新富士バーナー パワートーチ RZ-820S
TRUSCO 竹ヨージ 240 真鍮 TB-1008-40
TRUSCO(トラスコ) 銀ロウ棒 0.8X500mm
新富士バーナー リン銅ロウ RZ-112
新富士バーナー フラックス RZ-200 銀ロウ用
新富士バーナー RZ-111
ロウ付けとは?
ロウ付けとはどんな溶接方法なのか?
ロウ付けというのは、溶接の一種です。溶接というと、バチバチと火花を散らしたりしている電気溶接が頭に思い浮かびますが、ロウ付けは、ガスバーナーやトーチを使ったガスを使う溶接になります。ロウと呼ばれる低温度で溶ける合金を接着剤のように使って、金属同士を接合するのに使われます!
「ぬれ」と呼ばれる現象を使ったやり方
ロウ付けというのは、溶接する母材(素材)の上を溶けたロウが伝っていく「ぬれ」という現象を使っています。テーブルの上に水をこぼすと広がっていきますよね?ロウ付けでは、それが金属で起きていると考えてみてください。ぬれが綺麗に起きるには、金属表面の酸化皮膜や汚れがないことが条件となります!
どのようなことに使われるの?
ロウ付けは、同種の金属や異なる金属の接合に使われます。小さなものですと、シルバーアクセサリーやパイプの接合など、大きなものですと、奈良の大仏などがロウ付けによって作られています!ロウ付けは接合の強度が強いので、古い時代から伝わる技術ですが、現代では、工業技術からDIYの一端として親しまれています!
はんだ付けとはどう違うのか?
はんだ付けとロウ付け
はんだ付けとロウ付けは、非常によく似ていますが、一体なにが違うのでしょうか?両者とも共通しているのは「はんだ」と「ロウ」を溶かして金属同士を接合することですが、実はこの溶かす金属が両者を分けるポイントになっています!
接合材の溶解温度の違い
「はんだ」と「ロウ」の違いですが、この二つは加熱した際に、液相(液体)になる温度が違います。はんだは450℃以下で液相になりますが、ロウは450℃以上で液相になります。つまり、はんだ付けとロウ付けの違いとは、接合に使う金属の溶解温度が違うということなのです!
RZ-840
接合の強度
はんだ付けよりもロウ付けの方が、素材同士の接合強度が上です。はんだ自体の強度もあるのですが、より強い熱によって溶けるロウの方が、固着後は金属同士が強く接合されます!
加熱する道具の違い
ほかの違いは加熱する道具が違うことでしょう。はんだ付けには「はんだごて」を使いますが、ロウ付けは「ガスバーナー(ガストーチ)」などを使用します。それぞれ加熱をする道具ですが、加熱する温度が違うために、適切なものを使うようになっています。
ロウ付けに必要なもの!
耐熱レンガとセラミックボード
ロウ付けする際には、ガスバーナーなどで加熱する必要がありますが、小さなものなどは、耐熱レンガやセラミックボードの上に置いて加熱します。通常のレンガなどは、熱に弱く加熱すると割れてしまうので危険です!
できれば、耐熱レンガやセラミックボードで、小さな囲いも作ってあげると、熱が余計なところへ広がらないので、火事などの心配も少なくなります!
RZ-400
ガスバーナー(ガストーチ)
ロウ付けに使うロウを溶かすには、ガスバーナー(ガストーチ)が最適です。家庭用のガスバーナーは、ガスボンベを交換することで使える気軽なものとなっています。種類も多いので、自分のやり方に合ったものを選ぶのが最適です。
新富士バーナー パワートーチ RZ-820S
つかみ
小さなアクセサリーなどを加熱する際には、固定するための道具が必要となります。ガスバーナーから吹き出る炎は、結構勢いがあるので、軽い物だと吹き飛んでしまいます!固定には、格安のクリップを使い捨てたり、専用のつかみなどを使いましょう!加熱された母材は非常に高温なので、床に落ちると大変危険です!
GPAL-175
真鍮・ワイヤーブラシ
ロウ付けした後のフラックスや汚れを取り除くのに使います。一番いいのは、素材を傷つけることのない真鍮ブラシですが、いくつかの種類のワイヤーブラシを買っておくと、ロウ付けしたものに合わせて使えるので便利です!
TRUSCO 竹ヨージ 240 真鍮 TB-1008-40
ロウ付けの要「ロウ材」とフラックス
ロウ付けに使われる「ロウ」ですが、接着する金属によっていくつかの種類を使い分けます。
銀ロウ
銀、銅、亜鉛が混ざったロウです。ロウ付けのロウとしては、これが一番使われます。アルミニウムとマグネシウムのロウ付け以外は、この銀ロウがあれば問題ないでしょう。ロウ付けした後の色は銀色となります。
棒型の他に板型、ペーストなどの種類があります。初心者の方は、まずこの銀ロウを使って練習をしてから、本番のロウ付けをしたほうがよいでしょう!
TRUSCO(トラスコ) 銀ロウ棒 0.8X500mm
銅・真鍮ロウ
銅・黄銅ろうは、銅と亜鉛が混ざったロウです。それぞれ銅と真鍮の色なので、銅や真鍮の製品での、同種金属でのロウ付けに使われます。色は違ってしまいますが、鉄などとの異種金属のロウ付けも問題なくできます。
リン銅ロウ
リン銅ロウは、銅と5から8%のリンが混ざったロウです。銅管のロウ付けに使われることが殆どです。ロウ付けは、フラックスというロウ付け促進材が必要なのですが、このリン銅ロウは、リンの還元作用があるので、単体で使うことができます!
新富士バーナー リン銅ロウ RZ-112
アルミろう
ロウ付けの中でも、アルミだけは難易度が高く、専用のロウが販売されています。アルミ専用なので、他のロウ付けには使用しないほうがいいでしょう。色はアルミと同色の銀色です。近年では、フラックス不要のロウが販売されていて、アルミのロウ付けのレベルも下がっているようです。
新富士バーナー RZ-111
一般的なフラックス
フラックスというのは、ロウ付けの「ぬれ」を効果的に促すための促進剤です。金属表面の酸化皮膜を除去して、金属同士が接合しやすくなるのを補助します。
これがないと、ガスバーナーなどの熱で金属の表面が酸化してしまうので、ロウ付けができません。ロウ付け後には、しっかりと洗い流さないとサビの原因になりますので、しっかりと取り除きましょう!ペースト状のものや液体状のものが一般的です!
新富士バーナー フラックス RZ-200 銀ロウ用
アルミ用フラックス
アルミのロウ付け専用のフラックスです。アルミは表面が酸化皮膜で常に覆われているので、より強いフラックスでの酸化防止が必要です。専用のフラックスを使っても接合が難しい上に、接合後のフラックスの除去が難しいので、近年では、フラックスを使わない方法のロウ付けができるようになってきています。
RZ-201
ロウ付けのやり方!
母材の固定など下準備
それでは、ロウ付けのやり方を紹介していきましょう!まずは溶接する母材を固定します。小さいものであれば、つかみなどで持つ方法もいいですが、固定したほうが両手があくので、作業のしやすさは違いますね。固定する際には、母材の表面にある酸化防止面を、サンドペーパーなどでならして置くと成功率が上がります!
フラックスの添加
固定ができたら、フラックスを母材の接合場所に添加します。フラックスが多すぎてもロウが流れすぎてしまうし、少ないとロウが流れないので程々につけましょう。気持ち多めに付けると、ちょうどよいかもしれませんね!
母材の加熱!
いよいよロウ付けの本番!ガスバーナーなどを使って加熱をします。母材とフラックスを中心に、ガスバーナーの青い火が当たるよう加熱してください。ガスバーナーの最高温度が出る部分は、外側の炎ではなく中心の方です!
加熱をし続けていくと、フラックスの水分がなくなって固形化してきます。それでも、加熱はやめずにしばらく加熱し続けると、再度フラックスが溶け始めます!
ロウ棒を差し込む!
フラックスが再び溶けて、母材の加熱もよくなったら、ロウを差し込みます!ロウが流れ込んだら、ガスバーナーでロウを重点的に加熱して、満遍なく広がるようにします。
ロウが足りなかったら、追加をしても問題ありませんが、加熱のしすぎで母材を溶かしてしまわないように注意しましょう! 特にアルミのロウ付けでは接合がうまくいかないで、長時間作業するために、母材を溶かしてしまったということをよく聞きます。
フラックスの除去!
ロウ付けができたら、母材が冷めないうちに、お湯などで洗いながらフラックスを除去しましょう!母材はまだ熱いので、やけどには気をつけてください。フラックスの除去が不十分だと、溶接部分が錆びてしまいます。フラックスの除去には、真鍮などのワイヤーブラシでこすり落とすとよいです!
ロウ付けのまとめ!
ロウ付けのやり方やはんだ付けとの違いは、お分かりいただけたでしょうか!はんだ付けよりも強度の出るロウ付けで、DIYがより安全に楽しめるといいですね! 取り扱いの注意も十分に必要ですが、作業の幅が広がるので、今までできなかったことにも、チャレンジしてみてください!