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はじめに
絶滅危惧種のレアな魚
皆さんは「スナヤツメ」という生き物をご存知でしょうか?あまりに原始的なその生態から魚類学者の間では「スナヤツメは魚ではない!」との異論も根強く支持されているこの生き物。一応、分類上は魚とされています。環境の悪化に伴って個体数が減少し、絶滅危惧種に指定されている「スナヤツメ」の生態や特徴、さらに意外な食べ方までご紹介しましょう!
絶滅危惧種「スナヤツメ」の生態
「スナヤツメ」の分布は?
この魚は日本国内では九州地方を中心に、鹿児島と宮崎を除いた北よりの場所で分布が確認されています。河川の下流水域で暮らしており、朝鮮半島にも生息している魚です。
「スナヤツメ」の形態は?
「ヤツメ」という名前から想像できるかもしれませんが、この魚の形態は一見すると別種のウナギによく似ています。細長い体をもち、体の側面には7つのエラ穴が均一のとれた間隔で並んでいるのです。成体になると口唇部に吸盤ができ、また3対のギザギザな歯が形成されます。
「スナヤツメ」の食性は?
この魚は幼年体のころと成体のころでは生態がガラリと変化します。もっとも大きな変化は食性に表れ、幼年体のまるでミミズのような姿のころには消化器官が存在し、藻や微生物の死骸を食べて成長しますが成体になるにつれて消化器官が衰退、消滅し完全な大人になるころには食事を一切しなくなるのです。
「スナヤツメ」の繁殖時期は?
食性が変化し、断食状態になってからがこの魚の繁殖時期です。幼年体のころは体長にして1.4センチほど。ここから少しずつ成長していき、時期になると変態します。成体の体長は2.0センチ前後です。孵化から約4年後の春の時期に産卵をしてその一生を終えるのです。
絶滅危惧種「スナヤツメ」の特徴
「スナヤツメ」は目を閉じて生活している
「スナヤツメ」はその一生のほとんどの期間、目を閉じて生活している魚です。幼年体から成体に至るまでのほぼ全ての時期を視界に頼らず生活し、その目を開くのは繁殖時期のほんの一瞬だけと言われています。
「スナヤツメ」の成長時期
皆さんは「シラスウナギ」を知っていますか?ウナギの幼年体で、まるでスケルトンのミミズのような外見をしていますよね。「スナヤツメ」も孵化から数年は成体の姿とは違ったミミズのような外見で過ごすことで知られています。その期間はおおむね4年とされ、ミミズのような姿は年を経るごとに成体の姿へと変化していくのです。
「スナヤツメ」の幼年体「アンモシーテス」とは?
ヤツメウナギ類は幼年体のころと成体のころとでは形態が変わります。この幼年体のころの姿を一般的に「アンモシーテス」と言うわけですね。「スナヤツメ」はこの「アンモシーテス」のころにだけ餌を食べて体を肥大させ、成体になると餌を一切食べなくなります。
絶滅危惧種「スナヤツメ」の希少性
分布自体は広い?
「スナヤツメ」は自治体によっては絶滅危惧種として指定され保護されている魚です。ただ、その分布自体は前述したように広く、本州から九州の一部地域を除いて水質の綺麗な河川域に暮らしています。
水質汚染の影響から個体数が減少
実はこの魚、昭和初期のころは釣り餌として利用されるほど頻繁にその姿を確認できた生物なのです。ただ、近年の環境汚染の結果、その個体数は驚異的なスピードで減少していき、今では天然種を見ることすら困難なほどレアな魚になっています。
絶滅危惧種だが天然記念物ではない
ただ、その希少性は天然記念物として指定されるほどではなく、一般の方でも飼育できる魚としても知られ、そのユニークな外見からご家庭で観賞用として飼育される方も多いです。小まめに手入れをする必要はありますが飼育難易度はそこまで高くはありませんので、興味のある方は後述する飼育方法を参照しながらトライしてみてはいかがでしょう。
絶滅危惧種「スナヤツメ」と近縁種について
「スナヤツメ」と「カワヤツメ」の関係
近縁種として「カワヤツメ」が存在します。河川で一生を終える「スナヤツメ」と違い、海に下る習性をもつ「カワヤツメ」ですが、一説では古い時代に何らかの異常で淡水域に取り残された原種が、淡水で生活しやすく体を作り変えたことで種が分かれたと言われています。
「スナヤツメ」の遺伝子で見る違い
また、この魚は遺伝子の解析調査の結果、大まかに2群のグループに区別されることが判明しています。北方で生息している「北方種」と南方で生息している「南方種」です。生物的に原始のなごりを残しているがゆえに、生息する環境に適応した変化を柔軟に起こしやすい生き物なのかもしれませんね。
絶滅危惧種「スナヤツメ」の飼育方法①
絶滅危惧種「スナヤツメ」を家庭で飼育するには
東京都の多摩川ではレッドリスト、すなわち絶滅危惧Ⅰ類にカテゴライズされている希少な魚、それが「スナヤツメ」です。そんな生き物を家庭で飼育する場合には、当然入念な準備と知識が要求されます。今回は、そんな「スナヤツメ」の飼育方法をご紹介しましょう。
「スナヤツメ」を飼育するために準備するもの
まず水槽、そして粒子の細かな砂利を用意しましょう。この魚は清らかな水を好み、底が砂地の場所でのびのびと育つ生き物です。また、他の川魚と違って成体になると、口にある吸盤で水槽をスイスイと登り脱走する危険性があります。そのため、水槽の上に被せるフタは必須です。
水質を清潔に保つフィルターも重要!
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デリケートな魚で水質の変化に敏感に反応するため、飼育をする上で水をろ過するフィルターはとても重要なアイテムです。例えば、上記でご紹介している「メガパワー」であれば、メンテナンス性を確保しながら水質を清浄に保つことが可能です。もちろん、他のフィルターでも代用はできますのでもしご家庭にあるのなら無理に購入する必要はありません。
温度管理も極めて重要!
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また、「スナヤツメ」は比較的、低い水温で生活する魚です。そのため、春から夏にかけて水温が上がる時期になっても水槽内の温度を一定に保てるようにクーラーと温度計を設置し、毎日こまめに水温をチェックしてあげましょう。
絶滅危惧種「スナヤツメ」の飼育方法②
「スナヤツメ」の餌は?
野生の「スナヤツメ」は幼年体の時期であれば藻などを食べますが、飼育下であれば「金魚の餌」などでも飼育は可能です。ただし、この魚の生態として、「他の魚のたべのこした餌を食べる」というものがありますので、もしも本格的にこの魚を飼育するのであれば、金魚やメダカなどを同じ水槽で飼育し、少し多めの餌を与えたべのこしを発生させておけば「スナヤツメ」がそれらを食べてくれるでしょう。
寿命が短い魚であることを覚悟しよう
例えば、形態の似た「ウナギ」は人工飼育下では数十年ほどの寿命があると言われ、実際に長生きしている「ウナギ」の個体が確認されています。しかし、「スナヤツメ」はどれほど愛情を込めて飼育したとしても繁殖期を迎えたらその命を終えてしまうのです。おおむね4年程度の寿命とされているので、悔いの残らないように精一杯付き合っていきましょう。
絶滅危惧種「スナヤツメ」の食べ方
「スナヤツメ」って美味しいの?
まるで「ウナギ」のような姿をしたこの魚。捌いて蒲焼にでもすれば美味しそうと考える方もいるかもしれませんね。ただ、食べ方はともかく基本的に「スナヤツメ」は食用にしない魚です。味についても謎が多く、そもそも絶滅危惧種なので捕獲して食べること自体控えるべきではあります。
実際の味と食べ方は?
ただ、そうは言うものの美食の国「日本」に生まれたからには味についての興味は絶えませんよね。実際に「スナヤツメ」をさまざまな食べ方で食す地域も日本にはあります。この魚のポピュラーな食べ方としては蒲焼やから揚げ、串焼きが知られており、味もクセはあるものの独特の脂があり美味だと好評です。
「スナヤツメ」の旬は?
繁殖時期の春には身が痩せていきますので食味が落ちます。成体になり体長も十分に育ったあとの秋口が、この魚がもっとも美味しくなる時期です。
どうしても「スナヤツメ」の味が知りたい方は
しかし、やはり絶滅の危機に晒されている魚で、できればあたたかく見守ってほしいというのが正直なところです。そこで、どうしても「スナヤツメ」の味が知りたい方は、近縁の「ヤツメウナギ」を食べてみてはどうでしょう。「スナヤツメ」と類似した生態をもち、味や栄養価についても似通っています。日本ではまだまだ知名度の低い食材ですが、実は通販などでお手軽に購入でき、味も栄養も抜群です。
絶滅危惧種「スナヤツメ」に関するTwitter
密かに人気のある「スナヤツメ」の口コミ
ユニークでどこかマヌケな印象を見る者に抱かせるこの魚。水槽に入れて眺めていると、いつの間にその言い知れぬ魅力の虜になる方が多数存在しています。今回は、そんなキモかわいい「スナヤツメ」についての口コミのなかからTwitterに寄せられたものをいくつかご紹介しましょう。
「スナヤツメ」と初遭遇!
スナヤツメ
— イーブー (@Gobiiformes_6) July 7, 2018
初遭遇
異形の生物って感じですね pic.twitter.com/ufJ39zSQ7h
この魚を初めて目撃した方はほぼみなさん驚愕してしまいますね。まるでエイリアン、「異形の生物」と称するにふさわしいグロテスクな外見をもっています。ただ、人には害のない魚なので河川で見かけた際には是非、静かに観察してみましょう。
閉ざされた目のなかは美しい?
今日の調査にて。キラキラした眼のスナヤツメ。キラキラ。キラキラ。 pic.twitter.com/yWbhTq23Oa
— オイカワマル (@oikawamaru) January 11, 2018
まぶたを閉じた状態で生涯のほとんどを過ごすこの魚。繁殖の時期などにほんの少しだけ開眼することで知られています。飼育をしていても観察することはなかなかできないので、もしも天然の個体で開眼状態のものを捕獲できたなら「四葉のクローバー」以上の幸運が訪れる前兆かもしれませんね!
貴重な繁殖行為を観察
スナヤツメの産卵行動を観察してみました https://t.co/PSCr3J4lxA pic.twitter.com/Jeb4xsdxJC
— ざざむし。の人 (@nekton27) May 11, 2018
繁殖のあとで寿命を迎える「スナヤツメ」ですが、まるでゴンズイ玉のようにわらわらと群がって旺盛に繁殖を行うことで知られています。飼育の際には是非、複数個体を同じ水槽に入れて観察してみましょう。人に比べてあまりにも短い生涯ですが、それでも精一杯生きる「スナヤツメ」の姿にある種の感動を覚えてしまいます。
まとめ
生態に謎が多い「スナヤツメ」の魅力
まだまだ謎が多い魚である「スナヤツメ」は、昭和の初めには河川に普通に生息していたありふれた魚でした。ただ、近年の開発や環境汚染に伴い、ごっそりと数を減らし始め、今では「ウナギ」同様に絶滅が危惧される生物となっています。これからの将来、この魚が数を増やすかそれとも絶滅するかは私たちひとりひとりの行いにかかっているのです。50年先、100年先もこのユニークな魚が河川で元気に泳げる日本であってほしいですね。
他のユニークな魚について知りたい方はこちらもチェック!
当サイト「暮らし~の」には、「スナヤツメ」の他にも独特な生態と容姿をもった魚についてまとめた記事が多数掲載されております。ユニークな見た目に反してさまざまな食べ方で美味しく調理できる魚や、面白い餌の捕食方法をもつ魚についての記事をピックアップしておきましたので興味のある方は是非ご覧ください!
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