はじめに
防水コネクタと呼ばれる電気関係の部品がありますが、いったい防水コネクタとは何なのでしょうか。そして普段何気なく使っているコネクタという言葉、実際どのような部品を指すのかよくわからない、そんな方のために今回はコネクタにも触れる防水コネクタの紹介、そしてその種類や選び方などをご紹介します。防水コネクタを製造するメーカーも様々ですので興味深いです。電気関係のことをまったく知らないけれど興味がある・学んでみたい、そんな方に読んでいただきたい記事です。
防水コネクタとは
防水機能を備えたコネクタ
防水コネクタは防水機能を備えたコネクタです。コネクタ本来の機能に防水機能が加えられています。そのため、屋外や厳しい環境下においてもコネクタを使用することができるようになったのです。今日では、コネクタを使って機器の接続を行うことがかなり普及しています。そのため、屋内の安定した環境下だけでなく、屋外や現場など、これまで使われてきた安定した環境以外でも使える種類のコネクタが必要となったのです。
そもそもコネクタとは
防水機能を持たせたコネクタを防水コネクタと呼びますが、そもそもコネクタとは電子機器同士を接続させるために必要な部品です。例として1つ挙げますと、スマートフォンになります。スマートフォンは単体での私用が可能ですが、パソコンに入っているデータをダウンロードするためにUSBケーブルでパソコン本体に接続することがあります、ここで使われているケーブルがコネクタとなるのです。コネクタには端子と呼ばれる金属部があり、オス端子とメス端子の2種類の端子があります。これらの端子の開発には各メーカーのこだわりがあります。
幅広い分野で使用されるコネクタ
上記で紹介したコネクタは自宅での使用例になります。これだけでなく、車載機器やアミューズメントを代表とする娯楽機器、AV機器や産業機器などにもコネクタが使われているのです。このことからわかるように、ケーブルなどのコネクタは場面によっては非常に負担のかかる場面で使用されることになります。室内だけでなく場合によっては屋外で使われる種類もあるので、今回紹介する防水コネクタが必要となるのです。
基盤対ケーブル向け防水コネクタも
基盤対ケーブル向けコネクタが存在するように、基盤対ケーブル向け防水コネクタも販売されています。基盤対ケーブル向けコネクタおよび基盤対ケーブル向け防水コネクタの種類も豊富です。また、防水コネクタの1種には水中コネクタと呼ばれるものがあります。水中コネクタは水中で発生する水圧に絶えられる性能を持ったコネクタです。水中での耐水性・防水性に非常に優れたコネクタとなっています。
基盤と基盤を繋ぐコネクタもある
また、基盤と基盤同士を接続するコネクタも存在するのです。そのようなコネクタは基盤対基盤用コネクタと呼ばれます。このようなコネクタは電源用コネクタの1種類となっていて、電源用コネクタの中にはこの他にも基盤対ケーブルコネクタやプラグインコネクタ、中継コネクタなどが存在します。
防水コネクタの構造
ケーブルにアッセンブリーを行う
防水コネクタの構造ですが、ケーブルにアッセンブリー(組み立て)が行われ、防水機能を持ったコネクタへと仕上げます。具体的には、ケーブルにキャップを被せて防水・防塵機能を与えているのです。防水コネクタの構造を客観的に評価したものがIP(Ingress Protection)等級になります。防水に関して、IPの後にくる数字で重要なのは66-68番です。
IP以外の保護機能もある
上述したIP保護機能以外にも多種類に渡る保護機能を付けている防水コネクタがあります。例えば、高温度範囲でも耐えられるようにしたものや、頑丈なハウジングがアッセンブリーされた防水コネクタなどです。水中だけでなく高温度下などでも電源の供給などのためにコネクタが必要となるため、これらの機能が搭載されています。各メーカーもいろいろな種類の防水コネクタを開発・製造・販売しています。
防水コネクタの種類その1
極数によるタイプ分け
防水コネクタによって極数が決まっています。例えば、ヒロセが販売する、端子構造が頑丈なことなどを売りと下DF62W シリーズですと、極数のバリエーションは2/3/4/6/9です。同メーカーのDF63W シリーズでは極数は2/3/4となっています。このように、防水コネクタ(ないしはコネクタ)の種類ごとに極数が決められているので、購入の際は確認しましょう。
タイプによっては極数がもっと多いものも
防水コネクタによっては極数がもっと多いものも存在します。防水コネクタの極数で最大114のものがあるなど、タイプによって極数も様々です。極の数が2極や4極のものから、21極、さらには114極と、防水コネクタの極数事情も複雑になっています。極数の合った防水コネクタを選ぶ必要がありますが、その防水コネクタの接続先の電流と電圧や端子の材質種類など、選定にあたって必要な要素は他にもあるので注意が必要です。
防水コネクタの種類その2
防水コネクタの形状
防水コネクタの形状は種類によって異なります。コネクタや防水コネクタを製造・販売するレオのラインナップを見ると、その防水コネクタ部分の形状(取り付け方)によって6種類ほどの防水コネクタがラインナップ上に載っています。これら6種類のコネクタは、その差し込み部形状がプッシュプルタイプの丸型コネクタや小型プッシュプル丸型コネクタ、ラチェットスクリューシステム採用の丸型コネクタなどに分けられます。
色分けして間違いをなくす工夫も
防水コネクタの色分けをすることで異なる防水コネクタ同士を間違えて嵌合することを防ぎ、正しい接続を行うようにできます。丸型や小型などであれば差し込み口形状で判断できますが、丸型だけであったり小型だけが採用されている状況の場合に防水コネクタの色分け効果の恩恵を多く得られます。
防水コネクタの選び方その1
特徴で選ぶ
防水コネクタの選び方その1は防水コネクタの特徴で選ぶ方法です。防水コネクタの特徴とは、具体的にはサイズや対応している気温範囲、そして防水対策がどれくらい施されているのか、などを示します。これらの情報は防水コネクタに記載されているので、その都度確認すれば間違えることはないでしょう。コネクタの形にも丸型や小型などいろいろありますので、それらも合わせて確認しましょう。
規格やボディカラーも注意しよう
防水コネクタを選ぶ際には規格やボディカラーも考えて選びましょう。防水コネクタは上述したとおり、接続する電源の場所や接続環境によって、その管理場所の状態は様々です。そのため使用用途に合わせた規格の防水コネクタを各メーカーが販売しています。必要とする性能を備えたものを購入するのは良いですが、不必要な性能を持っているものを購入しても意味がないので、確認しましょう。
防水コネクタの選び方その2
使用用途
防水コネクタの選び方その2は使用用途基準の選び方です。各メーカーが製造・販売する防水コネクタは、その使用用途をあらかじめ考えたうえで作られています。そのため、最も適した選び方として、自身が防水コネクタを使おうと考えている使い方に合致するないしは近いものを選択すると良いでしょう。それなら、小型や丸型、2極か4極かなどを心配することなく選べる可能性も高くなります。使用用途さえわかっていれば、それに合ったスペックの物を選択すればよいので、調べやすいです。
嵌合時防水型をチェック
防水コネクタを選ぶうえで必ずチェックしたいのが嵌合時における防水型です。これですが、IPの番号をチェックすれば良いでしょう。IP等級の確認方法ですが、防水コネクタであれば必ず製品カタログに載っていますので、そこで確認してください。ケーブルに使われる防水コネクタのIP等級によく登場するのがIP66やIP67、IP68などになります。10の位にある数値6は防塵を、そして1の位の6・7・8はどれくらいの防水能力を備えているのかを示します。水中でも長時間使えるかどうかを示すのがIP68です。
防水コネクタ製品の紹介その1
オールプラスチックの低背防水コネクタ
JAEのJN14 シリーズは小型サーボモータ向けに作られた低背の防水コネクタです。この低背防水コネクタの芯数は3種類で、4芯・2芯・9芯から選ぶことができます。2極と4極そして9極を揃える製品です。4芯は電源用コネクタ、2芯はブレーキ用、そして9芯はエンコーダ用となっています。オールプラスチックの材質で作られているため軽量かつ低コストな防水コネクタとなっているのが特徴的です。
低背型ねじ止め嵌合方式
この防水コネクタは低背型ねじ止め嵌合方式となっています。この嵌合方式の特徴は嵌合強度、耐振性そして防水性に優れている点です。嵌合時における防水性能はIP67を備えています。雪像性能だけでなく防水性能も高められているので、金属筐体への取り付けも行いやすくなっているなど、取り付け・性能・コストの3面において優れている防水コネクタとなっています。
防水コネクタ製品の紹介その2
小型・丸型コネクタ
JN1/JN2 シリーズは丸型・小型の防水コネクタになります。極数は4極と10極の2タイプで、2極はありません。JN1とJN2、どちらも共にIP等級67番に該当する防水性能を備えています。これらの防水コネクタは産業用機器のインターフェイス向けに設計・製造されているのが特徴的です。
材質や嵌合にもこだわる
どちらの防水コネクタもワンタッチロック機構となっています。JN1はオールプラスチックで軽量性が特徴的、これに対してJN2はプラスチックに加えて部分的に金属を採用したつくりです。これによって防水コネクタの強度はJN2は高くなっています。取り外しも簡単・確実に行えるようになっている、小型で使い勝手の良い防水コネクタです。
まとめ
コネクタに防水機能を付けた防水コネクタと言えども使用用途や性能、電源や基盤にケーブルといった接続対象物や2極・4極などの極数で様々な種類に分けられています。屋外などへの機器の設置にあたって防水コネクタが必要となる場合には、電源・ケーブルなど何に接続するのか、防水機能はどれくらい必要なの、水中で使うの他水中コネクタにするのか、極数は2極・4極などどうなっているのか、これらのポイントを抑えたうえで適切な防水コネクタを購入・取り付けするようにしましょう。
配線コネクターが気になる方はこちらもチェック!
エレクトロタップ(配線コネクター)の使い方!間違えると危険?正しい配線方法!
エレクトロタップという配線コネクターは、電源分岐に非常に便利なアイテムです。エーモンというメーカーの品が有名です。このエレクトロタップ・配線...
【スペック】
使用用途:サーボモータ、工作機械、ロボット、通信機器など各種産業機器
防水性能:IP67 (コネクタ嵌合時)
材質:オールプラスチック