手洗い洗濯のやり方やコツを知りたい!
手洗い洗濯のやり方がわからない人は多い
「おばあさんは川へ洗濯へ」昔話で有名なワンフレーズです。洗濯機のなかった昔の人は、すべて手洗いで洗濯していましたが、最近ではコインランドリーもあり、洗濯機が自宅になくても必要がなければ手洗い洗濯する機会は減り、その方法を知らない人も増えています。
手洗い洗濯のやり方はひとつじゃない
洗濯機が故障したり、洗濯機では洗えない服を買ったけどクリーニングに出さずに家で洗濯したい。手洗い洗濯の必要がでてきたけれど、いざやろうとしたとき手洗い洗濯の方法がわからないことも。手洗い洗濯とひとくちに言っても、その方法はひとつではありません。迷った時に役に立つ、手洗い洗濯の方法を種類別にお教えします。
手洗い洗濯の必要性
服の洗濯タグに注目
家で洗濯をするとき、どんなものに対して手洗い洗濯をしなければいけないのか考えていきましょう。基本的に、洗濯機で洗濯できない服とは「デリケートな扱いを必要とする服」です。それを判断する目安として、洗濯タグに「手洗い」表示しかない服がこれにあたります。
天然素材の服は縮む
綿やウールなどの天然素材は、基本的に洗濯機で洗うことで「縮み」ます。編み物をされている人の中にはご存知の人も多いと思いますが、ウール100%の素材は、よほどの粗悪品でない限り一度「縮絨」という行程を経ているので、洗濯しても基本的にはあまり縮みません(まったく縮まないわけではない)。それでも、洗濯機では繊維への刺激が強すぎて、手洗いを必要とするものも少なくありません。
機械の摩擦でフェルト化
それでも、洗濯機などの機械による繊維の強い摩擦を続けると、だんだんと「フェルト化」してきてしまいます。天然素材の縮みを防ぐためには、繊維に余計な負担をかけずに、汚れだけを落とす手洗いが向いています。
洗濯物が少ない
手洗いの必要性として、洗濯機を回す電気代の節約や水の節約があります。よく、下着はお風呂に入りながら手洗いするという人も多いですね。また、一人暮らしの男性もコインランドリー代の節約に手洗いするという人もいるでしょう。洗濯物が少ないから洗濯機がもったいない。それも手洗いの理由のひとつとして考えられます。
その他の手洗いの必要性
その他、手洗いの必要がある服の例として
1.赤や青、黒などの濃い色の服。(他の服への「色移り」を防止するために、手洗いを推奨)
2.洗濯機では落ちない泥汚れのついた服。(汚れやシミに対してピンポイントで強く洗う必要がある)
3.薄物の服なため、機械で洗うことで破れてしまう心配がある服。(機械では判断できないデリケートな扱いが必要)
などがあげられます。
手洗い洗濯に必要な道具
水・お湯
手洗いをするには、基本的には2つの道具があれば十分です。水とそれを入れて服を洗うための容器です。水で洗うのかお湯で洗うのかは、材質や汚れの種類によります。これも洗濯タグに水温指定があるものは、その温度の水を使うようにしましょう。
たらい・バケツ
洗面台に水を張って手洗い洗濯をすることもできますが、漬け置き洗いを必要とする洗濯ものであれば、ながい間洗面所を占拠してしまい、必要なときに使えないということも。たらいやバケツ、風呂桶でも良いので、洗濯水がためられる容器を用意しましょう。
手洗い洗濯にあるとよいもの
手洗い用洗剤
ソネット ウォッシュリキッド ウール・シルク用
洗剤については、固形の洗濯石鹸、洗濯機で使う粉末や液体洗剤を手洗いで使うこともできます。しかし、洗濯機にかけられないようなデリケートな繊維の服に対しては、手洗い用の洗剤を用意すると失敗の確率が減り、服を長持ちさせてくれたり、衣類の色落ちを抑えてくれたりもします。頻繁に家で手洗いしたい服に関しては、専用の手洗い洗剤を用意しておきたいですね。
洗濯板
手洗いといっても、優しく洗うだけではありません。しつこい汚れをゴシゴシ落とすのにも手洗いは重宝します。そんなときに役に立つのが洗濯板。手でこするだけでなく、凹凸のある洗濯板があると少ない力で効果的に、頑固な汚れを落とすことができます。汚れ物の多い子供のいる家庭では、ひとつあると重宝するでしょう。洗濯機に入れる前の「予備洗い」にも使えます。
ブラシなど
Fabakira ランドリーブラシ
大切な服についてしまったシミ落とし、小さな範囲の頑固な汚れ落としにあると便利なのがブラシです。一部分だけ漂白剤を使用したいときにも、小さなブラシがあると作業がしやすいのでおすすめです。
手洗い洗濯のやり方種類
洗い方種類はたくさんある
手洗いというと、どんなイメージでしょうか。洗濯ものを両手でもってゴシゴシする感じですか?それは、手もみ洗いという洗い方です。これは洗濯機でも洗えるけれど量が少ないから手洗いするなどの丈夫な繊維の服に対して有効な洗い方です。そのほかに、手洗いの洗い方の種類には、「押し洗い」、「たたき洗い」、「つけおき洗い」、「つかみ洗い」、「こすり洗い」があります。
汚れの具合や繊維によって方法を変えよう
意外と多い手洗いのやり方の種類に驚かれた人もいるのではないでしょうか。それだけやり方があるということは、それぞれに向く繊維の種類や汚れの種類があるということです。それでは、それぞれの手洗いの洗い方のコツと使う場面を以下で詳しく解説していきましょう。
手洗い洗濯のやり方別方法とコツ①手もみ洗い
汚れがひどい時に使う「手もみ洗い」
洗濯板や手でゴシゴシと揉むように強く洗うのが「手もみ洗い」です。襟首の汚れの首輪や、子供のユニフォームの泥がまじった汚れなど、洗濯機で回しただけでは綺麗に落ちない部分を洗うときに用いる手洗いのやり方です。手もみ洗いとは、読んで字のごとく、手でもむようにして繊維の中の汚れを押し出す洗い方です。
手もみ洗いは丈夫な繊維の洗濯方法
手もみ洗いは、汚れのひどいものにおこなう手洗いの方法なので、薄手のデリケートな繊維の服には使うことができません。普通~厚手の綿素材、ジャージなどの化繊のニット類などの洗濯方法となります。化繊のニットでも、ものによっては型崩れしてしまう可能性もあります。ニットに関しては、様子を見ながら「伸びに注意する」という前提でおこなうことが出来るということを、忘れないでおいてください。
手もみ洗いの方法
手もみ洗いの方法
1.バケツやたらいに、水とそれに適した量の洗剤を入れて洗濯液をつくる。
2.洗濯物を1に入れて浸水する。(予備洗いの場合は汚れている部分付近のみでも可)
3.汚れを落としたい部分付近を両手持って、強くもむようにして服の汚れを押し出すような気持ちで洗います。
手洗い洗濯のやり方別方法とコツ②押し洗い
手洗い洗濯の基本の洗い方「押し洗い」
手もみ洗いと並んで、手洗いの洗濯方法として基本的な洗い方が「押し洗い」です。押し洗いも、文字の通り押して汚れを繊維からはがすようにして洗う洗い方。手もみ洗いよりもデリケートな扱いが必要な服に対して用いる洗濯方法です。
セーターなどに効果的な方法
デリケートな服といってもいろいろ種類がありますね。押し洗いが有効な服として、セーターなどのニット類があります。洗濯機を使うことによって型崩れしてしまう「伸びやすい素材の服」に対して、伸び防止しながら汚れを落とす洗い方が「押し洗い」です。
押し洗いの方法
押し洗いの方法
1.洗面器などの容器に水と素材に適した分量の洗剤を薄めた洗濯液を作ります。(洗剤のパッケージを参照ください)
2.洗う服などがすべて洗濯液に浸るように、畳んでおきます。
3.1の液に2の洗濯ものを入れ浸水します。すべて洗濯液に浸かるようにしましょう。
4.両方の手のひらで押して、離してを繰り返して、洗濯物から汚れを押し出すようなイメージで洗っていきます。
*ウールなどの洗濯には、洗い方のほかにも注意する点がありますので、手洗いのすすぎ項目もご参照ください。
手洗い洗濯のやり方別方法とコツ③たたき洗い
シミを落とすときの洗い方「たたき洗い」
洗剤や漂白剤をブラシなどにつけて、たたくようにおこなうのが「たたき洗い」です。たたき洗いというと、洗濯物を振り上げて叩きつけて洗うと誤解されている方もいますが、洗濯物を叩きつけるのではなく、ブラシを軽く叩きつけることを差す洗い方がたたき洗いです。
こすれない服におこなうやり方
たたき洗いはどのようなときにおこないかというと、手もみ洗いのような荒っぽい扱いができないデリケート服についてしまった頑固な汚れやシミを落とす洗い方です。押し洗いでは落ちないような汚れに対しておこないます。たたき洗いという名前がついていますが、デリケートな繊維に対しておこなう手洗い方法なので、あくまでも、やさしく、そっと叩くという感じでおこなってください。
たたき洗いの方法
たたき洗いの方法
1.水を入れた容器を用意します。(たたき洗いは、一般的には洗濯液を使いません)
2.たたき洗いをしたい洗濯物を、1に浸けて浸水します。
3.洗濯ブラシ(なければ古い歯ブラシなどでも)に洗剤や漂白剤をつけて、汚れの部分を軽く叩くように洗っていきます。
手洗い洗濯のやり方別方法とコツ④つけこみ洗い
デリケートな服の洗濯に「つけこみ洗い」
つけこみ洗いは、押し洗いよりもさらにデリケートなものの洗濯や、洗濯しただけでは落ちそうもない汚れの、漂白剤の使用にも使われる洗い方です。デリケートな素材から、丈夫な素材まで洗えるものは様々。「つけこむ時間を変える」ことによって、洗う服の素材に対応させていくのが、つけこみ洗いの特徴です。
つけこみ洗いの方法
つけこも洗いの方法
1.たらいや洗面器に、つけこむ服に合わせた洗濯液を作ります。黄ばみとりの場合は、黄ばみ取り用の漂白剤をといた液を作ります。(液の濃さは洗剤や漂白剤のパッケージをご参照ください)
2.たらいや洗面器に、洗濯物が全て浸かるように畳んだ服を浸水させます。
3.15分~1晩程度と、汚れと洗う素材に合わせたつけこみ時間を調節します。この間は、押し洗いのように押したりしてはいけません。
*つけこみ洗いのすすぎのやり方は、すすぎの項目を参照ください。
手洗い洗濯のやり方別方法とコツ⑤つかみ洗い
セーターの部分洗いに「つかみ洗い」
つかみ洗いは、押し洗いと手もみ洗いの中間くらいの洗い方です。押し洗いでは落ちないけれど、手もみ洗いをするのは心配な洗濯物に対しておこないます。例えば、セーターの手首や襟首の汚れ、ソックスのゴムの部分の汚れなど、強く引っ張ると伸びてしまう洗濯物に使います。
ついたばかりの汚れに「つかみ洗い」
また、つかみ洗いはついてしまったばかりの汚れを落とすのにも適した洗い方です。コツは、スポンジに洗剤をつけて泡立たせるようなイメージで、つかんで離してを繰り返します。優しい洗い方なので、しっかり繊維に染み込んでしまったものだと、あまり効果がでないときもあります。デリケートな洗濯物の、ついたばかりのしみ取り方法として試してみてください。
つかみ洗いの方法
つかみ洗いの方法
1.たらいや洗面器に、水と洗剤を入れた洗濯液を作ります。(洗う素材に合わせた洗剤選び、濃度調整をしてください)
2.洗濯物の汚れを落としたい部分を1に浸けます。
3.指先で汚れ部分を挟んで離してと繰り返したり、汚れた部分が大きいときは、手のひらでつかんで離してを繰り返して、汚れを洗濯液とからめて押し出すイメージで洗っていきます。
手洗い洗濯のやり方別方法とコツ⑥こすり洗い
洗濯機でも洗えるようなものに「こすり洗い」
最後にご紹介するのが「こすり洗い」です。これは、洗濯機でも洗えるような丈夫な服。洗濯物が少量で洗濯機を回したくないなどという場合におこなう洗い方です。手でこするよりも洗濯板を使った方が、汚れが落ちやすいです。泥と脂が混じった落ちにくい汚れがついている、子供のソックスやワイシャツの襟首などの頑固な汚れに適した洗い方です。ただ、こするという性質上、毎回この洗い方をすると、Yシャツなどの薄い綿素材は繊維が擦り切れてきますので注意が必要です。
こすり洗いの方法
こすり洗いの方法
1.たらいや洗面器に、洗濯物に合った洗剤で濃さを調整した洗濯液を作ります。
2.場合によっては、洗濯板を用意します。
3.洗濯物を1の洗濯液に浸水させます。
4.洗濯板がある場合は、片手で洗濯物を掴んで板にこすりつけるように。洗濯板がない場合は、汚れを中心に両手で洗濯物をもって洗濯物の繊維をこすり合わせるようにして、汚れを繊維から押し出して洗います。
手洗い洗濯のすすぎはどうするの?
基本的に洗濯機を使わない
手洗いのやり方とコツは、以上でおわかりいただけたかと思います。洗った後はすすぎや脱水をして干すことになりますが、手洗いで洗濯したもののすすぎはどうしたらいいのか?と悩む人も多いでしょう。基本的に、手洗いで洗うように指定された洗濯物は、脱水も手でおこなうのが一般的です。(ただし、手もみ洗いやこすり洗いができるものなら、すすぎと脱水は洗濯機を用いてもOK)
洗うときと同じ
手洗いでのすすぎのやり方は、洗う時の洗剤液が水かぬるま湯に変えたものと考えてください。たとえば、押し洗いなら、脱水したあとに洗濯液を水かぬるま湯に変えて押し洗いと同じ方法を何度か繰り返してすすぎをすることになります。他の洗い方でも、すすぎに関する考え方は、同様とお考えください。また、柔軟剤の使用はすすぎの最後にするのが手洗いのコツです。
縮む素材のすすぎのコツは水温
ここで考えたいのが、手洗いしなければいけない洗濯物の中にあった「縮みやすい服」です。縮みやすい服がどうして縮むのかというと、外部からの摩擦などの刺激の他に、急激な温度の変化もあります。たとえば、水で洗ったセーターは、すすぎも水でおこないます。ぬるま湯でおこなったらすすぎの水の温度もぬるま湯程度に合わせます。せっかく手洗いしたのですから、最後のすすぎや脱水まで気を抜かず、綺麗に洗濯を済ませたいですね。
手洗い洗濯の脱水のやり方
洗濯機で脱水だけする方法
手もみ洗いやこすり洗いができるものは、脱水もすすぎも洗濯機で可能と考えてよいでしょう。他の洗い方をした洗濯物も、脱水だけは洗濯機で時間調整しておこなうことが可能です。
脱水も手でする方法
脱水も手でする場合は、よく乾いた大判のバスタオルを用意します。それに洗濯物を挟んで水分を吸い取らせます。手洗いの脱水の方法は、他の布で水分を吸い取るという方法でおこないましょう。
手洗い洗濯の注意点
ゴム手袋などを着用しよう
洗剤の成分は、手につくと手荒れの原因となります。また、こすり洗いや手もみ洗いなど、手の皮膚も一緒に洗剤をつけてこすり合わせることで、皮膚が軽い裂傷のような状態になってしまうこともあります。皮膚の弱い人にかぎらず、洗剤を利用する場合は、必ずゴム手袋などを着用して皮膚を保護し、洗濯が終わったあとはクリームなどで手の保護をおこなってください。
洗剤は適切な割合で
アリエール 洗濯洗剤 液体
洗濯物の黄ばみには、洗剤残りが原因の場合も少なくありません。また、洗剤成分は先に述べたとおり肌に良いものではありません。洗剤は濃ければよく落ちるというものでもありません。服の繊維も弱めてしまう原因にもなります。洗剤のパッケージにかかれている濃度を守って、正しい割合で洗濯液を作りましょう。
まとめ
洗う服や汚れに応じて方法を変えよう
手洗い洗濯について、その方法とコツをご紹介してきました。いかがでしたでしょうか。手洗いは大変ですが、上手におこなえばクリーニング代の節約、大切なお気に入りの服を長持ちさせることにもつながります。手洗いのやり方を知り、洗濯物にあった方法でおこないましょう。
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