ダイオードとは
何で出来ている?
ダイオードは半導体ダイオードと呼ばれ、半導体から作られています。半導体の素材としては、ゲルマニウム、シリコン(ケイ素)、ガリウムヒ素などが主な素材となっています。特に大電力が必要な場合は、シリコンが使用されています。
昔は真空管?
今日ではダイオードと言えば、通常、半導体ダイオードを指します。しかし、最初のダイオードは実は2極真空管と呼ばれる真空管でダイオードを作成していました。昔懐かし真空管ラジオや、ブラウン管テレビなど真空管を使用したダイオードが使われていたのです。
どんな使い方がある?
ダイオードは、トランジスタやICなどと同じ仲間で、能動部品と呼ばれています。電気の流れを一方方向にしたり、電圧・電流を一定に保ったり、無線信号から音声信号を取りだしたりなどさまざまな使い方があります。
種類はあるの?
ダイオードは用途に応じて、多種、多様な種類が存在しています。極性の見分け方や、代表的な種類について紹介いたします。
ダイオードの種類1:一般シリコンダイオード
単純にダイオードと言うと、シリコンダイオードを指すことが多いです。一般シリコンダイオードは、シリコン整流ダイオードを指しており、商品によっては標準と名が付く場合があります。
種類
種類としては、P型半導体とN型半導体の2つを接合した接合ダイオードの一種になります。
極性の見分け方
カソードマークがついており、マークは帯状になっているため比較的簡単に見分け方る事ができます。帯がある方がカソード(-)、その逆方向がアノード(+)になります。
用途
アナログスイッチなどの電気回路や論理回路に用いられます。
特徴
電流を一方方向へ流す特性を持っています。非常に安価で高耐圧、さらには大電流でも問題ないいるため、現在ではダイオードの主流となっています。
使い方
交流を直流に変換する整流回路として使用します。
ダイオードの種類2:ダイオードブリッジ
ダイオードを4本または6本つないダイオードを、ダイオードブリッジと呼びます。ダイオードとダイオードをつなげた形が、橋のように見えるのがダイオードブリッジの名前の由来となります。市販されているものでも問題ありませんが、自作することも可能です。
種類
シリコンダイオードをつないだものがダイオードブリッジとなるため、種類は接合ダイオードの一種になります。
極性の見分け方
極性の見分け方は、「+」、「-」と商品本体に記載されているため簡単に見分ける事が出来ます。自作する場合は、極性に気を付けて作成する必要があります。
用途
主に電気回路の用途に用いられます。
特徴
全ての波を整流する『全波整流』という特性を持っています。
使い方
使い方としては、整流用途として使われることが多く、簡単に交流から直流を生み出すことが出来ます。
ダイオードの種類3:ゲルマニウムダイオード
希少金属となるゲルマニウムを主原料としたダイオードになります。無線信号から音声信号を取り出す特性があります。
種類
種類はシリコンダイオードと同様に、接合ダイオードの一種になります。
極性の見分け方
シリコンダイオードと同様に、カソードマークがついており、帯がある方がカソード(-)、その逆方向がアノード(+)になります。
用途
AMラジオの検波、整流の用途に用います。
特徴
順方向電圧が低く、半導体が有する静電容量すなわち寄生容量が極めて小さい特性を持っています。
使い方
高周波回路に適しているため、ラジオなどの検波用として使用されています。透明なガラス管で作られていることが多く中身を直接観察することができます。そのため、ダイオードや電気回路を知る教材として使われています。作製キットとして、ゲルマニウムラジオキットが販売されてます。
ダイオードの種類4:ショットキーバリアダイオード
金属と半導体の接合によって生じる『ショットキー障壁』を利用したダイオードです。
種類
種類としては、ショットキーダイオードの一類になります。
極性の見分け方
ショットキーダイオードもシリコンダイオードと同じく、カソードマークがついており帯がある方がカソード(-)、その逆方向がアノード(+)になります。
用途
トランジスタによる論理回路など高速化すための用途に用いられます。
特徴
スイッチング特性に優れています。
使い方
高周波スイッチングを行うスイッチング、レギュレータなどに使用されます。
ダイオードの種類5:ツェナーダイオード
定電圧ダイオードまたはTVSダイオードとも呼ばれています。逆方向に電圧をかけると、一定の電圧で電気が流れる『シェナー現象』を利用したダイオードです。
種類
種類としては、接合ダイオードの一種になります。
極性の見分け方
ツェナーダイオードも、カソードマークがついておりマークのついている帯の方がカソード(-)、その逆方向がアノード(+)になります。
用途
主に定電圧回路や電気回路、静電気からICなどを守る保護デバイスの用途などに用いられます。
特徴
逆方向に電圧を加えると、電圧を一定にする(定電圧にする)特性を持っています。
使い方
ツェナーダイオードは必ずといってよいほど、抵抗と組み合わせで使用されます。ツェナーダイオードと抵抗はセットと言って過言ではないでしょう。
ダイオードの種類6:フォトダイオード
光を検出する光検出器、ようするに光などの電磁気的エネルギーを検出するセンサーとして働く半導体ダイオードです。
種類
種類としては、接合ダイオード、ショットキーダイオードなどさまざな種類があります。
極性の見分け方
種類によって2本足、4本足とまちまちです。基本的は2本足で長い方がアノード(+)となり、逆の短い方がカソード(-)になります。
用途
CDDやテレビのリモコン、光通信システムや光制御の用途に用いられます。
特徴
可視光領域から近赤外まで、幅広い範囲の光を感知、判別することができる特性を持っています。ダイオードデバイスの検出部分には光を取り込むための窓や、光ファイバーの接続部が存在します。
使い方
フォトダイオードは、パッケージの方法や種類によって特性が大きく変わってきます。身近な物では、CCDカメラやテレビのリモコンなどに使用されています。フォトダイオードは種類が豊富にあるため、用途にあったフォトダイオードを選択する必要があります。
ダイオードの種類7:定電流ダイオード
一般の接合ダイオードの種類とはまったく異なる構造を持っています。『ゲート電圧が一定ならばドレイン電流は一定』という特性を生かしたダイオードになります。英語表記の『Current Regulative Diode』の頭文字を取り『CRD』と略されます。
種類
種類は、接合ダイオードの一種となります。
極性の見分け方
他のダイオード同様で、カソードマークがついておりマークのついている帯の方がカソード(-)、その逆方向がアノード(+)になります。
用途
主にLED用回路の用途に用いられます。
特徴
電圧が変化しても、電流を一定に保つ特性を持っています。
使い方
主にLEDの輝度を安定化させるために使用されます。定電流ダイオードを使用すると、電圧の変化やLEDの順電圧変化などを受けにく回路になります。
ダイオードの種類8:スイッチングダイオード
名前の通り、回路の開閉用に作製されたダイオードです。電気的に開閉するため、機械的な接点がありません。そのため動作が非常にはやい特性を持っています。
種類
種類としては、接合ダイオーの一種になります。
極性の見分け方
極性の見分け方はカソードマークがついており、マークのついている帯の方がカソード(-)、その逆方向がアノード(+)になります。
用途
マイクロスイッチや論理回路などに用いられます。
特徴
小型で動作速度が非常に速く、寿命も長い特性を持ちます。
使い方
シリコンダイオードと抵抗を組み合わせた回路や、簡易的な論理回路などのスイッチングとし使用します。
ダイオードの種類9:ファストリカバリダイオード
数十kHzや数百kHzなどの高周波を整流する特性を持っています。高速ダイオードとも呼ばれます。
種類
種類としては、接合ダイオーの一種になります。
極性の見分け方
見分け方はカソードマークがついており、マークのついている帯の方がカソード(-)、その逆方向がアノード(+)になります。
用途
主に高圧スイッチング回路(PFC)を整流にするための用途に用いられます。
特徴
一般整流ダイオードに比べ、逆回復時間が速い特性を持ちます。高速ダイオードと呼ばれる所以は、逆回復時間が速いことから来ています。
逆回復時間?
逆回復時間とは、ON状態から完全にOFF状態となるまでにかかる時間のことです。通常OFF状態にした場合、電子は急に止まるこはできません。そのため、逆方向に一定量の電気が流れてしまい、完全にOFFとなるまで時間がかかってしまいます。
使い方
回復時間が速いためスイッチング電源や、コンバータに使われるます。
ダイオードの種類10:発光ダイオード
一度は聞いたことがある有名なダイオードですね。いわゆるLEDと言われているものが発光ダイオードになります。順方向に電圧を加えると発行するダイオードです。
種類
種類としては、接合ダイオーの一種になります。
極性の見分け方
砲弾型
フォトダイオードと同様で、2本足で長い方がアノード(+)となり、逆の短い方がカソード(-)になります。
チップ型
基盤面と接する裏面にマークが描いてあります。基本的にマークの尖った先端側がカソード(-)になり、逆方向がアノード(+)になります。
リフレクタータイプ
チップ型の一種ですが、リフレクタータイプは少し特殊になっています。本体の角に切り欠きがある側がカソード(-)になり、逆がアノード(+)になります。
用途
LED、携帯電やデジタルカメラの液晶画面のバックライトなどの用途に用いられます。
特徴
電気を効率よく光に変えることができ、消費電力が少ない特性を持ちます。LEDが蛍光灯より消費電力が少ない理由は、『電気を効率よく光に変える』特性のお蔭なのです。
使い方
テレビや携帯電話、信号機からイルミネーションまで、今日では生活の中に当たり前のように使用されています。
まとめ
いかがでしたか?代表的なダイオードを簡単に紹介させていただきました。電流や電圧を一定保つダイオードや、回路の開閉を行うダイオード、発行するダイオードなど、種類も用途もさまざまででした。ダイオードは種類が豊富なので、どの分類に属するか把握するだけでも大変です。
使用する際には
実際にダイオードを使用する際には、まず用途と種類をきちんと調べ、そして極性の方向を確認してから使用するように心がけましょう。
最後に
紹介したダイオード以外にもダイオードは豊富にあります。紹介した中でも堀下げると細かい分類が出来てしまうほど、ダイオードは豊富です。それほどダイオードとは私たちの身近にあり、また無意識に使用しており生活には欠かせない存在となっています。
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