はじめに
テープといえばセロハンテープやガムテープ、両面テープなど様々な種類のテープが存在します。その中でも電気・配線関係に使われるテープで、見ただけでそれらのテープと違いがあるようなテープの1つが絶縁テープです。今回はこの絶縁テープとはどのようなテープなのか、そしてその種類や役割、選び方などをお伝えします。それらを紹介したうえでおすすめの絶縁テープ3選をご紹介します。絶縁テープが必要になってどのタイプを購入すれば良いか悩んでいる方、必見の記事です。
絶縁テープとは
粘着テープの1種
絶縁テープとは粘着テープの1種です。絶縁という名前が付いているので察しがつきますが、絶縁テープの使い方は紙を何かに貼りつけたり段ボールの蓋を閉じるというようなものではなく、絶縁被膜を補修などを目的に使われる種類のテープになります。透明な種類の絶縁テープというものもありますが、黒色や黄色、そして赤色といった種類の色が一般的です。そして、絶縁被膜を補修できる機能を持っているますので、絶縁テープは電流をテープに通さない絶縁機能を備えているということになります。
絶縁テープは種類が豊富
絶縁テープの種類が非常に豊富です。絶縁テープの種類をその素材別に分けたものを列挙すると、塩化ビニル系、アセート系、ガラス系、そしてブチルゴム系が存在します。同じ絶縁テープでも素材が違うことで、絶縁効果を果たすだけでなくそれ以外の効果も発揮できるのです。種類別の紹介は下記で行います。
絶縁テープの種類その1
ポリ塩化ビニル系
絶縁テープの種類その1はポリ塩化ビニル系絶縁テープです。ポリ塩化ビニル系絶縁テープは、PVCや塩ビという名称でも知られている樹脂素材を使用して製造された種類の絶縁テープになります。絶縁テープと言えばこのポリ塩化ビニル系絶縁テープと言われることが多く、実際、ホームセンターなどの小売店に置いて最も販売数が多いかつ流出しているのはこの種類の絶縁テープが多いです。
ポリ塩化ビニル系の特徴
ポリ塩化ビニル系絶縁テープの特徴は、価格が安いことやカラーリングが豊富ということです。性能的な特徴としては、600V以下の電圧であれば電気絶縁効果および保護効果を発揮することができますし、防食対策や外装保護という側面からパイプや高圧テーブルにも使用できます。自動車のバッテリー端子部分にポリ塩化ビニル系絶縁テープを巻いて端子部分を保護するというような使い方もできるので、安上がりにできる絶縁対策などにはもってこいの絶縁テープです。
環境面での問題も
低価格でカラーバリエーションも豊富、600V以下の電気なら絶縁に効果を持つこのポリ塩化ビニル系ですが、燃やして廃棄するときにダイオキシンが発生するなど、環境面での問題もいくつかあり、将来的にポリ塩化ビニルの代役となるような製品が出てくるかどうかという期待もあります。いずれにせよ、この種の絶縁テープを取り巻く環境が厳しくなるのは、世界的に見ても間違いないでしょう。
絶縁テープの種類その2
アセート系絶縁テープ
寺岡製作所｜アセテートクロス粘着テープ 19mmX10m 黒 No.571S
絶縁テープの種類その2はアセート系絶縁テープです。アセート系絶縁テープアセテートクロスを素材に使った絶縁テープになります。アセテート系絶縁テープの特徴として絶縁性能が高い点が挙げられますが、それに加えて絶縁テープを切断するのに手で引っ張っても簡単に切れるとことが注目すべき点です。実際、上記で紹介したポリ塩ビ系絶縁テープも手で引っ張ると切り取れますが、伸縮性がそれなりに合るのでそれなりに力が必要となり、その結果テープ自体が伸びてしまうのです。これに対してアセート系では力を入れることなく手で切る使い方が可能です。
作業性が高い
このようにテープの切断を簡単にできますので、アセートケイ絶縁テープは作業性が高い絶縁テープと言えます。絶縁テープを巻くときに片手はテープとそれを巻いた本体を持ち、もう片方の手で鋏を使ってテープを切断するという使い方では作業性が悪いです。それと比べて特別に工具を必要とせずに手で簡単に切断する使い方なら、作業も正確でテープが伸びる心配もありません。
絶縁テープの種類その3
ガラスクロスタイプ
ガラスクロステープ｜ 3350N10×30m /1-6798-01
出典:Amazon絶縁テープの種類その3はガラスクロスタイプの絶縁テープです。ガラスクロスタイプの絶縁テープはガラス繊維が含まれた絶縁テープで、価格帯はポリ塩化ビニル系などと比べると高めとなっています。一般的に販売されている絶縁テープではガラスクロスと呼ばれています、勘違いしないように覚えておきましょう。ガラス繊維が入っていることで頑丈性が高く、他の種類のテープと比較しても特にその点が優れています。
負荷が多くかかる部分に巻く使い方が良い
ガラスクロス絶縁テープは耐熱性や絶縁性も高いので、温度が低かったり平均的なところでの使用もおすすするだけでなく、温度が高いところで使うのもおすすめできます。上記で紹介したとおり頑丈性にも優れていますので、絶縁対策が必要な部分で負荷が多くかかりやすいところなどにガラスクロス系絶縁テープを巻く使い方も有効です。ただし、それは引っ張り強度が高いということになりますのでアセート系のように手での切断は難しいと考えておきましょう。
絶縁テープの種類その4
ブチルゴム系絶縁テープ
絶縁テープの種類その4はブチルゴム系絶縁テープです。ブチルゴムと呼ばれる種類のゴムを使っている絶縁テープになります。ブチルゴムや自動車のタイヤにも選ばれる素材の1つで、その理由として挙げられるのが空気を通過させにくく、高密度な状態を保つのに適しているからです。当然ながら電気絶縁性能も高く、それゆえ絶縁テープに使われる素材として優秀な性能を持っています。使用可能な温度範囲はガラス製ほど高くはないので、注意が必要です。
自転車のタイヤパンク補修や水道管修理に
このようにブチルゴムは気密を保つことに関して優れているので、自転車のタイヤパンク補修などにも使われています。自転車のタイヤパンクとは別で、水道管の補修・修理にブチルゴムを使うことが可能です。水道管が劣化すると水漏れすることがありますが、そのような時の応急処置に水漏れ部にブチルゴムを使った絶縁テープを巻きつけます。ブチルゴム自体が耐水性に優れていますので、水漏れ対策用に1つ用意しておくといざという時に役立つでしょう。
絶縁テープの選び方
電圧で選ぶ
絶縁テープの選び方の1つが対応・許容電圧で決める選び方です。絶縁テープの役割は絶縁部分のサポートや保護ですから、絶縁テープの巻きつけ箇所が確実に絶縁していなければなりません。しかし、絶縁テープそれぞれには対応電圧というものがありますので、絶縁テープを巻き付け予定部分の電圧をクリアしている絶縁テープを選択・使用するようにしましょう。
使用環境で決める
絶縁テープの選び方の1つが使用環境による選び方です。同じような環境であれば使いまわして十分ですが、気温変化の有無や作業性の良し悪しなどに合わせてその場に合った・使いやすい絶縁テープを選ぶことが大切な要素の1つになります。温度の高いところなら耐熱性、作業スペースが狭いところなら素手でテープを切られるアセート系絶縁テープにするなど、環境に合ったテープを選びましょう。
絶縁テープの巻き方
絶縁テープの巻き方にはいくつかコツがありますので、それにしたがった巻き方をすれば良いでしょう。コツの1つは絶縁テープを引っ張ってテンションをかけた状態で巻いていく巻き方です。そして巻いていく際には前に巻いた絶縁テープの1/2部分を覆うような巻き方にして粘着性と絶縁性能の両方を確保しましょう。突起部分などへの巻き方としては、巻いてからテープが破れないように物に何かをかぶせるなどしてから巻いてください。そして、小さいものから大きいものに向けて巻いていく巻き方が良いです。
絶縁テープおすすめその1
男前モノタロウ JISビニールテープ
絶縁テープおすすめその1は男前モノタロウ JISビニールテープです。ポリ塩化ビニルで作られた絶縁テープになります。絶縁性に優れ手いるのも特徴です（絶縁耐力25KV/mm以上）。物体に絶縁テープを貼りつけた時の馴染み具合も良く、さらには貼りつけ後のテープ剥がれもすくないのでおすすめです。
価格も安い
このテープの売りの1つは何と言っても価格が安いことにあるでしょう。絶縁テープ10巻き1セットで販売されていて税込507円ですから、1巻きおよそ51円です。まとめて売るので安いということもあるでしょうが、絶縁テープを1巻きだけ購入するとなると70円近くするのが相場ですので、消耗品と考えると非常に安くてお買い得です。それでいて絶縁性能やなじみの良さも良いので、巻き方の練習などにも使えるおすすめの絶縁テープです。
絶縁テープおすすめその2
3M ガラスクロス電気絶縁テープNo.79
スリーエム｜ガラスクロス電気絶縁テープNo.79
【スペック】 価格：税別3,221円（2018/11/17時点） 数量：1巻き 材質：ガラスクロス 温度定格：150℃ テープ幅：12mm テープ長さ：54.8mm
絶縁テープおすすめその2は3Mのガラスクロス電気絶縁テープNo.79です。絶縁テープなどを製造する世界的に有名なメーカーの3Mが開発・製造・販売するガラスクロスを使った絶縁テープになります。温度定格150℃で高温度にも対応した絶縁テープで、テープ長さは54.8mとかなり長いです。しかし価格は比較的高めで、テープ幅12mmのタイプは税抜4,505円となっています。とはいえ高温度に対応する貴重なガラスクロス系絶縁テープですので、必要であれば買って損はありません。
絶縁テープおすすめその3
3M スコッチ ビニルテープ No.35
絶縁テープおすすめその3は3Mのスコッチ ビニルテープ No.35です。定番のポリ塩化ビニルを使った絶縁テープですが、何と言ってもカラーバリエーションが豊富なのが良いところ。9種類の色から選べます。配線ごとに色分けで使う方法など、使い方が様々で、お値段少し張りますが、頑丈な絶縁テープが欲しい方におすすめの絶縁テープです。
まとめ
絶縁テープにもいろいろ種類がありますが、目的に合ったものを購入して使用することで本来の性能を発揮しますので目的に合ったものを購入するようにしましょう。
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