車のバッテリーの寿命
車のバッテリーが寿命を迎える兆候
車のバッテリーが寿命を迎えると、車のエンジンがかかりにくくなり、最終的には車が動かなくなります。しかし車のエンジンがかからなくなるのは、バッテリーの劣化以外にもエンジンの故障やガソリン切れが原因ということもありますよね。
バッテリーが劣化したせいでエンジンがかからないときは、セルモーターの音がいつもより小さくなんだか気だるそうな音になるという特徴があります。ただ実はバッテリーの劣化のせいでエンジンがかからなくなるまでには、バッテリーの劣化の兆候や電圧低下などあらゆる症状が出ているので、きちんと気づいて対応しておけばバッテリーのトラブルで慌てることはなくなります。
バッテリーの寿命とバッテリー上がり
バッテリーが原因となって車のエンジンがかからなくなると一口に言っても、実はさまざまな原因があります。今回ご紹介するバッテリーの劣化による寿命もあれば、充電不足等によるバッテリー上がりなども考えられます。ここの大きな違いは、バッテリー上がりの場合は充電すれば車は始動し、運転中に充電して正常な状態に戻りますが、バッテリーが寿命を迎えている場合は充電しても正常な状態には戻らないということです。
車に詳しい方ならバッテリーが不調に陥ってもきちんと対応ができますが、あまり車に詳しくない方は普段からバッテリーの劣化の兆候などに気を配ったり、きちんと点検を受けるのがおすすめですよ。
車のバッテリー交換の目安1.保証期間
車のバッテリーにはメーカーが定めた保証期間がある
バッテリーには保証期間があるのをご存知ですか。保証期間はバッテリーのメーカーや種類により多少異なりますが、大抵の場合「購入日からの期間」もしくは「車に取付したときからの走行距離」によって定められています。購入日からの期間は、24~36ヶ月が多く、栗真に取付したときからの走行距離は30,000~40,000kmに設定されていることが多いようです。
バッテリーの保証期間は寿命の目安
バッテリーの保証期間中はバッテリーが故障しても無償で交換してもらえます。ただバッテリーの保証期間には保証以外にも別の意味があり、保証期間を過ぎたバッテリーの使用は控えた方がよいという交換時期の目安になっています。
走行距離が少ない方などはもったいないからと換え時であってもバッテリー交換を拒否する方も多いようですが、保証期間を過ぎて何かあってもすべて自己責任になってしまいます。車のバッテリーは高額化する傾向にありますが、トラブルや事故の原因を避けるためにも、保証期間が残りわずかになったら、バッテリーの交換を検討しましょう。
車のバッテリー交換の目安2.エンジンの始動が悪い
車のエンジンのかかりが悪いと寿命かも?
いつも通り車のエンジンをかけたのに、一発でかからないときがあります。実はこの症状はバッテリーの劣化を示す一番わかりやすい症状だと言われています。エンジンがすぐにかからないからと、セルモーターを回し続けることも実は非常に危険です。最悪の場合配線が高温で溶けてしまい、修理に時間も費用もかかってしまうこともあるので、素人の判断でエンジンをかけようと頑張るのはやめておきましょう。
車のエンジンのかかりが悪くなったときは点検へ
車のエンジンのかかりが悪い気がすると思ったら、バッテリーの劣化を疑ってガソリンスタンドやディーラー、整備工場などで点検してもらいましょう。プロの目で換え時かどうか判断してもらい、バッテリーの寿命だと言われたらの速やかにバッテリーの交換をしましょう。
車のバッテリー交換の目安3.ライトが暗い
車のライトが暗いのはバッテリーの寿命が近いから
バッテリーの寿命が近づくと、ヘッドランプが暗くなってきます。最近増えてきた白いヘッドランプ(HID)の場合はバッテリーの寿命と明るさは関係ありませんが、黄色っぽいヘッドランプ(ハロゲン)の場合はバッテリーの寿命が短くなると徐々にぼんやりと明るさが失われていきます。
どうしてバッテリーの寿命とライトの明るさが関係するのか
実はバッテリーの寿命間近でもライトの明るさが変わるなんてありえない!という声もあります。しかし型式が古い軽自動車などではよくあった症状なのです。特にその症状が顕著に表れるのが停車中です。停車中はライトを点けるための電力はバッテリーが補います。しかしバッテリーが交換時期間の場合は供給電力が不足し、弱々しいライトの明かりになってしまうのです。
そのため、走行を始めるとライトが明るくなったような気がすることもあります。バッテリーのせいでヘッドランプが暗くなるのはすでに換え時を迎えている証拠です。速やかにバッテリーを交換してあげてくださいね。
車のバッテリー交換の目安4.エコ機能が使えない
アイドリングストップ機能搭載車はバッテリーの寿命が短い
最近主流になっているアイドリングストップ機能搭載の車は、実はバッテリーの寿命が短いと言われています。アイドリングストップ機能を使用していない場合は、エンジンをかけるのは運転し始めたときだけです。
しかしアイドリングストップ機能をしていると、1度の走行で何度もエンジンをかけなければなりません。バッテリー電圧をもっとも多く使用するのはエンジンをかけたとき、つまりアイドリングストップ機能を使用している間、バッテリーはアイドリングストップ機能を使用していない車より酷使されているのです。
アイドリングストップ機能が使えなくなったらバッテリーの換え時
そんなバッテリーを酷使しているアイドリングストップ機能ですから、バッテリーが弱るとアイドリングストップ機能自体が使えないようにするプログラミングが組み込まれています。アイドリングストップ中にバッテリーが寿命を迎えてエンジンの再始動ができなくなると大変です。そのため、エアコンをフル稼働させていなくてもアイドリングストップ機能が使えないときは、バッテリーの電圧不足を疑い、バッテリーの交換時期かも…と疑ってみてもよいでしょう。
車のバッテリー交換の目安5.電圧の低下
寿命が近いバッテリーは電圧が低くなる
車のバッテリーの電圧は、ガソリンスタンドやディーラー、整備工場などでチェックしてもらえます。エンジンの始動やライトの明るさなどのバッテリーの劣化の兆候よりも明確に数字が出るので、バッテリーの換え時の判断に役立ちますよ。
バッテリーの電圧の目安
バッテリーの測定は3回行い、一番低い電圧の数値でバッテリーの交換時期を判断します。ガソリン車の場合は電圧が9.6V以上は正常ですが、電圧が9.0V以上9.5V未満は注意、9.0V未満はバッテリーの換え時という判断になります。ハイブリッド車の場合は、電圧が12.5V以上は正常ですが、電圧が12.0V以上12.5V未満は要注意、12.0V未満のときはバッテリーの換え時ということになります。
車のバッテリー交換の目安6.比重の悪化
比重が悪いバッテリーは寿命間近
バッテリーの比重も、車のバッテリー交換時期を判断するための材料になります。比重とは、バッテリー液の密度を示す指標で、バッテリーのフル充電状態は1.28です。適切に充電が行われていれば、1.25~1.28ですが、1.25に満たない場合は注意が必要です。1.20を下回った場合はバッテリーの寿命ということになりバッテリー交換をすることになります。また、逆に1.28を上回ると過充電などの危険性があるため交換が必要になる場合もあります。
メンテナンスフリーバッテリーの場合
メンテナンスフリーバッテリーの場合は比重の測定ができません。しかし、代わりに比重を確認できるインジケーターがついているものも多いので、メンテナンスフリーバッテリーの場合はそちらで確認し、バッテリーの交換時期の判断に役立てましょう。
比重の確認はプロに任せるのが無難
車のバッテリーの比重を確認できるキットが販売されていますが、バッテリー液は希硫酸という硫酸の中まで、危険な液体です。そのため皮膚に付着すると危険です。服や手袋などに付着しただけでも、生地が破けるくらいなので、バッテリーの比重の確認はできればきちんとした整備士に依頼しましょう。
車のバッテリー交換の目安7.液の変色
バッテリー液の大幅な減少はバッテリーを劣化させる
バッテリーの容器には、「LOWER LEVEL」「UPPER LEVEL」という表記があります。これはそれぞれ「下限」「上限」を示していて、バッテリー液が下限を大きく下回っているとバッテリーが劣化してしまっている可能性が高いです。
バッテリー液の変色は寿命間近の兆候
バッテリー液は通常無色透明な液体です。しかし、バッテリーが寿命間近になると極板が劣化し、ボロボロと液中にはがれ落ちるという症状が出ます。はがれ落ちた極板はバッテリー液を濁らせ、バッテリーの容器の内側を汚します。そのため、バッテリー液が変色していたら、そろそろバッテリーの交換時期だと判断し対応が必要になります。
車のバッテリー交換の目安8.使用年数
車のバッテリーの経年劣化は防げない
上述の症状や、バッテリーが寿命間近だという兆候が全くない場合でも、バッテリーは確実に劣化していっています。ほとんど車を動かさなかったり、バッテリーがきれいでも、装着から4年以上経ったバッテリーは事故やトラブル予防のためにも交換しておくことをおすすめします。
車のバッテリーにも個性がある
ただ、バッテリーにも個性があり、「8年間バッテリー交換をしなくても十分走れた」「5年目で車を買い替えたけど、バッテリー交換をしたことがない」といった声を聞くこともあります。そういった声を耳にしたことがある人は、バッテリーが寿命間近だという兆候があっても「バッテリー交換はしません」とプロのアドバイスを無視し、断固として交換しないこともあるそうですよ。
しかしバッテリーの寿命を無視して使い続けて車の他の部位への影響が出て、「高額な修理費用が掛かってしまった。バッテリーの交換を早めにしておけばよかった…」という声も聞くので、バッテリーの交換をすすめられた際はしっかりと状況を聞き、適切な判断ができるようにしておきましょう。
車のバッテリーチェックはこまめに行いましょう
車のバッテリーの性能は日々向上しており、バッテリー上がりなどのトラブルも以前よりはかなり減ってきています。ただ、寿命を迎えたバッテリーは、性能ではカバーしきれません。バッテリーの寿命で車が立ち往生してしまえば事故を招く危険性もあります。ガソリンスタンド等では無料でバッテリーチェックをしてくれるキャンペーンを行っていることもあります。そういったものを賢く利用しながら車のバッテリーチェックをこまめに行い、トラブルを未然に防げるようにしておきましょう。
バッテリーが気になる方はこちらもチェック!
バッテリーの寿命はまだでも、バッテリーが上がって困ってしまうこともありますよね。バッテリー上がりは、もう1台車があればバッテリーを充電し、対処することができるので基本的な情報は抑えておくといいですよ。また、バイク用バッテリーの交換時期は車のバッテリーの交換時期とは異なるため、バイクも持っている方はバイク用のバッテリーについての知識も持っておくと安心ですね。
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