マツカサウオはどんな魚か
鋼のように硬いウロコを持つマツカサウオ(松笠魚 Monocentris japonica)はキンメダイ目マツカサウオ科マツカサウオ属に分類される海水魚です。日本では高知県のダイビングスポットで群れて生活することが確認されています。
水族館でも人気の魚
マツカサウオは、下顎部分に発光器がついており、発光バクテリアを共生させることにより発光します。それが発見されたのは、富山県魚津町(現在魚津市)の魚津水族館で停電になった時、暗闇で光っているのが偶然見つけられました。
魚津水族館では毎年夏休みに「夏の発光実験 マツカサウオの光を見てみよう!!」を実施しています。どのように発行バクテリアを確保するのかは不明です。薄い緑色に発光し、チョウチンアンコウなどのようにエビなどの餌を惹きつけるためではないかと言われています。今年は8月11日(土)~16日(木)に実施されます。
関西だと「生きてるミュージアム ニフレル」にもいます。展示されているゾーンは「すがたにふれる」です。
地域によって様々な呼び名を持つ魚、マツカサウオ
和名は松ぼっくりように見える大きくため「マツカサウオ」と呼ばれているのが一般的ですが、「ヨロイウオ、ぐそく」鰭を動かすときにパタパタと音を立てることから「パタパタウオ」とも呼ぶ地方もあります。
英語では鎧をつけたようにも見えるためは「Knight Fish」「Armor Fish」。黄色と黒のコントラストから「Pinapple fish」とも呼ばれています。
どこに生息しているのか
北海道以南の日本の太平洋、日本海沿岸から東シナ海、琉球列島を挟んだ海域、インド洋、西オーストラリア沿岸の浅海~水深100メートルの岩礁域に生息しています。
昼間はやや深い所または暗所に潜み、夜間行動する。水族館で鑑賞用に飼育されている以外、食用としてもかなりおいしいです。旬の時期は不明ですが、かまぼこの原料にもなります。
マツカサウオの特徴は
幼魚はほとんど黒く、成長するにしたがって、黒と黄色がはっきりと浮かび上がってきます。全長15cm程度に達します。メスは小型で、オスの方が大型に成長します。眼は大きく、全身が堅い鱗に被われているのが特徴です。
薄い緑色に発光し、日本産はそれほど発光力は強くなく、オーストラリア産の種の発光力は強いとされています。成長するまでの見分け方や産卵時期、場所、旬の時期は不明です。
夜行性で、体色は薄い黄色ですが、生まれたての幼魚は黒く、成長するにつれて次第に黄色味を帯びた体色へと変わっていきます。成魚になると、黄色味も薄れ、薄黄色となる。昼間は岩礁の岩の割れ目などに潜み、夜になると餌を求めて動き出します。
背鰭と腹鰭は強力な棘となっており、外敵に襲われた時などに背鰭は前から互い違いに張り出して、腹びれは体から直角に固定することができる。生きたまま漁獲後、クーラーボックスで暫く冷やすとこの状態となり、魚を板の上にたてることができ、この状態の時には鳴き声を聞くこともできます。
マツカサウオはどこで手に入る
定置網に入り市場にあがる魚です。そのため食用として一般的に流通することはなく、漁港の直売所などで稀に見かけることがある程度の魚です。取れる時期もバラバラですので、いつが旬なのかも地元の方でも知られていません。
生きたまま売られていることが多く、観賞用でもないため値段も300円~500円ほどが一般的で、網に引っかかってひれが折れていることもあります。
マツカサウオという魚、観賞用だと値段が10倍以上
キレイな状態で手に入れたい場合は、通販などで購入できますが、値段は10倍以上の6,000円~9000円の値段でネットオークションなどで販売されることもあるようです。
マツカサウオという魚、食べられるのか
その白身でやや柔らかく刺身など、さまざまな料理で美味しい魚です。売られているときは漁港などで生きた状態で販売されているため、鮮度の心配がありません。旬の時期は不明ですが、刺身でも食べやすい魚です。
マツカサウオの旬は
残念ながら、まだまだ謎の多いマツカサウオの生態、産卵期、旬は不明です。
マツカサウオを中抜きして食べてみた https://t.co/sJyMY7LRcw pic.twitter.com/aWEM5X9e6A
— ざざむし。の人 (@nekton27) November 2, 2016
小さいマツカサウオの固いウロコの調理のコツから味、ウロコの処理方法などを料理方法も含めて紹介します。
購入時のポイント
活きたまま、持ち帰り自宅で処理したい人はそのまま持ち帰るといいですが、魚はストレスを与えると味が落ちます。お店の人に頼んで血抜きをしっかりとしてもらうほうがいいと思います。
マツカサウオの食べ方。調理方法
調理に悪戦苦闘。固いウロコです。
マツカサウオの背びれと腹びれには強大なとげがあります.襲われそうになった時、岩のすき間などに逃げ込み、これを立てて体を固定し、身を守ります。
とげに注意
マツカサウオは背びれがとても鋭いトゲになっています。大きい魚だと調理しやすいですが、何といっても小さく滑りやすいので、手に刺さらないように注意が必要です。
キッチンバサミが便利
小さくて硬い体には包丁がはいらないので、その硬さから手が滑って手を切る危険もあるので、キッチンバサミで調理する方をおすすめします。かなり力がいるので勢い余ってけがをしないように十分注意します。軍手などの手袋をした方が滑らず手のけがを防げます。
お刺身の場合は、まず皮をはがしてから、頭を切り落とし2枚におろします。
食べ方によって調理方法が変わります
お刺身以外の食べ方の場合、調理しなくてもいろんな料理やレシピにアレンジできます。そのまま調理できるので楽です。どの料理でもどんなレシピでも新鮮なのでおいしいですし、何といっても身にくせがないので、どんな料理でも美味しく食せます。
マツカサウオはどんな食べ方でも美味しい。
レシピ①刺身
是非、新鮮で美味しいので挑戦してほしい食べ方はやはりお刺身です。ウロコを取るのが一番大変ですが、ウロコととげを採って調理します。とげを採るのが一番大変なので、その後はいたって簡単です。
肛門から鰓の手前までチョキチョキ切り進み、背中に切り進むと半身が出てきます。新鮮なものは、全て食せます。肝はまるでウニのように甘くとろけてとっても美味です。産卵期を迎えた旬のメスをたまたま購入すれば、卵も食べられます。
レシピ②焼き魚
一番手間がかからない調理方法です。加熱するとあれだけ硬かったウロコも簡単にパラパラと取れるので、丸ごと食べられますが、私は鰓を採ります。内臓もおいしいので、パパっと塩を振って焼き上げると甘みが美味しいです。
レシピ③マツカサウオの姿蒸し
調理方法もレシピも関係ありません。蒸すだけでも十分美味しいです。あれだけ頑固で上部なウロコもアツアツのうちなら簡単にはがせます。塩で味付けするだけです。歯ごたえがあってとても美味しいです。お醤油をかけてもおいしいです。おすすめは抹茶塩です。
レシピ④簡単料理のお味噌汁
ぶつ切りにして水から煮出し、あくを抜きます。合わせみそでも白みそでも赤みそでも美味しいです。えらやとげはとった方が無難ですが、そのまま入れてもおいしい料理に早変わり。濃厚でとっても美味しいおみそ汁。パラパラと三つ葉を浮かべても色彩も鮮やかで味も引き立ちます。
レシピ⑤マツカサウオの塩茹で
お鍋にお塩を入れて、沸騰させたら、マツカサウオを入れます。
茹で上がったら、ポン酢で食べるとおいしいです。
その他の料理やレシピ
後は唐揚げもおいしいですし、イタリアン風に塩、こしょう、オリーブオイルでソテーしてもおいしいです。料理方法、料理方法、食べ方がこれほどあるのはこの魚ならではかもしれません。
海水魚の飼育にかかる費用と飼育設備について
マツカサウオと呼ばれるこちらの魚は色や光ることから観賞魚として人気の海水魚ですが、飼育には費用と手間のかかる初心者には手を出しづらい経験者向けの魚です。でも飼ってみたいという方向けにマツカサウオの飼育方法や飼い方のポイントなどを紹介していきます。
飼育には費用が掛かります
海水魚を買う際に水槽のサイズなどに関係なく、最低限必要なものがあり、費用が掛かります。主に必要なものは人工海水の素、温度計、比重計、冷却ファン、ブロック、水槽、砂など。このほか水槽、砂、サンゴ、ブロックなども必要です。
マツカサウオの飼育方法
飼育は以外に難しく簡単には買えません。体長20センチほどの魚ですが、遊泳する範囲が広いため90cm以上の水槽が必要となります。
そうするとざっと10万円必要となるので、簡単には飼えません。
寿命はどれくらいなのか
飼育環境に大きく左右されます。ストレスを与えなければ、寿命は20年と長寿です。ただ、やはりかなり環境を整えないとすぐに死んでしまうので、それなりの時間と費用、覚悟も必要です。
マツカサウオの混泳
マツカサウオは同種であれば、混泳できます。比較的おとなしい魚ですので、他のおとなしい大型の海水魚との混泳には向いています。ただ、危険を感じるととげが出るので、他の魚を気付つける危険性もあります。
傷つきやすい他の魚との混泳は避けるべきです。
薄暗い環境を好むので、ライブロックなどで隠れ場所などを提供しないとストレスがたまります。大きいサイズのエビなどの種類とも混泳できまが、イソギンチャクや小さい魚などの混泳は出来ません。
マツカサウオのエサは
マツカサウオは自然の海では自分の発光器を光らせてから餌となる小魚や小エビを捕獲して食べますので、飼育下でも生き餌が理想です。人口餌にはなかなか慣れてくれません。
乾燥エビなどを餌付けするときは長期戦で頑張って餌付けする必要があります。人工餌は食べ残すと海水が汚れるので、始めはやはり生餌の方がいいです。与える頻度は朝夕2回の給餌が良いです。
活けシラサエビの購入方法
海釣りスポット周辺の大きな釣具屋で餌を扱っているところなら一年ちゅう安定して買えるエサです。値段の変動もありませんが、自宅周辺でも購入できるところがあるか確認しないといけません。まとめて大量に買うとなるとエビも飼育しなければいけなくなるので、さらに費用が掛かります。値段は大体20匹で500円程度に送料もかかります。Amazonで販売されています。ネットオークションでもたまに出店されていますが、100匹で約1300円ほど。そう考えるとエサ代にはかなり費用が掛かります。
飼育環境は
次に飼育環境での水温ですが、高温にはとても弱いので23℃を超えないように飼育します。低温に関しては下回ってもある程度の水温の範囲であれば大丈夫ですが、水槽用クーラーで設定温度を23℃にしておきます。
23℃以上になるとマツカサウオにストレスを与えてしまい、長生きできないので、お勧めできません。マツカサウオには高温厳禁で餌は生き餌中心に与えておけば長期飼育も可能です。
飛び出しに注意
マツカサウオは夜行性のため、夜間活発に活動します。夜間の活動中に飛び出して落下事故を起こさないためにもふたは厳重に閉じておく必要があります。
餌を食べないときは
水温が23度以上になっていないか、海水が汚れていないかなど確認してあげるのが大切です。
まとめ
小さいけど美味しい。調理方法、レシピ、料理も様々。どれでも美味しくいただけます
これほどバリエーション豊富なレシピがあり、美味しいお魚はいません。是非皆さんにも食べていただきたいです。ただ、一般市場には流通していませんし、漁港で購入しても血抜きをしてくれるかどうかも分かりません。とげなどに注意しなければいけませんが、そういった点でより美味しく感じるのがマツカサウオという魚です。
飼育するにはかなりの時間と忍耐が必要
成長するにしたがって、色がはっきりと浮かびあがってきますので、観賞魚として非常に育て外のある魚です。ただし、生き物なのでしっかりと準備も必要です。水槽、生餌が必要、とげがするどく体が硬く丈夫なので、飼い主さんがけがをしないように手指を保護してからマツカサウオを触るようにしてください。