が必須です。生業にしている場合とは違って、素人だとしても、溶接機を配置できるだけのスペースを持つこと、作業性を高めることおよび安全確保のためにも、作業スペースを十分に確保しましょう。
可能であれば、溶接をするためだけの何もない簡易空間を用意できると理想的です。
安全装備
自宅でも仕事場でも、プロ・素人かかわらず、溶接機を使用する際には安全装備も必要になります。水分や油分を含んでいない長袖・長ズボンを着る・履くこと、安全靴を履くこと、安全帽をかぶるようにしましょう。
電気溶接であれば、溶接時の放電の光から目を守るために、フィルター付きの溶接用保護面や、革手袋の装着も必須となります。溶接の種類ごとに必要な安全装備に違いがある場合もあるので、その都度確認するようにしましょう。
DIYで使う溶接機の選び方
選び方①:溶接する金属を基準にする選び方
DIYで使う溶接機の選び方の1つが、溶接する金属を基準にする選び方です。溶接機の種類ごとに、溶接加工に向き・不向きな金属があります。例えば、アーク溶接の中でも、消耗電極式(電極材料がアーク熱によって消耗するタイプのこと)に当たる被覆アーク溶接機を使った溶接なら、軟鋼の鉄が溶接に向いた材質です。
交流TIG溶接機(アルゴン)は、アルミやマグネシウムの溶接に適しています。
選び方②:スペック基準の選び方
選び方①で紹介したことからも察することができるように、溶接機のスペックを確認することも大切な選び方です。
被覆アーク溶接機と半自動溶接機は、どちらも同じような種類の鉄の溶接加工に適していますが、スパッタ―の量や操作方法、溶接に使う消耗品(溶接棒かワイヤーかということ)に違いがあり、その違いだけスペックが変化します。
そのスペックを確認して、予算を決めて購入すると良いでしょう。
DIYで溶接機を使う時の注意点
安全に気を付ける
溶接機を使って溶接するときには、安全に気を付けましょう。雨天の日に作業したりすると、感電してしまう可能性があります。溶接時に発生する溶接光という光は、紫外線を含んでいて目にもよくないのです。フィルター付き溶接用保護面を使う、その他にも服装などに注意して準備しましょう。
溶接棒の直径を選ぶ
溶接する板の厚さに応じて、溶接棒の直径を選ぶ必要があります。目安としては、溶接棒直径の倍の厚さまでが、溶接できる最大の厚さです。反対に薄すぎるとうまくいかないので、溶接棒直径のマイナス0.2落ちくらいの厚さまでなら、溶接加工できると考えておきましょう。
DIYでおすすめの溶接機その1
スズキッド(SUZUKID) ホームアークナビプラス 60Hz専用
SKH-42NP
DIYでおすすめの溶接機その1は、スズキッド(SUZUKID) ホームアークナビプラス 60Hz専用です。スズキッドは、溶接機のメーカーでも有名どころの1つになります。電圧100Vで使用する家庭用溶接機で、自宅で簡易的な溶接設備を整えるなら、チェックしたい溶接機です。鉄もステンレスも溶接できます。
簡易的使用におすすめ
1万円で購入できるという点では、価格的メリットが強い溶接機です。とはいえ交流のアーク溶接機ですから、簡易的な溶接加工をするために使用するというように、割り切って購入すると後悔しないでしょう。
素人だけど、自宅にとりあえず溶接機を置きたいという場合にはおすすめです。地域に合わせて、60Hz(ヘルツ)用と50Hz用のどちらかを購入するようにしてください。
DIYでおすすめの溶接機その2
スズキッド アイマックス60
SIM-60
DIYでおすすめの溶接機その2は、スズキッド アイマックス60です。こちらもスズキッドが製造・販売する溶接機になります。価格も19,000円で、同社と先ほどの溶接機よりも高めです。
直流インバータ溶接機で、質量5.5kgと軽量、定格一次電圧100Vの電流15Aで、家庭用コンセントに対応しているので、自宅で鉄やステンレスの簡易溶接加工などで使える便利な溶接機となっています。
使用率は20%
このインバータ溶接機の使用率は、20%となっています。使用率だけ見ればどの自宅向け溶接機でもありそうなスペックですが、使用率オーバー防止機能というものが搭載されていることで、インバータ溶接機内部の焼き付き対策がされているのです。
50/60Hz共用となっているので、全国津々浦々どこででも利用できる点もポイントとなっています。まさに自宅で鉄やステンレスを溶接したい素人向けといったところです。
DIYでおすすめの溶接機その3
RILAND 直流インバータ溶接機 ARC160mini
ARC160mini15A
DIYでおすすめの溶接機その3は、RILAND 直流インバータ溶接機 ARC160miniです。インバータ直流アーク溶接機で、200Vと100Vどちらでも使用することができます。
自宅で使用する家庭向けアーク溶接機として、簡易的な作業に使用することができ、場合によっては200Vの環境でも利用することができるので、加工のバラエティに富んでいるともいえる溶接機です。
使用率は高め
使用率は、100Vで使用時に40%となっています。これまでに紹介したDIY向けおすすめ溶接機を参考にしても、自宅用で使用率40%という数値は、非常に高い部類です。これなら、比較的簡単に作業を進めることができます。DIY素人から、200Vで溶接したい方にもおすすめできる溶接機です。
DIYでおすすめの溶接機その4
育良精機 アークファン IS-H40BF
IS-H40BF
DIYでおすすめの溶接機その4は、育良精機 アークファン IS-H40BFです。これまで紹介した溶接機の中でも、最も安い部類に入る価格帯で、その価格は7,660円となっています。交流アーク溶接機となっていて、アーク溶接機ですので、鉄とステンレスどちらも溶接可能です。
簡易的・簡単なDIY作業向け
使用率10%が示しているように、この溶接機は簡易的・簡単なDIY作業向けでは使えても、高い次元の溶接をすることができるスペックを備えていないことは明らかです。自宅で少し簡単・簡易的な溶接に取り組んでみたいという方にとっては、価格も安いので着手しやすい溶接機としておすすめします。
DIYでおすすめの溶接機その5
Menborn プラスチック溶接機
Menbornプラスチック溶接機
素早く発熱する溶接機をお探しの方には、こちらのアイテムがおすすめ。1~3秒以内に発熱し、素早くDIYを楽しむことができます。
4種類のホットステープルズが付属しているため、用途に合わせて付け替えることが可能です。ただし、こちらの溶接機はプラスチックや樹脂専用のものとなっているため、使用する際は注意してください。
プラスチック溶接機が欲しいならおすすめ
こちらの溶接機のおすすめポイントは、片手で操作できるという点です。プラスチック製の溶接機となっており、手軽に使えるのが魅力ポイントとなっています。
また、価格は7000円程度と手に取りやすいのが特徴的。初めて溶接機を購入するという方は、ぜひこちらの溶接機から挑戦してみてはどうでしょうか。
DIYでおすすめの溶接機その6
スズキッド(SUZUKID) ハイアップトランス SHU-20D
SHU-20D
DIYでおすすめの溶接機その6は、スズキッド(SUZUKID) ハイアップトランス SHU-20Dです。こちらは溶接機ではなく、溶接機と合わせて使用する昇圧機と呼ばれるものになります。昇圧機を使用することのメリットは、溶接機の電圧を高くすることで、溶接時の完成度を高めることです。
昇圧機にもいろいろある
昇圧機にも。簡易タイプや普通タイプなどいろいろありますので、購入の際にはどのタイプが自分にとって最適かを、事前に調べるようにしましょう。素人でも持っていると溶接を簡単にできるようになるアイテムです。
まとめ
素人だけど鉄やステンレスを溶接したいと思ったら、DIYでも使える溶接機を購入してみましょう。難しい点もありますが、自分に合ったレベルでできる簡易的なものや、鉄やステンレスなど材料に合ったものを選んで、溶接機を選んでください。
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