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江戸東京たてもの園にはジブリ映画のモデルも?その建物含めて徹底調査!

東京の小金井公園にある「江戸東京たてもの園」を紹介します。東京都内に残された資料的価値のある建築物を、30棟この場所に移築し復元しています。その中にはスタジオジブリのアニメ映画作品のモデルもあります。今回は非常に見ごたえのある江戸東京たてもの園を紹介します。
2020年8月27日
麦食くま
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はじめに

江戸東京たてもの園について紹介します。東京都小金井市の小金井公園内にある、江戸東京たてもの園は東京都内にある貴重な建築物を、その場所での保存が困難な理由で、園内に一同に移築復元し、保存しながら多くの人を魅了しています。また園内にはあの「スタジオジブリ」の映画作品に関連するとされる建築物も数多くあります。その面も含めて江戸東京たてもの園の魅力をお伝えします。

江戸東京たてもの園①歴史

前身は武蔵野郷土館

江戸東京たてもの園の場所には、元々「武蔵の郷土館」という施設がありました。そこには古代の住居や江戸時代の農家を各地から移築展示していました。そのため現在の展示物のうちのいくつかは当時からの展示物も残っています。現在たてもの園のビジターセンターになっている、皇紀2600年(昭和15年)の記念式典のために皇居外苑に建てられ、その翌年現在の小金井公園に移築された「光華殿」も、その当時から移築されている建物の一つです。

江戸東京博物館の分館として

その後、1993年に東京・両国にある「江戸東京博物館」が完成することに合わせるように、その2年前にいったん閉館した「武蔵野郷土館」を拡充することになりました。そしてリニューアルしたのが、江戸東京博物館の分館と言う位置づけで、「江戸東京たてもの園」がオープンしました。園内に当時は12棟しかなかった伝統的な建物も、各地から貴重な建築物を次々と移築し、現在は30棟を復元が完了し、展示しています。

江戸東京たてもの園②行き方

JR武蔵小金井駅と東小金井駅からの行き方

デートで行くのにも最適な江戸東京たてもの園に、公共交通で行く方法は大きく2種類あります。一つはJRを利用する方法です。JR中央線の「武蔵小金井駅」下車が一番近いです。ここからはバスで「小金井公園西口バス停」下車で徒歩10分で到着します。また都内中心からならば、1駅手前の「東小金井駅」からも、コミュニティバス利用で行くことが可能です。

花小金井駅・車でのアクセスなど

もう一つは西武新宿線の「花小金井駅」です。この駅には急行列車も停止します。駅からはバスで5分先の「小金井公園西口」バス停で下車徒歩5分で到着します。また、江戸東京たてもの園のある「小金井公園」には有料駐車場もあります。デートで行くなら、ドライブを兼ねた方が楽しいでしょう。ちなみに羽田空港から武蔵小金井駅行きのリムジンバスが運行しています。

江戸東京たてもの園③西ゾーンの見どころ

博物館の建物「奄美の高倉」

奄美(あまみ)の高倉は、その名の通り「奄美諸島」の建物です。目的は穀物を貯蔵するためで、同じようなものは沖縄にもありますが、屋根の勾配が急なのが奄美様式の特徴です。こちらで展示しているのは19世紀中ごろに作られたもので、有形文化財に指定されています。内部見学も特にないので、所要時間もそれほどかける必要はないでしょう。

博物館の建物「田園調布の家(大川邸)」

高級住宅地のイメージがある田園調布駅近くにあった建物「大川邸」も、たてもの園に移築されました。大正14年に鉄道省の技師だった大川栄氏の邸宅だったものです。洋館の様な当時のモダンが外観が見ものです。内部の見学もできるので、ゆっくりと所要時間を掛けましょう。そうすれば、とデートでもリッチな気分に浸れそうです。

博物館の建物「常盤台写真館」

昭和12年に施工された「常盤台写真場」は、東京都板橋区に東武鉄道グループが開発した「常盤台」の建物を移築しています。戦争の足音が聞こえてきている戦前の昭和レトロの時代の貴重な写真館で、モダニズム建築全盛の雰囲気が伝わります。例えばデートの撮影のイメージを膨らませながら、ゆっくり所要時間をかけて見学しましょう。

博物館の建物「八王子千人同心組頭の家」

江戸幕府に存在した職制の一つ「八王子千人同心(はちおうじせんにんどうしん)」の家だったものが東京たてもの園に移築復元されています。この同心とは、甲斐武田家滅亡後、徳川家についた武田遺臣・地侍・豪農で組織され多集団で、海方面からの侵攻に備えるために組織された集団です。ここは歴史の勉強に最適で、所要時間を多く費やしたいところです。

江戸東京たてもの園④中央ゾーンの見どころ

博物館の建物「高橋是清邸」


幕末の武士で、明治から昭和時代にかけて官僚と政治家として、最終的には内閣総理大臣をも務めた「だるま宰相」こと高橋是清(たかはしこれきよ)氏の邸宅も東京たてもの園に移築されました。この建物は、2.26事件で、彼が暗殺されたの現場の邸宅でもあります。歴史を感じながらのデートになります。内部も見られるので所要時間にゆとりを持たせましょう。
 

博物館の建物「旧自証院霊屋」

自証院(じしょういん)とは江戸3代将軍徳川家光の側室(お振の方)です。彼女の娘で尾張徳川家に嫁いだ千代姫が、母を供養するために建てました。当初は市ヶ谷にありましたが、明治以降に所有者が点々とします。谷中地域やや赤坂プリンスホテルなどに移築されたり紆余曲折を得ながらも、最終的に江戸東京たてもの園に移築されて落ち着きました。こういったいきさつを考えながらのデートも楽しいところですが、内部見学もないので所要時間は短時間で十分しょう。

博物館の建物「西川家別邸」

西川家別邸とは、東京都昭島市にあった、北多摩地区に設立した製糸会社の実業家「西川伊左衛門」が、隠居所と接客用に作った建物(邸宅)です。当時の養蚕(ようさん)、製糸業が最盛期だった、大正から昭和初期にかけて建てられました。当時の豪商の邸宅をじっくりと所要時間をかけて見学しましょう。

江戸東京たてもの園⑤東ゾーンの見どころ

博物館の建物「万徳旅館」

万徳旅館とは、青梅(おうめ)市西分町にあった旅館です。幕末に建てられ、青梅街道を行き来していた行商人が多く利用しました。明治初期に増築されました。当居都内唯一の旅籠建築ということで、民俗学及び建築学の視点での貴重な建築物とされています。それがこうして東京たてもの園に無事に移築されました。内部も見られるので、デートの時にはぜひとも所要時間をかけたいところです。

博物館の建物「丸二商店(荒物屋)」

千代田区神保町に存在した荒物屋(現在のホームセンターの個人経営の様なもの)の丸二商店は、昭和初期に建てられました。建物の表面を種類の貼り方をしている銅版がついているので、酸化による緑青(ろくしょう)の色合いに不思議な味わいがあります。内部で当時の品物と共に展示しています。周りの建物ともマッチしており、ここは所要時間かけてのんびりと見学・デートしたいところです。

博物館の建物「万世橋交番」

明治初期に作られた「万世橋(まんせいばし)交番」は、交番としての使命を終えても、長くその場所に存在していました。貴重な建築物と言う事で江戸東京たてもの園に移築されました。赤い昔ながらのポストもあり、過去にタイムトリップした錯覚を覚えます。むしろデートで警察官気分で撮影を楽しむのも楽しいです。所要時間はそれほどかからないでしょう。

博物館の建物「小寺醤油店」

昭和8年建築の小寺醤油店(こでらしょうゆてん)は、元々東京港区白金に存在した醤油店です。現在は、江戸東京たてもの園に移築復元されています。店では醤油のほか、味噌や酒類などを量り売りで手がけていました。レトロな建物の内部には当時扱われていた商品が展示され雰囲気が味わえます。出桁造り(だしげたづくり)と呼ばれる建築様式も特徴です。所要時間をかけてじっくり見ていきましょう。

江戸東京たてもの園⑥屋外展示物の見どころ

博物館の建物「皇居正門石橋飾電燈」

江戸東京たてもの園には、皇居由来の展示物もあります。こちらの電燈は、明治20年代に皇居正門の石橋「二重橋」に設置されていました。90年間ほど稼働後、6基の電燈は日本各地に分散して保存され、そのうちの1基が東京建物園内に保存されています。小さなものですが、皇室由来のものだけに立派なつくりとなっています。所要時間をじっくりかけて見学しましょう。

博物館の建物「上野消防署望楼上部」

上野(旧下谷)消防署の遠くを見渡すための望楼(ぼうろう)の上部の部分だけ、江戸東京たてもの園内に保存されています。レトロな雰囲気の上部のデザインは「芸術的」という言葉にピッタリで、見るものが飽きない雰囲気があります。周りの木々と共に、園内でもなかなかのデートスポットですので、所要時間は掛けたいところです。

江戸東京たてもの園⑦ジブリとの関係とは?

ジブリが東京たてもの園からヒントを得た

「風の谷のナウシカ」や「天空の城ラピュタ」などのアニメの名作映画を多数手がけているスタジオジブリが、江戸東京たてもの園に移築された建築物をヒントに映像作品と作ったといいます。その作品は「千と千尋の神隠し」です。この作品のモデルはいろいろなところといわれ、その中でも台湾の九份(きゅうふん)が有名ですが、実は細かい建物のシーンでは、江戸東京たてもの園のに近いものが多数出てきます。

マスコットキャラクター「えどまる」と宮崎駿氏


作品のモデルに利用されたという事以外にもジブリと江戸東京たてもの園との関係は深く、例えばたてもの園のマスコットキャラクター「えどまる」のデザインを担当したのが、スタジオジブリを設立した「宮崎駿(みやざきはやお)」氏なのです。東京各地からの重要な建築物を一堂に会しているからこそ、アニメ作品のモデルとして利用価値があったことがうかがえます。

江戸東京たてもの園⑧ジブリのモデルA

千と千尋の神隠しの「油屋」

実際のジブリ作品と東京たてもの園の建築物を見比べてみると、最初に「千と千尋(ちひろ)の神隠し」で登場する「油屋」があります。この油屋は、映画作品内ではでは巨大な銭湯で、主人公の千尋がしばらくの間、働くことになった場所でです。そしてこの作品中で最もよく登場します。この油屋がたてもの園内にある、とある建築物がモデルといわれます。

博物館の建物「子宝湯」がモデル

それは、東京たてもの園の東ゾーンに位置する「子宝湯」です。これは、東京足立区にあった銭湯をたてもの園に移築しました。神社仏閣の様なたてもの様式と、内部見学可能な当時の銭湯の様子が見られます。もしこのジブリ作品を見たのなら、「油屋」のことを思い出しながらデートで見学するときっと楽しいはずです。所要時間もできるだけ多目で行きましょう。

江戸東京たてもの園⑨ジブリのモデルB

千と千尋の神隠し「ボイラー室の薬草棚」

次も「千と千尋の神隠し」ですが、今度は作品の登場者である「釜爺(かまじい)」という存在が、油屋で働いていたボイラー室のことです。ボイラー室の中には薬草棚があり、その薬草により、様々な薬湯の注文に応じられるようになっている設定です。この薬草棚が、東京たてもの園のある建築物の内装がモデルといわれます。

博物館の建物「武居三省堂」がモデル

それは、江戸東京たてもの園の東エリアにある、「武居三省堂(たけいさんしょうどう)」という文具店です。明治初期に創業しました。建物自体は関東大震災後に建てられたタイル張りの建物です。この内部にある大正時代の仕立屋の仕事場の雰囲気が再現されているのですが、それが薬草棚のモデルといわれます。ここは東京江戸たてもの園の中でも特に人気のスポットです。

江戸東京たてもの園⑩ジブリのモデルC

千と千尋の神隠し「海原電鉄」

もう一つ「千と千尋の神隠し」で、登場する架空の鉄道会社が海原電鉄です。主人公の千尋が物語の後半部分で、カオナシと呼ばれる存在と乗車する列車です。海の上などを走るシーンがあり、実はその場所も特定のモデルがあるそうです。ちなみに江戸東京たてもの園には、鉄道の車両のモデルがあるといいます。

博物館の建物「都電7500形」がモデル

江戸東京たてもの園の屋外展示物として展示されている「都電7500系」です。この車両は1962年に作られました。当時は渋谷から新橋を経由して神田あたりまで走っていたそうです。この車両が「海原電鉄」のモデルといわれています。ただし、この車両モデル説については、他に「名鉄車両」など、複数の車両候補が取りざたされています。

江戸東京たてもの園⑪ジブリのモデルD

となりのトトロ「草壁家」

東京たてもの園にある建造物の中には、「千と千尋の神隠し」以外のジブリ作品のモデルもあります。「となりのトトロ」に登場する草壁家です。現在、愛知県の愛・地球博記念公園にアニメ作品を忠実に再現した「サツキとメイの家」があります。こちらはアニメ作品発表後に忠実に再現されましたが、東京たてもの園には、そのモデルとなる建物があります。

博物館の建物「デ・ラランデ邸」がモデル

それは、江戸東京たてもの園の西ゾーンにある「デ・ラランデ邸」がモデルといわれます。この住宅は明治43年ごろにドイツ人の「ゲオルグ・デ・ラランテ」が増築しました。平成11年まで新宿区信濃町にありましたが、現在は江戸東京たてもの園に移築されました。園内の建築物では最後1棟として、開園20周年の時に移築されました。現在は園内の「カフェ」の役目も果たしています。

江戸東京たてもの園⑫イベントや他の施設など

定期的に行われるイベント


江戸東京たてもの園では、常設の展示以外にも定期的なイベントが行われます。年間を通じて定期的に園内の建物のライトアップが行われたり、夏祭り、伝統工芸の実演、ミュージアムトークなどが行われます。ということもあるので、ここには一度限りでなく何度もデートなどでリピートする価値が十分で、それが江戸東京たてもの園の魅力の一つでもあります。

園内にある展示物以外の施設・特別展

東京たてもの園は、歴史的価値のある建築物の展示以外にも、正面入り口すぐのところにあるビジターセンター内では、導入展示や図書コーナー、展示室があります。またミュージアムショップとカフェもあります。それから食事処も園内の復元建築物などを活用し、レストランやカフェとして現役稼働しています。特別展も定期的に開催されます。

江戸東京たてもの園には、穴場的な楽しみ方として季節の花があります。ついつい伝統的な建築物を注目しがちですが、四季を通じていろいろな花々が、近くに展示している建築物の「隠し味的」な旨みを引き出してくれます。ちなみに画像の建物は、昭和17年に建築された前田國男邸で、園内でも「木造モダニズムの傑作」と、密かに隠れた人気スポットとなっています。

江戸東京たてもの園⑬番外:小金井市の観光名所

江戸東京たてもの園のある「小金井公園」

江戸東京たてもの園は、小金井公園内にあります。その小金井公園はスポーツ施設やSL展示場、バーベキュー広場にサイクリングコースや人工芝を使ったソリのゲレンデなど、アウトドアに最適な広大な公園なので、江戸東京たてもの園とセットで立ち寄りましょう。またこの小金井公園は桜の木が440本ほど植えられている「桜の園」があります。春の時期は花見の名所としても有名です。

小金井公園|公園へ行こう!

江戸東京たてもの園のついでに「小金井神社」

江戸東京たてもの園や小金井公園から少し南側、JRの線路を越えたところにあるのが、「小金井神社」です。この神社は菅原道真が祀られている「天満宮」です。本堂は宝暦年間で、拝殿は明治27年に再建されました。いくつかの宝物類も所有しています。もしデートの所要時間にゆとりがあれば、たてもの園のついでに立ち寄りたいところです。

小金井神社 | 天満宮 小金井神社 | 御祈祷 | トップページ
東京都小金井市。菅原道真公 を祭る小金井神社のホームページです。

江戸東京たてもの園⑭番外:江戸東京博物館

江戸東京たてもの園の位置づけが、江戸東京博物館の分館なので、本館の博物館も少し紹介します。こちらは東京都墨田区の両国にあり、両国国技館の隣にあります、江戸・東京の歴史と文化に関する資料を集めたミュージアムです。常設展示の他企画展や催し物、映像ホールや図書室などがあります。

江戸東京たてもの園⑮ 基本情報

江戸東京たてもの園の基本情報です。住所は、東京都小金井市桜町3-7-1(都立小金井公園内)です。連絡先は042-388-3300となります。料金は中学生以下無料、20名以上は団体料金が適用されます。開園時間は、9:30から夏季(4-9月)は17:30、冬季(10-3月)は16:30までになります。最新情報などは、下記のリンク先「江戸東京たてもの園」の公式ページをご覧ください。

江戸東京たてもの園
江戸東京たてもの園は、文化的価値の高い歴史的建造物を移築し、復元・保存・展示する野外博物館です。

まとめ

以上で、江戸東京たてもの園の紹介を終わります。小金井公園の中にあり、園内には様々な歴史的価値のある建物が復元されています。またその中にはジブリ映画作品のモデルになったとされるものも多く含まれています。江戸東京たてもの園は単なるミュージアムとは違った楽しみを与えてくれるでしょう。この記事が参考になれば幸いです。