ライラックってどんな植物?
ライラックは、モクセイ科に属する落葉小高木で、涼しい気候を好む植物で暑い夏の季節はあまり得意ではありません。日本では、北海道で多く栽培されていて、札幌市の木に選定されています。また、ヨーロッパではライラックは、街路樹としてよく利用され人々に愛されています。ライラックはガーデンで楽しむほか、花束としても人気です。ではライラックはどんな花を咲かせどんな香りをさせる植物なのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
ライラックの葉の特徴
ライラックの葉っぱは、明るいグリーン色をしています。ライラックの葉っぱの形は丸みを帯びていてハートのような形をしています。ライラックは花だけではなく葉っぱも可愛らしいです。
ライラックはどんな花を咲かせる?
ヨーロッパの人が愛してやまないライラック。実際にどんな花を咲かせるのでしょうか。花の特徴を詳しく見ていきましょう。
どんな花のつきかた?
ライラックはどんな花を咲かせるのでしょうか。ライラックの花の咲く季節は4~6月ごろです。春の季節がやってくると、ライラックは小さくとても可愛らしい花を咲かせます。ひとつひとつは小さな花ですが、たくさん集まって花がつくのでとても鮮やかです。花束にすると見事です。
どんな花色?
ライラックはどんな花色をしているのでしょうか。ライラックの花色は一般的に紫色で、色の名前としてライラック色という種類があるほど。ただし、ひとことで紫の花と言っても、その花色はさまざまで、薄い紫のものや濃い紫のもの、赤っぽい紫のもの、青い色に近いものなどの種類があります。なかには珍しい白色の花の種類も。
どんな花びら?
ライラックの花びらは一重咲きの種類と八重咲の種類があります。花びらは通常4つに割れたような形をしています。
ライラックの花の言い伝え
ライラックの花びらは、通常4つに割れています。ですがごくまれに、花びらが5つに割れている場合があります。ヨーロッパでは、5つに割れたライラックは「ハッピーライラック」と呼ばれています。ハッピーライラックを見つけたら、そのことを誰にも話さずにハッピーライラックを飲み込むと、恋人との永遠の愛が約束されるという言い伝えがあります。
ライラックはどんな香り?
ライラックはよい香りのする植物として有名ですが、では実際どんな香りがするのでしょうか。ライラックからは上品な甘い香りがします。ライラックの香りは、香水としても重宝されています。ライラックの香りを嗅ぐと、リラックス効果が得られるそう。さらに新陳代謝を高める効果も期待できダイエットにもよいそうです。
ライラックの香りは生花が一番よい
ただし、ライラックの花の香りがよいからと、切り花にすると途端に香りがなくなってしまいます。そのため、ライラックの精油の匂いと生花の香りは少し印象が違うのだそうです。
ライラックの基本データ
科名属名
モクセイ科ハシドイ属
学名
Syringa vulgaris
和名
ライラック
別名
紫丁香花(むらさきはしどい)、リラ
英語名
lilac
原産国
ヨーロッパ
ライラックの花言葉<全体の花色>
全体の花言葉1・思い出
ライラックの全体の花色の花言葉には「思い出」というものがあります。素敵な意味の花言葉なので、花束などにしてプレゼントするのもおすすめです。
全体の花言葉2・友情
ライラックの全体の花色の花言葉には、「友情」という花言葉もあります。大切な友人へ思いを込めてライラックの花束を贈ると喜ばれることでしょう。
全体の花言葉3・純潔
「純潔」を辞書でひくと、「心身にけがれがなく清らかなこと」という意味です。ライラックは可愛らしい花姿と素敵な花言葉から、結婚式の花束として利用されることもあります。
ライラックの花言葉<紫の花色>
紫の花言葉1・恋の芽生え
ライラックの花のようすからつけられた「恋の芽生え」というロマンティックな意味合いの花言葉。ライラックはとても小さな花の集まりが房のようになって大きなかたまりを形成します。小さな花ひとつひとつは、まるで恋人たちが無邪気に戯れているよう。そんなライラックの花のイメージからつけられた花言葉です。
紫の花言葉2・初恋
紫のライラックには、「初恋」という花言葉もあります。ライラックの紫のカラーは、なんとも言えずキュートで明るいもの。またライラックの咲く春の季節は新しい出会いの季節でもあります。そんな紫色のライラックの花の色からイメージされて、「初恋」という花言葉が生まれました。
ライラックの花言葉<白の花色>
白の花言葉1・青春の喜び
ライラックは紫の花色が有名ですが、なかには白い色のライラックもあります。白い小さな花が集まって咲く様子は、青年たちが喜びにあふれ青春を謳歌しているようであり、そうした意味から「青春の喜び」という花言葉が生まれました。
白の花言葉2・無邪気
白いライラックには、「無邪気」という花言葉も存在します。真っ白の小さな花が春の季節の風にそよそよと吹かれる様子は、小さな子供が無邪気に遊んでいる雰囲気。まさに無邪気な様子です。
ライラックの花名の由来と意味
ライラックの属名は「Syringa vulgaris」です。「Syringa」はギリシャ語の「syrinx」に由来します。ギリシャ語で「syrinx」は「笛」や「パイプ」を意味する言葉。その昔、羊飼いがライラックの枝をくり抜いて作った増えを吹いていたことに由来します。
ライラックのおすすめの種類
ライラックは、ヨーロッパなどの原産地で自生している植物です。日本ではハシドイと呼ばれる野生種がライラックの種類に分類されます。ライラックには約30種類の園芸品種が存在します。
種類1・ライラック(紫花)
スタンダードな紫色のライラックです。シンボルツリーとしてお庭に植えて、たくさん花をつけるようになったら自作の花束を作るのも楽しいですよ。
種類2・ライラック(白花)
珍しい白色のライラックです。なんの混じり気もない純白が上品なイメージです。花びらは八重咲きです。
種類3・ヒメライラック・ピンクパヒューム
ヒメライラックは、通常のライラックよりややコンパクトな品種です。さらにピンクパヒュームは、とても珍しい四季咲きのライラック。春と秋に花が咲きます。秋に花を咲かせるコツは、剪定をしてうまく夏越しさせることです。
ライラックの育て方のコツ
ライラック栽培のポイントは何といっても夏越しにあります。上手な夏越しができれば毎年春に可愛らしい花をつけ、ほかのどんな香りにも負けないよい香りを漂わせ春の訪れを教えてくれます。
土作り
ライラックは水はけのよい土壌を好む植物です。小粒の赤玉土やバーミキュライトを庭の土に混ぜ込んでから植え付けるとよいでしょう。
肥料
ライラックには、花の咲く前の3月ごろに穏効性の固形肥料を施しましょう。そして花が咲き終わった後にお礼肥として再び穏効性の肥料を与えます。さらに寒肥として冬の時期にも同じ肥料を施すとよいでしょう。
水やり
ライラックには植えている土の表面が乾いたらしっかり水やりをしましょう。ですが、ライラックは比較的乾燥した環境を好み、じめじめと多湿なところを苦手とします。あまりに水やりをしすぎるのはかえってよくありませんので注意しましょう。
場所
ライラックは冷涼な気候を好む植物です。とくに暑い夏の季節には夜に気温が下がる地域で育てやすいです。もしも東北より西の暖かい地域でライラックを育てたい場合は、できるだけ西日の当たらない涼しいところを選んでライラックを植えましょう。ライラックを鉢植えにして、夏の暑い時期は涼しい屋内や軒下などに移動させるのもひとつの方法です。
植え替え
ライラックは、環境の合ったところで育てると成長スピードの早い植物です。ライラックを鉢植えにしている場合、根詰まりを防ぐため定期的な植え替えが必要です。だいたい1~2年に一度の割合で、ライラックを植え替えます。ライラックの植え替えに適した時期は、10~3月ごろです。これまでより一回り大きな鉢を準備して、ライラックを植え替えます。植え替えたライラックがしっかり根付いて安定するまで、水やりを続けましょう。
剪定
ライラックの選定に適した時期は花の終わる6月ごろです。ライラックを観察して、伸びすぎて邪魔な枝や枯れている枝を切り取りましょう。ただし、ライラックはあまり強い剪定をすると成長力が弱くなってしまいます。軽く剪定するにとどめておきましょう。
病害虫
アブラムシ
ライラックにはアブラムシが発生することがあります。とくに苗木を植えたばかりの幼い時期には注意が必要です。アブラムシはライラックの葉っぱや茎、花芽に寄生して、ライラックの栄養分を吸い取ってしまいます。アブラムシは群生して発生するので、あっという間に栄養分を吸い尽くしてしまい、ライラックが枯れてしまうことさえあります。さらに、アブラムシの出す排泄物からはほかのどんな香りとも違う甘い香りがして、ほかの害虫を引き寄せます。二次被害を避けるためにも、ライラックをこまめにチェックしてアブラムシを見つけ次第すぐに駆除しましょう。
カイガラムシ
ライラックには、カイガラムシが発生することがあります。カイガラムシはライラックの茎や葉っぱに寄生して、ライラックの栄養分を吸ってしまいます。カイガラムシは群生して発生するので、早期発見することが大切です。カイガラムシを見つけたらすぐに駆除しましょう。ただし、カイガラムシはとても硬い殻に覆われた害虫で、通常の殺虫スプレーなどを吹き付けてもあまり効果が見られません。カイガラムシを駆除する場合は、ブラシなどで直接こそぎ落すのが一番よい方法です。
挿し木
ライラックは、挿し木で増やすことができます。ライラックは挿し木してから花が咲くまでだいたい2~3年かかります。ライラックの挿し木に適した時期は、3~5月ごろです。ライラックは寒さが苦手なので暖かくなってから挿し木をおこないましょう。育てているライラックから程度のよい枝を10センチくらい切り取り、発根剤を入れた数時間水に浸けておきます。挿し木用の土を入れた鉢や育苗ポットに挿し木します。挿し木したものから発根して安定するまで、日当たりのよい風通しのよいところで管理しながら、水やりを続けましょう。発根して安定したら、好きなところに植え替えます。
ライラックの香りほかのどんな香りにも負けない
ライラックはとても可愛らしい小花をたくさん咲かせる魅力的なお花です。その魅力は花姿だけでなく香りにもあります。ほかのどんな香りにも負けないくらいの甘い香りで、香水などにも利用されます。ライラックは涼しいところが好きで夏の暑さは苦手。こまめに剪定する、植える場所を工夫するなど上手な夏越しがライラック栽培のカギとなります。育てたライラックを花束にして大切な方にプレゼントすればきっと喜ばれることでしょう。
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