ルリマツリとは
ルリマツリについて
ルリマツリは、南アフリカ原産のイソマツ科の植物です。ルリマツリという名前は、瑠璃色の花を咲かせるマツリカのような花ということから、「ルリマツリ」と名付けられたと言われています。ちなみに、漢字では「瑠璃祭り」ではなく「瑠璃茉莉」と書きます。
ルリマツリは、常緑半つる性低木に分類されますが、原産地が暖かい地域なので、日本では冬に葉が落ちてしまうことが多いです。しかし、暖かくなってくると再び葉が生えてくるので、枯れたと思って抜かないよう注意してくださいね。
ルリマツリの別名
ルリマツリには別名があり、「アオマツリ」や「プルンバゴ」などという名前で苗が販売されていることもあります。「アオマツリ」は花の色を瑠璃色ではなく青色と捉えてつけられた名前で、プルンバゴは学名の「Pulumbago auriculata」に由来しています。いずれもルリマツリと同じ種類になるので、ここでご紹介する育て方と同様の育て方をして、問題ありません。
ルリマツリの開花時期と草丈
ルリマツリは5月ごろから10月ごろにかけて花を咲かせます。花の1つ1つは2cm程ですが、まとまって花を咲かせると見ごたえがあります。また、ルリマツリはつる性ですが枝がある程度は垂直に伸びるので、大きいもので高さが3mを超えることもあります。
ルリマツリの種類
オーリキュラータ
ルリマツリの数ある種類の中でも、最も多く苗が流通しているのが、このオーリキュラータです。花色は瑠璃色(青紫色)以外にも、薄紫色の苗や白色の苗があります。基本的に白~青紫色の間の色にはなりますが、育てる環境により色の差が出るようです。
インペリアルブルー
インペリアルブルーは、オーリキュラータよりも濃い青紫色の花をつけるルリマツリです。苗はあまり市場には出回りませんが、オーリキュラータよりも存在感があるので、人気がある種類です。
アルバ
アルバは白い花を咲かせる種類です。純白の花をたくさん咲かせるので、オーリキュラータやインペリアルブルーとはまた違った印象のルリマツリです。
セイロンマツリ
セイロンマツリは、ルリマツリよりも花びらが細く、全く違う花にも見えますが、ルリマツリの仲間として位置づけられることが多いです。セイロン原産の植物なので、セイロンマツリと呼ばれていますが、「インドマツリ」と呼ばれることもあります。
ルリマツリとルリマツリモドキ
ルリマツリと言えば、ルリマツリモドキを思い浮かべる方もいるかもしれません。しかし、実はルリマツリとは同じイソマツ科に分類されるものの、属が異なります。そのため、花や葉、茎などの姿も全く似ていません。強いて似ている部分を挙げるとすれば花の色くらいです。そのため、ルリマツリとルリマツリモドキは育て方も異なってくるので、混同しないように注意しましょう。
ルリマツリの育て方1.植える環境
ルリマツリは、日当たりの良い場所に植える方が、花つきがよくなります。鉢植えでも地植えでも育てることができますが、地植えの場合、株がかなり大きくなることを想定し、他の植物から少し離して植えるのがコツです。鉢植えの場合も、直径が30㎝程度の鉢に植えると、大きく育ちますよ。
ルリマツリの育て方2.土づくり
ルリマツリは、水はけのよい土に植えるとよく育ちます。市販の培養土を使用する場合は、赤玉土を少し足してあげるといいですね。土を自分でブレンドする場合は、「赤玉土(小粒)6:腐葉土4」の割合でのブレンドがおすすめです。鉢植えの場合は、鉢底に必ず鉢底石を入れて、水はけをよくしましょう。
ルリマツリの育て方3.水やり
地植えの場合
ルリマツリを地植えしている場合は、根付くまで土の表面が乾いたらたっぷり水をあげましょう。特に、開花している苗を買った場合は、水切れで枯れてしまうこともあるので注意が必要です。その後根付いたようであれば、基本的に水やりは不要です。ただ、開花期に雨が全く降らないときは、様子を見て水やりをしましょう。
鉢植えの場合
ルリマツリを鉢植えで育てている場合は、土の表面が乾いたら鉢底から水が流れ出るくらい、たっぷり水やりをします。特に開花期は、できるだけ毎日水をあげるようにすると、花つきがよくなりますよ。ただ、冬は休眠期なので、水やりは控え、土が乾いた状態で管理します。
ルリマツリの育て方4.追肥
ルリマツリの開花時期である5月から11月ごろは、緩効性化学肥料や液肥を1週間~2週間に1回程度与えましょう。冬は、追肥は必要ありません。
ルリマツリの育て方5.植え替え
ルリマツリの苗が出回る春ごろは、ルリマツリの植え替えにも適している時期です。鉢植えの場合は1年で根詰まりすることも多いので、できれば毎年春に植え替えをしてあげましょう。植え替えの際は、1周り大きい鉢に植え替えるのがポイントです。地植えの場合は、移動させたい場合を除いて、基本的に植え替えは必要ありません。
ルリマツリの育て方6.増やし方
増やし方1.挿し木
ルリマツリは、挿し木による増やし方ができます。剪定時に出た枝を利用しても挿し木にすることができるうえ、成功率が高い増やし方でもあるので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
挿し木のやり方
ルリマツリの勢いのある枝の先を10㎝程度切り落とし、先端のまだやわらかい部分は指でつまんで取り除きます。
その後、そのまま清潔な土に挿し木します。挿し木にしたルリマツリは、明るい日陰に置き、水を切らさないように管理しましょう。7月ごろの気温が高い時期ほど、挿し木による増やし方の成功率は高くなりますよ。
増やし方2.株分け
ルリマツリは、株分けによる増やし方もできます。株分けは、春の植え替え時期に植え替えと同時に行うのがおすすめです。地植えで植え替えしない場合でも、同様に春先ごろ株分けを行うようにしましょう。
株分けのやり方
株分けは、土がついたままのルリマツリを、根が傷つかないように分ければできます。うまく株分けができない場合は、清潔なナイフなどで切り分けでもいいですよ。ただ、あまり小さく分けすぎると、枯れることもあります。ガーデニング初心者など、上手に株分けできる自信がない人は、挿し木による増やし方にチャレンジした方が無難かもしれませんね。
ルリマツリの育て方7.剪定
ルリマツリは生育が旺盛な植物なので、剪定を行う必要があります。つる同士が混みあってきたと感じたら、その都度剪定してかまいません。剪定のコツは特になく、どこを剪定してもすぐに回復し、花を咲かせてくれますよ。ただ、根元から思いっきり剪定してしまうと、さすがのルリマツリも回復しない可能性があるので、ある程度葉を残しながら剪定しましょう。
ルリマツリの育て方8.病害虫
病気1.灰色カビ病
ルリマツリは、低温多湿状態になると、花や茎に灰色のカビが生える、灰色カビ病にかかることがあります。灰色カビ病を防ぐには、花がら摘みをこまめにすることが大切です。また、カビが生えにくいよう、風通しをよくすることも効果的です。
病気2.菌核病
菌核病も、低温多湿状態で発生しやすい病気です。ただ、発声する場所が根元付近なので、発生すると株があっという間に枯れてしまうこともあります。一度菌核病が発生すると、周りの植物にもうつることがあるので、菌核病が発生したルリマツリは早めに抜き取り、処分しましょう。
害虫1.カイガラムシ
ルリマツリのつるや葉が混みあい、風通しが悪くなるとカイガラムシが発生します。地植えしているルリマツリの方がカイガラムシが発生する確率が高いようです。カイガラムシは体長が2mm~10mm程度と小さいですが、成虫になると殻を作り、薬剤を散布しても利かなくなります。そのため、もしカイガラムシを見つけたら、早めに駆除することが大切です。
害虫2.ハダニ
乾燥した時期は、ハダニが発生することがあります。ハダニは、鉢植えのルリマツリに発生することが多く、体長は0.3mm~0.8mmとかなり小さいですが、べたべたした糸を吐いて暮らすので、糸により発見できることも多いです。ハダニは、水に溺れて死滅することも多いので、発生初期の場合はたっぷりと水をかけ、ハダニを洗い流しましょう。それでも手に負えないときは、ハダニ駆除用の薬剤を散布するのがおすすめです。
ルリマツリの育て方9.冬越し
地植えの場合
ルリマツリを地植えで育てている場合の冬越しは、とにかく乾燥気味にしておくのがポイントです。ただ完全に乾燥すると冬越し中に枯れてしまうことがあるので、雨や雪が降らず極端に乾燥している時期は、10日に1回程度水やりをしましょう。また、土が凍ると枯れることもあるので、敷き藁やマルチングをして土の温度をある程度保てれば、冬越しでの失敗を避けることができますよ。
鉢植えの場合
ルリマツリを鉢植えで育てている場合は、冬の間は日当たりの良い軒下やベランダに移動させると冬越ししやすいです。ただ、基本的に屋外でも冬越しは可能なので、屋内に取り込むほどの配慮はしなくても大丈夫なことが多いです。しかし、鉢植えは風が土に当たることで土の温度も下がりやすいです。心配な場合は、玄関先など空調の聞いていない屋内で冬越しさせてもいいかもしれませんね。
ルリマツリの花をたくさん咲かせる方法
ルリマツリは、多少放置していても、日当たりさえよければ次々に花を咲かせてくれます。しかし、もっとたくさんの花を咲かせたい!と思ったら、花がら摘みをしっかりと行いましょう。同じ花序の花が咲き終えたら、花序の根元あたりから摘み取ると、摘み取った場所からまた花序が伸びてきますよ。
ルリマツリで庭を涼やかにしましょう
暑い時期は、ヒマワリのような元気いっぱいなイメージの花を植えてもいいですが、落ち着いたトーンの、涼しげな花を植えるのもおすすめですよ。ルリマツリのように、寒色系の小さな花がたくさん咲く種類の花は、眺めているだけでも心が落ち着き、涼むことができます。ルリマツリは育て方も簡単で開花時期も長いので、ガーデニングの手入れが大変な夏にありがたい花でもありますよ。ぜひルリマツリを育てて、庭を涼しく彩ってみてくださいね。
青い花が気になる人はこちらもチェック
ルリマツリの花の色は、涼しげで本当に美しいです。涼しげな雰囲気の庭を作りたいと思ったら、やはり青い花は欠かせませんよね。そこで、ルリマツリ以外の青い花を咲かせる植物も、ぜひチェックしてみてくださいね。いずれも育て方は簡単な種類なので、気軽に栽培できますよ!
ブルーデージーとは?種類や花言葉、育て方まで解説!寄せ植えのコツは?
ブルーデージーの美しい花色は、ガーデンでとても映え、花壇のほかバスケット仕立てにしても素敵です。ブルーデージーは比較的強い植物ですが、ちょっ...
秋の風物詩!キキョウの基本情報まとめ【植物図鑑】
萩・すすき・葛・おみなえし・なでしこ・ふじばかまとともに秋の七草の1つとして知られるキキョウ。主流は、鮮やかな紫色ですが、白キキョウにも違っ...