はじめに
近年ロードバイクに乗るユーザーが増えてきました。ロードバイク関連記事でよく使われるワードがコンポーネント、今回はそのコンポーネントとは一体何なのかをご紹介します。また、各コンポーネントメーカーがラインナップに揃えるコンポーネントグレードも様々です、それらの用意されているグレードも合わせて紹介していきます。
ロードバイクのコンポーネントとは
ロードバイクの駆動関係部品
ロードバイクのコンポーネントとはロードバイクの駆動に関係する部品をまとめた言葉です。基本的に自転車は後輪を駆動させて動く力(駆動力)を生み出しますが、その駆動を生み出すためにはギアやチェーンなどが必要になります。これらの駆動に関わるさまざまな種類の部品すべてをまとめてコンポーネント読んでいるのです。自転車のグレードやメーカーに関わらず、必要不可欠な部品になります。
製造メーカーとグレードを揃えるのが現代の基本
現代のロードバイク自転車にコンポーネントを取り付ける場合、基本は製造メーカー及びそのグレードを揃えることが基本となっています。コンポーネントの製造メーカーはシマノ・カンパニョーロ・スラムの3大メーカーが主流で、メーカーの知名度も知れ渡っています。これらのメーカーは全ての種類のコンポーネント(フルコンポーネント)を製造しているメーカーでもあるのです。そしてグレードの異なるコンポーネントを発売するなどしています。
昔は各メーカーの部品を組み合わせていた
今では見られませんが、昔はコンポーネントに当たる部品をメーカーを1つにまとめることなく、様々なメーカーの部品を組み合わせて自転車を組み立てていました。しかし、上述したカンパニェーロは各メーカーの種類の異なる部品を組むよりも自社で設計・製造することで作り出したセット部品を組むほうが比較して良い性能を発揮するとして新たな部品供給を提案したのです。それが現代におけるコンポーネントの誕生となりました。
ロードバイクのコンポーネント種類その1
スプロケット
ロードバイクのコンポーネント種類その1はスプロケットです。通称カセットスプロケットと呼ばれる部品で、自転車後輪の中心に取り付けられているギアのまとまりを指します。ギア数の確認方法は取り付けられているギアを数を数えればよいのですが、リアの速数はこのギア数に一致しますので、カタログなどで確認可能です。メーカーやグレードによってギア数などの種類が異なります。
コースによってスプロケットを使い分けることも
ロードバイク自転車に乗る方々は種類の異なるスプロケットをいくつか所有している方が多いです。この理由としては、平坦な道や上り坂の道とったように路面角度によってギア比の種類を使い分けると加速がしやすかったりするなどがあります。俗に言うワイドレシオとクロスレシオと呼ばれるものです。隣のギアの歯数と近いとクロスレシオ、離れているとワイドレシオと言います。
ロードバイクのコンポーネント種類その2
リアディレイラー
ロードバイクのコンポーネント種類その2はリアディレイラーです。リアディレイラーは後輪に組まれているギアの変速を行う変速機になります。ロードバイクに組まれている中でも特に酷使される部品です。基本的にフロントディレイラーを使うことはあまりないのですが、リアのギアの変速は必ず行います、そのため負担がかなりかかることになります。
強度(寿命)や精度、変速数などが肝となる
ロードバイク自転車にとってリアディレイラーは重要なコンポーネントです。酷使されるコンポーネントであることから、他の部品と比較しても、より高い強度(寿命)や精度が必要とされます。また、リアディレイラーの仕様によって取り付けられる変速数が決められており、細かな仕様確認や調整が必要となるのです。
ロードバイクのコンポーネント種類その3
BB(ボトムブラケット)
ロードバイクのコンポーネント種類その3はBB(ボトムブラケット)です。ボトムブラケットは自転車の中でも力のかかるパーツの1つになります。そのため、上記で紹介したリアディレイラー同様寿命を長くするためにも剛性や精度にこだわって設計されるのです。ボトムブラケットの取り付け位置はダウンチューブとシートチューブが交わる下部分で、ギアの内側にあるフレーム筒部分となります。ボトムブラケットは回転軸としてその役割を果たします。
クランクとセットの選び方
ボトムブラケットの選び方ですが、クランクとセットで取り付けるため、クランクに合ったボトムブラケットを選ぶ選び方が必須です。さらに、ボトムブラケットのサイズやフレームに取り付ける方法がネジ式・圧入式かどうか、BBの内径や対応フレームなど、グレードを選ぶ前にこれらのサイズのあった選び方が必要となります。サイズを比較して探すのがおすすめです、行きつけのサイクルショップがあればそこで相談しましょう。
ロードバイクのコンポーネント種類その4
フロントディレーラー
ロードバイクのコンポーネント種類その4はフロントディレーラーです。フロントディレーラーはフロントにあるギアを変速するのに使われるディレーラーになります。リアディレーラーは後輪にある7速以上もあるスプロケットを変速しますが、これに対してフロントギアは2-3速程度です。フロントディレーラーを使う、つまりフロントギアを変速しなくてもリアギアの変速だけで走行可能なため、ギア固定でも問題ありません。
調整が大事
フロントディレーラーにせよリアディレーラーにせよ、取り付けはそれほど難しくありませんが調整が肝になります。ディレーラーは頻度を比較するとしても、どちらも変速に関して重要なコンポーネントです。取り付けの際には正しい選び方で対応するものを購入して、調整をしっかり行いましょう。
ロードバイクのコンポーネント種類その5
クランク
ロードバイクのコンポーネント種類その5はクランクです。クランクは上記紹介したボトムブラケットとセットで取り付けられるコンポーネント部品になります。クランクの片側をボトムブラケットに固定し、もう片側にペダルを取り付けて、そのペダルを漕ぐことで駆動がかかる仕組みです。また、クランクそれ自体にギアとなる部分が組まれています。つまり、クランクは自転車の駆動を生み出すために必須なアイテムとなります。
材質や取り付け方法も様々
各メーカーが開発しているクランクですが、取り付け方法や使用される材質はメーカーやそのグレードによって異なります。クランクの材質で主流なものはアルミ合金となります。その他の材質として、炭素繊維強化樹脂(CFRP)やチタン合金、そして鋼などが挙げられます。さらに、メーカーによってはクランクとボトムブラケットをセットにして、そのセットに名称を付けて販売しています。例として、シマノが販売するホローテック IIが挙げられます。
ロードバイクのコンポーネント種類その6
コントロールレバー
ロードバイクのコンポーネント種類その6はコントロールレバーです。コントロールレバーと言うと、シマノが開発したデュアルコントロールレバーが現代では特に一般的となっています。デュアルコントロールレバーとは、自転車のブレーキレバーとシフト(変速)レバーの2つが1つの構造にまとめられているものです。具体的には、それまでのコントロールレバーと比較して、握り替えをすることなくブレーキレバーとシフトレバーを操作することができます。
グレードによって品質が違う
コントロールレバーの品質はそのグレードによって異なります。グレードだけでなく、メーカー毎に比較してスペックが違うなど、他のコンポーネントと同様に奥の深い部品です。選び方のコツとしては、購入の際にメーカー毎のスペックを比較や、メーカー内のグレードによる比較を行う、そして予算に合わせて購入すると良いでしょう。
ロードバイクのコンポーネント種類その7
ブレーキ
ロードバイクのコンポーネント種類その7はブレーキです。ブレーキと言えば自転車・自動車・バイクなど、駆動を生み出す乗り物であれば必ずなくてはならない部品になります。ブレーキの種類も豊富です。ママチャリを代表として世間一般に普及している自転車の後輪に使われている、交輪軸を金属との摩擦でブレーキをかけるハブブレーキ、そしてそのフロントブレーキで主流なのはホイールリムにパッドを当てることで摩擦を生み出すリムブレーキです。
様々なブレーキたち
上記で紹介したリムブレーキには、キャリパーブレーキやロッドブレーキ、そしてVブレーキやダイレクトマウントブレーキと呼ばれるものがあります。この中でロードバイクで使われているブレーキはVブレーキやダイレクトマウントブレーキです。また、ハブブレーキだけでなく、今ではディスクブレーキも存在します。このように、ロードバイクの中でもブレーキに様々な種類があり、メーカー毎に性能も異なることから、選び方が難しいです。
ロードバイクのコンポーネント種類その8
チェーン
ロードバイクのコンポーネント種類その8はチェーンです。チェーンはクランクやボトムブラケットなどが生み出した動力を後輪部のスプロケットに伝えるのに必要不可欠な部品になります。ご存じのとおり、スプロケットのギア数は車両によって異なりますので、その車両の変速数に合ったチェーンを選ぶことが重要です。メンテナンスが大切な部品でもあります、メンテナンスによって寿命や性能が如実に表れる箇所です。
グレードによって品質が変わる
車両によって決められた専用のチェーンを選ぶことがチェーンの選び方の基本です。ギアの変数が増えれば、それだけチェーンプレートの厚みが薄くなる、これがチェーンの特徴となります。また、専用のチェーンでもグレードのよってその品質が変わってきます。わかりやすい例として、ギアに防錆処理が施されているかどうかということです。グレードの高いモデルなら、低いグレードのものと比較して防錆処理の程度が高いです。予算や必要スペックに合わせた選び方がおすすめとなります。
ロードバイクのコンポーネントメーカー
シマノ
シマノ(SHIMANO)は自転車部品を作っている国産メーカーです、大阪に本社を構えています。釣用品を作っていることでも有名です。シマノのコンポーネントは他メーカーと比較して、安価でありながら耐久性が強く長寿命なのが特徴的です。日本国内で販売される完成車のコンポーネントにはシマノ製コンポーネントが多く採用されています。耐久性・寿命、そして性能に価格帯を基準にコンポーネントを探す選び方をされる方ならおすすめのメーカーです。
カンパニョーロ
カンパーニョはロードレース好きならだれでも知っているイタリア発祥のコンポーネントメーカーです。創業されたのは1901年と20世紀初頭、まさに老舗中の老舗ブランドとなります。シマノのコンポーネントと比較して価格は約2倍です。性能は高いですが、他メーカーと比較して、性能よりもその造形の完成度が非常に高く、評価されています。性能・耐久的にはシマノのほうが高いと言われているのが現状です。価格がシマノの2倍であるにもかかわらず耐久性や寿命などが劣りますが、満足度基準の選び方や見た目重視で予算が多い方ならおすすめのメーカーです。
スラム
スラムはアメリカ発コンポーネントメーカーです。グランツールでスラムのコンポーネントを採用するチームもあり、性能・耐久・寿命的にも認められているメーカーになります。他の2つのメーカーと比較して、新しい技術を積極的に導入していることでも知られています。これら3つのコンポーネントメーカーの中では普及率が比較的低いです。
ロードバイクのコンポーネントメーカーのグレードその1
シマノのコンポーネントグレード
シマノのコンポーネントグレードは合計7種類です。その7つの中で最上位グレードとして製造・販売されているグレードはDURA-ACE(デュラエース)と呼ばれています。デュラエースは軽量性と耐久性、性能に優れたコンポーネントグレードです。プロフェッショナル(プロ)向けのグレードとして知られています。プロ向けというだけあり、価格はその下位グレードにあたるアルテグラの約2倍であるなど、非常に高価なコンポーネントとなっていますので、ツーリングや街乗り車両向けコンポを選ぶ選び方には向いていません。
2つ目に高いグレードのアルテグラ
シマノのコンポーネントグレードの中で2つ目に高いグレードはアルテグラと呼ばれています。アルテグラの特徴は価格の割にパフォーマンス性能が高い、つまりコスパに優れているということです。ツーリング向けロードバイクだけでなくロードレースに参加する車両に採用しても十分な性能を持っているので、これからロードレース参加を考えている方におすすめできます。
その他グレード
上記2つのグレード以外には、グレード順に紹介しますと、105、ティアグラ、ソラ、クラリス、ターニーとなっています。この残り5つのグレードの中でレース用としておすすめできるグレードは105とティアグラです。ソラ以降のグレードは街乗り車両向けグレードと考えると良いでしょう。
ロードバイクのコンポーネントメーカーのグレードその2
カンパニョーロのコンポーネント
カンパニョーロのコンポーネントグレードは合計6種類です。その6つの中で最上位グレードに当たるのがスーパーレコードと呼ばれるグレードになります。スーパーレコードのコンポーネントは材質にカーボンが使われて軽量な点が売りの一つです。寿命を長くためにメンテナンス必須となるので、寿命をできるだけ長く保つためにも小まめなメンテナンスが重要になります。
レコード:シマノでいうところのデュラエース
スーパーレコードの次に高いグレードはレコードです。スーパーレコードとレコードの違いは部分的にカーボンではなくチタンが採用されていることになります。レースなどで酷使するような車両であれば、カーボンよりもメンテナンスの手間が省けるチタンを使っているレコードのほうが寿命の点でおすすめです。スーパーレコードに負けない高級感あふれるグレードコンポーネントとして仕上がっています。
その他グレード
その他グレードには、上位グレード順で、コーラス、アテナ、 ポテンツァ、ベローチェが用意されています。コーラスまでは材質にカーボンが採用され折り、アテナ以下のグレードではカーボンは私用されていません。ポテンツァに関しては、コストパフォーマンスが高いので高級コンポのカンパの中でも購入しやすいグレードとなっていておすすめです。
ロードバイクのコンポーネントメーカーのグレードその3
スラムのコンポーネントグレード
スラムのロードバイクコンポーネントグレードは4つになります。最高グレードはレッド(Red)です。レッドの特徴として挙げられるのは無線式電動コンポになります。無線式電動はイータップと呼ばれる電動式コンポーネントで、無線でコンポーネントを管理することでハンドル周りを従来のものよりもスッキリさせられます。機械式コンポーネントなら3メーカーの中で最軽量の1,800gです。
シマノのアルテグラと比較されるグレードのフォース
レッドの次に高いグレードはフォース(Force)と呼ばれています。コンポーネントの中ではミドルグレードに該当するグレードで、コストパフォーマンスが高いコンポーネントグレードです。スラムのフォースグレードはシマノのアルテグラと比較されることが多いのですが、価格重視で選ぶならアルテグラで、重量重視で選ぶならフォースがおすすめです。
その他2つのグレード
その他2つのグレードはライバル(Rival)とアペックス(Apex)です。どちらのグレードも価格帯は上記で紹介したグレードと比較して安く抑えられています。しかし、安く抑えられている分、特にアペックスに関しては耐久性・寿命などはそれほど高くありません。入門向けグレードにおすすめです。
まとめ
数ある自転車構成部品の中でもコンポーネントは各社が競って開発を行っている重要な部品たちです。価格が高くなれば性能は高くなりますが、予算や使い方によっておすすめのグレードは異なります。行きつけのショップやチーム内、友人・知人間でおすすめのコンポーネントグレードなどを確認してからコンポーネントを購入するようにしましょう。
ロードバイクが気になる方はこちらもチェック!
ロードバイク入門!購入時の失敗しない選び方や初心者向けモデルまでご紹介!
憧れのロードバイクを購入しようとお考えのあなた。ここではロードバイク入門者が、初めてロードバイクを購入する時のポイントや、選び方の注意事項を...